アルムナイとは?注目される理由・背景やメリット・デメリットを解説! |HR NOTE

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アルムナイとは?注目される理由・背景やメリット・デメリットを解説!

  • 採用
  • 中途採用手法

少子高齢化により労働人口が減少している現代では、採用力を強化するためアルムナイ制度が注目されています。採用に困っている企業は、「アルムナイネットワーク」を活用することで、自社に見合った優秀な人材を再雇用できる可能性があります。

この記事では、アルムナイ制度とはどのような制度なのか、注目される理由・背景やメリット・デメリットを踏まえてわかりやすく解説します。また、アルムナイ採用を取り入れるにあたって活用したいサービスについても紹介します。

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1. アルムナイとは?

アルムナイ(alumni)とは、英語で「卒業生」「同窓生」「校友」を意味し、人事やビジネスでは「企業を離職・退職した人たち」を指す言葉として用いられています。アルムナイは、その会社で働いた経験をもっていることから、「社風や企業理念をよく理解している」「企業への愛着心や思い入れが強い」といった特徴を有しています。

ここでは、アルムナイの理解を深めるため、アルムナイ採用制度やアルムナイネットワークについて詳しく紹介します。

1-1. アルムナイ採用とは?

アルムナイ採用とは、何らかの理由で離職・退職した元社員を再雇用する採用制度のことです。アルムナイ制度は、外資系企業で盛んにおこなわれていました。しかし、日本企業でも、終身雇用の時代が終わり、転職や再就職が増えたことで、OG・OBなどの退職した人を再雇用しようとする企業は増えています。

1-2. アルムナイネットワークとは?

アルムナイネットワークとは、企業が退職者とのつながりを途切れさせないために構築するネットワークのことです。退職した後もメールやSNSなどを通じて、企業と退職者、退職者同士で交流できる場を用意することで、アルムナイとの関係を維持することができます。

関連記事:アルムナイとは?アルムナイ制度の詳細や実際の活用事例をご紹介

2. アルムナイ制度が注目される理由・背景

現代ではアルムナイ制度が採用手法の一つとして注目されています。ここでは、アルムナイ制度が注目される理由・背景について詳しく紹介します。

2-1. 少子高齢化による労働人口の減少

近年では、少子高齢化が進んでおり、労働人口が減少しています。総務省が公表している「令和5年版高齢社会白書」によると、将来の生産年齢人口は継続的に減少していくと予測されています。

引用:令和5年版高齢社会白書|総務省

少子高齢化による労働人口の減少により、多くの企業では人材確保が困難になっています。自社の企業文化をよく理解しているアルムナイを再雇用することで、効率よく自社のニーズにあった人材を獲得することが可能です。

2-2. 労働者の価値観の多様化

働き方改革により、テレワークやフレックスタイム制度など、多様な働き方が推進されています。ダブルワークやフリーランスといった働き方を選ぶ人も増えています。また、テクノロジーの発展により、Web会議システムやチャットツール、オンラインストレージなど、あらゆるサービスが登場しています。

このような影響もあり、労働者の価値観は多様化しており、継続して働いてもらうことに課題を抱えている企業もあります。自社への愛着心や思い入れが強いアルムナイを再び雇用できれば、定着率を向上させ、安定的な経営へとつなげることが可能です。

2-3. 人的資本経営への注目

人的資本経営とは、人材を資本とみなし、その価値を高めることで、継続的な企業成長へとつなげる経営の考え方を指します。

変化の激しい現代において、競合優位性を獲得するために、人的資本経営が重視されるようになっています。また、企業の持続可能性(サステナビリティ)を評価する投資家や消費者が増加していることも、人的資本経営が注目されている理由の一つです。

このように、人的資本経営が注目を集めるようになったことで、アルムナイ制度を導入し、ステークホルダーに会社としての責任をきちんと果たしていることを示す企業が増えています。

関連記事:人的資本経営とは?重要視される背景や開示項目について徹底解説

3. アルムナイ制度を導入するメリット

アルムナイ制度を導入することで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。ここでは、アルムナイ制度を導入するメリットについて詳しく紹介します。

3-1. 優秀な人材を確保できる

アルムナイ制度を導入することで、自社のことをよく理解しており、他社で働き新たな知識・スキルを身に着けた人材を再雇用することができます。また、新しい人材だけでなく、アルムナイも雇用することで、求人応募者を増やすことが可能です。このように、アルムナイ制度により、優秀な人材を確保できる可能性を高めることができます。

