地方の学生が就活をおこなう際、多額の費用をかけて、東京の企業の説明会・面接にくることがあります。
就職活動において、費用がかかる場面はさまざまありますが、[2019卒就活生モニター]10月1日時点の就職活動調査によると、就職活動の費用で最も多くかかったのは、交通費でその費用の全体平均は66,170円となっています。
この数字はもちろん、どの都道府県に住んでいるかで差が出てくるものです。
そこで本記事では、地方就活生が就活をおこなうために東京へくる際、どれだけの費用がかかっているのかを、都道府県別にご紹介します。
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「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、「うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・」といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。
本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。
【1】地方就活生の現状
文部科学省の学校基本調査によると、南関東(東京/神奈川/千葉/埼玉)の学生数は105万7380人です。
一方で南関東以外の学生数は135万1856人となっており、多くの大学がある南関東の学生数と、南関東以外の「地方学生」の総数はほぼ同じであることが分かります。
つまり、近年の売り手市場で人材を確保するためには、「地方就活生」を考慮して、企業側は採用活動をおこなわなければなりません。
「地方就活生」への採用アプローチについては別記事で紹介しているので、下記のリンク記事を参照下さい。
地方学生へのアプローチが採用の強化に!地方採用に取り組むべき理由
【2】就活生が必要な交通費(都道府県別)
本章では、各都道府県の学生数と、その都道府県の学生が就職活動をおこなうために東京へくる際に必要な交通費をご紹介します。
【交通費と学校数の算出方法】
※算出した交通費は各地方から東京までの「片道」の交通費です。
2-1 北海道
北海道はその広大な土地から、市によって交通費が大きく異なります。
また、北海道の学校数は38校あります。これは神奈川県の大学数より8校多く、全国の都道府県でも4番目に多い学校数です。
特に札幌市は北海道大学や小樽商科大学など、多くの大学が集まっており、その数は16校となっています。
東京までの交通費を見ると高速バスが比較的安いのですが、高速バスは函館フェリーターミナルでしか東京行きは出ておらず、所要時間も14時間30分かかることから、あまり現実的な交通手段とは言えません。
ほとんどの学生が高額なお金をかけて、飛行機か新幹線で東京まで来ているようです。
2-2 東北
東北地方も広い面積から、地方によって金額が異なります。
また、所要時間も大きく異なります。特にバスの時間に変化が大きく、東京から1番遠い青森県では約11時間ですが、福島県からは約4時間30分と、6時間近く差があります。
地方就活生は在籍する学校の県によって交通手段も変わってくるかもしれません。
また、宮城県の大学数は14校あり、東北地方の平均学校数が8.5校であることから、多くの学校が集まっていると言えます。
2-3 北関東
東京までの距離があることから、今回は関東の中でも、北関東のみに絞って交通費を算出しました。
在来線でも2~3時間で東京まで行けることから、バスや新幹線を使わない学生も多いでしょう。
ですが、南関東の学生と比べると、2倍程度の所要時間と交通費がかかります。
北関東の学生でもスケジュール管理や交通費の工面などの苦労は、南関東の学生よりも大きいはずです。
2-4 中部
中部地方にも多くの地方就活生がいます。
特に愛知県の学校数は51校と、東京都、大阪に次ぐ3番に多い学校数です。
学生数も関東地方、近畿地方について3番目に多いですが、愛知県が19万3千人と、中部地方の学生の多くは、愛知県の大学に在籍しているようです。
2-5 近畿
近畿地方は関東地方の次に学生が多くいます。
近畿地方には合計で155校もの大学があり、これは東京の138校よりも多い数字です。
特に大阪、京都、兵庫に学校が集中しており、近畿地方の約8割の126校が存在します。
高速バスは比較的安い値段ですが、所要時間が7~8時間ほどかかるため、1~2時間程度で移動できる飛行機や新幹線で、東京まで向かう学生も多いようです。
2-6 中国
中国地方の学生の数は、東北地方とほぼ同じ数字となっています。
前述した近畿地方と同じように高速バスではあまりに時間がかかりすぎるため、飛行機か新幹線の移動が主になります。
新卒採用サポネットによると、19卒の就活生に「交通費・宿泊費がいくらかかったか?」と質問し、各地方10区分に分けた結果、中国地方の学生は150,420円と最も多くの交通費と宿泊費がかかった地方でした。
このように、アクセスの良くない中国地方の学生が就職活動をするためには、かなりの費用がかかり、苦労します。
2-7 四国
近畿地方や中国地方は実質、飛行機と新幹線の二択に移動手段が限られていましたが、四国地方はほぼ飛行機での移動が強いられます。
高速バスは12時間以上かかり、新幹線でも5時間以上かかることから、授業のある大学生にはかなりの時間がとられます。
一方の飛行機は、1~2時間と比較的時間がかからずに移動することが可能です。
格安航空では7,000円程度が可能ですが、航空会社によっては2万5,000円以上かかります。なお、徳島阿波おどり空港には格安航空の便がないため、高額な移動費が強いられます。
2-8 九州・沖縄
九州地方は東京からもっとも離れた地方です。交通費・宿泊費の合計金額も中国地方の次に多く、144,298円となっています。
ですが、学生数も212,878人と多くの学生もおり、人材確保のためには無視できない存在です。
遠くからくる学生は一度の上京で、何個もの説明会や面接に参加します。
よって、日程調整がしにくい企業は受けたくても受けられないということもありえます。
【3】まとめ
地方就活生は多額の費用を負担して、就職活動をおこなっています。
売り手市場で人材確保するには、いかに地方就活生にエントリーしてもらうかが重要になってきます。
そのためにも、企業側が地方就活生の実態を理解し、交通費の負担やWeb面接などの地方就活生に配慮した活動をすることで、自然と学生が集まってくるでしょう。
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