日本の労働人口は、1995年の8,000万人をピークに、33年後の2060年には約半分の4,000万人にまで減ると予想されています。
そんな深刻な人手不足の問題を抱える日本において、いま多くの企業が力を入れ始めている「中途採用」。
本記事では、求人サイトを使って中途採用を成功させる秘訣、および、中途採用で是非活用したい11個の求人サイトをご紹介します。
ぜひ、求人サイトを比較検討する際にお役立てください!
目次
1|中途採用に積極的な企業が増加
既に人材が不足している企業にとって、新人を教育することは、費用と時間の両方で負担がかかります。
一方で、就業経験があり、何らかのスキルを持っている中途人材は、即戦力となるため魅力的でしょう。
実際に、2017年の中途採用実績(雇用形態:正社員)は、1社当たり中途採用人数が1.44人であり、2016年度の1.29人よりも0.15人増加しています。
1-1|中途採用の求人数のトップはIT・通信業界
転職市場では、成長している産業の人材のニーズが高くなる傾向にあります。
【転職市場で人気の業種】 ①IT・通信 ②メディア ③メーカー
参考:doda 転職マーケットの”今”を知る!「転職求人倍率レポート(2018年10月)
IT・通信業は、ハイスピードで成長を続ける業界であることから、常に人手を募集しています。メディア業界ではWebマーケティング関連の広告代理店で営業職の求人が増加しています。
1-2|転職を希望する人も増加
求人数に対して、転職希望者数も増えています。
「doda なるほど!転職ガイド「転職求人倍率レポート(2018年11月)」によると、転職希望者数は2014年より年々増加し続けています。
転職を希望する理由は、給与アップ・スキルアップをしたい、新たな仕事を習得したいなどさまざまです。
また、営業職から企画職へと職種を変えたいからという理由もあります。
2|中途採用に関する課題を抱える企業
しかし、中途人材のニーズが高まっているなかで「欲しい人材が集まらない」「他社に優秀な人材が流れてしまう」などの課題を抱えている企業は少なくありません。
【中途採用に関する課題】
■ターゲット層の応募者を集めたい(51%) ■応募者の数を集めたい(33%) ■選考の負荷を減らしたい(18%)
■採用コストを抑えたい(17%) ■選考辞退者を減らしたい(16%)
参考:HR総研「キャリア採用とアルバイト採用に関する調査」結果報告 vol.1」
人手不足を解消したい企業にとって、転職希望者が増加していることは好都合と言えます。
しかし、同時に中途採用に積極的な企業も増えているため、ライバル企業が出てくる可能性があります。
「中途採用を成功させたいけれど、実際は多くの課題を抱えている」というのが企業の本音なのです。
3|求人サイトを使って中途採用を成功させるポイント
転職市場では企業どうしで優秀な人材の取り合いが生じやすいため、できるだけ応募人数を集め、欲しい人材に積極的にアプローチする必要があります。
そこで企業の採用活動に役立つのが「中途採用のための求人サイト」です。以下では「求人サイトを使って中途採用を成功させる3つのポイント」をご紹介します。
|ポイント1| 欲しい人材に効果的にアピールできる媒体か見極める
より的確に、効率的に求人募集をおこなうためには、媒体ごとの特徴を正しく理解し、貴社の採用ニーズに合った媒体を見極める必要があります。
大前提として、採用ターゲットを明確化するプロセスが必要ですが、それができたら、次は媒体の選定をします。この際に重要なポイントは「その求人サイトでアプローチできる人材の中に、自社の採用ターゲットがどのくらいいるか」を考えることです。
媒体ごとに、業種・職種・年代・性別などの会員属性がそれぞれ異なるので、求人サイトを選定する際には、この会員属性を必ずリサーチする必要があります。
また、その求人サイトが、採用ターゲットに対して効果的にアピールできる機能・サービス・プランを備えているかを見極めることが非常に重要です。特徴や機能・プラン形態も、求人サイトによってさまざまです。
