中小企業こそリファラル採用を|プラスバイプラス澤氏が語るリファラル採用の極意とは |HR NOTE

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中小企業こそリファラル採用を|プラスバイプラス澤氏が語るリファラル採用の極意とは

  • 採用
  • 中途採用手法

※本記事は、主催企業や登壇者/登壇企業に内容を確認のうえ、掲載しております。

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大手・ベンチャーを問わず採用マーケットが過熱する中、「リファラル採用」の活用・促進は必要不可欠になりつつあります。一方で、「リファラル採用」成功に向けたノウハウや事例がまだまだ少なく、十分な情報が流通していないのも事実。

今回は4月26日(水)にリファラルリクルーティング株式会社主催のセミナー「“正しい”リファラル採用のはじめ方」の内容を前後編に分けてお届けします。

前編となる今回は株式会社プラスバイプラス 人事マネージャーの澤 悠介さんによるリファラル採用導入成功の実例講演録をお伝えします。

澤氏

澤 悠介 | 株式会社プラスバイプラス 人事マネージャー

2002年3月関西大学卒業後、ホームセンター販売職、求人広告営業職を経て、2006年6月にプラスバイプラスへ入社。営業、総務、経理を経験し、2016年1月より採用グループ・マネージャーとして新卒・中途の採用実務全般をおこなう。性格は人見知り。好きな言葉は「前のめり」

「リファラル採用」で非効率な採用活動を変えたい

澤さん

澤氏:弊社では特に営業職を採用する機会が多くて、営業職の採用では人材紹介を使うことが多いです。応募は結構たくさんいただけて母集団は集まるんですが、書類選考、1次面接、2次面接、最終面接と選考を進める中で、「いい方」というのはどんどん他社に内定が決まり、選考途中で辞退されるなど、応募はあっても採用に至らないという非効率な採用活動がされていました。

「なぜ当社を選んでいただけないのか?」という理由を確認していくと、CADというなじみのない商材で「自分が営業するイメージが沸かない」あるいは「ベンチャー企業なんで会社規模に不安を感じる」「ハードワークなのでワークライフバランスが取りづらい」「他社の方が待遇が良い」そういう理由で辞退されていることがわかってきました。

このような状況で、いくら応募を集めても、面接を重ねても、採用がなかなか上手くいきません。これは人事採用担当者、まさにクビをきられる危機だと思うわけです。(笑)

これは「なんとかせねば!」ということで取り組んだのがこの今回のテーマであるリファラル採用でした。

内定辞退ゼロ!「いいとも制度」開始3ヶ月で4名の採用に成功。

澤氏:プラスバイプラスでは「いいとも制度」というネーミングを付けて、『世界に広げよう、プラスバイプラスの輪』ということを謳って、リファラル採用を全社員に浸透させました。

社内的には「いいともで紹介したい人いるんですけど」というフレーズが出てくるような状態になりました。今年の1月から「いいとも制度」を本格的に稼働しまして、4月までに合計4名を採用することができています。

社員紹介を募っていくにしても、まず「誰に声をかけるか」っていうリストアップをする必要があるんです。友人であるとか前職の人とかいろいろリストアップしてみて、40名のリストアップができました。

次に、リストアップした40名にアポを取っていくわけです。「まずは飲みに行こう」というのも1つのアポですし、「人事担当者に会ってみないか?」ということでアポをとることもあります。

いろんな形でアポをとって22名にお会いして、実際そこから「選考を受けたいです」と言っていただいたのが4名。その4名の方と面接をして採用決定4名。なんと最終面接からの内定率は100%。そして内定辞退もゼロという非常に効率がいい採用活動をおこなうことができました。

リファラル採用がもたらした3つのメリット

澤さん3

澤氏:改めて、リファラル採用を導入した3つのメリットをご紹介します。

1.採用単価の大幅な削減

澤氏:まず1つは採用コストが大幅に下がりました。これは目に見えて成果があるんじゃないですかね。エージェント経由だと、1人当たり約140万の採用コストがかかります。それに対して、リファラル採用だと、1人当たりの採用コストが10万円に下がったんです

結果的に、4名の採用ができたので、560万が40万になったんです。10分の1以下です。これはもう、経営者にとってはかなり大きなメリットでした。

2.社長に合う人材の採用

澤氏:驚異の内定率100%」と自分で言っているんですが、愛社精神の高い社員5名にまずは紹介をしてもらいリファラル採用をスタートさせました。この5名であれば、社長が何を求めているか、どんな価値観を持った人が会社にほしいのか、会社が今後どうなっていくかっていうことも理解した上で候補者にアプローチをしてくれるんですね。

その結果、彼らは自社に合わないような人は会社に紹介をしないんです。「こういう人が入ってくれたらいいよね」っていう人だけが紹介で上がってくるので、もちろん面接をするんですが、面接でNGになるケースはほとんどありません。

なので、リファラル採用は非常に我々の方向性にマッチングしているのかなと思います。

3.採用の時間・業務的負荷の削減

澤氏:3つ目のメリットは採用の時間や業務的な負担が削減できる点です。たとえば、エージェントを利用して1名の営業を採用する場合は、40名程の書類選考をおこなって、1次面接20名、最終面接3名、そして内定が1名といった感じになります。

内定1発で候補者を採用できたらいいのですが、万が一辞退をされてしまうと、また同じように40名の書類選考からスタートをさせて、採用が決まるまで同じことを繰り返すことになります。

ところが、リファラルの場合「極論1名の紹介から面談をして、面談をしたらもう1名の採用が決まっている」といった状況になっているんです。非常に採用が効率化できるため、今までやりたくてもできなかった他のことに注力ができるようになるので、これは非常に大きなメリットです。

「いいとも制度」に込めた期待とは?

