「定着率を上げる方法を知りたい」
「定着率の平均値が気になる」
「定着率が高い会社の特徴を知りたい」
上記のように悩んでいる人も多いでしょう。定着率を上げる方法は、柔軟な働き方の採用やキャリア・スキルアップの支援、企業ビジョンの共有など、さまざまです。
本記事では、定着率を上げる方法や定着率を上げるメリット、定着率の平均値や定着率が高い会社の特徴を紹介しています。さらに定着率が低いとどうなるのかについても解説しているため、気になる人はぜひ参考にしてください。
福利厚生を充実させることは採用・定着にもつながるため重要ですが、よく手段としてとられる賃上げよりも低コストで従業員満足度をあげられる福利厚生サービスがあることをご存知でしょうか。
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1. 定着率を上げる9つの方法
定着率を上げる方法は、次の通りです。
- 柔軟な働き方を採用する
- 社内コミュニケーションを促進する
- キャリア・スキルアップを支援する
- 人事評価制度を整える
- 採用時のミスマッチを防止する
- 褒める文化をつくる
- 従業員の意見を尊重する
- 福利厚生を充実させる
- 企業ビジョンを共有する
それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
1-1. 柔軟な働き方を採用する
定着率を上げる方法として、柔軟な働き方の採用が挙げられます。育児や介護などのさまざまな理由から、会社が定めた勤務時間や勤務場所で働き続けることが難しい従業員もいるためです。
具体的には以下の導入を検討しましょう。
- 一部・完全在宅勤務
- フレックスタイム制
- 各種休暇の取得促進
- 残業時間の上限設定
- ノー残業デー
柔軟な働き方の採用は、従業員の働きやすさが向上するだけでなく、従業員のワークライフバランスへの配慮にもつながります。
それぞれに合う働き方を選択できることが、従業員のストレス軽減やワークライフバランスの改善につながるでしょう。結果、従業員の満足度の上昇による、生産性の向上も期待できます。
1-2. 社内コミュニケーションを促進する
社内コミュニケーションの促進も、定着率を上げる方法の一つです。不十分な社内コミュニケーションにより、業務の効率が落ちたり、人間関係が悪化したりすると、従業員満足度が下がり離職の原因にもなります。
次のような社内コミュニケーションを活発にするための環境作りや施策の実施により、人間関係の不満の軽減を見込めるでしょう。
- 全部署が利用できる休憩室の設置
- 従業員同士がやり取りできる社内SNSの導入
社内コミュニケーションの促進は、上司と部下、他部署の従業員間などの信頼関係の構築にも役立ちます。
1-3. キャリア・スキルアップを支援する
定着率を上げる方法として、キャリアアップやスキルアップの支援を充実させる方法もあります。長く働いてもスキルやキャリアの向上が見込めないことが、離職理由の一つとなるためです。
階層ごとに求める行動や業務、必要な知識やスキルを提示し、従業員のキャリア形成をイメージしやすくする方法もよいでしょう。適切なタイミングで研修を実施したり、資格取得を支援したりすると、従業員のモチベーション維持にもつながります。
従業員が自主的に成長できる体制を整えることが大事です。
1-4. 人事評価制度を整える
明確な人事評価制度の整備も、定着率を上げる方法の一つといえます。人事評価の基準が曖昧だったり、公表されていなかったりすると、正当な評価を求める従業員の不満が増し、離職の原因となるためです。
成果や業務内容など、明確な基準による人事評価制度を導入しましょう。また昇給や昇進についても、能力や適性に応じた判断であれば、従業員からの厚い信頼を得られます。
1-5. 採用時のミスマッチを防止する
採用時のミスマッチを防止することも定着率を上げる方法のひとつです。希望していた職種に就けなかったり、入社前のイメージと大きく異なっていたりすると、会社に対する不信感から離職を考える従業員もいます。
従業員がすぐに離職してしまうと、コストや手間をかけて採用する意味がなくなってしまいます。入社前に職場見学会を実施する、求人票に正確な内容を記載するなど、採用時のミスマッチを防止するようにしましょう。
