「カフェテリアプランに家賃補助を導入するメリットは?」
「家賃補助の税制上の取り扱いについて知りたい」
「平均的な家賃補助の金額はどのくらい?」
上記のような疑問をお持ちではありませんか。
カフェテリアプランにおける家賃補助は、従業員の経済的負担を軽減し、企業の福利厚生制度の充実を図るための重要な施策です。
本記事では、家賃補助をカフェテリアプランに導入するメリットや税制上の取り扱いについて詳しく解説します。さらに、平均的な補助金額や導入方法、注意点についても紹介します。
本記事を参考に、効果的なカフェテリアプランの家賃補助制度を構築するための知識を身につけましょう。
福利厚生を充実させることは採用・定着にもつながるため重要ですが、よく手段としてとられる賃上げよりも低コストで従業員満足度をあげられる福利厚生サービスがあることをご存知でしょうか。
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1. カフェテリアプランに家賃補助を導入する3つのメリット
カフェテリアプランに家賃補助を導入するメリットは次の3つです。
- 多くの従業員が利用できるため公平性が保たれる
- 企業のイメージアップや人材の確保につながる
- 条件により非課税として扱われる場合がある
1-1. 多くの従業員が利用できるため公平性が保たれる
カフェテリアプランに家賃補助を組み込むことで、多くの従業員が福利厚生を活用しやすくなり公平性を保ちやすいです。
カフェテリアプランは、従業員がさまざまな福利厚生メニューから自分に合ったものを選べるシステムです。しかし、自己啓発や健康支援、余興支援に興味がない従業員は利用しにくいのがデメリットになります。
家賃補助は生活費の一部をカバーするため、多くの従業員が利用でき、従業員にとって公平で有益な福利厚生を提供できるでしょう。
また、家賃補助を受けることで住環境が改善され、従業員はより快適な生活を送れるため、仕事への集中力やモチベーションも高まります。
1-2. 企業のイメージアップや人材の確保につながる
企業が家賃補助を支給することは求職者に対する大きなアピールポイントです。求人情報に「家賃補助有」と記載されていると、求職者は「この企業は福利厚生が充実している」と感じやすくなります。
家賃補助は非常に認知度が高く、多くの従業員が求める福利厚生の一つです。そのため、家賃補助を支給している企業は求職者から魅力的にうつり、採用活動もスムーズに進められます。
良い福利厚生は従業員のモチベーションを高め離職率の低下にもつながるでしょう。
1-3. 条件により非課税として扱われる場合がある
家賃補助は、特定の条件を満たすことで非課税として処理できます。
詳しい条件は次項で解説しますが、例えば社宅制度や借り上げ社宅制度を利用する場合、従業員から徴収する家賃が賃貸料相当額の50%以上であれば非課税です。
家賃補助が非課税扱いとなる場合、従業員の実質的な収入が増えるだけでなく、企業も税務負担が軽減されます。非課税メニューとして提供することで、企業と従業員の双方にとってメリットがある仕組みです。
2. カフェテリアプランの家賃補助の税務上の取り扱い
カフェテリアプランの家賃補助の税務上の取り扱いを以下の流れで解説します。
- 家賃補助が課税となる場合
- 家賃補助が非課税となる場合
2-1. 家賃補助が課税となる場合
家賃補助を含む住宅手当は、給与所得になるため課税対象です。
カフェテリアプランの家賃補助として、従業員に住宅手当のかたちで現金支給をした場合、金額は給与として課税対象となります。
また、従業員が賃貸料相当額の50%未満しか負担していない場合には、賃貸料相当額と従業員の負担額との差額が給与として課税対象となります。
例えば、賃貸料相当額が2万円で従業員の負担額が8,000円の場合、差額の1万2,000円が課税されるのです。
2-2. 家賃補助が非課税となる場合
企業が社宅制度や借り上げ社宅制度を利用すれば、家賃補助は非課税になる場合があります。
非課税になるには以下の条件を満たすことが必要です。
- 企業が契約するもしくは所有する物件であること
- 従業員が支払う家賃が賃貸料相当額の50%以上であること
また、賃料相当額とは以下の1から3の合計額のことです。
- (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%
- 12円×(その建物の総床面積(㎡)/3.3(㎡))
- (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%
参考:No.2597 使用人に社宅や寮などを貸したとき|国税庁
企業が所有する物件を従業員に貸し出し、従業員が賃貸料相当額の50%以上を負担することで家賃補助が非課税になるのです。
借り上げ社宅制度でも同様に、企業が不動産管理会社と賃貸契約を結び、従業員が賃貸料相当額の50%以上を支払う場合、家賃補助が非課税になります。
企業が社宅や借り上げ社宅を提供する際にも、物件の固定資産税や建物の総床面積などの詳細な計算が必要です。正確な計算と適切な記録管理が求められるでしょう。
3. カフェテリアプランに家賃補助の平均金額
日本経済団体連合が公表した「第64回福利厚生費調査結果の概要」によると、従業員1人1ヵ月の法定外福利費は2万4,125円でした。また、家賃補助を含む住宅関連は1万1,639円です。
参考:2019年度福利厚生費調査結果の概要2020年11月17日 | 日本経済団体連合
また、厚生労働省が公表した「令和2年就労条件総合調査の概況」によると、住宅手当の平均金額は1万7,800円でした。
企業規模別の住宅手当の平均支給額は以下の表の通りです。
企業規模 |
労働者1人の平均支給額 |
1,000人以上 |
2万1,300円 |
300~999人 |
1万7,000円 |
100~299人 |
