OKRとは?期待できる効果や実践方法をご紹介

OKRとは?期待できる効果や実践方法をご紹介

OKRとは?期待できる効果や実践方法をご紹介

人事分野では採用、評価、研修で次々と新しい手法が生まれてきます。人事はルーティン業務と周囲には思われていますが、じつは次々と新しい手法を勉強して企業に取り入れるか検討をしていかなければなりません。

今回はOKRという目標管理方法をご紹介します。

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無料で気軽に!エンゲージメントチェックシート

近年、転職が主流となり、社員の定着率に課題を抱える企業が増えています。特に、GWなどの長期連休を境に、若手社員が退職を検討するケースが増加しています。


そのため、若手社員の定着率を向上させるためには、今のうちから適切にフォローしていくことが重要です。

今回、「HR NOTE」では、社員の定着率に課題を感じている人事担当者様や管理職の方向けに、【離職率改善の第一歩】エンゲージメントチェックシートを作成いたしました。

このチェックシートでは、

  • 上司と部下の信頼関係はどうなっているか
  • 社内コミュニケーションに問題は無いか
  • 会社の方針がどの程度社員に浸透しているのか

など、社員のエンゲージメント状況を気軽に測定することが出来ます。

エンゲージメント調査は有料の調査もありますが、気軽に試してみたい、自分の部門のみ実施したいという場合には、まずは無料でできるものがおススメです。

是非、本資料をご活用ください!

OKRとは?KPIとの違いは?注目されている理由は何か?

みなさんの会社では、目標管理制度の運用や生産性の向上、社内コミュニケーションの活性化が問題になっていませんか?

その問題を一気に解決できるのがOKRです。

OKRとは『Objective and Key Results』の略称であり、Objectiveは目標をKey Resultsは主な結果を意味しています。

OKRとは目標と結果を可視化することで、全社員と組織の目標がズレないように運用していく手法です。

組織と全社員の目標を可視化することにより、仕事のゴールが明確になります。

つまり、今やっている自分の仕事が何に役立っているのかが明確になることで、社員のモチベーションアップにつながるのです。

また、よく社員間でおこる「あの人は何をしているの?」という疑問も解消され、社内の雰囲気が良くなる効果も期待できます。

OKRを導入することで、企業の目指す方向性が明確になり社員の意識が統一されます。さらに目標が現在どれだけ進捗しているのか、可視化されることで達成感を得やすくなります。

OKRはトップダウンでもボトムアップでも大きな組織変革をせずに導入できるため経営陣全社員の理解が得られれば、すぐにでも導入することが可能です。

しかし、OKRには誤解されやすい3つの特徴があるので、ここをしっかり押さえておきましょう。

1. Objectiveは高いレベルでの目標を設定する

目標を設定する時、人は達成できそうなものから設定してしまいますが、OKRでは目標を100%達成できなくても良いという特徴があります。

100%達成できる目標を設定していては、社員の能力も会社の生産性も向上しないため会社は成長しません。

一生懸命に取り組んでなんとか60~70%達成ができる目標を設定することで、社員の能力と会社の生産性を向上させ、会社の成長につなげることができます。

2.OKRの達成率を評価に使用しない

OKRは社内コミュニケーションの活性化と目標仕事内容を可視化するためのシステムなので、OKRの達成率を評価制度と連動させてはいけません

なぜなら、OKRを評価制度としてしまうと、高いレベルでの目標設定ができなくなり、社員が簡単に達成できる目標ばかりを設定するようになるからです。

簡単に達成できる目標を全社員が設定するようになると生産性が下がってしまい、OKRの取り組みは失敗に終わるでしょう。

評価制度はOKRとは別のものを運用してください。

3.KPIは違う目標管理方法であると認識する

KPI(Key Performance Indicator)は「重要業績評価指数」と呼ばれ、達成したい目標の基準を明確に数値化することで、目標に向かって適切に実行されているかを計測します。

KPIとOKRは似ていますが運用方法が異なります。まず、KPIはOKRと異なり評価にも使用することがあります。

大きな違いはKPIを導入するかは部門ごとに決めますが、OKRは会社全体で導入します。この2つがKPIとOKRの違いです。

OKRを実践するためにはどのようにすればいいのか?