1-6. 褒める文化をつくる
定着率を高めるためには、褒める文化をつくることも大切です。従業員の成果や能力を褒めると、モチベーションアップにつながります。褒められることで大切に育てられていると感じ、会社への愛着が増すでしょう。
無理に褒める必要はありませんが、従業員が努力した内容や達成した目標を把握して、適切に評価していくことは重要です。
1-7. 従業員の意見を尊重する
従業員の意見を尊重することも定着率の向上につながります。職場環境を改善しようと思っても、従業員のニーズを把握していなければ、正しい対策を検討することができません。
せっかく対策を講じても、従業員のニーズと異なっているとコストが無駄になってしまいます。定着率を高めるためには、アンケートやヒアリング調査などを実施して、従業員の意見を把握することが必要です。
1-8. 福利厚生を充実させる
福利厚生の充実も定着率を高める方法のひとつです。福利厚生を充実させれば、給与や賞与以外で従業員の生活や健康をサポートできます。住宅補助や健康サポートなど、さまざまな種類の福利厚生があるため、従業員のニーズに合わせて導入しましょう。
1-9. 企業ビジョンを共有する
定着率を上げる方法として、企業ビジョンの共有もあります。企業ビジョンを共有すると、会社の方向性が明確になり、従業員の仕事に対するモチベーションや会社への貢献意欲が向上するためです。
また従業員の会社に対する愛着や信頼が増し、従業員エンゲージメントの上昇も見込めるでしょう。経営者層が周知に努めた場合には、より大きな効果を期待できます。
2. 定着率を上げる5つのメリット
定着率を上げるメリットは、次の通りです。
- 人材育成・採用のコストを減らせる
- 優秀な人材を確保できる
- 従業員の満足度が上昇する
- 業績が安定する
- 企業のイメージがよくなる
以下、各メリットの詳細を紹介します。
2-1. 人材育成・採用のコストを減らせる
定着率を上げるメリットの一つは、人材育成・採用のコストを減らせることです。
定着率が上がると長く働く従業員が増えるため、度重なる離職者の代わりに新たな人材を採用した場合と比べて、教育研修費用を抑えられます。
また定着率が上がると離職率が下がるため、求職者から見た企業イメージが上昇し、募集に対して十分な求職者が集まりやすいです。結果、採用費用の減少につながるでしょう。
2-2. 優秀な人材を確保できる
優秀な人材を確保できることも、定着率を上げるメリットに挙げられます。定着率を上げるために従業員が働きやすい環境を整えると、優秀な人材が会社に留まる確率も上がるためです。
優秀な人材ほど転職が容易なため、離職しやすい傾向があります。定着率を上げると優秀な人材の流出予防になるだけでなく、優秀な人材の定着率の上昇による業績アップも期待できるでしょう。
2-3. 従業員の満足度が上昇する
定着率を上げるメリットには、従業員の満足度の上昇もあります。さまざまな定着率を上げる方法の実践で、従業員が安心して働き続けられる環境が整うためです。
従業員の満足度が上昇すると、仕事に対するモチベーションがアップしたり、自主性が向上したりするため、生産性の上昇も期待できます。
2-4. 業績が安定する
定着率が高いことは労働力が安定していることを意味するため、長期的な事業計画を立てやすくなります。また、社内にノウハウを蓄積できることや、商品・サービスの品質が安定することなども期待できるでしょう。
2-5. 企業のイメージがよくなる
定着率が高いことは、企業のイメージアップにつながります。前述の通り、定着率が高いことで働きやすい職場であると認識されるため、採用活動が効率よく進むようになるでしょう。
また、安定している企業であるとして、投資家からのイメージがよくなるケースもあります。その結果、資金調達がしやすくなり、新しい事業を展開できる可能性も高まります。
3. 定着率が低いとどうなる?採用コスト増加のおそれ
定着率が低いまま放置していると、企業イメージの低下により採用活動に悪影響がおよび、採用コストが増加するでしょう。また、教育コストが無駄になってしまうことも大きな問題です。
