近年、終身雇用制度が崩壊しつつある中で、求職者の転職活動が活発になってきており、中途採用市場において、転職サイトを活用することは欠かせなくなってきています。
本記事では、総合求人サイトから職種・業種に特化した転職サイトまで、その特徴を幅広く取り上げてご紹介いたします。
採用ターゲットに合わせた媒体選定や、比較検討する上で参考にしていただければ幸いです。
1. 中途採用市場の現状
転職サイト(中途採用における求人サイト)についてご紹介する前に、まずは中途採用市場の現状から見ていきましょう。
有効求人倍率は右肩上がり!企業側の「採用難」が色濃くなっている
※参照:総務省統計局
上のグラフは、月別の有効求人倍率と転職市場における有効求人倍率の推移です。
ご存知の通り、ここ数年有効求人倍率は右肩上がり。2017年度にはバブル期を超え、43年ぶりの高水準を記録するなど採用市場は稀にみる採用難時代に突入しています。
2018年の有効求人倍率は1.6倍、転職市場における有効求人倍率は2.4倍となっており、転職者1人あたり2.4社の求人があり、非常に供給過多であることが伺えます。
転職者は、どのようなチャネルを利用しているのか?
このように企業側の採用難が続く中で、即戦力となる中途人材の採用成功はとても重要になっています。それでは、転職者はどういった経路で転職をおこなっているのでしょうか?
※参照:厚生労働省
上のグラフは、転職者がどういった経路で転職をしたのかを示しています。
1位は求人広告で159万人(33%)、2位は縁故採用で121万人(25%)、3位はハローワークで107万人(22%)となりました。
人材紹介を活用している転職者は16万人(3%)と少なくなっており、直近はリファラル採用などの縁故採用も増えていますが、いまだに求人広告を利用する求職者が多いことが伺えます。
このように、さまざまなチャネルが増えていく昨今においても求人広告の掲載は有効的な手法の1つといえるでしょう。
2. 転職サイトに掲載するメリット
ここからは、転職サイトに掲載するメリットについてご紹介します。
欲しい人材に対してアプローチが可能
多くの転職サイトには「スカウトメール機能」がついています。
スカウトメール機能とは、求人サイトに登録している求職者のレジュメを確認し、自社ターゲットにマッチした人材に対し、企業から求職者宛にアプローチメールを配信することができる機能です。
この機能をうまく活用することにより、効率的にターゲットへ自社を訴求できます。
ただし、スキルのある求職者には多くの企業からスカウトメールが届いている可能性があるため、フォーマットで配信するのではなく、件名や文面のカスタマイズをおこない特別感を演出するよう心がけることが大事になります。
比較的安価な値段で採用できる
直近の1人当たりの採用単価は、平均で100~300万円とのデータがありますが、求人広告での平均的な1人あたりの採用単価は、約40万円です。
ハローワークや縁故採用などと比較すると費用はかかりますが、人材紹介といったその他の有料チャネルを活用するよりもはるかに安く採用することができます。
潜在転職者層にもアプローチできる
転職していない人でも、今後に備えてであったり興味本位であったり、転職サイトを検索している人は多いようです。
求職者は「業種」や「福利厚生」など、様々な条件で転職先を検索するため、自社のニーズにあった求職者に認知をしてもらえる確率があがります。
転職サイトの中には、潜在転職者が転職したいと思った際に、サジェスト機能として履歴を出す機能も備えているものもあります。
3. 転職サイトに掲載するデメリット
続いては、転職サイトに掲載するデメリットと、その対策方法についてご紹介したいと思います。
掲載に当たって工数がかかる
求人掲載がスタートすると、応募者のレジュメの確認、合否の選定、不合格者への連絡、求職者との面談日程調整、面接前の事前連絡などを自社でおこなう必要があり、求人掲載中の応募者対応に手間がかかる可能性があります。
また、人材紹介や縁故採用など、求人広告以外での採用活動を同時並行でおこなっている場合、別経路からの紹介にも対応する必要があるため、これまで以上に工数が増えてしまうことが懸念されます。
対策方法:「事前準備をおこないましょう!」
人事だけで決めるでのはなく、事前に書類選考で見るべきターゲットとなる求職者の基準のすり合わせをおこなっておくようにしましょう。
