「ブラック企業」の基準とは?ありがちな事例を5段階で分けてみた

「ブラック企業」の基準とは?ありがちな事例を5段階で分けてみた

「ブラック企業」の基準とは?ありがちな事例を5段階で分けてみた

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こんにちは!HR NOTE編集部 野上です。

採用担当者の悩みとして、内定辞退や早期退職があるかと思います。内定後に見えた会社の中身、入社してから感じた会社の実態などから『ブラック企業』だと不安感を抱かれてしまうことが、原因のひとつかもしれません。

そもそも、ブラック企業とは何なのでしょうか。長年同じ企業で務めていると、客観的に自分の働いている企業を見れなくなってしまうこともあるでしょう。

そこで今回は、早期退職や内定辞退を未然に防ぐためにもブラック企業になるかもしれないケースや事例を洗い出し、HR NOTEの独断と偏見で「ブラック企業度数」を5段階の★で振り分けてみました。

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「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。

本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。

ブラック企業って明確な定義があるの?

Aさん「昨日残業で終電になったんだよね」

Bさん「うわっ!ブラックだねー」

これは世間でありがちな会話だと思います。僕の周りでもよく見られる光景ですが、ブラック企業の定義を知らない人もたくさんいるのではないでしょうか。

『ブラック企業』という単語を調べてみましたが、はっきりと定義化されているものはないように感じています。Yahooニュースなどで取り上げられている『厚労省「ブラック企業リスト」401社に HISや水道局も|2017年8月16日』といった記事に関しても、厚生労働省が毎月出している『労働基準関係法令違反に係る公表事案』を世間やマスコミが「ブラック企業リスト」として取り上げているだけで、はっきりとした『ブラック企業』を定義化されているものはありません。

厚生労働省がリスト化している資料のように、労働基準関係法令に違反している企業を『ブラック企業』と定義付けるこはできると思います。

いくつかを例に出してみると「資格を持たずして作業の重機の操縦をさせている」「36協定の延長時間を超える違法な時間外労働、休日出勤がおこなわれている」「数カ月分の給料の未払いが発生している」など、大多数の人間が見て、法を犯しているとわかる企業は『ブラック企業』と定義付けても仕方ありません。

しかし、法を犯している事例以外にも、TwitterやSNSを見ていると「上司が退勤するまで帰れない風習がある」「上司の飲み会を断ることができない」「自社の商品を自腹で購入させられる」などのコメントが多数あります。

法を犯しているわけではなく、いわゆる“グレーゾーン”ではありますが、このような事象が発生している企業は、SNSやクチコミからたちまち評判が悪くなり、世間から『ブラック企業』というレッテルを貼られてしまいます。

社員が働くことにストレスを感じる業務や人間関係が慣習的におこなわれている企業は『ブラック企業』と呼ばれてしまうのではないでしょうか。

何がブラックとなるのか、5段階に分けてランク付けしてみました。

ブラック企業と呼ばれてしまう企業はどのような傾向があるのでしょうか。企業の業務形態や社員同士の人間関係などの事例をまとめて、ブラック企業度を5段階に分けてランク付けしてみました。

5段階の指標】
★☆☆☆☆|「ブラックじゃない?」と軽く言われてしまう
★★☆☆☆|「大変なところで働いてるね」と知人に言われる
★★★☆☆|両親に「本当にその会社大丈夫?田舎に帰っておいで」と言われる
★★★★☆|うつ病の社員が増えてくる
★★★★★|完全にアウト
※HR NOTE編集部が独自で事例の調査、独断と偏見でのランク付けになりますので、あくまでも参考までにご活用ください。

ブラック企業度|★☆☆☆☆(「ブラックじゃない?」と軽く言われてしまう)

飲み会に強制的に参加させられる

飲み会が好きで、社員同士の交流が好きな従業員であれば問題はないかもしれません。しかし、誘われる社員が断れない、強制的に参加しなければいけないような社内の人間関係になっているのであれば、その不満から『ブラック企業』と思われてしまうかもしれません。

