ピルとオンライン診療が切り拓く未来の働き方― 「タイミングを選べる」という自由を― |HR NOTE

ピルとオンライン診療が切り拓く未来の働き方― 「タイミングを選べる」という自由を― |HR NOTE

ピルとオンライン診療が切り拓く未来の働き方― 「タイミングを選べる」という自由を―

  • 組織
  • ダイバーシティ&インクルージョン

※本記事は、mederi株式会社様より寄稿いただいた内容を掲載しております。

「なんとなく体がだるい」「会議中に集中力が続かない」「理由は分からないけれど、毎月決まった時期につらくなる」

こうした不調は、多くの働く女性が日常的に感じている“見えない負担”です。

生理やホルモンバランスの変化による体調不良は、外見からは分かりにくく、数値にも表れづらいものです。そのため本人でさえ、「気のせいかもしれない」「甘えてはいけない」とやり過ごしてしまうことが少なくありません。

しかし、この“見えない不調”は、欠勤や早退だけでなく、集中力の低下、判断力の鈍化、コミュニケーションの摩擦などを通じて、確実に仕事のパフォーマンスへ影響します。

医療的なケアによって改善できる可能性があるにもかかわらず、

「忙しくて通院できない」
「近くに婦人科がない」
「仕事の合間に行きづらい」

といった現実的な壁が、多くの女性の前に立ちはだかってきました。

本稿では、ピルとオンライン診療がもたらす新しい健康支援の形、そしてテクノロジーが可能にする“自分らしく働ける未来”について考えていきます。

寄稿者坂梨 亜里咲mederi株式会社 代表取締役

明治大学卒業後、大手ファッション通販サイト及びECコンサルティング会社にてマーケティング及びECオペレーションを担当。2014年より女性向けwebメディアのディレクター、COO、代表取締役を経験した後に、自らの不妊治療経験からmederi株式会社を起業。オンラインピル診療サービス「mederi Pill(メデリピル)」、企業向け健康支援・福利厚生サービス「mederi for biz(メデリフォービズ)」を展開。

ピルは「働く女性の体調マネジメントツール」

日本ではいまだに「ピル=避妊薬」というイメージが強く残っています。しかし実際には、低用量ピルは女性の体調を安定させるための医療的な選択肢として、世界中で広く活用されています。

特に働く女性にとって重要なのは、月経周期による体調変動をコントロールできることです。生理痛やPMS(月経前症候群)によって、集中力が落ちたり、強い倦怠感や頭痛に悩まされたりする女性は少なくありません。

しかし多くの場合、それは周囲に見えにくく、「我慢するもの」として扱われてきました。低用量ピルはホルモンバランスを整えることで、

  • 生理痛の軽減
  • PMS症状の改善
  • 月経周期の安定

といった効果が期待されます。

つまりピルは、単なる医療ではなく、女性が日常生活や仕事のパフォーマンスを安定させるための体調マネジメントツールとも言えるのです。

一方で、日本のピル服用率は約3%とされ、欧米諸国と比べて非常に低い水準にあります。

その背景には、「産婦人科に通う時間が取れない」「相談しづらい」といった医療アクセスの問題があります。この課題を大きく変え始めているのが、オンライン診療の普及です。

なぜオンライン診療が必要なのか ― 医療アクセスの壁

働く女性にとって、産婦人科への通院は決して簡単ではありません。予約・移動・待ち時間を含めると半日近くかかることもあります。

その結果、

  • 症状があっても受診を後回しにする
  • 薬の服用を継続できない
  • 医師に相談する機会がない

といった状況が生まれてしまいます。

オンライン診療は、この医療アクセスの壁を大きく下げました。スマートフォンを使って自宅や職場から産婦人科医に相談でき、診察や処方まで完結します。通院時間の負担が減ることで、医療をより身近なものに変える可能性を持っています。

医療とテクノロジーの融合は、「通院できない」という構造的な問題を解決しつつあるのです。

福利厚生として広がるオンライン健康支援

こうした変化を背景に、企業の福利厚生にも新しい動きが生まれています。それが、オンライン診療を福利厚生として導入する取り組みです。

企業がオンライン医療サービスを導入することで、

  • 社員が勤務時間内でも医療相談できる
  • 通院時間の負担を減らせる
  • 体調管理を継続しやすくなる

といったメリットが生まれます。

企業側にとっても、

  • 欠勤や早退の減少
  • 集中力の向上
  • 業務パフォーマンスの安定
  • 離職リスクの低下

といった効果が期待できます。

実際に導入企業からは、

 「女性社員が体調について相談しやすくなった」
「生理による欠勤が減った」
「安心してキャリアを続けられると感じる社員が増えた」

といった声が寄せられています。

さらに、体調によるパフォーマンスのばらつきが減ることで、集中力や業務効率が安定し、結果として労働生産性が高まったという声も聞かれるようになりました。

女性の健康支援は単なる福利厚生ではなく、 組織全体のパフォーマンスを高める人的資本投資として捉えられ始めています。

「タイミングを選べる」という自由

女性がキャリアを築く中で、体調やライフイベントと向き合うことは避けられません。

しかしこれまで多くの女性が、「体調を我慢する」「キャリアを優先すると体のケアが後回しになる」という状況に置かれてきました。

ピルとオンライン診療は、自分の体と人生のタイミングを、自分で選べる社会を後押しするものです。

いつ働くか。
どんなペースでキャリアを築くか。
いつ家族を考えるか。

その選択肢を広げることこそが、女性の活躍を支える本質的な支援ではないでしょうか。

おわりに

ピルによる体調マネジメント、そしてオンライン診療による医療アクセスの改善は、これまで「我慢するしかなかった」女性の働き方を大きく変えつつあります。

通院のハードルが下がり、必要な医療にアクセスできる環境が整うことで、女性は体調を整えながらキャリアを継続する選択肢を持てるようになります。

医療とテクノロジーが融合することで、働き方の選択肢は確実に広がっています。ピルやオンライン診療は、その象徴的な存在と言えるでしょう。

女性の健康課題に向き合いたいと考える方には、拙著『女性に選ばれる会社の新・健康経営 ― 職場改革は生理・PMSケアから始めよう』(合同フォレスト刊)にて、制度設計の考え方から現場への浸透ポイントまでをまとめています。

「キャリアも妊娠も、自分でタイミングを選べる社会へ。」

その実現のために、企業ができることは決して特別なことではありません。女性の健康を前提にした職場設計へと一歩踏み出すことが、結果として組織の強さと社会の持続可能性を高めていくはずです。

 

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