「無料だからとりあえずハローワーク」であったり、「大手求人サイトだから〇〇」といった選び方をすると、思うように効果が出なかったり、工数やコストだけが無駄になってしまったりするので気をつけましょう。
|ポイント2| 機能・オプション・プランを比較する
ポイント1でもお伝えした通りどのようなユーザーがメインで利用しているのかを確認することは大事ですが、求人ニーズが高まり続けている中、媒体に掲載するだけでは埋もれてしまいなかなか応募が集まらなくなっています。
そのため、特徴的な機能やオプションなどをどのように活用できるかを考えて比較することが大切です。
スカウト無料、自動でメールを配信、成功報酬プラン等等、媒体によってさまざまな機能やオプション・プランがあります。媒体に掲載してただ待つだけではなく、それらをうまく活用することが採用成功にとって大切です。
また、無数に機能やプランがあってよくわからない場合は、複数の求人媒体を利用している広告代理店を活用するのもおすすめです。
直販業者は当然自社サービスを魅力的に見せるよう提案をおこないますが、一方で広告代理店はさまざまな会社の媒体を扱っているため、お客様の採用ターゲットや採用課題、要望などをしっかりヒヤリングした上で、もっともお客様にあった媒体を選び、提案してくれます。
代理店を利用した場合も、直販を利用した場合も、顧客側からすると料金が変わらないことがほとんどですので、自社にもっともあった媒体を比較検討する際には、さまざまな媒体を取り扱う「広告代理店の活用」をおすすめします。
|ポイント3| お得なチケットプランやキャンペーンなどを利用する
季節や時期にあわせておこなわれるキャンペーンを活用することで、お得に求人掲載をおこなうことができます。
求人媒体は、ほぼ年がら年中何かしらのキャンペーンが走っていることがほとんどです。
また、「チケットプラン」と呼ばれるいわゆるまとめ買いプランで発注することによって、値引きなどのメリットを受けることができるケースがあります。
たとえば、以下のようなキャンペーンがあります。
①新規お取引企業様限定の有料オプション無料キャンペーン ②3回の掲載をまとめ買いすることによって定価から30%以上OFFになるチケットプラン ③早期に申し込めば、掲載期間が無料で2週間延長できるプラン |
人材会社や広告代理店に相談することで、こういったお得プランやキャンペーン情報を無料で教えてもらうことができます。なので、求人サイトへの掲載を検討する際は、まずは一度、問合せてみることをおすすめします。
媒体選定をよりスムーズにおこなうことができ、かつ間違いのない自社にとって最適な媒体選定が可能になります。
4|中途採用に活用できる大手求人サイト3つを徹底比較!
それでは、ここから中途採用に活用できる求人サイトについて、具体的にご紹介いたします。
まずは、国内最大級の登録者数と掲載企業数を誇る大手求人サイトである「エン転職」「doda」「マイナビ」です。
3サイトの共通点は、登録者の年齢層・地域・経験職種の幅が広いことが挙げられます。
また、全て国内最大級の登録者数を誇りますが、その中でも「エン転職」は600万人と、最多数となっています。
01:エン転職
※全国・関東版価格
「使いやすさ」No.1の転職サイトで、日本最大級の会員数を誇る「エン転職」の登録者数は1,000万人以上。(2022年4月末時点)35歳以下の割合が約70%と、若手採用に最適な求人サイトです。大型プロモーションの実施により、毎月7万人以上の新規会員獲得に成功しています。また、スマホユーザービリティが業界No.1と若手層から高い支持を獲得しているのもエン転職の大きな強みです。
【CHECK!】
●業界No.1のスマホユーザビリティで、若手転職希望者の会員化を促進
●求人サイトNo.1の情報充実度と信頼性で理解度の高い応募者が集まるため、ミスマッチが少ない
●専任のコピーライターが求人を作成するため質の高い広告を打ち出せる
●出稿予算に関わらず、すべての求人情報を「上位表示」で告知
●面接ドタキャン防止対策機能あり
02:doda
