『OS21』が伝える、21世紀に求められる育成力と組織力とは | 人事部から企業成長を応援するメディアHR NOTE

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『OS21』が伝える、21世紀に求められる育成力と組織力とは

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※本記事は、一般社団法人21世紀学び研究所 代表理事の熊平美香さんより寄稿いただいた記事を掲載しております。

こんにちは。
一般社団法人21世紀学び研究所 代表理事の熊平 美香です。

21世紀型のリーダーの基礎力を体系的に身につけられるプログラム、『OS21』。

人のベースである基礎力を21世紀型にアップデートし、知識や技術といったアプリケーションを使いこなす基盤づくりをおこなっています。

前回の記事、21世紀に求められるリーダーの基礎力とは|学ぶ力・育成力・組織力を身につける『OS21』に引き続き、今回はOS21の育成力と組織力についてお伝えします。

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熊平 美香(くまひら みか)

一般社団法人21世紀学び研究所 代表理事/一般財団法人クマヒラセキュリティ財団 代表理事/昭和女子大学キャリアカレッジ学院長/未来教育会議実行委員会代表/株式会社エイテッククマヒラ代表取締役ハーバードビジネススクールMBA修了。日本マクドナルド創立者藤田氏のもと、新規事業の立ち上げに携わる。GEの「学習する組織」のリーダー養成プログラム開発者と協働し、学習する組織論に基づくリーダーシップ、チームビルディング、組織開発を軸にコンサルティング活動を開始。

【豪華ゲスト多数登壇!】変化に負けない「強い組織」を育むためにHRが果たすべき役割を考える大型カンファレンス『HR NOTE CONFERENCE 2024』

「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。

本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。

学び手が主体的に学ぶ機会と環境をつくる育成力

「OS21の育成力」とは、学び手が主体的に学ぶ機会と環境をつくることです。

従来型の教育は、学び手は受け身の姿勢で学び、育成者が教え込むという、指示評価型の教育です。OS21は、学び手が主体的に学び、育成者はその機会と環境をつくり支援する、主体性と内省を育む教育を目指しています。

そのためには、まず学び手と育成者がフラットな関係を築くことで、学び手の動機の源を知り、それを活かしながら学び手のモチベーションを高めていくことが必要です。

また、同じビジョンやゴールを共有して、ありのままの自分でいながら失敗を恐れず、チャレンジできる安心安全な環境をつくることを目指します。

ストレートなフィードバックを通して学び手のリフレクションを促し、成長を促進していくことも重要です。

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育成力1:素の自分で失敗を恐れず挑戦できる安心安全な環境

「安心安全な環境」とは、周囲の人に対して素の自分でいられる状態であり、素の自分でいても周囲の人に受け入れてもらえるという安心感がある環境です。

安心安全な環境をつくるには、3つのことが必要です。

1つ目はポジティブメッセージで伝えること、2つ目は感情のコントロール、3つ目は認知の4点セットを使った対話です。

感情のコントロールと認知の4点セットに関して知りたい方は前回の記事をCHECK!
21世紀に求められるリーダーの基礎力とは|学ぶ力・育成力・組織力を身につける『OS21』

課題を指摘して責任を追及すると、責任を持つ人が自己防衛に向かい、課題についての話し合いが進まず、解決しにくい状態になります。また、相手に対しての不信感が高まります。

課題を発見して伝えるときは、お願いやアドバイスに変えることによって、相手は課題について安心して話し合うことでき、解決につながる可能性が高くなります。また、信頼関係や一体感も高まります。

これが「ポジティブメッセージで伝える」ということです。

育成力2:人が主体的に動く学びのエンジン

学びのエンジンとは、動機の源を活用し、人を動かすエンジンに変えることを指しています。まずは学び手の動機の源は何かを探求してください。

そして、それを活かす機会や環境を提供しましょう。現状への不満や怒りなどのネガティブな感情があるのであれば、ありたい姿を目指す想いに発展させ、個人がビジョンを実現する力となるように支援することが大切です。

育成力3:学び手の成長を促すフィードバック

フィードバックをする前提として、期待通りの結果が出ない時でも、「人の可能性を信じる」ことが大切です。「この人には無理かも」、「厄介だ」というような認知の枠をもって関わっても、人を変えることはできません。

人に関わる以上は、可能性を信じる必要があります。過去は変えられませんが、相手が変わる可能性のある未来を、あなたが決めることはできないからです。

フィードバックをする前提の二つ目として、学び手をよく観察してください。適切なフィードバックを行うためには、観察や対話を通して相手のデータを収集する必要があります。アウトプット、行動の傾向やパターン、思考、感情、スキル、などが挙げられます。

フィードバックをする際には、実際の行動・その結果・理想の行動を明らかにするトリプルフィードバックをおすすめします。

本人にとって、行動と結果の関係が明らかになることが重要です。何を変えることで、望んでいる結果を出せるのか。その答えを見出すことで、変化を起こすことができるからです。

育成者は学び手に答えを提示するのではなく、一人で考え行動できるように成長させることがゴールです。育成者は学び手の認知の枠を探求し、評価判断を保留にして自分の意見を出さずに、質問と反映を繰り返してください。

質問はYES/NOで答えられる「クローズ質問」よりも、自由に答えを考えられる「オープン質問」の方が思考を刺激します。

また反映とは、「○○なのですね。」「○○という気持ちなのですね。」というように話し手の言葉と気持ちを聴き取り、聞き手がその内容を整理して話し手に伝えることです。

進化し続ける組織をつくる組織力

OS21の組織力には、

  1. 組織のミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を確立する力
  2. 文化をつくる力
  3. チームをつくる力

が含まれます。

組織のメンバー一人ひとりの「学ぶ力」と「育成力」に「組織力」が加わると、進化し続ける組織を実現することができます。

OS21が目指す組織は、環境の変化に合わせて顧客価値の最大化と、圧倒的な強みの強化を実現する組織です。組織をとりまく環境は常に変化していますので、組織にも変化が必要です。

組織は個人の集合体なので、何のために存在し、なぜ一緒にいるのかという「ミッション」、目指すゴールである「ビジョン」、行動レベルで大切にする「バリュー」を個人が持つ必要があります。それらが組織の「ミッション」「ビジョン」「バリュー」とつながり、体現することで、組織において個人が文化の担い手となります。

文化がビジョンを支えます。もちろんビジョンを現実にするためには、戦略策定や計画、実行が必要です。

リーダーはこれだけのものを設計し、動かすことが求められるのです。

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【OS21研修についてご興味がある方はこちら】

21世紀のリーダシップ、ダイバシティ、イノベーションをテーマにした組織づくりを体系的に学べるプログラムです。

【豪華ゲスト多数登壇!】変化に負けない「強い組織」を育むためにHRが果たすべき役割を考える大型カンファレンス『HR NOTE CONFERENCE 2024』

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本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。

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