ディップの採用を支える新卒2年目が挑むオウンドメディアリクルーティング術【新米人事#1】 |HR NOTE

ディップの採用を支える新卒2年目が挑むオウンドメディアリクルーティング術【新米人事#1】 |HR NOTE

ディップの採用を支える新卒2年目が挑むオウンドメディアリクルーティング術【新米人事#1】

  • 編集部より

※本記事は、インタビューを実施したうえで記事化しております。

HR NOTE新企画「新米人事特集」第1段。本企画は、人事担当者の中でも、経験が比較的浅い方にフォーカスし、記事にまとめてご紹介する企画です。

今回は、ディップ株式会社 次世代事業統括部でWantedlyを活用した新卒採用、採用広報を担当している小林さん。

ディップ株式会社は、先日おこなわれた「WANTEDLY VISIT AWARDS 2019」にて総合賞を受賞。小林さんは代表として表彰式に登壇。

本記事では、新卒2年目でもある小林さんに、「Wantedlyの運用に注力し始めた理由」や、「現在力を入れている仕事」、そして「働くうえで意識していること」などについてお伺いしました。

徹底して続けた「1日1投稿」学生が求める情報を知るために足を動かした

小林 宥太 | ディップ株式会社 次世代事業統括部

ディップ株式会社新卒2年目。社内の新規事業開発部門である次世代事業統括部に所属して同部署の長期インターン、新卒採用を担当。Wantedlyを活用した採用(広報)活動の実績が評価され2019年11月にWantedlyアワード受賞。通称「Wantedlyお兄ちゃん」として個人事業主としても活動しており、ベンチャー企業の採用コンサルなどを副業で請け負う。日本経済新聞や週間SPA!など多数メディアから取材。Twitterのフォロワー数は1月24日現在11,500人。

―小林さんは現在、次世代事業統括部にて新卒採用をメインに携わっているかと思いますが、そもそもどのような経緯でディップに入社されたでしょうか。

 

小林さんディップには、Wantedlyを通じて入社しました。

学生時代は企画職での就職を希望していたのですが、Wantedlyを見ていたらちょうどディップが募集していたので応募しました。その後、今の上長である進藤から次世代事業統括部での内定をいただきました。

ただ、2017年の4月から入社する予定が留年してしまい、卒業までの1年間は次世代事業統括部で内定者インターンとして働くことになりました。

1年間の内定者インターンを終えた後、2018年の4月から正社員となったというのが、私がディップに入社した経緯となります。

新卒採用に携わるようになったのは、内定者インターンを始めてから次世代事業統括部のWantedlyアカウントの運用担当者となったことがきっかけです。

 

―どのような背景から、Wantedlyの運用担当者を任されるようになったのでしょうか?

 

小林さん内定者として会社や部署の話を聞くうちに、ディップでのWantedlyの運用方法に課題を見つけたんです。

内定をいただいた頃は、ディップにはWantedlyの専任がおらず、社員は他の業務がある中で、いわば片手間で新卒採用に関する求人情報やフィード記事を更新していました。

そのため、Wantedlyを活用してできることがもっとあるのではないかと思いました。

そこで、インターンとして入社した直後の1on1面談で話し合った際に、私が「Wantedlyをもっと活用したい」と希望したんです。

そして、そのまま「やってみよう」という流れになり、私の仕事はWantedlyの運用に決まりました。

 

―Wantedlyの運用担当者になって、まず始めたことは何ですか?

 

小林さん運用を始めた初期は、フィード記事を増やしました。

当時はフィード記事の数が少なく、学生が「知りたい」と思うような内容の記事が不足している状況でした。

たとえば、せっかく新しいオフィスに移転したのに、綺麗なオフィスを紹介する記事がなかったり、魅力的な社員が多くいるのに、インタビュー記事がないという状態だったのです。

そこで、専任としてまず、Wantedlyのフィード記事を「増やす」ことから始めました。

 

―記事を増やしていく中で、意識されていたことはありますか。

 

小林さん必ず1日1投稿を徹底しました。

内定者インターンとして入社した後は週3日出勤していたのですが、出勤日に1日2,3記事ほど書いてストックしていました。こうすることで、出勤しない日にも記事を公開でき、1日1投稿を続けることが可能になりました。

記事は、そこまでボリュームの大きなものではなく、1,000字くらいの手軽に読めるボリュームです。

ここでこだわったのは、文字数の少ない記事でも学生が「知りたい」と思ってくれそうな情報を取り上げることです。

―学生が知りたいと思うような情報は、どのようにして集めたのでしょうか?

