「Wantedlyランキング1位でも採用はゼロだった」 MOLTSそめひこ氏が語る採用広報の重要性 |HR NOTE

「Wantedlyランキング1位でも採用はゼロだった」 MOLTSそめひこ氏が語る採用広報の重要性 |HR NOTE

「Wantedlyランキング1位でも採用はゼロだった」 MOLTSそめひこ氏が語る採用広報の重要性

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※本記事は、主催企業や登壇者/登壇企業に内容を確認のうえ、掲載しております。

先日、株式会社divが開催する『Engineer Recruiting~エンジニア採用の最前線~』というエンジニア採用戦略イベントに参加させていただきました。

イベントのメインは、いま注目を集めている株式会社モンスター・ラボ株式会社アカツキ株式会社MOLTS株式会社ユーザベースの4社が集まり、「エンジニア採用を成功させるには」というテーマでのトークセッション。

中でも株式会社MOLTSの寺倉そめひこ氏による「採用コンサルから学ぶ!今、人事に求められている事とは?」というトークセッションは、エンジニア採用に限らず、採用業務に携わる人事すべての人にとって非常に参考になるお話でした。

採用活動の一環としてWantedlyを活用されている企業も多いかと思いますが、株式会社MOLTSではページ公開初日でWantedlyランキング1位を獲得、それにもかかわらずWantedly経由での採用は0人だったそう。
では効果がなかったというと、そうではありません。今回はそめひこ氏が語るWantedly1位になって行った『採用広報』を、イベントレポートとしてご紹介いたします。

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「いま人事に求められていること、それは採用広報力」MOLTSそめひこ氏が語る

採用広報力、それは採用を強化する「広報活動」のこと

そめひこ氏:「今、人事に求められている事とは」というところで、採用広報力が求められているように最近感じています。採用広報力とは、シンプルにいうと、自社で情報発信を行い、様々な採用手法を強化する広報活動と私は考えています。

よく他社様の採用支援のお手伝をさせていただくときに、「採用広報にしっかり力をいれていきましょう」というお話をしています。ただ、「時間がない」「社員が協力してくれるかわからない」「長期的な効果を期待するのは今ではない」という声が返ってきます。それでも、採用広報には力を入れるべきだと思います。
では、なぜ採用広報が必要なのか、MOLTSの事例を用いてご紹介します。

公開初日でWantedlyランキング1位、しかし直接採用は0名だった

そめひこ氏:最近、僕自身はMOLTSという会社を立ち上げ、採用活動を行っています。オフィスもマンションの一室ですし、特にこれといった際立つ特徴もないのですが、採用を行った結果、10月から3名体制になることができました。

何を行ったのかというと、Wantedlyで1求人のみ作成しました。これ以外は何もやっていません。Wantedlyの求人って「○○募集!」とかってあると思うんですけど、そうではなく「設立1ヶ月目のMOLTSの代表より編集者の方へメッセージがあります」という “お手紙風” にして出してみたんですね。

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その求人が、公開初日でWantedlyランキング1位を獲得しました。約2万PVを獲得して、応募数も累計70名ぐらい獲得しました。ただ面白いのが、Wantedlyからの採用って実は0名なんですよ。じゃあ、10月からの3名はどう決まったかというと、リファラル採用(縁故採用)だったんですね。
もちろん、Wantedlyからあった70名くらいの応募者も真剣に選考しました。しかし、結果だけをみれば、リファラル経由のみの採用でした。

採用広報の具体的な進め方とは?鍵はターゲット設定と身内コンテンツ

採用広報のターゲットは「社員の周囲の人たち」―― 脳内SEOの1位をとる

そめひこ氏:ここで伝えたいのは、MOLTSが行った活動こそが「採用広報」で、すごく大事だということです。Wantedlyランキング1位は採用ではなく、採用広報として非常に効果的でした。なぜなら、僕のことを知っている人からのリファラル採用が生まれたから。いまのフェーズにおいてMOLTSではミスマッチ採用は相当の痛手のため、なるべくリファラル採用をしたかったんですよね。

では、どうやって採用広報を行うかというと、まずターゲットを決めることが大切です。ターゲットは社員、社員の周囲の人たち、そして関わりのない人たちと、三階層に分けます。

僕は結構採用広報についてお話するときに、「社員の周囲の人たちの脳内SEOの中で1位をとりましょう」と言っています。
例えば、社員の周囲の人たちの中に、転職しようか迷っていて、いろんな会社を見ているときに「そういえば、あの会社が気になるから話を聞いてみよう」って真っ先に自社を思い浮かべてもらえるようにするのが、脳内SEOで1位をとることのイメージです。