1万6,400円 |
30~99人 |
1万4,200円 |
平均額は、企業の規模が大きくなるほど支給額も増加する傾向にあります。
カフェテリアプランに家賃補助を導入する際には、従業員のニーズや企業規模に応じた適切な支給額を設定することが重要です。
4. カフェテリアプランに家賃補助を導入する方法
カフェテリアプランに家賃補助を導入する場合は、以下の手順で進めましょう。
- 社内ニーズを把握する
- カフェテリアプランの制度設計をする
- 従業員へ説明する
- カフェテリアプランを実施する
- 効果の評価とフィードバックする
4-1. 社内ニーズを把握する
まずは従業員のニーズを把握しましょう。アンケートやヒアリングを通じて、従業員がどの程度家賃補助を求めているのか、またどのような支援を必要としているのかを明確にします。
例えば、従業員の多くが高額な家賃負担に悩んでいる場合、家賃補助は非常に効果的な福利厚生です。社内ニーズを把握することで、導入する家賃補助の規模や範囲を具体化できます。
4-2. カフェテリアプランの制度設計をする
家賃補助の具体的な制度設計をします。具体的には支給額や支給対象、支給条件を詳細に決定しましょう。
また、家賃補助を課税・非課税のどちらにするかも重要なポイントです。非課税にするためには、従業員が賃貸料相当額の50%以上を負担する必要があります。
前述した「家賃補助の税務上の取り扱い」を参考に、制度設計を進めましょう。
4-3. 従業員へ説明する
制度設計が完了したら、従業員にカフェテリアプランの家賃補助について説明します。
イントラネットや社内報、説明会を通じて情報を共有し、従業員がどのように家賃補助を受けられるかを理解してもらうことが大切です。利用に際してのQ&Aや、利用モデルの案内など、従業員が理解しやすいように資料を準備しておきましょう。
また、事前にチラシや社内ポスターもあると周知しやすいです。従業員が制度を十分に理解することが、利用料をあげるうえで重要になります。
4-4. カフェテリアプランを実施する
準備が整えば、カフェテリアプランを実際に実施します。従業員が家賃補助を申請するためのプロセスを整備し、申請から受給までの流れをマニュアル化しスムーズに利用できるようにしておきましょう。
また、管理部門は、申請書類の確認や支給の手続きを円滑にする必要があります。実際の利用時に混乱がないようにシミュレーションするなど事前準備をしておきましょう。
4-5. 効果の評価とフィードバックする
制度導入後は、定期的に効果を評価し従業員からのフィードバックを収集します。家賃補助制度が従業員の期待に応えているか、利用率はどうか、改善点があるか確認が必要です。
従業員の声を反映させることで、企業と従業員の信頼関係を強化し、従業員の満足度とモチベーションを高められるでしょう。
5. カフェテリアプランに家賃補助を導入するときの3つの注意点
カフェテリアプランに家賃補助を導入するときの注意点は次の3点です。
- 適切な支給金額の設定する
- 支給条件には公平性と透明性を保つ
- 管理と運用のコストを把握しておく
5-1. 適切な支給金額の設定する
家賃補助の支給金額は、従業員の生活水準や地域の家賃相場に応じて適切に設定する必要があります。過剰に低い支給額では従業員の負担軽減効果が薄れ、反対に高すぎる場合は企業のコスト負担が膨らむためです。
企業の平均的な支給額は月額1〜2万円程度となります。企業規模や地域によって異なることを考慮して設定することが重要です。
5-2. 支給条件には公平性と透明性を保つ
家賃補助の支給条件は明確に定義し、公平性と透明性を保つことが必要です。
例えば、以下のように具体的な基準を設定します。
- 正社員のみを対象とするか
- 長期勤務の非正規社員も含むか
- 世帯主であることを条件とするか
支給条件を明確にすることで、制度運用の透明性が確保され、従業員間での不公平感を避けられるでしょう。
5-3. 管理と運用のコストを把握しておく
家賃補助制度には以下の管理と運用が必要です。
- 申請手続きの管理
- 支給額の計算
- 税務処理
- 制度の運用管理
- システム導入と維持
管理部門の業務負担を考慮し、効率的な管理体制を整えることが重要です。
必要に応じて労務担当者は、業務負担を軽減するためのツールやシステムの導入も検討しましょう。適切な管理体制を整えることで制度の運用が円滑になります。
6. カフェテリアプランに家賃補助を導入している企業の事例
カフェテリアプランに家賃補助を導入している企業の事例を2つ紹介します。
- A社|カフェテリアプランに住宅・資産形成のメニューを導入
- B社|カフェテリアプランに住宅関係の補助を導入
6-1. A社|カフェテリアプランに住宅・資産形成のメニューを導入
A社では多様化する従業員ニーズへの対応と、福利施策のコスト管理の軽減のため2000年にカフェテリアプランを導入しました。
家賃補助に関する具体的な支援内容は次の通りです。
- 賃貸物件家賃補助
- 引越サービス利用補助
- 住宅ローン返済補助
- マンション・アパート管理費補助
- ファイナンシャル・プラン相談費用補助
住宅に関する経済的な負担を軽減し、転勤など住居不安の解消にもつながります。
また、A社では健康増進やリフレッシュ、介護などのメニューも用意されました。従業員の多様なニーズに対応することで、全体の満足度を高めています。
6-2. B社|カフェテリアプランに住宅関係の補助を導入
B社では、カフェテリアプランにおいて住宅関係の補助を積極的に導入しています。具体的な支援内容は次の通りです。
- 社宅・寮入居
- 住宅補助費
- 住宅ローンに対する利子の補助
家賃補助の導入により従業員の住居に関する経済的支援が強化され、安定した生活基盤が確保された事例です。
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