 

小林さん私自身が大学生の頃から人事と学生の交流会を企画・運営しており、そこで経験したことや見聞きしたことをもとにコンテンツ化していました。

もともと私は大学在学中、交流会の情報をSNSで告知して学生を集客するということを担い、人事の方のお手伝いをしており、自分自身も交流会に参加して学生とのつながりを作っていました。

今となっては、顔や名前を出してSNSアカウントを作って自社の魅力や働き方をオープンにしている人事の方も多いかと思いますが、当時はまだまだSNSをガッツリ運用している人は少数だったんです。

そんな中で、私が学生団体のSNSアカウントを運用していた際に、とある人事の方から「学生との交流会を企画しても、学生が集まらない」という連絡をいただき、SNSでの学生集客や交流会の企画・運営をするようになりました。

その交流会を通して、学生から「こんなことを聞きたい」「知りたい情報があるのにわからない」といった声はたくさん聞いていましたし、私自身も学生目線で「企業にもっと興味を持ってもらうためには何ができるだろうか」と思っていました。

こうした経験をしていたので、学生が求める情報を想像しやすかったのではないでしょうか。

自部署の採用オウンドメディアの立ち上げに奮闘。ゼロからのスタートでぶつかった壁とは

―正社員となった今も、Wantedlyを運用しながら学生が求める情報を発信し続けているのですか?

 

小林さん実は今は、インターンの頃に比べてWantedlyの運用にかける時間は少なくなったんです。

Wantedlyには多くの記事を公開できたので、情報量としてはある程度溜まったかと思います。

ですので、新たに「採用オウンドメディア」を立ち上げ、現在こちらの運営に力を入れています。

ディップ株式会社 次世代事業統括部の採用オウンドメディア「Jisedai(ジセダイ)

―ゼロからメディアを立ち上げていたのですね。立ち上げの経緯について詳しく教えてください。

 

小林さん一昨年の2018年の9月くらいから、次世代事業統括部の採用オウンドメディアを立ち上げようという話になり、実際にリリースしたのが2019年4月になります。

Wantedlyに関しては、2017年4月から運用を続けている中で少しずつ応募数が増えていき、今では毎月500件の応募が来るまでに成長しました。

ただ、応募が一定数来るようになって「自部署の採用オウンドメディアで応募を募ってもいいのではないか」と感じたんです。

そこで、上長との1on1面談で「採用オウンドメディアで情報を発信してみよう」という話になりました。

 

―次世代事業統括部の採用オウンドメディアはゼロからの立ち上げということで、小林さんがWantedlyの専任となった時よりも運営が大変な印象を受けます。

 

小林さんそうですね。最初はユーザーの獲得に苦労しました。

というのも、Wantedlyはユーザー数が多くいるため、記事を出すと一定数の方は見てくれます。しかし、新しいメディアサイトに関しては、ゼロからユーザーを獲得しなければなりません。

そこで、できるだけ早く、多くのユーザーに見てもらうために、メディアサイトを公開する段階で数十記事ある状態を作りました。

また、公開後も記事の執筆に注力し、約3ヶ月後には記事の総数を100記事にまで増やしました。今振り返っても、公開直前から約3ヶ月は大変でしたね。

 

―採用オウンドメディアではどういった情報を発信しているのですか?

 

小林さん内容は、Wantedlyと同様に社員のインタビューや社内環境を紹介する内容です。

ただ、私の所属する部署である次世代事業統括部だけでなく、会社全体の情報も発信しているという点で、Wantedlyとは大きく異なります。

たとえば、立ち上げたメディアでは、サイト内に「働き手」というカテゴリを設けています。このカテゴリ内では、営業やエンジニアといったディップのさまざまな部署の社員インタビューを掲載しているんです。

自部署以外の社員にも取材することで、私の仕事内容も変わりました。社員へのインタビューを依頼するために他部署へ連絡をとることが多くなり、初めて挑戦する仕事も増えました

―他部署の方をインタビューする際に、難しかったことはありますか?