ターゲット

まったく関りがないところにアプローチをしようと思ったら、露出度を増やすしかなくて費用が結構かかるのですが、社員の周囲の人たちにアプローチしていくことは、社員のSNS上を使っていくらでも可能なんですよね。まずここをしっかり取り囲みましょう。これが採用広報のそもそもの始め方になるのです。

採用広報の正攻法とは?身内ウケをする内容を発信していく方がよい場合もある

そめひこ氏:採用広報の正攻法は、

【1】自社を紹介した記事を作成

【2】シェア依頼

【3】社員がFacebook、Twitterで記事を拡散

【4】知人が転職を考えているタイミングで、興味を持ってもらう

という流れだと思います。

ただ、コンテンツの作成に関して、社員の周囲の人たちの脳内SEOを攻めようと考えると、特に身内ウケする記事をつくる方が、反応がよい場合があります。知り合いが多そうな人の写真を使った記事の方が、社内のメンバーが自然にシェアしたいと思うでしょうし、それに反応して、社員の周囲の人たちも意外とコメントをくれるんですね。

僕の場合は、「Wantedlyで採用します」記事を書いて、その記事を100人ぐらいの知り合いの方にメッセージを送り続けました。「シェアしてください、シェアしてください」って言って(笑)。自分の周囲のユーザー、そのまた周囲のユーザーに対してアプローチをしっかりかけていき、「そめひこさん、気になってるんですけど」っていう母数を増やしていきました。

1人の何もない会社で1求人だけできたので、皆さんにもできるはずです。いきなりは効果はでませんが、その採用手法に愛と情熱を持って改善を繰り返し行っていくことが重要です。

採用広報として発信していきたい5つの情報コンテンツ

ここからは、HRノート編集部が「採用広報を行うにしても、どのような方にどのような情報を発信していけばいいのか」に関して、ご参考程度にいくつかご紹介させていただきます。

01. 採用活動状況に関する情報

自社の採用活動におけるこだわりであったり、採用イベントの様子や実際にどのような方を採用したのかなど、採用活動に関してあらゆる情報発信をしていきます。どんな方を求めているのかを伝えたり、採用活動を積極的に行っていることをアピールしていったり、自社の採用活動に興味を持って認知してもらうことを意識していきましょう。

02. 自社の社員の紹介

自社の社員は今までに何をしてきた方で、現在はどのような業務を行っているのか、どんな技術があるのか、なぜ今の会社に入ったのか、仕事で魅力に関している点は何かなど、現場のリアルな声を伝えることで、興味喚起とともに、自社で働いた際のイメージを持ってもらえるようになります。

03. 自社の社内イベントの様子

誕生日のお祝いや飲み会、BBQや花見といったイベント、社員総会など、自社の懇親会の様子を伝えていきましょう。
どんな社風なのか、どのような社員の方がいるのか、アットホーム雰囲気を打ち出すことで、普段伝えられない会社の雰囲気を知ってもらえることにつながります。

04. 新サービスなどのプレスリリース情報

新サービスのプレスリリースの内容が注目されている新しい分野のサービスであったり、新しい技術を使っているサービスであったりすると、エンジニアの方であれば特に自社に対して興味を持ってくれるかもしれません。エンジニアが興味を持ってくれそうな新しいものはどんどん発信していくこともよいでしょう。

05. 自社主催のミートアアップやハッカソンなどのイベントの様子

イベントの告知をするだけでなく、どのようなイベントを行ったのか、参加した感想はどうであったか、よりリアルなイベント風景を伝えることで、次回開催の際に、エンジニアの方が興味を持ってくれやすくなることでしょう。

その他にも様々な観点で情報を発信していくことができるかと思いますが、ただ情報発信をするだけではなく、「どうしたら自社に興味を持ってファンになってくれるか」という観点を持って、そめひこさんがお話されたように『脳内SEO』で1位をとることを目的としてコンテンツを作成していくと良いかと思います。

おわりに

以上、今回は株式会社MOLTS代表・そめひこ氏のお話をピックアップしてご紹介いたしました。

その他にも様々な観点で情報を発信していくことができるかと思いますが、ただ情報発信をするだけではなく、「どうしたら自社に興味を持って、ファンになってくれるか」という観点を持って、そめひこ氏がお話されたように脳内SEOで1位をとることを目的としてコンテンツを作成していくことは非常に大切です。

本イベントは「エンジニア採用を成功させるには」というテーマでしたが、エンジニアに限らず、採用を行っているすべての企業に当てはめられそうですね。 これをキッカケにぜひ「採用広報」に力を入れてみてはいかがでしょうか。

  • イベント主催:株式会社div
  • サービス:
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