3-2. 新たな関係性を構築できる

幅広い人脈をもっているアルムナイを再雇用できれば、新しい層の顧客や消費者を獲得し、事業を拡大できる可能性が高まります。また、再雇用できないとしても、アルムナイとのつながりを大切にすることで、アルムナイネットワークを活用して、自社の存在や商品・サービスを広めることが可能です。このように、アルムナイ制度の導入により、新たな関係性を構築し、ビジネスチャンスを拡大させることができます。

3-3. コスト削減が期待できる

自社でアルムナイネットワークを構築できれば、求人サイトなどで新しく求人募集をおこなう機会を減らせるため、採用コストを削減することができます。また、アルムナイは一度自社で働いた経験があり、企業の制度や文化をよく理解しているので、教育・育成コストも削減することが可能です。このように、アルムナイ制度の導入により、コストの削減が期待できます。

3-4. 企業のイメージアップにつながる

アルムナイ制度を導入することで、退職者を大切にする企業として、世間に認知させることができます。企業のイメージアップにつながり、これまで以上に顧客や取引先などのステークホルダーとの関係を強化することが可能です。

4. アルムナイ制度を導入するデメリット

アルムナイ制度の導入には、メリットだけでなく、デメリットもあります。ここでは、アルムナイ制度を導入するデメリットについて詳しく紹介します。

4-1. 既存社員のモチベーション低下

アルムナイの評価や待遇が既存従業員とかけ離れていると、既存社員のモチベーション低下へとつながる可能性があります。アルムナイと既存従業員の関係性が上手くいかないと、企業の生産性が低下する恐れもあります。そのため、アルムナイ制度を導入する場合、アルムナイだけでなく、既存社員の待遇や評価などにも目を向けることが大切です。

4-2. 情報漏洩のリスクが高まる

アルムナイ制度を導入する場合、退職者との接点を作るため、SNSやチャットなどを利用してアルムナイネットワークを構築するのが一般的です。

アルムナイを大切にするという観点から、適切に自社の情報を開示することは重要です。しかし、社外秘の情報を漏らしてしまうと、大きな損害を被る恐れがあります。

そのため、あらかじめアルムナイネットワークでの情報共有のルールを明確にしておくことが大切です。また、アルムナイネットワークのセキュリティ対策もきちんとおこなうことが重要です。

4-3. 関係維持のためのコストがかかる

アルムナイとの関係を維持するには、専用チャネルを開発したり、定期的にイベントを開催したりするなど、コストがかかります。アルムナイとの関係性維持のためのコストを大きく割いてしまうと、企業のコア事業へ投資する資金が減ってしまう可能性もあります。そのため、アルムナイ制度を導入する前に、費用対効果を検証して、適切な予算を立てることが大切です。

5. アルムナイ制度を導入・運用するためのポイント

ここでは、アルムナイ制度を導入・運用するためのポイントについて詳しく紹介します。

5-1. 既存社員に制度を周知する

アルムナイ制度をスムーズに導入するには、現役の従業員に制度の目的やメリットを周知し、理解を得ることが重要です。そもそもアルムナイという用語を知らない従業員も多いかもしれません。そのため、研修やセミナーを開催して、アルムナイ採用とはどのような制度なのか理解してもらう場を設けるのも一つの手です。

5-2. 採用基準を明確化する

アルムナイであれば、誰でも復職できるとすると、既存社員のモチベーション低下につながりかねません。また、退職した理由によっては、自社の社風などにマッチしなかった可能性もあります。

そのため、アルムナイ制度を導入する場合、採用基準を明確化することが大切です。自社に不足している人物像を明確にし、それにあわせて採用基準を設定することで、自社のニーズにあった人材を再雇用することができます。

5-3. 柔軟な働き方を用意する

一度企業を離れたアルムナイは、他社で働いたり、育児・介護に専念したりなどの経験を通じて価値観が変わっている可能性もあります。そのため、退職者が再度働きたいと思えるように、柔軟な働き方を用意することが大切です。

たとえば、リモートワーク制度を導入したり、休暇制度を充実させたりすると、復帰したいと思ってもらえるかもしれません。また、正社員採用だけでなく、非正規の雇用や業務委託の導入など、採用形態を広げてみるのも一つの手です。