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では、OKRを自社に取り入れるにはどうすれば良いのでしょうか。

大きな流れとしては組織でOKRを設定して社員1人1人のOKRを設定していきます。

ここで簡単な例をあげてみましょう。

<外食チェーンで採用担当者AのOKRを設定するケース>
組織のOKR:3年以内に200店舗開店させる

人事部のOKR:200店舗に必要な人員の確保(採用および育成)と人件費の確保

採用チームのOKR:3年以内に店長候補100名とスタッフ300名採用する

採用担当者AのOKR:採用HPの訪問者数とHPでのエントリー数を20%アップしてFacebookとTwitterのフォロワー数を2倍にする

このように組織の『トップ→部署→チーム→個人』というように紐付けしながらOKRを設定していきます。

ここからは、OKRの具体的な実践方法や注意事項をお伝えしていきます。

1.「Objective(目標)」を設定する

Objectiveの設定のポイントは下記の2点です。

  • 組織のOKRと整合性のとれた目標を3~4設定
  • 目標の達成率60%~70%になる高いレベルの目標を設定

2.「Key Results(主な結果)」の設定する

Key Resultsの設定のポイントは下記の3点です。

  • 1つのObjectiveに最大4つの測定可能なKey Resultsを設定
  • 期限と数値目標を明確にする
  • 客観的に判断できるものにする

【Objective とKey Resultsを設定するポイント】
Objective とKey Resultsを設定する時には「S.M.A.R.T」を元に設定してみましょう。

  • 具体的=Specific
    →誰が見てもどんなことに取り組むのか、わかる内容にする
  • 測定可能=Measurable
    →誰が計測しても同じ数値が出るような計測可能な目標を設定
  • 達成可能=Attainable
    →普段通りに取り組めば達成できる目標でも、実現不可能な目標でもなく、少しがんばればギリギリ達成できる目標を設定
  • 関連性=Relevant
    →個人的なObjectiveではなく、組織の目標と部内目標に関連するObjectiveを設定
  • 期限=Time-bound
    →必ず期限を設けて期限までに達成する

この5つを頭に入れてObjective とKey Resultsを考えてみましょう。

3.上司(マネージャー)と社員で個人面談をおこなう

個人のObjectiveとKey Resultsがチームや部署、組織の目標と整合性がとれているものか、簡単に達成できたり実現不可能な目標ではないかを話し合います。

部内ミーティングで全員分のOKRを開示して話し合う

部内でメンバー個人のOKRを開示することで一人ひとりの役割を明確にします。

そのうえで、それぞれの目標がぶつかり合わないか、部内で目標同士の矛盾がないかなど検証をおこない、方針を統一しましょう。

もちろん、異論がある人がいる場合は全員が納得するまで話し合いましょう。

1人でも納得できない人がいてはOKRを導入した意味がありません。

全社員共有フォルダにOKRを全員分保存する

全社員のOKRに全社員がアクセスできるようにすることで、関連部署がどのように動いているのかを知ることができます。その結果、部署間のやりとりがスムーズになり、部署を横断したミーティングの内容が充実したものになります。

また、責任の所在や貢献度が明確になるため社員に責任感を持たせたり、モチベーションアップを期待することができます。

定期的に個人面談をおこない、OKRの見直しをする

OKRと一緒に1on1ミーティングを導入するとさらに社内コミュニケーションが活性化され、生産性の向上につながります。

1on1ミーティングとは、上司(マネージャ)が部下の育成や社内コミュニケーションの活性化を目的として実施するミーティングです。

部下が日々の業務で感じていることに関して上司と話し合いながら、部下自身が自分で考えて実行できるように上司がサポートをして社員教育をおこなう役割があります。

1on1ミーティングを定期的におこない、「OKRの方向性が違うのではないか」「このままだと達成できないかも知れないがどうすれば良いか」などOKRについて部下と話し合いましょう。