 

小林さんインタビューのアポ取りが難しかったです。

私自身が「人事部」の人間ではないため、突然連絡が来ると疑問に感じる方もいて、全員に理解をしてもらうことは難しいことだと感じました。

今は、人事部に協力してもらっていて、他部署の方にインタビューしたい場合は人事部を通してお願いするようにしています。

人事の方に連携をとってもらう際には、オウンドメディアの役割や対象の方にインタビューしたい理由、学生に主張したい内容を伝えるよう心がけています。

具体的には、「この人をインタビューしたら会社の魅力を発信できる」「学生は会社のこのような情報を知りたいと思う」といった内容を強く提案しています。

私が他部署の方にインタビューできているのは、人事の方々からの協力があってこそだと考えています。

 

―他部署の社員や環境を取り上げるようになって感じる変化はありますか?

 

小林さん「ディップの全体像」をわかってもらえるようになったのではないかと思います。

Wantedlyでは、自部署の情報のみを発信していたので、限られた範囲でしかディップの魅力を伝えることができませんでした。

しかし、他部署の社員や環境について取り上げるようになったことで、2,000人規模のディップという大きな組織の全体像を見せることができつつあるのではないかと思います。

「誰もがわかりやすい文章を書く」戦略的にコンテンツを発信する彼のこだわり

―コンテンツを発信し続けて身についたことはありますか?

 

小林さん「学生が求めている情報」はある程度自分の中にストックできました。

ただ、まだまだわからないことや知らないこと、想像できないことはたくさんあります

たとえば、どんなコンテンツが拡散されやすいのか。たまたま著名な方にシェアしてもらえたために、多くの学生に反響があったコンテンツはありますが、現状「このコンテンツは拡散される」と確信することは難しいですね。

多くの記事を書いてきてわかったのは、とにかく「学生が知りたい情報」を追求し、発信し続けていくことが、支持してもらえる一番の近道ではないかということです。

―小林さん自身も、メディアやSNS上で情報を発信することが多いですよね。その際に意識していることはありますか?

 

小林さんメディアやSNS上で情報を発信する際に意識していることは3つあります。

1つ目は、「情報収集の感度を高める」ことです。Twitterをやっていても、常に見ている人は少ないと思うのでそこを変わりに私が有益な情報をキャッチアップして周囲にシェアすることで、自分のアカウントの価値を高める工夫をしています。

2つ目は、「誰もが読みやすい文章を書く」ことです。

そもそもわかりやすい内容でないと、「面白いな」とか「シェアしたいな」と思ってもらえないので、表現や言い回しへのこだわりは強いかと思います。

いい内容だなと思った記事やよくシェアされている記事の要約を書いて投稿したり、ポイントを箇条書きにしたりして投稿する際に意識しています。

最後に、自分自身の発言は慎重に、「よく考えて発信する」ことです。

誰が見ているかわからない状況においては、何が起こるかわかりません。そういった中で社名や自分の名前を公表していますので、自分の発言には責任を持つよう意識しています。

小林さんのTwitterアカウントはこちら⇒@Bashiiiiii0603

 

―社内の方々とのコミュニケーションで意識していることはありますか?

 

小林さん社内の人とは、頻繁にコミュニケーションを取るようにしています。

特に、自分の部署の人とは記事コンテンツを企画する際に意見をもらったり「今採用したいのはどういった人ですか?」とヒアリングしたりと、コンテンツづくりのための壁打ちをおこないます。

ですので、採用オウンドメディアの担当者としては1人ですが、あまり1人で仕事している感覚にはなりません

インターン生も約50名いるので、にぎやかに話しながら「どのようなテーマの記事が必要か」と議論しています。

なりたいのは「マスコット」2018年から名乗り続けてきた”Wantedlyお兄ちゃん”の肩書きは…

―採用オウンドメディアの運用担当者として、小林さんは今後ディップにおいてどういった役割を担っていきたいですか?

 

小林さんディップの「マスコット」的な役割を担っていきたいです。

採用が上手な会社は「マスコット」のような立ち位置の方がいるように感じています。「マスコット」というのは、積極的にメディアに露出したり、頻繁にSNSで情報を発信したりするいわゆる「看板社員」のことを指します。

「A社の〇〇さん」ではなく「〇〇さんが働いているA社」として学生に認知してもらうことで、自社に興味を持ってもらえたり、魅力付けしやすくなるのではないでしょうか。

今のディップにはそういった「マスコット」的な社員がまだ少ないですが、その中でも私の上長の進藤が、1番メディアへの露出が多いです。

RPAしくじり先生こと進藤さんの記事はこちら⇒「RPAしくじり先生の本名は?顔写真や年齢、身長、本業の噂も!