採用に不慣れな事業部の場合は、スキルの高い人物像を要求してくるケースもあるため、期待値調整をおこなっておく必要もあります。
また、掲載期間中はできる限り面接を優先できるスケジュールにしておくべきかもしれません。求職者との調整工数を削減できると同時に貴社に対する志望率向上が期待できます。
その他にもメールフォーマットの設定をおこなっておいたり、求職者からの連絡を確認する担当を決めておいたりするなど、事前に準備をすすめておきましょう。
採用担当が一人でどうしても工数が割けない場合は、採用代行などを活用することをおすすめします。
費用を払っても確実に集まるとは限らない
先行投資である求人広告の場合、掲載したにも関わらず「自社採用ターゲットからの応募が集まらず、結果採用に至らない」というケースが発生する場合もあります。
求人掲載を検討する際には、掲載してみなければ分からないというリスクがあることを念頭におきましょう。
対策方法:「自社ターゲットに合った求人サイト選定と求人原稿制作をおこないましょう!」
転職サイトにより求職者の志向性や特性が異なります。自社ターゲットの採用に最も適したサイトはどれかをしっかり見極めましょう。
またサイトによって付属の機能なども異なるので、スキルのある人材の採用を検討する場合、スカウトメール機能などについても事前に確認しておくとよいでしょう。
求人広告はあくまで広告です。ターゲットに振り向いてもらう求人広告を制作するためには採用ターゲットを明確にして、求職者が応募をしたくなる求人原稿コンセプトを立てることが重要です。
求人原稿のノウハウは、営業担当や求人広告会社によって異なるため、信頼できるパートナーに依頼するようにしましょう。
4. 転職サイトを選ぶポイント
ここでは、求人サイトに中途求人サイトを載せる際に重視すべきポイントを紹介します。
転職サイトの特性を把握し、自社ターゲットの多い転職サイトを選択する
求人サイトにより、年齢・性別・得意とする業種・職種、求職者の志向性などが異なります。
マイナビ転職やエン転職、リクナビNEXTなど、どんな業種・職種にも対応している「総合求人サイト」は複数ありますが、経験スキルの高い求職者が集まる転職サイトもあれば、20代の若手や未経験者が多い転職サイトなどもあります。
その他にも業界や職種に特化している、地方採用に強いなど、求職者属性に特化をした転職サイトも複数あるので、それぞれのサイトの特性や自社ターゲットの会員数などをしっかり見極めた上で自社に最適な転職サイトを選定することが重要です。
そのためにも、まずは自社内で求める人物像をペルソナ化し、ターゲットを明確にしておくことをおすすめします。
付属の機能を確認する(スカウトメール機能・原稿修正の有無など)
スカウトメール機能
特にスカウトメールについては、1つめのメリットでも取り上げたように、貴社ターゲットに対し直接アプローチのできるツールです。
採用成功率を高めるためにも機能面をしっかり確認しておきましょう。
求職者のレジュメが見れるのか、スカウトメール配信通数は何件なのか、有料なのか無料なのか、文面のカスタマイズは可能なのか、など詳細に確認しておきましょう。
原稿修正が可能か
求人サイト特性に合わせ媒体選定を行ったにも関わらず、予想以上に応募が集まらないなどの不測の事態がおこった場合、PV数や応募数などの効果を確認しつつ「原稿修正」を行った方がよい場合もあります。
求人サイトによっては、原稿修正が有料な転職サイトもありますので、事前に原稿修正の有無についても確認しておくべきでしょう。
この他にも不採用通知時の連絡方法、面接ドタキャンを防ぐ機能が設置されているなど、転職サイトにより備えている機能が異なります。これらの機能を事前に把握することでスムーズな採用につながります。
費用対効果を考慮する
採用活動に充てる資金もそれぞれの会社によって異なるでしょう。
採用活動を成功させるために、転職サイトごとにどれくらい費用がかかりどれくらいの効果が見込めるのか。
求人コンサルタントなどに情報をあおぎ、事前にリサーチを行いましょう。
同業他社での実績や効果、時期変動などを考慮し、自社の場合の想定を見極めます。
安かろう、悪かろうでは求人を出す意味がないので、予算だけで判断をせず、他社実績など費用対効果を意識しながら求人サイトを選ぶことをおすすめします。
5. 転職サイトをまとめてご紹介!
