こんにちは!HR NOTE編集部の紺矢です。
人材獲得競争の激化を背景に、企業の採用活動は年々厳しくなっています。2018年6月15日時点でリクルートキャリアが発表した調査結果によると、内定を獲得した学生のうち、4割弱の学生が、内定を持っていながら就活を続けています。
このように近年では、学生に内定を出したからといって自社に必ずきてくれるというという安心要素は薄れ、企業側としては、内定後も継続した連絡やフォローが必要不可欠になっています。
本記事では、新卒採用の失敗ポイント、また、その要因と対策を【選考前】【選考段階】【内定後】【入社後】に分けてまとめてみました。採用活動に苦戦されている方、はじめての新卒採用実施を検討されている方、ぜひ、今後の採用活動の参考にしていただけますと幸いです。
目次
1.新卒採用6つの失敗ポイントとその要因
1-1 選考段階
そもそも応募が集まらない
【考えられる要因】
- 雇用条件が類似企業と比べ見劣りしている
- 広告が効果的に打てていない →仕事内容や条件についての情報不足 →文面の内容から社風が伝わっていない… etc
「応募がなかなか集まらずに困っている」という企業の中には、すでに就活サイトに掲載している企業様も多いのではないでしょうか。原因はさまざま考えられますが、今一度、募集内容を確認してみる必要があるかもしれません。
母集団形成に役立つWeb説明会が気になる方はこちら! ▶Web説明会を徹底解説|母集団形成の悩みをWeb説明会で解決
理想の人材になかなか出会えない
【考えられる要因】
- 自社の求める人物像を定義できていない
- そもそも求める人材の理想が高すぎる
- 採用ターゲットに即した採用手法を選択できていない
募集はある程度集まるけれど、なかなか理想の人材に巡り合えない場合は、「求める人物像の定義はしっかりできているか」「求める人材の理想が高すぎていないのか」これらを再度検討する必要があるかもしれません。このポイントを明確にした上で、次は「採用ターゲットに即した採用手法をとれているか」を考えてみましょう。
ターゲットに即した採用手法は新卒紹介がおすすめ! ▶新卒紹介とは?活用前に知っておきたい概要とメリット・デメリット
選考中に辞退されてしまう、連絡がとれなくなる
【考えられる要因】
- 説明会や求人広告での仕事内容、募集内容などの説明不足
- 選考のテンポや連絡が遅い
選考中の辞退は、決して珍しいことではありません。企業に対して少しでも気に入らないことがあったり、他で魅力的な企業を見つけてしまったりすると、なんの躊躇もなく、選考辞退連絡をしたり、面接をドタキャンするのが学生です。
また、「もうちょっと選考が早く終わっていれば、こっちに決めていた」などタイミングの問題も実際によくあることです。
こういった学生たちを引き止めるためには、採用担当者の魅力や会社の対応、選考フローの絶妙なスピード感を考え直す必要があるかもしれません。
採用連絡を早く・効果的におこなうためにはメールよりもLINEを活用! ▶LINE@を活用した採用予約システム管に注目!最新プロダクト事例もご紹介
1-2 内定後
内定後の辞退が多い
【考えられる要因】
- 有効求人倍率の高まりにより、複数の内定を獲得している学生が増加している
- 仕事内容、募集内容などの説明不足で就労イメージが薄い
- 内定者フォローが十分におこなえていない
これもまた、多くの企業が悩む課題の1つかと思います。結果的に条件などのハード面で折り合いが合わなかったという理由が多いものの、人や社内の雰囲気などのソフト面における他社との比較で、心変わりしたり、内定を辞退する学生が多いのも実情です。
最終面接が終わるまで、また面接以降も、いかに内定者と友好な関係を築いていけるかが、内定辞退者を減らすうえでの重要な対策となってくるでしょう。
1-3 入社後
1年以内の離職率がかなり高い
【考えられる要因】
- 採用時における企業・学生双方の情報が不十分であったことによるミスマッチ
- 人間関係の問題
- 勤務時間のわりに思ったよりも給料が上がらない
1年目はとくに、慣れない仕事、慣れない環境で「心身ともに崩壊寸前」になる可能性もあります。「上司との関係がうまくいっていない」「優秀な同期たちとの実力差を痛感し落ち込む」ということもあるかもしれません。
これらは入社後に発生する要因が多いものの、採用時点で「企業の情報を明確に学生に開示できるか」も、採用後のミスマッチをなくす大きなポイントです。
また、会社の雰囲気や上司の人柄などは、説明会や選考時点ではなかなか学生に伝えづらいものでもあります。入社後にミスマッチに気付くリスクを避けるためにも、企業としては、積極的に内定者インターンをおこなうなど、「入社前に社内を見て、体感できる機会を作ること」を検討してみてもいいかもしれません。
入社した人材がなかなか戦力化しない
【考えられる要因】
- 適切な人材配置がおこなえていない
- 入社後のフォローがおこなえていない
「学生が内定承諾し、4月に晴れて新卒社員として入社してくれば一件落着」は大きな間違いです。自社のいち社員として定着して初めて、採用が成功したと言えるでしょう。入社1年目の離職率が10~30%といわれる中で、「どうすれば新入社員が定着するか」を考えてみましょう。
2.プロセスごとのリスクヘッジで採用を強化する具体的方法
2-1 選考前
求める人物像を明確に定義する
