働き方改革関連法施行にむけて、今までの勤怠管理方法の見直しを考えていらっしゃる企業様も多いのではないでしょうか?
法律に沿った勤怠管理をするためには、クラウド型勤怠管理システムが役立ちます。
本記事では、クラウド型勤怠管理システムを導入するメリットや、選ぶ上でのポイントをお伝えします。
ぜひ、参考にしていただければ幸いです。
目次
数多くある勤怠管理システムの中から、自社に見合うシステムを探す際、何を基準にして選べばいいのか、悩まれる方も多いのではないでしょうか。
そのような方のために今回、社労士監修のもと、「勤怠管理システムの比較表」をご用意いたしました。資料には以下のことがまとめられています。
・勤怠管理システムの5つの選定ポイント
・社労士のお客様のシステム導入失敗談
・法対応の観点において、システム選定で注意すべきこと
お客様の声をもとに作成した、比較表も付属しています。これから勤怠管理システムの導入を検討されている方はぜひご活用ください。
1、クラウド型勤怠管理システムとは?サービスの特徴を解説
クラウド型勤怠管理システムとは、勤務時間や残業時間をオンライン上で記録して管理できるツールのことです。パソコンにシステムをインストールする必要はありません。
クラウド上でシステムにログインすれば、パソコンやスマートフォンからでも勤怠状況を記録できます。
自宅や外出先からでも簡単に打刻できるため、リモートワークやテレワークにも最適です。
1、なぜ今、クラウド型の勤怠管理システムが注目されるのか
近年、「働き方改革」が叫ばれる中、組織内で働き手が最大のパフォーマンスを出すために、その働き方も多様化しています。フレックスタイム制度や時短勤務をはじめ、働く場所や時間も柔軟な対応をする企業が増えてきました。
働き方の柔軟度に合わせて、勤怠管理もその柔軟性を求められています。
これまでの働き方であれば、タイムカードや出勤簿での打刻方法でも問題なく勤怠管理ができていたかもしれませんが、日々働き方が複雑化していく中では、社員の打刻データの集計や管理に手間がかかってしまいます。
また、残業時間を正確に把握することが求められている中で、タイムカードや出勤簿では月の残業時間を管理することができずに、国で定められている残業時間を大幅に上回ってしまうリスクも考えられます。
勤怠管理にかかる手間は、管理側だけではありません。
営業で外回りの社員が多い企業ででタイムカード等の勤怠管理をおこなっている場合、わざわざ打刻をするために出社をしなければいけないなど、現場にも無駄な工数を発生させている可能性もあります。
このように、従来の勤怠管理方法(タイムカードや出勤簿など)では補いきれない働き方の変化に対応すること、そして管理業務をより効率的で生産性の高いものにする必要性から、勤怠管理手法の変更を検討する企業が増えているのです。
クラウド型の勤怠管理では、残業時間の把握や、柔軟な働き方に対応した打刻、出退勤データ管理の効率化など、新しい時代に対応した機能が実装されており、注目の勤怠管理方法として検討されています。
2、クラウド型勤怠管理システムの主な機能
一般的なクラウド型勤怠管理システムには、以下のような機能が搭載されています。
1、打刻機能
クラウド型勤怠管理システムを活用すれば、始業時間や就業時間をオンライン上で打刻できます。
スマートフォンアプリから打刻できるシステムもあり、営業スタッフが多い企業やテレワークを推進している企業にも最適です。
指紋認証や静脈認証などの方法で、簡単に打刻できる勤怠管理システムもあります。
2、自動集計機能
一般的なクラウド型勤怠管理システムには、自動集計機能が搭載されています。
労働時間や残業時間を自動で集計してくれるため、手作業で計算するような手間はかかりません。
集計した結果をわかりやすい表やグラフの形式で表示してくれるシステムもあります。
リアルタイムで集計できるため、勤務状況を把握して適切な業務指導を実施することも可能です。
3、申請承認機能
残業や有給休暇に関する申請・承認をおこなえるクラウド型勤怠管理システムもあります。管理者は、従業員からの申請をシステム上で受け取り、承認したり否認したりできます。