業界最大級約798万人の会員者数を誇り(2023年6月末時点)、経験者採用や即戦力人材の採用に強みを持ちます。また、dodaは求人サイトとしてだけでなく人材紹介サービスも提供しているため、幅広い業種職種で専門性を持った人材紹介利用者にもアプローチすることが可能です。
【CHECK!】
●経験者でスペックの高い人材が多く登録する人材紹介利用者にもアプローチが可能
●IT・モノづくりエンジニアの採用に強い
●「doda」の掲載料金で「dodaエンジニア」にも同時掲載が可能
●少人数のスポット採用から大規模採用まで多様なニーズにマッチする商品群と提案力
03:マイナビ転職
マイナビ転職は全国各地の求人を取り扱う求人サイトです。掲載件数は常時15,000件以上と業界最大級を誇ります。 登録者数は801万人を超え(2024年2月時点)、オリコン日本顧客満足度ランキング転職サイトNO.1と絶大な支持を得ています。業界最大級の登録者数であることから、職種・業種のバランスが取れていることが「マイナビ転職」の特徴です。
【CHECK!】
●大手求人サイトの中では圧倒的なコストパフォーマンスを実現
●営業・販売・サービス関連職種や事務系職種からITエンジニアやWEBデザイナー、WEB系職種まで幅広い職種をカバー
●20代~30代の若手人材に強い
●「グローバル」「ITエンジニア」「女性」採用のための専門求人サイトをそれぞれ併設
●全国428万人のスカウト登録者に直接アプローチが可能
5|ダイレクトリクルーティングに特化した求人サイト
次に、ダイレクトリクルーティングに特化した求人サイトである「Green」をご紹介します。
ダイレクトリクルーティング(ダイレクトソーシング)とは、ターゲット人材を獲得するために、採用担当者が自ら主体的に活動をする採用手法を指します。
ダイレクトリクルーティングのメリットは、転職潜在層にアプローチできることや、求人広告・人材紹介では出会えない人材を発掘できる可能性があることなどが挙げられます。
04:BIZREACH
ハイクラスな人材が集まる「BIZREACH(ビズリーチ)」。その理由は、独自の基準を設け、審査に通過した人のみが登録できるからです。そのため、即戦力の採用が可能になります。
さらに、ぜひ採用したいと思った候補者には、継続的なアプローチが可能になります。最短5営業日で利用開始できる便利さからも、多くの企業が導入しており、累計28.900社を超える企業がスカウトを実践してきました。
【CHECK!】
●日本最大級の「即戦力人材データベース」を持ち、ハイクラス人材を探すことができる
●審査を通過した人、会員料金を払った人のみが所属
●「ダイレクト・リクルーティング」で優秀な人材に直接アプローチ
●採用したい人には継続的なアプローチが可能
05:Green
IT/Web業界・ベンチャー企業の採用に強い成功報酬型求人サイト「Green」。「Green」で採用を成功させた企業のうち、9割がIT/Web業界の企業です。エンジニア、デザイナー、ディレクター、営業、マーケティングを中心に、IT/web業界の経験者を採用しています。特徴は「ダイレクトリクルーティング機能」が充実している点です。
【CHECK!】
●成功報酬型求人サイトで掲載期限がなく、費用面のリスクがない
●IT/Web業界・ベンチャー企業の採用に強い
●「ダイレクト・リクルーティング」で優秀な人材に直接アプローチ可能
●成功報酬が職種別に一律価格(60~120万円)であるため、採用コストが抑えられる
6|特定のキャリアを持つ人材に特化した求人サイト
「しゅふJOB社員」「イーキャリア」「Re就活」「「Career Cross」「@type」「女の転職@type」は、特定のキャリアを持つ人材に特化した求人サイトです。どのようなが欲しいかが明確で、ターゲットを絞って募集したい企業におすすめです。
06:HIGH-FIVE
『HIGH-FIVE(ハイファイブ)』は、株式会社クリーク・アンド・リバーが提供するクリエイターやデザイナーに特化した求人サイトです。Webデザイナー・UIUXデザイナー・Webディレクター・マーケターなど登録者数約9万人の独自データベースを保有しており、貴社の採用ニーズにお応えいたします。「Webデザイナー・Webクリエイターの採用を強化したいが、なかなかうまくできない」という人事担当者は、是非ご活用ください。