「どのような人材を求めているか」その人物像を明確に定義することは、選考前プロセスにおいて最も大切です。企業理念や事業内容などをもとに人物像を選定するのも重要ですが、あくまでも「これから一緒に働きたいのはどんな人なのか」採用に関わるメンバー全員で認識として持っておくとよいかもしれません。
採用手法を幅広く検討する
求める人物像・採用ターゲットが決まれば、次はそういった学生へ効果的に認知を広げなければいけません。募集の告知がターゲット学生に届かなければ、応募がきたとしてもマッチングを期待することはできません。
大手就活サイトでの告知は多くの学生に情報を告知することが可能であるものの、掲載されている求人も多いため、自社の求人情報が埋もれる可能性もあります。
「特定の技術を保有している人材」など人物像がはっきりしたものであるならば、そうした人材が多く登録する就活サイトや、専門就活サイトに求人情報を掲載するなど、自社にあった集客手法を検討することが重要です。
また、就活サイトに掲載するだけでなく、求める人物像・ターゲットが決まった時点で、新卒紹介サービスを利用し、学生を紹介してもらうことも効果的です。ターゲットを伝えることで、より短期間でミスマッチの少ない採用を期待することができます。
選考プロセスを最適化する
何社も企業を受けている学生にとって、選考プロセスや選考のスピード、内定出しのタイミングや時期は、重視するポイントです。「内定を出すタイミングが一歩遅かったばかりに、ぜひとも採用したかった学生を他社に取られてしまう」なんてことは日常茶飯事です。
また、選考プロセスが短すぎると、しっかりと学生を見極めきれません。学生も「自分はしっかり評価されているのか?」と不安に感じてしまいます。一方で、選考プロセスが長すぎると、学生が選考途中で他社へ入社決定してしまうことも。こうしたポイントも視野に入れつつ、最適な選考プロセスを考えましょう。さまざまな企業の採用ページを見ながら、特によく採用競合になる企業の選考フローを参考にしつつ、最適化していきましょう。
2-2 選考過程
自社を深く理解してもらう
前述の通り、選考過程でいかに社風や仕事内容、社内の雰囲気を学生に深く理解してもらえるかが、入社後のミスマッチをなくす大きなポイントとなります。
また、良い部分を知ってもらうだけでなく、ある程度、企業・学生の双方がお互いに懸念点を共有することが必要です。入社後に感じるネガティブなギャップを最小限に留め、入社後の離職率を下げることにつながります。
2-3 内定後
内定者フォローを充実させる
最近では、内定後、定期的な連絡や面談をおこなったり、社員と内定者で懇親会をおこなう企業が増えています。こうした内定者フォローを通して、内定者の企業理解を深め、社会人生活、人間関係、仕事やキャリアなどの不安や疑問を取り除くことができます。また、企業側としても、内定者の志向性を確認しながら配属先決定に役立てることが可能になります。
※ただし「懇親会での社員の方の態度が気に入らなかったので内定辞退」というような悲しい事態がおこらないよう、懇親会の場の設定にはしっかりと事前準備が必要です。
2-4 入社後
新入社員研修に力を入れる
入社直後は、どうしても学生気分が抜けず、「社会人になる」ということに対してネガティブな感情を持っている学生も多いかと思います。新入社員研修で、「社会人のスイッチをいれることができるか」「仕事へのモチベーションを上げることができるか」が今後の成長を左右します。
また、新入社員研修が、今後の目標や将来のビジョンを決める機会になることも多いので、社員の定着率を上げたり、社員の成長スピードを上げたい場合は、この「新入社員研修」に力を入れることをおすすめします。
また、新入社員研修だけでなく、内定者研修として入社前に「社会人スイッチ」を入れることも、内定者が入社前に感じる不安を払拭する点で効果的です。
遠隔の内定者も受講できるオンライン研修が気になる方はこちら! ▶オンライン研修サービス比較6選|メリット・デメリットを徹底解説
社内イベントや交流会を企画する
社会人1年目は特に、慣れない環境で不安だらけになってしまう例も多くあります。社内イベントや交流会において、さまざまな先輩社員とつながることができれば、困ったときやいざという時に助けてもらえるという安心感が生まれ、会社への定着にもつながります。
メンター制度を導入する
”メンター制度とは、所属する上司とは別に、年齢の近い年上の先輩社員や、社歴が近い先輩社員が新入社員や若手社員をサポートする、新入社員からすると相談しやすい兄/姉のような制度です。”(メンター制度を企業が導入する目的、メリット・デメリットとは?引用)
メンター制度の導入もまた、社内のコミュニケーションが活発になったり、キャリア形成を考えるきっかけになったりするので、新入社員の定着につながります。また、この制度は新入社員だけでなく、先輩社員の成長も促すことができるので、会社全体としても、かなりメリットのある施策であるといえるでしょう。
「課題と対策をもっと検討したい」という方は是非以下のリンクも参考に! ▶️自社の採用がうまくいかない?その14の原因と対策を採用時系列でご紹介
3.さいごに
いかがでしたでしょうか。
冒頭でも述べた通り、昨今では、学生に内定を出したからといって自社に必ずきてくれるというという安心要素は薄れ、企業としては、採用施策を考えるところから選考中・内定後まで、採用過程ごとに適した施策・継続した連絡やフォローが必要不可欠になっています。
ぜひ今回の記事を参考に、さまざまなサービスも活用しながら貴社の採用活動をブラッシュアップしていただければ幸いです。