「いつかは海外で働きたい」25歳女性の夢の実現に向けて、転職エージェントが伴走した2年間 |HR NOTE

「いつかは海外で働きたい」25歳女性の夢の実現に向けて、転職エージェントが伴走した2年間 |HR NOTE

「いつかは海外で働きたい」25歳女性の夢の実現に向けて、転職エージェントが伴走した2年間

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※本記事は、主催企業や登壇者/登壇企業に内容を確認のうえ、掲載しております。

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こんにちは!HR NOTE編集長 根本です。

先日リクルートキャリア主催の『GOOD AGENT AWARD 2016』に参加させていただきました。
「一人ひとりがイキイキと働く社会を実現するために、一社、一人に対して深く向き合ったサービスを提供しているエージェントを称えたい」という想いのもと、年に1度開催される転職エージェント業界最大の式典です。

97にもおよぶエージェントによる転職支援の事例がエントリーされており、その中から5組のエージェントが金賞を、3組のエージェントが特別賞を受賞されていました。

今回は、その中で大賞を受賞された株式会社Youth Planetの堀田氏の事例をご紹介させていただきます。
堀田氏は、ある一人の女性と出会い、ただ転職支援をおこなうだけでなく、将来の夢について話し合い、夢の実現に向けて2年以上に期間を費やし彼女と寄り添い、見事その夢を叶えることに貢献しました。

堀田 誠人(ほった まこと)氏|株式会社Youth Plsnet

大学卒業後、メガバンクに入社し、法人営業に3年間従事。海外駐在を辞退し、企業を目標に、人材紹介企業のシンガポール法人立ち上げメンバーとして転職。現地で人材紹介ビジネスのノウハウを学び、27歳でYouth Plsnetを設立。

社名は「年齢に関係なく、若々しくチャレンジする、意欲ある人材をサポートしたい」「特に若者が、国や国籍、宗教などにとらわれず、チャレンジしていける世界を創りたい」という思いで付けた。転職の相談に加え、新卒紹介事業、採用代行事業なども行う。

25歳女性の夢、「いつかは海外で働く」。転職エージェントが2年伴走して、実現に導いた話

【概要】

クライアントは、シンガポール在住の日本人向けにフリーペーパーを発行する企業で、その立ち上げメンバーの募集。採用されたのは、「いつか海外で働く」という夢を抱いた25歳女性。その夢の実現に向けて営業力や英語向上力を2年間、転職エージェントのアドバイスのもとに実行。転職エージェントが一人ひとりのライフタイムに寄り添うキャリアアドバイザーとなり得ることを明らかにした。

転職の話ではなく将来の話からはじまった彼女との出会い

堀田氏:今回の案件は、「求職者の夢」と「経営者の夢」をつなぐことができた案件だと感じています。
この案件がスタートしたときは、2年以上前になりますが、最初は、求職者の方との出会いがありました。この方はいわゆる“ブラック企業”に1年目で入社しましたが、体調を崩してしまい退職。「土日休みの仕事であればなんでもいいです」という相談でお会いしました。明るくてとても素直な女性の方でしたので、いただいた条件であればすんなりと転職できそうでしたが、ネガティブなときは、その瞬間しか見えなくなってしまうので、「そうではなく、向かうべき方向を彼女に示してあげたい」と思い、転職の話は一旦置いて将来の話をしました

そうしたら彼女、漠然とした夢だったのですが、「いつか海外に行ってみたいんです」と言ったんですね。私はこの話を聞いたときに、「ぜひ叶えましょう」と言って、どんどん具体化していく作業をしました。深掘りしていく中で、そもそもなぜ彼女が海外に行きたいのかというと、海外で経験を積んだその後に、世の中をよくするサービスやNPOのような団体をいつか作ってみたいという想いがあったんですね。
そうすると、経験を積んで活躍できる人材に成長しないといけません。「今すぐワーキングホリデーなどに参加するのではなく、しっかりとキャリアを積んでから海外就職したらどうですか」と2人でどんどん夢を具体化していったんです。

海外就職に必要な2つの要素を叶えるために、とある保険会社に転職

堀田氏:ここから、海外就職向けて彼女は今何が足りないのかを見つけていくのですが、1つは当たり前ですが、ビザがありません。注目されている国は就労ビザがどんどん厳しくなっている状況です。特に日本人の方でも実際に海外で働いていて、ビザが更新できなくて帰国してしまう方もいるくらいです。ビザの条件は厳しくて、ここを突破しないといけません。

もう1つは即戦力の人材になるという部分です。海外就職は即戦力が求められますが、当然そのスキルはありませんでした。即戦力になるという目標を達成するために、「3年で海外就職を目指すのはどうですか」と戦略を立てさせていただきました。
その戦略は、「金融に携わる企業に入社しましょう」という提案です。なぜ金融系の企業なのか。海外就職するうえでのマスト条件ではないのですが、金融系の企業にいる方は世界的に信用力が高くて、意外とビザが通りやすいという実態があります。かつ彼女の営業の実績もそこでつくれれば、経歴としても箔がついてくるので、提案させていただきました。

