メルカリ攻めの労務|「できない」ではなく「どうやるか」のスタンスで取り組む働き方 | 人事部から企業成長を応援するメディアHR NOTE

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メルカリ攻めの労務|「できない」ではなく「どうやるか」のスタンスで取り組む働き方

  • 労務
  • 労務・その他

※本記事は、インタビューを実施したうえで記事化しております。

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近頃、「採用」や「人材管理」の領域が大きく取り上げられていますが、労務や総務も会社にとって欠かせない重要なポジションです。

今回、株式会社メルカリ労務の横井さんに、普段あまり語られない「労務の仕事内容」「労務が抱える悩み」「労務の魅力」「今後の労務」などについてインタビューの機会をいただきました。

メルカリの「攻めの労務」のスタンスや、労務から社内を巻き込んでどう企業貢献していけるのか、参考になる内容が満載です。是非、ご覧ください!

横井様

横井 良典(よこい よしのり)|株式会社メルカリ コーポレートプランニンググループ

大学卒業後、人材サービス、社労士事務所、アパレル企業で10年以上に渡り、人事労務業務を担当。10人以下の企業から数千人規模の企業までの各フェーズ、他業種における労務課題に向き合う。2016年6月、メルカリ入社。労務を担当。東京都社会保険労務士会・勤務社労士/産業カウンセラー協会・産業カウンセラー

 

メルカリとの出会いはミートアップ。その1年後に入社

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―まず、メルカリに入社した経緯についてお伺いさせてください。


横井氏
:もともとメルカリとの出会いはミートアップでした。2015年の8月ぐらいですかね。そこから約1年後の2016年の6月に入社しました。


―労務の方がミートアップに行くイメージがなかったのですが、どのようなミートアップだったのですか。


横井氏
:人事が対象のミートアップでした。そのため参加者は採用担当の方が多かった印象ですね。そもそも労務担当者がこのような形で社外に出る機会は少ないと思います。

社内で給与や社会保険の手続きをコツコツとやっているようなイメージですよね。なぜ私が参加したかというと、もともと話好きな性格ということもあり、昔から意識的に交流の場に出かけていたからです。

メルカリのミートアップに参加したのは、前職でバリバリ働いているときで、情報収集が目的でした。「勢いのある会社だな、雰囲気をみてみたいな」と興味があったんです。


―そのときは転職の選択肢はなかったのですね。なぜそこからメルカリに入社されたのでしょうか。


横井氏
:ミートアップの後、そこで出会ったメルカリのメンバーとランチに行くようになり、その後も定期的に会って話をする中で「他にはどんな人が働いてるんだろう」と段々と興味を持つようになったことがきっかけです。

また、メルカリのミッションである「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」という思いに共感したことも大きかったです。

私の実家はお寺なのですが、お布施としてお米やお野菜などを周囲の方々からいただくことで育ててもらいました。

お寺に来る様々な人とのつながりで育ててもらった経験から、人と人がつながって物のやりとりをおこない、新しい価値を生み出していくメルカリのサービスは、私の価値観とどこか似ていると感じました。

欲しい人と売りたい人の距離が近く、その価値を自分たちで決められる社会は非常に魅力的だと思います。

メルカリの労務には、どのような働き方が求められるのか?

ルールに沿ってやる仕事はアウトソースで、会社のための新しいチャレンジに注力する

―メルカリではどのような業務をされているのでしょうか。


横井氏
:一般的な業務としては、給与計算、社会保険、雇用保険の手続き、労災、健康診断の手配、衛生管理など、労務業務を全般的に広く見ているという感じです。

実際の給与計算や社保手続きは、社外にアウトソーシングしており、社内ではそれをチェックしていく形をとっています。

会社の考え方として、いわゆる、やり方が決まっていることはなるべく外に出していきたいと常々話をしています。その上で社内の労務担当がやるべきことは何かを考え実践しています。

一般的な労務の仕事は、単純作業が多く、ミスなく円滑に対応することだけが求められるようなイメージかもしれません。

しかし、メルカリの労務に求められているものは異なります。どうしたら働きがいのある環境をつくっていけるのか。採用や自社サービスの成長や採用など、会社全体の目標と労務の目標がリンクし、会社の成長のために何ができるのかを考えて行動しています。

merci boxなど、新しい取リ組みの際は「できないではなく、どうやったらできるのか」のスタンスで臨む

―具体的にどのようなことをされているのでしょうか。


横井氏
:全般的にメルカリは、採用や総務も含め、ひたすら攻めている会社なんです。

労務自体として攻めていきたい想いももちろんありますが、まずは各部署が攻めていることを現実的に運営できる形につくりあげるなど、さまざまな攻めの施策を実行するためにサポートをしている部分が大きいですね。

