退職者の傾向の分析に必要なのは「3年後離職率」である理由 | 人事部から企業成長を応援するメディアHR NOTE

退職者の傾向の分析に必要なのは「3年後離職率」である理由 | 人事部から企業成長を応援するメディアHR NOTE

退職者の傾向の分析に必要なのは「3年後離職率」である理由

640business-suit-690048_1920 (1)

こんにちは!HR NOTE編集部 根本です。

6月、2017年度の新卒採用において、早い企業ではもう採用をクローズしたり、内定出しを行っていたり、本格的に選考をはじめたりと、各社さまざまかと思います。

そんな中、6月3日にマイナビが出した2017年卒学生5月末時点の内定率調査によると、5月末時点の内々定率は43.0%と前年よりも早く進捗しているとのことでした。

しかし、内定をもらい就職できても、1年や2年で退職してしまう新卒社員が増えてきています
新卒で入社した従業員のうち、3年以内に何人離職したかを示す数値を「3年後離職率」といい、入社後の働きやすさの目安とされています。

企業側としても、雇った従業員が戦力となったにも関わらず退職されてしまうのは、また一から採用を行い、教育・育成をしなければならないため、デメリットが大きいのではないでしょうか。

そんな中、3年後離職率が0%の企業も多くあり、今回はどのような企業が3年後離職率が低いのか調べてみました。

\若手社員の離職を離職を防ぐ!/
無料で気軽に!エンゲージメントチェックシート

近年、転職が主流となり、社員の定着率に課題を抱える企業が増えています。特に、GWなどの長期連休を境に、若手社員が退職を検討するケースが増加しています。


そのため、若手社員の定着率を向上させるためには、今のうちから適切にフォローしていくことが重要です。

今回、「HR NOTE」では、社員の定着率に課題を感じている人事担当者様や管理職の方向けに、【離職率改善の第一歩】エンゲージメントチェックシートを作成いたしました。

このチェックシートでは、

  • 上司と部下の信頼関係はどうなっているか
  • 社内コミュニケーションに問題は無いか
  • 会社の方針がどの程度社員に浸透しているのか

など、社員のエンゲージメント状況を気軽に測定することが出来ます。

エンゲージメント調査は有料の調査もありますが、気軽に試してみたい、自分の部門のみ実施したいという場合には、まずは無料でできるものがおススメです。

是非、本資料をご活用ください!

30%が3年以内に退職。その理由は?

business-792176_640

厚生労働省の最新の離職状況に関する調査によれば、大卒の3年後離職率は平均で32.3%となっています。
就職したものの、平均で10人に3人が、3年以内に退職しています。

就職・転職クチコミ・リサーチにVorkersの調査によると、最も多い退職理由は「キャリア成長が望めない」(25.5%)で、「残業・拘束時間の長さ」(24.4%)、「仕事内容とのミスマッチ」(19.8%)と続きます。

■新卒入社3年目が会社を辞める理由ランキング

  • キャリア成長が望めない:25%
  • 残業・拘束時間の長さ:24.4%
  • 仕事内容とのミスマッチ:19.8%
  • 待遇・福利厚生の悪さ:18.5%
  • 企業の体制や組織体制・社風などとのミスマッチ:14%
  • 休日の少なさ:10%
  • 社内の人間関係の悪さ:8.8%
  • 企業・業界の将来性のなさや業績不振:8.3%
  • 評価・人事制度に対する不満:7.2%

上記のように、キャリアステップのような前向きの理由ではなく、仕事に対するイメージのギャップや、企業と従業員の求めるものに大きなズレが生じており、ネガティブな理由での採用ミスマッチが原因となっているように感じます。

また、第二新卒で転職ということが一般的になってきたため、3年以内の離職でも転職しやすくなっているのではないでしょうか。

3年後離職率が0%の企業は?

cheers-839865_640

逆に、離職率の低い企業は、どのような企業が多いのでしょうか。

『就職四季報2017年版』は、3年後離職率が低いトップ200の最新ランキングを紹介しています。
その中で、3年後離職率が0%の企業は全部で99社あるとのことです。
(『就職四季報2017年版』に掲載企業の中で、2012年新卒入社者が10人以上の875社を対象。)