澤さん4

澤氏:次に「プラスバイプラスでは、どのようにしてリファラル採用を始めたのか」というお話をさせていただきます。プラスバイプラスで一番初めに取り組んだのはリファラル採用制度の設計でした。どんな制度にするのか、どういった運用をしていくのか、という設計から始まりました。

あとは制度が浸透するネーミングづくりです。プラスバイプラスでは「いいとも制度」という名前を付けましたが、やはりネーミングに関しては社内のみんなが発しやすい言葉とか、なにかあった時に思い出してもらえるようなネーミングが必要だと思います。

「リファラル採用制度」といったネーミングにしてしまうと、3日ぐらいしたら「あれ、なんでしたっけ?」となってしまうと思うので、まずは日常会話で出るようなネーミングにしたいなということで「いいとも制度」という名前にしました。

あとは当然社員が紹介したくなる、協力したくなる仕組みが必要になります。まずはご褒美として、なにかあげようということで、プラスバイプラスでは月額3,000円の報奨金、これを最大2年間払いますよというような制度をつくりました。

なんで最大2年間なのかというと、入社してから2年間以上継続して働いてくれたらそこまでお支払いするという制度です。「なぜ一度で支払わないんですか?」とよく聞かれるのですが、入社していきなり「10万円あげますよ」みたいなことを言うと「お金で友達売ったな」みたいな罪悪感を持たれてしまう懸念があるからです。

あとはやはり「継続して働いてもらう」っていうことを念頭に入れたいので、「入社しておしまい」ではなく「入社後も友人同士フォローし合えるような制度になればいいな」という思いも込めて、このような仕組みにしました。

最初は社員からの反応がゼロだった

澤さん5

澤氏:「いいとも制度」を最初に告知したのが昨年の8月なのですが、最初は社員からの紹介が全くありませんでした。3ヶ月経っても社員から何も反応がない状態が続きました。

新たに「本気でやっていこう」と言うことで、リファラルリクルーティング株式会社のサポートのもと、再スタートをしました。ここで何をしたかというと「会社全体を巻き込んでスタートをするのではなく、スモールスタートとして選抜メンバーを決めて運用をしていきましょう」ということで、愛社精神が高い幹部5名でまずはスタートをしました。

この5名でまずは1泊2日でホテルを借りて合宿をおこなったり、会議を積み重ねていって「どんな人が欲しいのか?」「会社の魅力は何なのか?」「会社が抱えている課題は何なのか?」ということを、これでもかというくらい議論をしました。

結果として、自社の魅力を再発見できるだけではなく、自社が抱える課題を見つけることができました。もし、課題があるんだったら「こんな課題がありますよ」と、候補者にお伝えしておくことが非常に大事だと思いますし、課題に対しては「これからこんなふうに改善していくよ」と、伝えることができれば、それも会社の1つの魅力になるかと思います。なので、みんなで課題を抽出することは非常に大切だと思っています。

自社の課題を抽出できることは、リファラル採用に活きるのはもちろんのこと、社内の課題に対する改善活動に取り組むきっかけになると思うんです

たとえば、社員から「こういうことがあって私紹介したくないんです」「こういうことがあって今会社のこと好きじゃないんです」といった声を拾うことができて、それを改善することができれば、会社のことを好きになってくれて、さらに友人を紹介してくれるかもしれません。

このように、リファラル採用に取り組めていない社員たちの現状や課題認識を聞き出すことができれば、会社が良くなって、さらには会社のことを好きな人が増える、ということが起こってくるんじゃないかなと思っています。

リファラル採用成功に向けた3つのコツ

澤さん2

澤氏:最後に、リファラル採用成功に向けたコツを3つお話したいと思います。

1.社長が本気になること

まずは「社長自ら本気度を訴えること」が一番大切だと思います。なぜならば、「リファラル採用」が、単なる採用手法の1つではなく、今後の会社の方向として、社員全員が協力をして採用をやっていきたいんだっていうことをお伝えした方が、社員は本気で動いてくれるんです。

2.いきなり大きな成果を狙わないこと

澤氏:次に大事なことは「いきなり大きな成果を狙わないこと」です。

せっかくリファラル採用をやるなら「今年1年かけて10名採用しよう」「もう採用手法もリファラルだけにしよう」みたいに、大きな目標を掲げたくなってしまうのですが、それよりもまず「最初の1人」という実績をつくることが大切です。成功事例が1つでもできれば、どんどん社内でリファラル採用が拡大していきます。だからこそ、まずはプロジェクトメンバーを愛社精神の高い数名に絞ってスモールスタートすることをオススメします。

3.自社の「アピールブック」を作成すること

澤氏:最後に重要になってくるのは「アピールブック」の作成です。

単に「紹介してね」というだけでは、自社について紹介することに慣れていない社員は戸惑ってしまいますが、自社の魅力や課題についてまとめた「アピールブック」があれば非常に大きな武器になります。

弊社では、プロジェクトチーム全員で議論を重ねたのちに、プラスバイプラスの会社概要や実績、理念やビジョンのほか、みんなで話し合った会社の魅力や課題、解決策を1枚の冊子にまとめて、社員全員が誰に対しても自社の魅力を伝えることができるような「アピールブック」を作成しています。

スモールスタートとして、はじめは5名からスタートしましたが、4月現在では全マネージャーが「いいとも制度」ができるようにまでなっています。社長から全マネージャーの集まっている会議で「いいとも制度」について話してもらい、私の方から個別にマネージャーに、制度ついて詳しく紹介をしたり、アピールブックの使い方について紹介をしたりしています。

最終的には、「いいとも制度」に全社員が取り組めるような状況をつくっていくことが、私の今後の取り組みの課題であり目標です。

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