さらに人材が育たないため、ノウハウが蓄積できなかったり生産性が低下したりして、事業成長にも悪影響を与える可能性があります。
定着率が低いと人材の入れ替わりが激しいため、従業員の通常業務が滞る可能性も高いでしょう。退職者が出るたびに、業務量が増加したり、引き継ぎ業務に時間を取られたりするためです。
結果、従業員のモチベーションが下がり、離職につながる悪循環が生まれます。
4. 定着率が高い会社の特徴
定着率が高い会社の特徴は、次の通りです。
- 報酬が高い
- 福利厚生が充実している
- 従業員のワークライフバランスに配慮している
- 多様な人材が働きやすい環境を整えている
- 良好な人間関係が築かれている
- 社員教育が充実している
- 適性に応じた業務が与えられている
- 採用でのミスマッチが少ない
- 明確で公平な評価制度がある
- 将来的な会社のビジョンが共有されている
定着率が高い会社では、従業員が安心して長く働き続けられるような環境作りに力を入れています。また従業員から信頼を集める制度や方針、将来的なビジョンをもつ会社が多いです。上記のような特徴を参考にして、定着率を高める取り組みを進めていきましょう。
5. 常用労働者の定着率は84.6%
厚生労働省の雇用動向調査をもとに、「100% – 離職率」の計算式で算出した常用労働者の定着率は、84.6%でした。性別や就業形態別の定着率は次の通りです。
【常用労働者の定着率】
男性 |
86.2% |
女性 |
82.7% |
一般労働者 |
87.9% |
パートタイム労働者 |
76.2% |
上記の調査では、女性よりも男性、パートタイム労働者よりも一般労働者の定着率が高い結果となっています。
また同調査によると、男性・女性ともに離職率よりも入職率のほうが高い「入職超過」の状態になっていることがわかりました。就業形態別にみると、一般労働者の場合は入職率と離職率が同率、パートタイム労働者の場合は入職超過となっています。
5-1. 定着率と離職率の違い
定着率とは、一定期間を超えて継続勤務している従業員の割合のことです。一方の離職率は、一定期間内に退職した従業員の割合を指します。
2つの割合は対になっており、定着率が高くなると離職率は下がり、定着率が低くなると離職率は上がるという関係にあります。
6. 定着率を上げる方法を実践したら計算で経過観察
定着率を上げる方法を実践したら、効果の有無をチェックするために、定期的に定着率を計算して経過観察しましょう。
定着率の計算方法は次の通りです。
(入社した人数 - 退職した人数)÷ 入社した人数 × 100 = 定着率 |
たとえば、1年間に10人が入社し、3人が退職した場合には、次のように定着率は70%となります。
(10 - 3)÷ 10 × 100 = 70 |
定着率の算出方法に関して、絶対的な決まりはありません。前述の通り、「100% - 離職率」という方法で算出することもできます。
また、上記では1年の期間で計算していますが、定着率の計算に用いる期間は企業ごとにさまざまです。自社の状況にあわせて期間を設定し、計算しましょう。
7. 定着率を上げて採用コストを削減しよう!
今回は、定着率を上げる方法や向上させるメリットなどについて解説しました。定着率を向上させることには、採用コストや教育コストを削減できる、従業員満足度が向上するなどのメリットがあります。企業のイメージがよくなり、採用活動が効率よく進んだり、優秀な人材を確保できたりするケースも多いでしょう。
定着率を高めるためには、柔軟な働き方を選択できるようにしたり、社内のコミュニケーションを活性化させたりする必要があります。従業員を公平に評価できる制度を整えることや、キャリアアップを支援することなども重要です。まずは自社の定着率を算出したうえで、適切な対策を検討していきましょう。
福利厚生を充実させることは採用・定着にもつながるため重要ですが、よく手段としてとられる賃上げよりも低コストで従業員満足度をあげられる福利厚生サービスがあることをご存知でしょうか。
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