ランキングを見ると「メーカー」「インフラ」「マスコミ」「食品会社」といった業種の企業が上位に目立ち、社歴の長い、安定感のある事業が多い印象です。「平均勤続年数」や「有休消化」などの指標も全体的に高い傾向があり、採用のミスマッチがあまりないのではないでしょうか。

一方で、「宿泊・飲食サービス」「小売業」「不動産」「医療・福祉」「生活関連ササービス・娯楽」「教育・学習支援」といった業種は3年後離職率が高い傾向があります。
一般的に「給与が少ない」「休みが少ない」「拘束時間が長い」といった特徴が見られ、それらの部分が原因で離職につながっています。

証券会社や銀行、広告代理店など大手有名企業・人気企業でも激務のイメージがある企業はランクインしておらず、逆に大手企業に比べれば知名度が劣る中小企業も多くランクインしています。

また、3年後離職率に注目して、自社において「何が退職の原因となっているのか」「退職しやすい部署など、偏りはないか」「マネージャーによって違いはあるか」「どんな従業員が退職しやすい傾向なのか」などのデータをとり、要因分析を行うことで、対策を行いやすくなります

分析結果をもとに、「退職に起因してそうな人事制度の見直し」を行ったり、「このタイプの人材の採用は避けよう」と採用活動に活かしたりと、改善に役立てることができます。

最後に

pedestrians-918471_1280

いかがでしたしょうか?

離職率を低下させるために大切なことは、職場環境の改善に努めることはもちろんですが、まずは飾らないありのままの自社を伝え、採用ミスマッチを防ぐ対策をすることです。

「入ってみたら、思っていたのと違かった」という採用ミスマッチ率の低下を目指し、自社で末永く活躍してもらえるよう、3年以内の人材の定着率に注目して、改善施策を実施してみてはいかがでしょうか。

\メールマガジン登録無料/
人事/HR業界の最新情報を毎週チェック!

HR NOTEメールマガジンでは、人事/HRに関する事例やサービスリリース情報など、最新Newsから今すぐ使える他社実践ノウハウまでが簡単にわかるインタビュー記事やセミナー情報をコンテンツとして配信しています。

「他社が実施している施策を自社でも活かしたい」「人事/HR業界の最新動向やトレンドを知りたい」とお考えの方は、ぜひHRNOTEメールマガジンをご活用ください。

公式アカウントをフォローして毎日記事をチェック!

関連記事

シニアと若手の溝を埋めて相乗効果に|エンタメ業界出身人事が手掛けたシニアの“しくじり”語る勉強会

シニアと若手の溝を埋めて相乗効果に|エンタメ業界出身人事が手掛けたシニアの“しくじり”語る勉強会

2023.11.21
松野天音
「仕事が楽しい」の“楽しい”とは何か?~「快」と「泰」のキャリア考

「仕事が楽しい」の“楽しい”とは何か?~「快」と「泰」のキャリア考

2023.11.20
松野天音
「新しい資本主義」における能力開発支援|未来を描く「人への投資」のあり方とは

「新しい資本主義」における能力開発支援|未来を描く「人への投資」のあり方とは

2023.11.20
松野天音
「業務委託人材×フルリモート」で事業を成長させるための、リモート下での採用・業務管理方法|テクロ天野

「業務委託人材×フルリモート」で事業を成長させるための、リモート下での採用・業務管理方法|テクロ天野

2023.11.17
HR NOTE編集部
リスキリング〜これからの世の中で生きていく人材を育成するには〜

リスキリング〜これからの世の中で生きていく人材を育成するには〜

2023.11.17
松野天音
「事実、中立、オープン」がカギ |未上場企業ナイルはなぜ人的資本の情報開示をしたのか?

「事実、中立、オープン」がカギ |未上場企業ナイルはなぜ人的資本の情報開示をしたのか?

2023.11.13
HR NOTE編集部
どのように社員が積極的に行動する組織を作るか?|WE戸田

どのように社員が積極的に行動する組織を作るか?|WE戸田

2023.10.24
松野天音
「自分らしいキャリア」の解は、自分の中にある――学び直し時代の若手ビジネスパーソンへ

「自分らしいキャリア」の解は、自分の中にある――学び直し時代の若手ビジネスパーソンへ

2023.10.18
松野天音
モチベーションを上げすぎるのも問題だ――学習意欲の心理学に学ぶ

モチベーションを上げすぎるのも問題だ――学習意欲の心理学に学ぶ

2023.10.18
松野天音