そうすれば、組織目標とのズレを修正するにはどうすれば良いのかを部下自身で考えて答えを導き出すようになり、生産性の向上につなげることができるでしょう。

1on1の実施は毎週が望ましいですが最初は無理のないペースではじめ、部下がどのようにOKRに取り組んでいるのか把握してください。

1on1ミーティングに関して詳しく知りたい方はこちら!
1on1とは何か?今注目の人事制度について調べてみた

評価する

従業員や部下の評価をする際にはどうしても達成率に目がいきがちですが、OKRで注目するのはOKRの設定やプロセスです。

どのように取り組んでこの達成率になったのかを評価し、フィードバックします。

組織のOKRを評価する時は各チームや部署の取り組みを評価し、各チームや部署のプロセス、人員配置、組織の支援方法に見直すところがないかを重点的に話し合いましょう。

【OKR導入のポイント】

  • 組織図や職務分掌規程や職務分掌表などを整理しておく
    OKRを導入する時には組織図や職務分掌規程や職務分掌表が整理されていないと、別々の部署で同じ仕事をしている人がいたり、OKRの成果をレポートする先がわからない人がいたりなど、混乱が生じます。OKR導入前に組織図や職務分掌規程や職務分掌表を見直しておきましょう。
  • ・経営陣や部門長はOKR会議を月2回以上実施
    経営陣や部門長はOKR会議を実施して、各部門の進捗状況を把握し目標を達成するには何をすべきか、ウンザリするぐらい話し合いましょう。舵取り役が「なぁなぁ」では目的地までたどり着けません。経営陣から定期的にOKRの達成率をレポートしたり、進捗が思わしくないポジションに対して人員やシステムを導入するなどの支援をおこなうことで社員のモチベーションアップにつながります。

OKRを導入している企業の事例

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OKRはもともと、インテル社で運用されていましたが1999年にGoogle社で運用されるようになってからLinkedin社、Zynga社、Twitter社などでも導入され、今では日本の企業でも導入されるようになりました。

Google:多くの企業に影響をあたえたOKR導入法

GoogleではOKRの目標を同じチームに一律したものではなく個人の信念や価値観に基づいて決めています。

そして、社長や部長、スタッフであっても「あなたのOKRはなんですか?」と問いかけることができるフランクな環境があります。

そもそも、Googleでは組織図のピラミッドを逆さまにとらえており「上司は部下のために働く」という意識があるため、部下のことを知っていないと自分のOKRを決めることができません。

そのため、1on1ミーティングを利用して、上司と部下で質の高い雑談を定期的におこなっています。

株式会社メルカリ:OKRを評価で用いるためにMBOとバリューを併用

メルカリのOKR設定の方法は、役員のOKRに会社と同じOKRを設定し、ピラミッドの頂点から下に向かって紐付けをして設定しています。

メルカリの人事制度では、基本的に数字で測れるもの以外は判断や評価をしない方針であるため、OKRとMBO(Management by Objectives:目標管理)を併用して成果を評価します。

一方で、仕事の進め方を会社として評価したいと考えているため、「Go Bold」「All for One」「Be Professional」という3つのバリューを設けることで、数値以外のプロセスを評価できるようにすることで、人事制度を運用しています。

アクティブ・コネクター株式会社:ストレングスファインダーを併用して個性を活かしたプロジェクトづくり

アクティブ・コネクターではOKRを取り入れることで、一人ひとりの個性や想い、特徴を活かしたプロジェクトや目標を設定しています。

そのために、OKRとストレングスファインダーを併用して一人ひとりの個性を浮き彫りにさせることで、個人の強みに合わせてどのプロジェクトにアサインするかを決めたり、仕事のペースに合わせたプロジェクトチームを組んでいます。

「文化・国境、すべての枠組を超えて、はたらくを当たり前に」する働き方革命を起こすべく、まずは社内で1人1人に合わせた働き方を実現しています。

一般社団法人atWillWork 代表理事 藤本あゆみ氏 :個人でOKRを導入して本業×2を実現

Googleで就業経験のある藤本氏は現在、一般社団法人at Will Work一般社団法人atWillWork の代表理事を努めながら株式会社お金のデザインにて正社員でPRマネージャーとして働く復業家です。

本業×2をやっていく上で、重要なのは周囲に理解を求めることです。そこで藤本氏はOKRを周囲に宣言し、仕事をする時間が少なくても成果を出していることを周囲に理解してもらえるようにしました。

一方的に宣言するだけではなく、社内の人に必ずフィードバックをもらうことで他の人が不利にならないように気をつけています。

まとめ

会社の生産性が落ちている、社員の士気が低い、社内コミュニケーションが低下しているが大がかりな、変革は難しい会社にOKRは向いているでしょう。

どんなことでも、社内に定着するまでは大変です。「会社を成長させたい」「社員にイキイキと働いて欲しい」という想いを持つ同志を、部門を問わず募集して導入してみてはいかがでしょうか。

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