上司より先に帰ると怒られる

日本の古くからの風習として、「目上の人より先に帰ることが失礼に当たる」といった考えを持たれている方も少なくはないかもしれません。しかし、今はは時代も変わり、労働時間に対して世間が敏感であり、残業問題にもあるように決められた時間には帰らなければいけないような時代になってきています。従業員のワークライフバランスを考えてみれば、『ブラック企業』と認識されることもあるかもしれません。

退職する意思を伝えると引き留められる

これは、当事者の受け取り方による部分もあります。もし社員が「今の仕事が辛い」「もうこの会社で働きたくない」と感じているのであれば、それに対して企業は、何かしらの解決策を提示した上で引き止めをしなければいけないでしょう。もしそれができないのに引き止めをおこなうのであれば、従業員からすると不満となってしまいます。

置き傘がなくなる

モラルの問題だとは思いますが、傘立てにある社員の私物の傘を、共有のものだと思っているのでしょうか。中学生時代に置き傘がなくなる事件は珍しくはありませんでしたが、会社の中でこのような事件が起こっているのはアウトだと思います。傘を持って帰っているのが一人だけであったとしても、会社のモラルの低さとして見られてしまい、ブラック企業とまではいきませんが、“オフホワイト”な企業だと思われてしまうかもしれません。

体育会系ノリの上下関係がある

学生時代に体育会系の部活を経験している社員であれば、何も違和感を感じないかもしれませんが、体育会系の部活に属していなかった社員は違和感に感じて仕方ないでしょう。体育会系によく見られる、先輩が後輩を「パシる」といった行為や、「飲み会での無茶な一気飲み」などは、ブラック企業だとみられるかもしれません。

ブラック企業度|★★☆☆☆(「大変なところで働いてるね」と知人に言われる)

タイムカードがない

社員の労働時間を把握する上で必要になってくる、タイムカード、もしくは打刻システム。労働基準法では、タイムカードがないことに対して違反ということがありませんが、社員の残業代を払う上で労働時間が管理できていないと、正しい残業代を払うことができません。たとえ、みなし残業代で毎月の残業代を支払っている企業に関しても、タイムカードがなければ、みなし残業代が少なすぎないかをはかる指標がないということになってしまいます。従業員から「残業をしているのに給料が少ない」「タイムカードがないから、残業代がでない」などと言われるようになると、世間からブラック企業と見られてしまっても仕方ないかもしれません。

給与を時給換算してはいけないという風習がある

社員の中には毎月の給与を、その月の労働時間で割り算をして「時給計算」をする人もいるのではないでしょうか。若手の社員であれば「アルバイトの方が時給が良い」という人も中にはいるかもしれません。もし時給計算をした金額がその都道府県の「最低賃金」を下回っているようであれば、間違いなく社員から「ブラック企業だ」と言われてしまうでしょう。そのような社員に対して、長く会社にいる先輩からは「給与を時給計算することはご法度だ」と言われたことがある方も少なくないのではないでしょうか。

福利厚生が充実していない

福利厚生には「社会保険」など法律で定められている『法定福利』と、法律では定められていない『法定外福利』があります。ここでは『法定外福利』の充実に関してです。法定外福利とは、会社が法定福利以外で負担をしておこなう福利厚生のことです。たとえば、住宅手当や家賃補助、家族手当から保養所などの施設の保有や、飲食店や娯楽施設などで優待・割引が受けられるサービスなどがあります。社員のストレスチェックが義務付けられたなかで、福利厚生が充実していないのは「ブラック企業」と思われてしまうかもしれません。

なぜか知らないけど出勤時間が早い

始業時間は9時なのに、7時や8時といった1時間以上も前に出勤を強要されているケースもあるみたいです。「朝イチのミーティングの資料作成が終わっていないから」「今日までの提出資料がおわっていない」などの週に1回や月に1回と言ったペースで起こるような事例であれば、大きな問題ではないとは思います。しかし、毎日始業時間の2時間前に来て、普通に仕事をしている。それが常習化しているとなれば、少し問題かもしれません。早く出社した分の賃金が支払われえいるのであれば、不満にはつながらないかもしれませんが、早く出勤をして普通に仕事をしているのであれば「ブラック企業」と呼ばれてしまうでしょう。

