24時間稼働しているコールセンターでは、深夜手当や早朝手当といった時間帯による給与の違いや、正社員やアルバイトといった勤務形態の違いから複雑な計算が必要になり、給与計算が大変だと思われます。
給与計算をおこなうためには、コールセンターの従業員の多種多様な勤務形態や勤務時間を正しく把握する必要があります。この煩雑な勤怠の収集・管理に多大な工数がかかり、苦労されていらっしゃる担当者の方は多いのではないでしょうか。
このようなコールセンターにおける勤怠管理の手間を削減する一つの手段に勤怠管理システムがあります。勤怠管理システムを使えば、どのような作業がどのように効率化されるのでしょうか?
本記事では、コールセンターの勤怠管理の課題とコールセンターにあった勤怠管理システムについてご紹介します。
数多くある勤怠管理システムの中から、自社に見合うシステムを探す際、何を基準にして選べばいいのか、悩まれる方も多いのではないでしょうか。
そのような方のために今回、社労士監修のもと、「勤怠管理システムの比較表」をご用意いたしました。資料には以下のことがまとめられています。
・勤怠管理システムの5つの選定ポイント
・社労士のお客様のシステム導入失敗談
・法対応の観点において、システム選定で注意すべきこと
お客様の声をもとに作成した、比較表も付属しています。これから勤怠管理システムの導入を検討されている方はぜひご活用ください。
1.コールセンターが抱える勤怠管理の悩み
➤多くの雇用形態・勤務形態があり、管理が大変
コールセンターでは、さまざまな雇用形態・勤務形態の従業員が勤務しています。たとえば、正社員・派遣社員・パート・アルバイトといった雇用形態や、コアタイム・朝番・夜番といったシフト形態など複数の勤務形態があります。
それによって給与や休暇の取得などが従業員によって異なるので、一人ひとりの勤務形態や勤務状況などを把握することが難しく、多大な工数をかけて管理されていらっしゃる担当者の方が多いのではないでしょうか。
そのため、日々の勤怠管理がしっかりおこなわれていないと、従業員への給与の支払いや契約などの業務にも支障が生じてしまいます。
➤シフトの作成が大変
コールセンターは24時間対応しているところがほとんどなので、24時間欠かすことなく従業員を確保しなければなりません。そのため、人員配置のバランス調整が必要です。
コールセンターでは、扱っている商材によって繁忙期や閑散期の時期が異なります。繁忙期では従業員を多めに配置しなければ、問合せ対応が十分にできず、ユーザーからのクレームになりかねません。
逆に閑散期に従業員を多く配置しても、人件費の無駄になってしまいます。このバランスを考えてシフトを作成するのが大変です。
また、早朝や深夜の担当者の確保も大変です。シフトを組むうえで、深夜および早朝に働いてくれる人を確保して、シフトに組み込むことは非常に難しいです。
従業員の急な欠勤など、不測の事態に対応する準備(予備の従業員を配置)も悩みの種になります。
➤月末まで従業員の正確な勤務状況を把握できない
多くの従業員を抱えているコールセンターでは、一人ひとりの従業員の正確な勤務状況を把握することが難しいかと思います。コールセンターでは、自社で雇っている従業員だけでなく、派遣社員を雇用しているケースもあるでしょう。
派遣社員の勤怠は、派遣会社と連携しているため、管理は別でおこなっているとは思いますが、自社で雇っているさまざまな雇用形態の従業員を含め、すべての従業員の勤務状況をしっかり管理する必要があります。
しかし、月末におこなう集計や、従業員の打刻修正が完了しないと、正確な勤務状況の把握をできていないのが現状だと考えられます。
2.勤怠管理システムがコールセンターにあっている理由
コールセンターが抱える勤怠管理に対する課題についてご紹介しました。次に、これらの課題を解決する一つの手段である勤怠管理システムが、コールセンターに適している理由についてご紹介します。
➤多種多様な勤務形態に対しても、システムひとつで簡単に管理できる