紙の書類を作成する必要がなくなるため、業務効率化やペーパーレス化を図れるでしょう。
4、データ連携機能
多くのクラウド型勤怠管理システムは、給与計算システムなどとデータ連携できます。
たとえば、残業時間や有給休暇の取得日数などを給与計算システムへ自動的に出力して、正しい給与を算出することが可能です。わざわざ手作業で入力する必要がなくなるため、転記ミスなどのヒューマンエラーを防止できます。
5、アラート機能
アラート機能もクラウド型勤怠管理システムに搭載された機能のひとつです。
打刻を忘れていたり、残業時間が長すぎたりする場合、従業員や管理者へ警告が届きます。アラート機能を活用すれば、打刻漏れや過重労働を防止しながら勤怠管理を実施できるでしょう。
3、クラウド型勤怠管理システムのメリット
クラウド型勤怠管理システムを導入すれば、さまざまなメリットを得られます。それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
1、36協定など、法律に沿った勤怠管理ができる
働き方改革関連法の内容として、従業員の長時間労働の是正や年5日の年次有給休暇の取得義務化があります。他にもフレックスタイムに関する内容など、従業員の勤怠に関するものが多く、この働き方改革関連法に沿った勤怠管理の整備が急務となっています。
また、36協定(労働基準法第36条)に適応したクラウド型の勤怠管理システムもあります。
たとえば、労働時間の超過や打刻漏れがあった場合にアラートが鳴る、規定の労働時間を超えそうになった場合に事前通知が届くといったことが可能となります。
またクラウド型の勤怠管理システムでは、法改正が生じるたびにシステム提供会社側で機能アップデートをおこなうので法改正に対して瞬時に対応することができます。
2、時間や費用のコスト削減ができる
これまでのタイムカードを活用した勤怠管理システムに比べ、クラウド型の勤怠管理システムはさまざまなコスト削減が実現できます。
社員数が20名、30名を超えるような規模の勤怠管理であれば、月末の締め作業や給与計算に多くの時間を取られることでしょう。
また、日々日々の欠勤や遅刻、早退、直行直帰などの管理ができておらず、それを月末に確認して給与に反映するとなると人事担当者は非常に憂鬱なのではないでしょうか?
このように月末に集中して、社員の勤怠状況収集のためにかける時間や工数を考えれば、1人あたり300円前後で利用できるクラウド型勤怠管理システムを導入するコストのほうが安くなる場合が多いようです。
3、社員の打刻だけでなく、管理業務もマルチデバイス対応
これまではタイムカードによる打刻が主流だったので、タイムレコーダーが設置してあるオフィスに出社をしないことには打刻することは不可能でした。
また、タイムカードは不正打刻を引き起こすリスクが高く、コンプライアンスを重視されている現代社会では、正確な勤怠管理をおこなうことが求められています。
クラウド型の勤怠管理システムでは、社員のPC・スマホ・タブレット・ICカードなどさまざまなデバイスでの打刻が可能になるので、正確でリアルタイムな勤怠管理が実現できます。
また、リモートワークや外回りが多い従業員の打刻においても、スマホやタブレットの位置情報サービスを活用して、不正打刻を防止することができるクラウド型の勤怠管理システムが増えてきています。中には、スマホの写真機能を活用して顔写真を撮影して打刻ができるシステムもあります。
管理者の業務に関しても、これまではPCで管理者ページへログインをしたり、申請書を確認して捺印をしたりするなどの手間がかかっていましたが、スマホやタブレットで手間をかけずに簡単に操作することができるようになります。
4、給与計算との連携がスムーズにできる
クラウド型の勤怠管理システムであれば、社員の勤怠データを管理者アカウントから一括して勤怠データを確認することができます。また、企業で利用している給与計算ソフトやシステムへの連携が簡単にできるようになります。