トイレットペーパーは個人で持参

トイレットペーパーに限らず、社内の備品は全て自腹で購入して活用されている企業もあるのではないでしょうか。トイレットペーパーを持参しないといけないという話を聞いたときには驚きを隠せませんでした。トイレットペーパーやティッシュ、ゴミ袋などといった必ず必要になる備品類は会社で準備をしてほしいものですね。

ブラック企業度|★★★☆☆(両親に「本当にその会社大丈夫?田舎に帰っておいで」と言われる)

自社商品を買わざるを得ない

節分に某コンビニエンスストアで、恵方巻き売上のノルマが達成できなかったら従業員が買い取って、給料から天引きされるというニュースが話題になりました。月で決められたノルマを達成するために、自社商品を買わないといけないといった状態はブラック企業と言わざるを得ないでしょう。アパレル業界や、コンビニエンスストアなどのサービス業などに多く見られそうですね。

休日出勤が多い

休日が「土、日、祝日」と採用時に言われていたにもかかわらず、休日出勤が慢性的になっていると言った話を耳にすることもあります。この休日出勤に関しても、きちんとタイムカードに記入をし、勤務時間に反映をした上で、休日出勤手当や代休制度が完備されているのが「ホワイト企業」と呼ばれる企業です。逆に、休日出勤をしても、代休がない、休日出勤の手当がなければ「ブラック企業」と呼ばれても仕方がないかもしれませんね。

交通費がでない

通勤に活用する定期代がでない、営業交通費がでないと言った事例です。twitterやまとめサイトを見ていると数件か見つけることができたのですが、実際にでない企業と言うのを耳にしたことがありません。調べてみたところ、交通費は法律的に支給されなくてもいいとのことですが、このご時世に交通費が支給されないのはブラック企業と呼ばれても仕方ないのではないでしょうか。

自家用車を仕事で利用している

営業において、電車での移動ではなく車での移動をしている企業は多くあるでしょう。電車での移動では運べないような資材や、お客様が電車での移動だとアクセスが不便な営業形態の企業であれば、車での営業は当たり前だと思います。しかしながら、そのような場合において社用車が準備されておらず、自家用車で営業をしている企業もあるようです。仕事での移動に自家用車を使っていれば、その車の寿命やガゾリン、オイルなどのメンテナンス費などの負担はどうなってしまうのでしょうか。もし事故を起こしてしまった際には、車の保険や修理費などはどちらが負担するのでしょうか。以上のことから自家用車を社用として活用することは、ブラック企業と呼べるでしょう。

親戚・知人・友人に営業させられる

一般消費者向けのサービスや商品の販売をしている際に見られるケースでしょう。もしその商品が、その営業担当者にとって、本当に親戚・知人・友人に対して誇れるものであれば、その商品の魅力を伝えた上で欲しいと言ってもらえれば商品を販売してもいいとは思います。しかし、社長や上司の方針で「契約してもらえるまで親戚・知人・友人に粘り続けろ」というような会社であれば「ブラック企業」と言ってもいいでしょう。

ブラック企業度|★★★★☆(うつ病の社員が増えてくる)

セクハラ、パワハラ、罵声が横行している

これは完全にブラックだとは思いますが、★4つにさせていただきました。今では男性社員が女性社員に対して「〇〇ちゃん」と呼ぶことが、女性はセクハラに感じてしまうということがあります。上司からのセクハラや、パワハラ、罵声に対しては部下からするとなかなか反論ができないことです。相手の立場を考えて接することができないと、大きな問題に発展しかねません。このような行為は従業員のトラウマになってしまったり、うつ病の原因となることもあるので、社内環境などの見直しをする必要があるでしょう。

求人票と労働契約の内容が違う

転職してきた社員や新入社員にとって、求人票に書かれている内容と労働契約や労働形態に違いがあることは「ブラック企業」と言われてしまう大きな要因と言えるでしょう。求人票に書かれている、初任給の金額、残業の有無、福利厚生の内容や、昇給やボーナスの金額などが、いざ入社をして現実が見えた瞬間に「こんなはずじゃなかった」となってしまうでしょう。