6. アルムナイ制度を設計する方法

アルムナイ制度を導入するには準備が必要です。ここでは、アルムナイ制度を設計する方法について詳しく紹介します。

6-1.アルムナイネットワークを形成する

まずは、アルムナイ制度を運営するためのシステムを構築しましょう。具体的には、退職者の方に向けてSNSグループなどを通じて、「アルムナイネットワーク」と呼ばれるものを作成します。アルムナイネットワークに対して、復帰した退職者の働いている様子や、社内の雰囲気、最新動向などの情報を定期的に提供し、アルムナイに興味・関心を持ってもらうことが大切です。

6-2. アルムナイとの交流の場を作る

定期的にイベントを開催するなどして、従業員と退職者や、アルムナイ同士の交流の場を設けることも重要です。近況報告する場を設けることで、懐かしい元同僚に会う楽しみだけでなく、視野を広げることもできます。また、既存の従業員が新しい知識・スキルを習得して、成長する場としても機能します。

6-3. 定期的にコミュニケーションを取る

退職者の中には、「再雇用してもらいたい」と考えている人もいます。アルムナイ採用を成功させるには、このような人たちと普段から連絡を取りあえる関係を構築することが重要です。

定期的にコミュニケーションをとり、再雇用の話をする前に直接連絡ができる関係になっておくことで、元社員の帰属意識が高まります。復帰後のキャリアのアドバイスや支援をすることも効果的です。

6-4. アルムナイに仕事を依頼する

アルムナイと信頼関係を構築できれば、業務委託、アルバイトなどで仕事をスムーズに依頼することができるようになります。一時的であっても、アルムナイに業務を手伝ってもらうことで、人脈を広げ、強固な組織づくりへとつながります。

7. 【3選】アルムナイ採用を支援するサービス

アルムナイネットワークを活用することで、退職者を再雇用できる環境作りができます。しかし、自社でアルムナイネットワークの環境を構築するには、一定以上のノウハウに加えて、時間やコストも必要になります。

そのため、アルムナイ採用支援サービスを活用するのも一つの手です。ここでは、おすすめのアルムナイ採用支援サービスを紹介します。

7-1. Official-Alumni.com

株式会社ハッカズークが提供する「Official-Alumni.com」は、アルムナイ・リレーション特化型クラウドシステムです。企業とアルムナイの間で、やりとりをする際に必要である基本機能が充実しています。NPS仕様のアルムナイ・リレーション測定「Gauge」、アルムナイ・イベント管理機能などで、アルムナイ制度の運営を快適におこなうことが可能です。

サービス名:Official-Alumni.com
提供会社:株式会社ハッカズーク
URL:https://official-alumni.com/

7-2. MyRifer Alumni

株式会社MyReferが提供する「MyRifer Alumni」は、リファラル採用活性化サービス「MyRefer」の機能の一つです。退職した元社員をサポーター化し、アルムナイ採用とリファラル採用を促進することができます。

「MyRifer Alumni」では、退社した社員が企業からの情報を確認したり、退職者のデータ管理・マネジメントしたりすることが可能です。それぞれの退職者がどのコンテンツを閲覧したかも分析できるため、企業に興味・関心のある退職者を簡単に把握することができます。

サービス名:MyRifer Alumni
提供会社:株式会社MyRefer
URL:https://i-myrefer.jp/

7-3. エアリーfor Alumni

EDGE株式会社が提供する「エアリーforアルムナイ」は、人事課題解決にOB・OGの力を借りるためのHR Techサービスです。アルムナイ制度のためのプールが充実しており、成功実例が多いのも特徴の一つです。また、高度なセキュリティ体制を敷いているので、情報が漏洩するリスクを抑えることができます。

サービス名:エアリーforアルムナイ
提供会社:EDGE株式会社 
URL:https://airy.net/alumni/

8. アルムナイ制度を取り入れて採用力を強化しよう

アルムナイ採用を導入すれば、即戦力として活躍してもらえる人材を再雇用することができます。ただし、アルムナイ制度を運営するには、ネットワークの構築や評価・待遇の整備などの手間がかかります。自社でのアルムナイネットワークの構築・運用が難しい場合は、アルムナイ採用支援サービスの利用を検討してみましょう。

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