【CHECK!】
07:イーキャリア
※エントリーコース適用時の料金設定(3職種まで掲載可)
ソフトバンクグループが運営する総合転職サイト「イーキャリア」。転職意欲の高い登録者が多く、希望する人材にアプローチしやすい環境であることが特徴です。また、オンライン面接・SMS通知機能などの便利な機能も新たに加わり、採用担当者へのサポートが強力です。
【CHECK!】
●業界最大級のコストパフォーマンス
●今すぐ転職したい人の割合が会員全体の6割
●1つのプランで3原稿まで掲載可能
●掲載内容の修正・更新・職種の入れ替えに追加料金無し
08:Re就活
日本で唯一20代を専門とする中途採用の求人サイトで、会員数は230万人のうち92.5%が20代。社会人経験があり、ステップアップなどを考えている「ヤングキャリア」層や「第二新卒・既卒」層など、「20代若手人材」のみをターゲットに絞り、集客していることが特徴です。そのため、他の求人サイトでは採用が難しいとされる「伸びしろのある20代若手」にアプローチが可能です。
【CHECK!】
●20代の採用に特化
●中堅・中小・ベンチャー企業が求める若手人材が集まる
●「ヤングキャリア」「第二新卒」にターゲティング
09:Career Cross
日本最大級のバイリンガル求人サイト。質の高いバイリンガル人材の登録者は28万人を超えており、毎月2,000人の新規登録があります。日本人と外国人の比率は6:4で、そのうち日本人登録者の英語レベルはビジネスレベル以上と、非常に高い英語力を持つ人材が81%を占めています。事務、人事・採用、法務、会計・財務、秘書、通訳・翻訳のスキルを持った日本人のデータベースにも優れています。
【CHECK!】
●バイリンガル・グローバル企業専門とする中途採用の求人サイト
●ビジネスレベル以上の英語スキルを持った日本人のデータベース
●2,500社以上のサポート実績
●70%以上の企業がリピートの高い満足度
●ユニークな機能を提供
10:type
※2職種まで掲載可能
エンジニア採用に強みを持つ「@type」は独自の集客方法で、ITエンジニア・モノづくりエンジニア双方の集客を実現しています。また、定期的に開催されるエンジニア向け転職フェアなどによりエンジニアからの認知度が高いことも特徴です。
【CHECK!】
●type独自データベースへのダイレクトリクルーティングが可能
●エンジニア採用ならではの職種コード設定が可能
●複数職種を低予算で掲載できる
11:女の転職 type
※2職種まで掲載可能
「女の転職type」は、会員数192万人にのぼる女性の中途採用に特化した求人サイトで、一生涯働きたいと考えている女性の採用に強い特徴があります。大手総合求人サイトと比較すると正社員・契約社員の利用比率が圧倒的に高くなっています。また、「女の転職type」と連動した専門サイトが充実。たとえば、アパレル・コスメ業界専門サイトの場合「ブランドから探す」「ファッションビルから探す」など大手総合求人サイトには無いカテゴリーから検索ができます。
【CHECK!】
●スマートフォン機能が充実しており、PC環境のない転職希望者にも対応
●正社員・契約社員の求人比率が圧倒的に多い
●「女の転職 type」と連動したアパレル・コスメ業界などの専門サイトが充実
7|さいごに
いかがでしたでしょうか。
サイトといっても、ただ転職希望者と企業をつなぐのではなく、双方を確実にマッチングさせるための特徴や便利な機能があります。
「女性の正社員」「経験豊富なエンジニア」「語学スキルが高い人材」など、企業はできるだけ細かく、自社に欲しい人材の人物像を設定し、利用する求人サイトを絞ることがおすすめです。
また、サイトごとにさまざなプランが用意されているため、「急を要する採用」なのか「高い費用でも確実に採用したい」のかなど、人材以外の課題とも向き合いながら最適なプランを選択するようにしましょう。