サービス残業が横行している

定時の時刻になると、タイムカードや出退勤システムなどで退勤の打刻をおこない、その後デスクに戻って仕事をする。これはまさしく「ブラック」と言っても過言ではないでしょう。

仕事のミスに罰金の請求をする

コピーの失敗や、ノルマ未達成、経費精算の遅延など、社員が起こしたミスに対して罰金を請求する企業もあるようです。企業が主体でおこなわれているのか、上司や部署が主体でおこなわれているのかはわかりませんが、コンプライアンス的にも「ブラック企業」と言われてしまうでしょう。そもそも業務上の損失を個人の負担にすることは、労働基準法違反ということです。

有給という概念がない

有給休暇制度は、社員に必ず与えられる制度です。しかし中小企業やベンチャー企業などによく耳にするのは「有給はあるけど使えない」「有給を消化したいけど言えない」といった言葉です。有給休暇は労働基準法が定める労働者の権利なので、本来であれば使いたい時につかえるべき制度のようです。有給を取得することを拒否するような会社は「ブラック企業」と言っても間違いはないでしょう。しかし、社員が繁忙期などに有給を消化してしまうと事業部などに大きな迷惑がかかる可能性もあるので、有給を化する期間に関しては相談を受けてお互いが理解をした上で承諾をする必要があるでしょう。

社用PCが自腹

仕事で活用するPCを自腹で準備しなければいけないというのは、実際に耳にしたことはありませんがそのような事例もあるようです。新卒社員が入社の際に「PCを自腹で購入」と言われてしまえば、そんな大金をは準備ができるわけありません。もちろんそこまで無理をして購入させているのであれば「ブラック企業」と言われてしまうでしょう。会社側としては、予算の中から経費をかけて準備をするもので、なおかつランニングコスト的には高いものになってしまうかもしれませんが、社員のためにも「ブラック企業」と言われないためにも、PCは会社で準備するようにした方がいいでしょう。

ブラック企業度|★★★★★(完全にアウト)

給与支払いの遅延が多発

これは迷わず★5だと思います。働いてくれている社員に対して、企業が還元できる大きな報酬です。支払いの期限をすぎてしまうということは、社員からの信頼関係がなくなってしまい、退職、起訴といったことが発生しかねません。

社会保険がない

社会保険は企業の規模や業種に応じては、加入することが強制されているので、社員に対して社会保険が適応されないことはないかとは思いますが。社会保険がない会社は「ブラック企業」で間違いはないでしょう。

※社会保険の適用に関する記事はこちら
「社会保険」の手続きで考えたい強制適用と任意適用とは

サービス残業や残業代が全額支給されない

社員が働いた時間に対しての給与が支払われないというのは「ブラック企業」です。残業代の未払い分をもとめて起訴ということも起こり得るでしょう。一度でもこのような事件が起こると世間からは「ブラック企業」のレッテルを貼られてしまいます。

過労死・過労自殺の事例あり

先程も説明をした、厚生労働省の「ブラック企業リスト」に間違いなく載ります。

違法行為(脱税、粉飾決算、ドラッグ、反社会的勢力)

会社の存続にも関わってくるくらい大きな問題です。世間から信頼を失うことになってしまい、「万年ブラック企業」という底なし沼にハマってしまいます。

退職届を出すと懲戒免職処分になる

退職の意思がある社員の未来を潰すことになってしまいます。こんなことをしてしまうと間違いなく「ブラック企業」です。

最後に

いかがでしたでしょうか。

勝手にブラック企業と思われてしまう、ケースや事例を洗い出しランク付けをしましたが、もし当てはまる事例が多い企業は見直しが必要かもしれません。

もし、少しでも思い当たる節がある人事の方がいましたら、会社の制度設計や、コンプライアンスを厳しくするなどして、ブラック企業と言われないような企業づくりを進めていきましょう。

福利厚生を充実させて、社会保険など労務周りの整備をしていくような取り組みが、内定辞退や早期退職の防止につながり、企業の離職率を下げることに繋がるかもしれません。

また、ほかにも「ブラック企業」と思い当たるケースや事例がある!という方は、『#HRNOTE』と付けてツイートをしていただけると、記事に反映させていただこうと思っていますのでツイートをお待ちしております。

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「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。

本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。

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