「カタルシス効果とは?」
「カタルシス効果のメリットは?」
「カタルシス効果をビジネス面で活用するための具体例を知りたい」
上記のような疑問や悩みをお持ちの方も多いでしょう。
カタルシス効果は、心に抱えている不安や悲しみを解放し、気持ちを軽くする現象のことです。ストレス解消につながるため心身の健康を保つことができ、業務の効率化が図れます。
信頼関係の構築や問題解決力の向上も期待できるので、企業にとってもメリットが大きい手法です。
本記事では、カタルシス効果の概要やメリット、仕事で活かすためのポイントなどを解説します。ビジネス面で活用するための具体例についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
1. カタルシス効果とは
カタルシス効果とは、心に抱える不安や悲しみなどを解き放ち、気持ちを軽くする現象のことです。カタルシスは、ギリシア語で浄化を意味します。
カタルシス効果は心理療法やカウンセリングなどで利用されることが多く、心理学の用語として認識されていました。近年では、従業員のメンタルヘルスケアとしてビジネス面でも活用されています。
カタルシス効果を十分に発揮するためには、過去に体験した不安や恐怖を自由に表現し、心の安定を図ることが重要です。
心の中の不安や恐怖を表現するためには、我慢せずに気持ちを吐き出さなくてはいけません。ヒアリングを実施する側には、高度な傾聴力が求められます。
2. カタルシス効果の3つのメリット
カタルシス効果のメリットは以下の3つです。
- 心身の健康を保つ
- 信頼関係を築く
- 問題解決力が身につく
それぞれ詳しく解説していきましょう。
2-1. 心身の健康を保つ
カタルシス効果により、心身の健康を保つことができます。心の中に抱えているストレスを解消できるためです。
ビジネスでは、人間関係やプレッシャーなど、さまざまな理由でストレスを感じやすくなります。ストレスを抱えたまま日々過ごしていると、心だけではなく体にも影響を及ぼすおそれがあるので注意が必要です。
ストレスが軽減されて、心身の健康を保つことができれば、業務の効率化アップにつながります。
2-2. 信頼関係を築く
カタルシス効果により、信頼関係を築けます。人は、自分の素直な気持ちを聞いてくれる人に対して安心感を覚えやすいためです。
相手に安心感を覚えてもらえると、今後も本音を話してもらいやすくなり、良好な信頼関係を築けるでしょう。
ビジネス面では、上司と部下、営業と顧客など信頼関係が必要な関係性で役立ちます。
2-3. 問題解決力が身につく
カタルシス効果により、問題解決力が身につきます。話していくうちに物事を客観的に整理でき、悩みや不安の原因を解決するための対処法を考えられるようになるためです。
問題解決力が身につけば、今後同じような局面に差しかかったとしても自分の力で乗り越えることができるでしょう。悩んでいる人へのアドバイスもしやすくなります。
3. カタルシス効果の活用に必要な3つのスキル
カタルシス効果の活用に必要なスキルは以下の3つです。
- 相手の話を傾聴する力
- 相手の立場になって想像する力
- 相手に合わせて表現する力
それぞれ具体的に説明します。
3-1. 相手の話を傾聴する力
カタルシス効果を活用するためには、相手の話を傾聴する力が必要になります。不安や悲しみを解放してもらうには、相手の話を熱心に聞くことから始まるためです。
傾聴は、ただなんとなく話を聞くだけではいけません。しっかりと耳を傾けるのはもちろん、表情や姿勢など全身を使って相手の話を聞くようにしましょう。
3-2. 相手の立場になって想像する力
カタルシス効果の活用のためには、相手の立場になって想像する力も求められます。人はそれぞれ異なる価値観を持っているためです。
自分の価値観にとらわれて、相手の話を中断して否定的な意見を言うことは避けましょう。相手と自分は異なる価値観を持っていることを自覚したうえで、相手の気持ちや考えを想像することが重要です。
3-3. 相手に合わせて表現する力
カタルシス効果を活用するためには、相手に合わせて表現する力も必要となります。話の中で相手の表情を汲み取り、自分も同じような感情を表現すれば信頼を得やすいためです。
相手の表情だけではなく声のトーンや強弱を意識してみると、その場に適した表現がより判断しやすくなります。
4. カタルシス効果を仕事で活かすための2つのポイント
カタルシス効果を仕事で活かすためのポイントは以下の2つです。
- 自己開示をする
- 聞き上手になる
それぞれのポイントについて解説していきます。
4-1. 自己開示をする
カタルシス効果を仕事で活かすために、自己開示することを心がけましょう。自分に関する話をすることで、相手も同程度の情報を話してくれる可能性が高まるためです。
自己開示をする際、まずは簡単な自己紹介などから始めるとよいでしょう。そこから徐々に、自分の意見や体験談を話していきます。
一方的に話し過ぎたり自慢話で終わったりすると、相手の気分を害するおそれがあるため注意が必要です。
4-2. 聞き上手になる
カタルシス効果を仕事で活かすためには、聞き上手になることも大切です。聞き上手になればなるほど相手の本音を引き出せ、カタルシス効果が活かされます。
相手の話をただ聞くだけではなく、しっかりと傾聴するように心がけましょう。
5. ビジネスでカタルシス効果を活用する3つの具体例
ビジネスでカタルシス効果を活用する具体例は以下のとおりです。
- 営業活動
- 採用活動
- クレーム対応
それぞれの例について、詳しく説明していきます。
5-1. 営業活動
カタルシス効果は営業活動において活用できます。取引先や顧客など、営業相手のカタルシス効果を引き出すことで、距離を縮められるためです。
距離が縮まれば警戒心が弱まり、相手の本音を聞き出しやすくなります。営業相手が抱える悩みや不安を聞き出せれば、自社の商品やサービスを提案しやすくなり、販売促進につながるでしょう。
5-2. 採用活動
カタルシス効果は採用活動でも活用できます。求職者の心の中にある気持ちや想いを引き出せれば、自社のビジョンに合った人材をみつけやすくなるためです。
また、面接において求職者の話をしっかり傾聴することで、不採用になったとしてもネガティブな感情を抱かれにくくなります。伝えたいことを聞いてもらえたというカタルシス効果が期待できるためです。
不採用になった人も、将来的には企業の顧客となる可能性があります。採用活動をおこなううえでカタルシス効果を意識すると、自社のイメージ向上を図ることができるでしょう。
5-3. クレーム対応
カタルシス効果はクレーム対応に活用できます。顧客が抱える不満を吐き出させることで、大きなトラブルになることを避けられるためです。
クレーム対応の基本は、相手の話を最後までしっかり聞くことが重要とされています。途中で話を遮ったり否定したりすると、さらなるクレームが発生するおそれがあるので注意が必要です。
クレームが発生した際は、カタルシス効果を意識して対応するようにしましょう。
6. カタルシス効果を理解してビジネスに活かそう
カタルシス効果は、心の中にある不安や不満を発散させることで気持ちが楽になる現象です。心身の健康を保つことができ、業務の効率化アップなど多くのメリットを期待できます。
カタルシス効果を活用するためには、傾聴力や想像力などいくつかのスキルが必要です。社内研修を実施するなどしてスキルアップを図り、聞き上手な人材を増やすと良いでしょう。
カタルシス効果は、営業活動や採用活動などビジネスのさまざまな面で役立ちます。カタルシス効果の理解を深め、ビジネスに活かしていきましょう。