担当者にとっては月末月初の勤怠管理と給与計算にかけていた一連の業務を、簡単に終わらせることができるので、大幅に工数を削減することが可能になり、働き方改革の一手にもなります。
5、勤怠管理システムはシフト管理もできる
多くのクラウド型勤怠管理システムにはシフト管理機能が含まれています。
クラウド型勤怠管理システムは、スマホやタブレットのアプリを活用したサービスなので、社員が希望するシフトをアプリ上で入力すれば、シフトに必要な人数や、社員の能力を考慮した上でシフト作成を自動でおこなってくれます。
これまではメールや紙で社員が希望するシフトをヒアリングし、エクセルを活用してシフト表を作成していた業務を、クラウド型勤怠管理システムを活用することで効率化できます。
そのため、本来担当者がおこなうべき店舗や事業所での業務に専念する時間を増やすことができます。また急な欠員などが発生した際も、社員へのアラート機能などを活用して対応することが可能になります。
シフト制の勤務形態の勤怠管理は、実働時間や休憩時間など計算が複雑になるのでクラウド型勤怠管理を活用するメリットが非常に高く、さらにシフト管理ができるサービスとなると、担当者にとっては一石二鳥のサービスです。
4、クラウド型勤怠管理システムの選び方・比較ポイントを詳しく解説
クラウド型勤怠管理システムを導入するときは、以下のようなポイントに注目して比較しましょう
1、管理側・利用する側、両方にとって使いやすいかどうか
勤怠管理に限らず、システムを導入する際は使いやすさといった点を重視することでしょう。
高度な機能が備わっていたらいいというわけではなく、使いこなせなかったり、不要な機能が備わっていたりしても意味がありません。
また、従業員にとっては使いにくいサービスである可能性もあります。システム選定の際には、実際に利用する人の声を聞くなどして、誰もが使いやすいサービスであるかどうかも確かめることが重要です。
勤怠管理システムには、無料トライアル期間を用意しているシステムが多いので、こちらをうまく利用して自社にあったサービスかどうか見極めると良いでしょう。
2、給与計算など、関連業務との連携ができるか
勤怠業務だけでなく、給与計算などさまざまな業務やシステムと連携できるものが多いです。
そのため、このシステムではどのようなことが可能になるのか、既存のシステムや業務とどう連携していくのか、あるいは、既存のシステムとの連携が可能なシステムなのかといった点もしっかり確認する必要があります。
3、利用料金は?初期導入費用、月額料金もチェック
ユーザーあたりの月額費用や、初期導入費用などが企業によって異なります。
たとえば、 利用する人数によって料金が異なっていたり、同じクラウド型の勤怠システムでも、初期導入費用がかかるものとかからないものも存在します。
勤怠システムの導入により期待できるコスト削減効果や費用対効果もしっかり踏まえた上で、検討する必要があります。
4、アフターフォローが充実しているかどうか
システムは、導入するだけではなく、導入後のアフターフォローが重要となってきます。
導入後にトラブルが発生した場合や、組織変更などがあった場合にすぐ対応してくれるようなサポート体制が整っているかといった点にも着目して、サービスを検討する必要があります。
5、クラウド型勤怠管理システムを活用して業務工数を削減しよう!
いかがでしたでしょうか?
働き方関連法が2019年4月に施行され、これまでよりも正確な勤怠管理が求められます。
今までの紙やタイムカードを用いた管理方法では、法律に沿った勤怠管理をおこなうことが難しくなるでしょう。
また、人事担当者の業務工数を削減できるツールとしても、クラウド型の勤怠管理システムは役立ちます。
クラウド型勤怠管理システムは、それぞれのサービスごとに特徴や料金が変わってくるので、自社の就業形態にあっているのか、従業員が使いやすいものなのかどうかを見極める必要があります。
上記でお伝えした、クラウド型勤怠管理システムの選ぶ上でのポイントを抑え、複数のサービスを比較検討しながら導入を検討してみてはいかがでしょうか。