コールセンターには、多種多様な勤務形態があります。それぞれの勤務形態を最初に設定することで、打刻したデータが設定通りに反映されます。
これにより、複雑な勤務形態による勤怠情報もシステムで簡単に一元管理できるので、これまで時間を割いておこなっていた勤務情報の管理・把握を簡単かつスムーズにおこなうことができます。
また、月末に収集しないと確認できなかった正確な勤務情報をリアルタイムで確認できるようになります。
➤多種多様なシフトの収集・作成にかかる時間を短縮できる
コールセンターでは多様な勤務形態が存在するため、シフトを組むのが大変です。しかし、勤怠管理システムを活用すると、勤務形態が多様でも従業員の希望するシフトを一元管理し、勤務時間のバランスが取れたシフト作成ができます。
また、従業員の急な欠勤にも自動で対応できるように、休みのスタッフに出勤依頼ができる機能が備わっているシステムもあります。
従業員は専用のスマホアプリなどから、翌月以降の希望シフトをシステムに入力することで、紙やメールでのコミュニケーションを減らすことができるようになり、確定したシフトをアプリ上で管理できるようになります。
勤怠管理システムを活用すると、すべての従業員のシフトをクラウド上で一元管理することができます。そのため、従業員がシフト変更の申請をおこなった場合も、既存のシフトをPCやスマホなどのインターネットに繋がるデバイスを活用することで、クラウド上ですぐに確認することができるので、シフト調整も簡単にできます。
また、1ヶ月の一人あたりの勤務時間の上限をシステム上に設定しておくことで、上限の時間を上回りそうな従業員をリアルタイムで抽出し、アラートしてくれる機能などもあります。
➤ICカードやPCなど多様な方法で打刻ができる
従業員の打刻はPCでの入力やICカードなど多様な打刻方法を選ぶことができます。たとえば、パソコンを立ち上げた時点で就業開始、パソコンをシャットダウンした時点で就業終了を記録するシステムなど、従業員の手間を減らす勤怠システムもあります。
他にも、職場に入るときに利用する入館カードや社員証(FeliCa対応)、Suica等のIC系交通カードなどを打刻機にかざすだけで、スムーズかつ簡単に打刻することも可能です。
スマホやタブレットのアプリから打刻できる勤怠管理システムも主流になっています。しかし、コールセンターではコンプライアンスやセキュリティの問題上、スマホの持ち込みが制限されている場合が多いので、ICカードや、打刻用にタブレットを設置するなどの方法が好ましいでしょう。
➤一人ひとりの正確な勤務時間を把握できる
これまで、従業員の正確な勤怠情報は、月末にまとめて収集して把握するのが一般的でした。
勤怠管理システムを導入することで、リアルタイムに一人ひとりの正確な勤務時間を把握することができます。また、指紋認証や顔写真を認証など正確な本人確認ができるものがあります。また、従業員の打刻漏れなどをアラートで知らせてくれることも可能です。
このように勤怠管理システムでは、不正打刻や打刻漏れを防ぎ、リアルタイムで正確な勤務時間を把握することが可能になります。
3. コールセンターに適している勤怠管理システムをご紹介
コールセンターの勤怠を効率よく管理するための勤怠管理システムでできることについて説明しました。
では、実際にどのような勤怠管理システムがあるのでしょうか?勤怠管理システムの中でコールセンター向けのシステムをご紹介します。
3-1.ジンジャー勤怠 | 多種多様な勤務形態やシフトを一括管理
◆特徴
- さまざまな打刻方法が可能なため、タイムレコーダーのように打刻するために並ぶ必要がなくなる 完全アプリ対応で、PC、スマホ、タブレット、ICカードなどの打刻が可能。コールセンターのように同時刻に多くの従業員が出勤するとタイムレコーダーでは並ぶ場合もありますが、それらの問題を解決できます。
- 従業員の勤怠状態をリアルタイムで把握 クラウド型システムなので、さまざまな勤務形態があり、一人ひとりの労働時間が管理しにくいコールセンターの勤怠情報をリアルタイムで把握できます。そのため、あとで細かい確認をする時間が削減できます。