たとえば、産休育休の給与を100%保障するなどの人事制度をまとめた「merci box(メルシーボックス)」です。

大企業でもあまり例のない取り組みなのですが、総務と共に導入まで漕ぎ着けました。「merci box」には他にも妊活支援の金銭サポートや、病児保育の医療負担なども含んでおり、今後も「働く上でリスクになるようなこと」をどんどんカバーしていきたいと思っています。

 

そういったアイデアが労務や他の部門から出て、労務も一緒に動いて形にしていきます。

そして、実際につくり上げた制度を運営し、軌道修正するのも私たちの仕事です。今までにないアイデアを形にする際は、「それはできません」ではなくて、「どうやったらできるのか一緒に考えていく」というスタンスで臨んでいます。


―守りながら攻めているような感じですね。

労務として意識していること|従業員が安心して業務に専念できる環境をつくる

労務のバリュー「Go Bold」「Be Professional」「All for One」とは?

―横井さんがメルカリの労務として心がけていることはありますか。


横井氏
:心がけていることとしては、事業をともに推進する力となりたいということですね。

そのために労務のバリューをつくっていて、メルカリのバリューである「Go Bold–大胆にやろう」「All for One–全ては成功のために」「Be Professional–プロフェッショナルであれ」に沿った内容になっています。

【メルカリ労務のバリュー】

  • Go Bold–大胆にやろう
    業界・他社に先駆ける取り組み、社会への提言をおこない、牽引するようなチームをつくります。
  • All for One–全ては成功のために
    ライフイベントに寄り添い、従業員が業務に専念できる、安心できる環境をつくります。
  • Be Professional–プロフェッショナルであれ
    現状に満足せず、オーナーシップを持って実行します。

事業の成功や、良い人を採用するということにおいて、従業員が安心して仕事ができる環境かどうかは重要だと思います。労務に信頼して任せられる、安心感を与えられるような環境をつくっていくことを常に意識しています。

ただ、どうしても興味がない人にとってはイメージが湧きにくい分野なので、どう頼られる存在になれるかは課題になってくるかと思います。


―「労務は普段何をしているんだろう」と思っている方も多そうですね。

保険、年金、税金などで「知らなかったために損をした」とならないための啓蒙活動が重要

横井氏:たとえば、年金であれば自分にとってすぐに影響があるものではないですし、健康保険も病院ほとんど行かない人は、「なんでお金がこんなに毎月引かれているんだろう」と感じてしまうこともあるかと思います。年末調整、税金関係のところも同様だと思います。

ただ、そのあたりのことで、知らないと損することが世の中には多すぎるんですよね

たとえば年末調整の時に、保険に入ってない方が結構多いと感じたら、保険のメリット・デメリットを教えたり、ふるさと納税の仕組みを説明してみたり、年金がもらえない世代になる可能性があることを啓蒙してみたり、そういう細かいコミュニケーションや啓蒙活動が大切なのかなと思います。まだまだこれからやりたいことがいっぱいです。

そういう分野において、「この人に頼ったら、任せておいたら損はしない」というような環境をどうやったらつくれるかを考えています。

メルカリには日報を書く習慣があり、毎日メールで日々おこなったことや、思ったことをコメントとして残しています。

そこでこの間、「みんな、横井さんが確定拠出年金(401k)やった方がいいよって言ってるよ」「それで初めて知って今日調べてみました」といったことが書かれていて、「あ、気になってくれてるんだな」と思いました。


―社内全体だけでなく、従業員個々人にも労務的な観点から貢献していくんですね。


横井氏
:どちらかというと個人の相談事の方がほとんどですね。

たとえば、扶養の手続きで、「妻が退職したので扶養に入れたいです」という相談に対応したり、「もし退職して失業保険もらうのであればこうなります」とアドバイスしたりしています。

1人1人状況が異なるので、悩み相談プラスコンサルのような感じになっていますね。

「All for One」ではないですが、損をさせない。決めるのは最終的には本人ですが、その選択肢をしっかりと提示して本人に判断してもらえる状況をつくることが重要です。

後で、「そんな制度知らなかったよ」とならないために、自分たちがしっかりと勉強をして、従業員に選択肢を1つでも多く提示できるようにしていく必要がありますね。

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