ここでは、幅広いものから特化型のものまで、さまざまな転職サイトを紹介したいと思います。
エン転職:日本最大級の会員数を誇る転職サイト
【特徴】
- 転職口コミサイトと連携しており、20代の若手層の採用に効果的な求人サイト
- 選考中の工数やストレスを軽減するための機能が多数
- 業界No.1のスマホユーザビリティ
・運営会社:エン・ジャパン株式会社
・URL:https://info.employment.en-japan.com/original-lp-20220406-aff-promotion-main.html
マイナビ転職:「マイナビ」というブランド力を生かした転職サイト
【特徴】
- 全国各地の求人を取り扱う日本最大級の転職サイト
- オリコン日本顧客満足度ランキング転職サイトNo.1
- 登録者の多くが若手であり、若手採用に強い
doda:圧倒的な求人数を誇る転職サイト
【特徴】
- 業界最大級の求人数
- IT・ものづくりエンジニアに強み
- エージェントサービスとの同時並行にすることで手厚い求職者フォロー
HIGH-FIVE:Webクリエイター・デザイナーで優秀な人材が欲しいならココ
- 実績30年以上クリエイターエージェンシーのパイオニア
- Webクリエイター採用の専門知識を持つエージェントが採用活動を効果的にサポート
- Webデザイナー・UIUXデザイナー・Webディレクター・マーケターなど登録者数約9万人の独自データベースを保有
Forkwell jobs:エンジニアに特化した求人サイト
【特徴】
- IT・Webエンジニアの中途採用サイト
- ダイレクトリクルーティングによる攻めの採用
type:ひとつ上を目指す人のキャリア転職サイト
【特徴】
- エンジニア職からの認知が高く、エンジニア集客のための独自の集客を実現
- ワンプライスで2原稿搭載できるため、高いコストパフォーマンス
- スキルや性格など、多面的なマッチング機能
イーキャリア:ソフトバンクグループが運営する転職サイト
【特徴】
- オンライン面接機能など採用の効率化を実現できる機能が多数
- 掲載中の修正は何度でも無料で可能
- 圧倒的コストパフォーマンス
女の転職type:女性の採用に特化した転職サイト
【特徴】
- 女性の正社員、契約社員採用に強み
- 女性目線の切り口からの転職紹介
- 求職者の情報と企業が求める人物情報を自動マッチングする機能の搭載
BIZREACH:「直接スカウト」で効率的な採用を実現
【特徴】
- 独自の審査を通過した人材のみが登録しているため、即戦力の採用が可能
- 採用担当自らが候補者を探しスカウトできるため、素早く効率的な採用ができる
- BOXIL SaaS AWARD採用サイト採用サービス部門1位を獲得した実績あり
Re就活:20代の採用に特化した求人サイト
【特徴】
- 20代の若手人材獲得に強み
- 登録者の約7割が社会人としての職歴あり
- パソコンやスマートフォンで面談ができるWeb面談機能の搭載
Green:IT/Web業界の中途求人なら
【特徴】
- IT、Web業界のベンチャー企業の採用に強み
- 成功報酬型による掛け捨てリスクの低減
- スカウト機能、ダイレクト・リクルーティング機能によって優秀な人材への直接アプローチ
リクナビNEXT:日本最大級の求職者データベース
【特徴】
- 転職者の8割がリクナビNEXT利用者という圧倒的な求職者データベースの保有
- 広告を掲載して「待つ」だけでなく直接アプローチできる「攻め」の機能が多数
- スタイルに合わせた多様な料金プラン(※掲載料金についてはお問い合わせください。)
MOREWORKS:デジタル・クリエイティブ業界の求人サイト
【特徴】
- クリエイターがさまざまな角度から求人情報を探すことができるので、クリエイターから人気
- クリエイターに企業の魅力が伝わりやすい
- スカウト機能がある
はたらいく:地元に根ざした転職サイト
【特徴】
- 地域限定、地元限定での採用成功に強み
- 規模感の小さな企業が多数
- エリア限定広告のため、費用が安価
とらばーゆ:女性の採用に強い転職サイト
【特徴】
- 20~34歳の女性がメインユーザー
- 勤務条件や環境など検索軸の多さ
- リクルートが運営することによる圧倒的データベース
求人革命マンモス:求職者が入社祝い金がもらえる転職サイト
【特徴】
- 求職者が最大50万円の入社祝い金をもらえる
- 成功報酬型であり、初出社して初めて料金がかかる
WorkGate:24サイトの独自求人メディアネットワークによる高露出を実現
【特徴】
- 24の提携サイトに連携しているため、高い露出度の担保が可能
- 応募課金であり掛け捨てリスクが低い
ディースターNET:職場が見える求人サイト
【特徴】
- フリーペーパー掲載による、堅実な集客力
- 紙媒体での広告出稿も行えるため地元に強い
- 職場環境やスタッフなどの情報が豊富であり、入社後のミスマッチが低減
イーアイデム正社員:正社員の求人に特化した求人サイト
【特徴】
- 広告出稿だけでなく、様々な手法での採用プランの提案
- 充実かつ丁寧なアフターフォロー
- 毎日情報が更新されるなど、対応の迅速さ
PROSEEK(プロシーク):転職に関する総合求人サイト
【特徴】
- 転職コラムや転職ノウハウなど、求人サイトにとどまらないメディア
- 10原稿まで掲載可能
Daijob.com:外資系・グローバル企業の転職サイト
【特徴】
- 外資系・グローバル企業の転職に強み
- 様々な職種での掲載が可能
6. まとめ
いかがでしたでしょうか。
どんな職種にも対応した総合求人サイトだけではなく、業種や職種に特化をした求人サイトが多数あることがわかりました。
転職サイトへ掲載する際には、自社のターゲットを明確にし、最も適した求人サイトに掲載することが採用成功への近道かもしれません。