そこから彼女は転職活動を始めました。彼女はその当時、いろいろなエージェントを活用しており、その結果5社からの内定を取ることができました。弊社からも1社だけ紹介させていただいた保険会社があり、そこからも内定をいただいていたのですが、ネックが一つあって年収の条件があまりよくなかったのです。それでも彼女はその会社に入社することになります

なぜ入社してくれたのかというと、この会社に彼女を推薦するときに、「彼女はこういう夢があるんです。3年で御社が海外進出できなかったら辞めてしまいます」ということを事前に伝えさせていただきました。そしたら、この保険会社の人事の方が強く共感してくれまして、「いいですね!進出する計画はありますが、それが間に合わなかったら、彼女を応援します」と言ってくれたんですね。そういうことがあって、彼女は保険会社に入社しました。

普通であれば、彼女との縁はここで薄まっていくことになると思うのですが、私は夢を叶えるまでがエージェントの仕事だと思っていまして、入社後も毎月のように彼女の3カ年計画の進捗を追っていくことになります。このあたりから彼女との信頼が深くなっていったように感じます。定期的に連絡を取り合っていまして、1年が経った頃、彼女の運命を変える社長様との出会いが私のほうでありました。

シンガポールで起業準備をしていた社長が直面していた課題

堀田氏:社長様は、31歳でメガバンクに在職しながら、「シンガポールで起業準備しています」という方でした。「日本人として世界で勝負したいんです」とすごく熱い想いを持った方でして、お会いしてからその2、3ヵ月後でした。社長様から急に私に電話がありまして、「3人に内定出したのですが、辞退となってしまいました」とのことで、「このままじゃ起業ができないです」と相談がありました。

こちらの会社の課題は、大きく分けて2点ありました。1つは知名度がないこと。そもそもまだ会社が存在しないという状況でした。ここに関しては、今までは奥様と2人で面接していたのですが、彼の会社は、投資家の方が2人いらっしゃるということなので、「その方たちにも面接に入ってもらいましょう。そうすれば求職者の方の安心感が増すと思います」と提案しました。

もう1点は、シンガポールのビザの条件が厳しいということです。たとえば25万円ぐらいあればたいていの国ではビザが通るのではないかと思うのですが、実際25万円だと、シンガポールでビザの申請をしてもほぼ通りません。どれぐらいの勤務経験、スキルが必要で、どれぐらいのオファーを出したらビザが通るのか、この辺をしっかり把握する必要があります。そこで私は海外エージェント数社に連絡をして、直近の事例をいただきました。「内定を出したにも関わらず、ビザが通らない」ということを避けるように徹底しました。

2年間で大きく成長した彼女。内定を勝ち取り、シンガポールを舞台に奮闘中

堀田氏:そしてどのような求職者をご推薦しようか考えていたときに浮かんできた方が、連絡のやりとりを続けていた彼女でした。実際はその彼女だけではなく、もう1名求職者の方をご紹介していました。経歴だけ見るともう1名の方のほうが、メガバンク2社の経験をしており、営業の実績も結構あったのですが、私は彼女に内定が出ると確信していました。

というのも、今回打診させていただいたとき、「2年間ものすごく準備してきたので、ぜひチャレンジしたいです」と、すごい覚悟だったんですね。実際に2年間、彼女とずっと連絡取り合っていたのですが、大きく成長していました。保険会社に入社して、営業実績に関しては人事の方から「前代未聞の活躍をしていますと」私にお礼の連絡がきたぐらいです。
英語に関しても本当に努力をしまして、2年で目標としていたTOEIC800点を達成していました。

2人とも面接に進んでいただきまして、社長様がみたところ、「経歴はもう1人の方のほうがいいですけど、立ち上げの泥臭さをしっかりと全うできるのは彼女なんじゃないか」と、喜んでいただき、見事内定につながりました。
その後、日本で立ち上げ準備をおこない、しばらくして見事に彼女はシンガポールに転籍することになりました。「本当に嬉しいです」という連絡をもらいまして、社長様からもその後、毎月のように連絡をいただくことになります。「彼女、こんなに頑張ってますよ」「これだけ契約をとれています」といったことを毎回連絡してくれました。

そして長くなりました、現在です。
たまたま先月シンガポールに行く用事があり、社長様と彼女2人に会ってきました。実はシンガポールで飛ぶ鳥を落とす勢いでものすごく成長されております。日系のフリーペーパーを配布しているのですが、創刊わずか5ヵ月でトップ3争いをしていました。

私自身、この案件を通して改めて感じたことは、エージェントは企業の人事と求職者の方をただマッチングさせるだけでなく、求職者の方の夢と経営者、人事の方の夢にしっかり寄り添って歩いていくということが大事だと思っております。

最後に

いかがでしたでしょうか。

堀田氏の事例は見事大賞を受賞され、盛大に表彰式がおこなわれていました。

受賞風景

求職者の夢の実現に向けてエージェントして寄り添って実行していくことは、なかなかできるものではないと思います。しかし、このような素敵な出会いをつくりあげていくことが、さらに人材業界を盛り上げ、また日本の活性化につながっていくのではないでしょうか。

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