私も、進藤に次ぐ第二の「マスコット」的存在となり、自社の社員が「もっとメディアに出よう」と思えるきっかけになりたいです。

 

―今もうすでに小林さんは「Wantedlyお兄ちゃん」としてマスコット的な立ち位置にいるのではないかと思ったのですが…

 

小林さんたしかに、そうかもしれません(笑)

Wantedlyお兄ちゃん」という名前は、1年ほど前からWantedlyとSNSで使い続けています。

そもそもWantedlyお兄ちゃんを名乗り出したのは、「ただの『ディップの小林』ではなくキャッチーなタグ付けが必要だ」と感じたためです。

名前を変えた後、あるメディアに取り上げられてもらったことがきっかけで、「Wantedlyお兄ちゃん」は浸透していきました。

あえて自社の名前を入れなかったのは、単純に「覚えてもらいやすい」のではないかと思ったためです。

名前を見た人が興味を持ち、プローフィールを見に来てもらえるように個性的な名前を考えました。

プロフィールを見て初めて「この人ディップの人なんだ!」と意外性を出すことで、覚えてもらいやすくなると考えてこの名前にしました。

―「Wantedlyお兄ちゃん」は今後も名乗り続けていくのですか?

 

小林さん実は、「Wantedlyお兄ちゃんのアップデート」をしたいと考えています。

ありがたいことに、今「Wantedlyお兄ちゃん」という名前が学生の中で浸透していて、「ディップでWantedlyを活用している人」というイメージが付いているかと思います。

ですが、今後は1つの採用媒体に限定せず、さまざまな手段を用いて採用に取り組んでいるイメージを付けていきたいんです。

採用オウンドメディアも立ち上げましたし、リファラル採用やミートアップ採用といった別の採用手法にも挑戦したいです。

そのためにも、「Wantedlyお兄ちゃん」から新たなキャラクタへとアップデートする必要があるのかなと思います。

ちなみに、新しい名前はまだ決めていません(笑)

 

―それは意外でした。やりたいこととしては他にありますか?

 

小林さんミスマッチの少ない採用の仕組みづくり」にもチャレンジしたいです。

具体的には、不本意ながら自社とマッチしなかった学生さんを、マッチしそうだと思う企業に推薦できたらいいなと考えています。

というのも、せっかく応募してくれてオフィスにも来てくれたのに、お別れを告げてその後の関係性が途切れてしまうことに違和感を感じるのです。

たとえば、「知り合いの会社にならマッチしそうだ」「あの会社に是非紹介したい」と思うケースがあった際に、複雑な過程がなく紹介できる仕組みをつくりたいです。

せっかく新規サービスを開発する部署にいるので、サービス開発経験を積む良い機会になると思い、水面下で動き始めています。

 

―ありがとうございます。最後に、小林さんが新卒から採用に携わるうえで、重要だと思うことを教えてください。

 

小林さん私が自部署で採用を始めた時、「周りを巻き込む」って難しいけど重要だなと感じました。

というのも、面談ではほとんどの学生から「会社の事業内容や行きたい部署について」聞かれるのですが、自分には営業やマーケティングの経験がないため答えられなかったんです。

しかし、答えられないままでいるわけにもいかないため、実践したのが「周りを巻き込む」ことです。

たとえば、営業職を知るために営業の方に頼んで商談に同行させてもらったり、知りたい職種についている社員の方とランチに行ってヒアリングしました。

同じ部署の先輩方に相談しにいったり、壁打ちする時間をもらったりすることもできます。

自分から積極的に情報を手に入れることで、経験がない職種に関しても学生に話せるようになったかと思います。

これからも、若手という強みを活かしてどんどん周りを巻き込んでいき、オウンドメディアを成長させていきたいです。

まとめ

新米人事特集第1段、いかがでしたでしょうか。

自部署のWantedlyの運用からスタートし、今では採用オウンドメディアを立ち上げて会社全体の採用にも関わる小林さん。

複数の媒体を活用して継続的にコンテンツを発信し続けることは、簡単なことではないとわかりました。

「若手だから」と躊躇することなく、積極的に周りを巻き込み、新しいことに挑戦する小林さんから、私も勇気をもらいました。

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