- さまざまな勤務形態の従業員のシフトを簡単に作成できる コールセンターでは、勤務形態の違いからシフト作成に手間がかかります。しかし、ジンジャーではシステム上で簡単・スピーディーに収集と作成、確認が可能になります。
◆料金
初期費用:300,000円~ 月額料金:400円~/人
サービス名:ジンジャー勤怠 提供会社名:jinjer株式会社 URL:https://hcm-jinjer.com/kintai/
3-2.FC勤怠 |さまざまな勤怠に対応可能
◆特徴
- 各コールセンターにあったカスタマイズが可能
独自運用に合わせた画面や帳票を追加するなど、個別のカスタマイズできます。例えば、独自の計算を含めた給与システム向けのCSV出力なども可能になります。
- サポート体制が整っている
導入前も導入後どちらもしっかりサポートしてくれるため、システム初心者でも安心して導入できるようになっています。急な要望にも迅速に対応してくれます。
- 様々な勤怠形態に対応可能
裁量労働、変形シフト、フレックス、パート、派遣などに対応が可能で、勤怠条件のカスタマイズもできます。
◆料金
初期費用:10,000円(一律) ※ICカード専用打刻機(ピットタッチ・プロ):1台95,000円 月額料金:400円/人 ※最低利用料金は10,000円
サービス名:FC勤怠 提供会社名:株式会社ファーストコンサルティング URL:https://www.fc-kintai.com/
3-3.バイバイタイムカード | 柔軟なカスタマイズ可能
◆特徴
・多種多様な打刻方法を選べる スマホ、iPad、パソコン、バーコード、QRコード、指紋認証など多種多様な打刻方法から選ぶことができるので、各コールセンターにあった打刻が可能になります。 ・柔軟なカスタマイズ対応 独自の集計ルールや就業規則などを設定することが可能です。従来のシステムでは実現が困難だった複雑な勤怠管理にも対応できます。 ・豊富な実績 2003年のサービス開始以降、大手企業での採用を得ています。1000人以上規模の市場で3年連続シェアNo.1(ミック経済研究所による勤怠・就業クラウドシェア調査による)
◆料金
都度お問い合わせ
サービス名:バイバイタイムカード 提供会社名:株式会社ネオレックス URL:https://www.byebye-timecard.net/
3-4.ジョブカン | すべての「働く」を支える
◆特徴
・簡単な出勤管理が可能 打刻はICカードだけでなくLINEやGPS、指静脈を使った打刻など選べます。また、出勤時間になっても勤務開始されていない場合は、メールを自動で送信することができます。 ・従業員のシフト申請や確認が簡単になる 従業員は紙でなく、アプリ上で簡単にシフト申請をおこなうことができます。シフトの確認に関しても、LINEにて直近7日間のシフトを確認することができます。 ・簡単にシフトを作成することができる 直感的な操作で簡単にシフトを作成できます。また、各日・各時間帯の人員の過不足判定もできるため、すぐシフトの追加を募ることができます。
◆料金
初期費用:0円 月額料金:200円/人 ※オプション(シフト管理、休暇/申請管理、工数管理)):各100円/人
サービス名:ジョブカン 提供会社名:株式会社Donuts URL:https://jobcan.ne.jp
3-5.勤怠管理システム | 構築から運営までのワンストップソリューション
◆特徴
・複雑な条件のシフト組が容易になる 手書きのシフト予定表からデータを取り込むことができます。また、複雑な条件のシフト作成も高速かつ自動でおこなえます。 ・コールセンターシステムに強い企業の勤怠管理サービス コールセンターシステムの構築から運営までを提供している企業なので、コールセンターの知識や導入経験が豊富。その他、システム同時に検討することができる。 ・シフト作成をサポートしてくれ、調整もおこなってくれる 稼動人数や従業員の稼動時間が足りない、超過しているなどの警告を表示してくれます。警告が発生した場合、自動的にシステムで、シフト調整をおこなう最適化調整機能もついています。
◆料金
都度問い合わせ
サービス名:勤怠管理システム 提供会社名:株式会社トステック URL:http://www.tostec.co.jp/solution/kintai/index
3-6.ビズワークプラス | 「困った」をまるごと解決
◆特徴
・iPadやパソコンで出退勤管理ができる タイムレコーダー端末の購入は不要で、ICカードなど高齢者やパソコンに不慣れな従業員でも簡単操作できる打刻方法も選べます。 ・リスクを回避、予防できる 残業申請、命令機能を使ってサービス残業を防止できます。また、労働実績を本人と上長が相互に確認し、未払い残業の請求を防止できるなど、過重労働のリスクも防ぐことが出来ます。 ・安価で手軽に導入できる 価格が固定なので、従業員が多い企業にメリットがあります。また、面倒なセットアップも不要で、すでにある従業員のパソコンから利用可能です
◆料金
初期費用:200,000円~ ※サーバーなど機器を設置する場合、別途費用 スタンダード版:750,000円(専用タイムレコーダで打刻) ベーシック版:500,000円(パソコンのログインで打刻) ※その他オプションは別途費用
サービス名:ビズワークプラス 提供会社名:株式会社ウェブサーブ URL:https://biz-work.jp/
3-7.Touch On Time | 使いやすい、お手頃価格
◆特徴
・勤怠の見える化を実現する 社員の勤怠状況をリアルタイムに確認することができます。また複数拠点の勤怠状況も確認できるため、複数のコールセンターを経営している企業にぴったりなサービスです。 ・携帯電話やスマホで打刻が可能 GPS機能で位置情報を取得することができるため、社員がどこの現場から打刻したのか把握することができます。また、本人の携帯でのみ打刻することができるため、なりすましの不正打刻を防止することができます。 ・業務改善につながる 社員の打刻記録が自動で集計されるため、集計業務の軽減を図ることができます。更に休日や有給管理、残業基準の設定等の警告機能により、さまざまな業務改善の一助となり得ます。
◆料金
初期費用:0円~ 月額料金:300円/人
サービス名: Touch On Time(タッチオンタイム) 提供会社名:株式会社デジジャパン URL:https://www.kintaisystem.com/
3-8.kinnosuke | 勤怠からはじめる働き方改革
◆特徴
・申請、打刻漏れがなくなる 打刻の忘れ、有休申請や直行直帰申請などの申請忘れに対して、自動的に判断してアラートを出します。 ・カスタマイズできる トップ画面もよく使うウィジェットを選んで配置できます。特に、毎日使う勤怠管理画面を自分の使いやすいようにカスタマイズできるのが魅力的です。 ・様々な打刻方法 パソコンやスマホだけでなく、レンタル打刻機を使ったICカード打刻に対応しています。また、暗証番号打刻や指紋認証打刻もおこなえます。
◆料金
月額料金: ライト:180円/人 スタンダード:300円/人 プレミアム:400円/人 ※別途オプションを追加すると費用がかかる。
サービス名:kinnosuke 提供会社名:HOYA株式会社 URL:https://www.kinnosuke.jp
4. まとめ
多様な就業形態をもつコールセンターの勤怠管理をアナログでおこなうのは大変です。手間がかかるだけでなく、ミスも発生しやすいです。従業員の給与や労働時間を管理する重要な業務のため、慎重におこなわなければいけません。重要な業務ですが、できれば時間をかけたくありません。
そんなコールセンターに適した勤怠管理システムが多数あります。その中で9つのシステムを紹介しました。勤怠管理システムをうまく利用して、仕事の効率化をはかりましょう。
【関連記事】勤怠管理システム総合比較|クラウド|価格・機能比較表|2022年最新版