「業務委託人材×フルリモート」で事業を成長させるための、リモート下での採用・業務管理方法|テクロ天野 |HR NOTE

「業務委託人材×フルリモート」で事業を成長させるための、リモート下での採用・業務管理方法|テクロ天野 |HR NOTE

「業務委託人材×フルリモート」で事業を成長させるための、リモート下での採用・業務管理方法|テクロ天野

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※本記事は、テクロ株式会社の天野央登さんより寄稿いただいた記事を掲載しております。

2023年も終わりにさしかかり、新型コロナウイルスの感染拡大防止を理由に実施されたリモートワークを廃止する企業が増加しています。

一方で、リモート可能な求人というのは依然として求職者からの人気が高いです。

近年の人材不足を解消する手段の1つとして、正社員採用と並行し、業務委託人材を活用することが挙げられますが、今後業務委託人材を採用するにあたって、「リモート可能」な求人であることは大きなアドバンテージを持つでしょう。

本稿では、求めるスキルを持つ業務委託人材を採用する方法や、リモート下での業務の管理方法について考えていきます。

執筆者天野 央登(アマノ ヒサト)テクロ株式会社 代表取締役 

テクロ株式会社CEO。⼤学2年⽣時に起業。留学メディア「交換留学ドットコム」を1年半ほど運⽤し事業売却。その後はコンテンツマーケティングの知⾒を活かして、Webマーケティングの顧問事業を開始。BtoBマーケティングを中心にSEO・MAツールに詳しい。

1.業務委託活用×フルリモートで企業の成長を実現

1-1 求めるスキルを持つ人材を獲得する難しさ

帝国データバンクの調査[1]によると、2023年7月時点で正社員が「不足」と感じている企業は51.4%と、深刻な人材不足が続いています。

2022年8月以降、有効求人倍率は1.3倍台で推移しており(2023年6月時点)、こうした人材不足を解消する手段の1つとして、正社員採用だけでなく、業務委託人材を活用することが挙げられます。

実際、Hajimaliの調査[2]によると、従業員数300名以上の企業の8割以上が業務委託人材を活用していて、そのうち約6割の企業が5名以上を雇用しています。

業務委託を上手く活用すれば、IT、デジタルマーケティングなどの専門スキルを持つ人材を獲得し、企業の更なる成長を促すことができるでしょう。

1-2 フルリモートの業務委託人材を活用し時間対効果を最大化

オウンドメディアの運用代行を中心に、BtoB企業のWebマーケティング支援事業を展開するテクロでは、現在の事業を開始した2018年(第3期)から、5年で売上を16倍にするという成長を遂げています。

その最たる要因は、フルリモートの業務委託人材を適材適所に配置することで時間対効果の最大化をおこなっていることです。

新型コロナウイルス発現前の2019年から完全フルリモートの体制を取り、現在は福岡・静岡・仙台、更にはフィリピンなど多用な地域に約130名の従業員が点在しています。

これまで、マーケティング部とカスタマーサクセス部で業務委託人材を採用してきました。

カスタマーサクセス部では、約60名の業務委託人材が稼働し、コンテンツの作成や校閲、デザインなど、幅広い範囲を担っています。これにより、専門性が高い領域での業務を効率的に短時間で実施する体制を構築しています。

一方のマーケティング部では、全体の戦略の部分は正社員が担当し、ウェビナーやメールマガジンなどの各施策は業務委託人材が担当しています。

また、採用には副業系の媒体を複数使用しています。媒体を使用する際は、求職者の方が応募しやすいように、業務の範囲や成果内容などをしっかり明示してプロジェクト型にすることをおすすめしています

2.業務委託人材 の採用・コミュニケーションの秘訣

2-1 「優秀」な業務委託人材を採用する方法

業務委託人材を採用するにあたって大事なポイントが、「優秀な人を採用しようとしない」ことです。

見出しと矛盾していると言われてしまいそうですが(笑)、これはどういうことかというと、「職能が、自社が求める条件にぴったりハマる人を採用する」ということです。

まず、企業側が求めるスキルを明確にする必要があります。正社員と違って業務委託の方を支配関係に置くことはできませんから、結果を出す・出さないに関わらず業務に対してはしっかりと報酬を支払う必要が出てきます。

そのため、求人を出すにあたって、「どんな目的で、どんな業務をどのくらい担当してもらうために、どういった職能・業務経験を持つ人間を雇いたいのか」を詳細に明示していく必要があると思います。

また、採用にあたってお試し期間を設けるというのもおすすめです。

職能がぴったりハマったとしても、会社の雰囲気やカルチャーがフィットするか、求める質で業務をこなしてくれるかはわからないため、デモプロジェクトなどテスト環境でお互いに働き方について知る期間を設ける必要があります。

例えば弊社では、デモサイトと顧客のヒアリング情報を用意し、そこから見える顧客の課題・問題点からプロジェクト用の資料を作成してもらいます。

詳細な採用基準をお伝えすることはできませんが、弊社では業務のほとんど全てをマニュアル化しているので、それを読み込んだうえで資料に落とし込んでくれるか、などは確認するようにしています。

2-2 フルリモート化での業務の管理とコミュニケーション方法

リモートワークの課題としてよくあがるのが、

  1. 部下の業務の進捗状況を把握しにくい
  2. 業務でわからないことがあった時に誰かにすぐに聞ける環境がない
  3. 社員と密なコミュニケーションを取ることができない

という3つだと思います。

ここではそれぞれの課題に対して、テクロでとっている対策を紹介していきます。

1.部下の業務の進捗状況を把握しにくい

1つ目の、業務の進捗状況の把握については、AsanaJiraといったタスク・プロジェクト管理ツールで一元管理をおこなっています。

「あの業務は終わった?」「これは完成した?」といった呼びかけや確認をする必要がなくなるので、こちらはリモートワークに限らず導入をおすすめします。

2.業務でわからないことがあった時に誰かにすぐに聞ける環境がない

2つ目の、業務でわからないことがあった際の対応として、社内wikiに各種議事録やマニュアルを集積しています。

様々な人が持っているノウハウや情報を一か所に集約することで業務も効率化できますし、担当の引継ぎなどがあった際もスムーズに対応できます。

また、クラウドツールで情報を管理することで、欲しい情報への即時アクセスを可能にしています。

それでもわからないことや口頭で説明してほしいことがある場合には、後述のチャットツールのハドル機能を使い、隣の人に「ちょっと聞きたいんだけど」と声をかけるような状況を作れるようにしています。

3.社員と密なコミュニケーションを取ることができない

3つ目の、コミュニケーション方法については、社内では基本的にビジネス向けチャットツール(弊社ではslack)を使用しています

メールでやり取りをするよりも、短時間でフランクにやり取りをすることができますし、前述したハドル機能も優秀です。

また、定期的に社内ミーティングや1on1を実施して、社員と本音で話し合う時間や相談しやすい環境を作ることを心がけています。

それに加えて、Web会議は基本的にカメラONでおこなうようにしていますし、商談や重要な会議は録画してクラウド上に共有するようにしています。

顔が見えないと相手の感情や温度感が分かりにくいですし、録画を共有するのは、議事録を追うだけでは伝わり切らない微妙なニュアンスや細かい情報をその場にいなくても得られるようにするためです。

3.リモートワーク活用で効率の良い働き方を

3-1 実際に働いている社員の声をご紹介

セールス / 男性

以前は野球独立リーグでプレーし、その後パーソナルトレーナーとして働いていましたが、コロナのタイミングで将来の働き方について考えるようになり、未経験だった営業職にキャリアチェンジをしました。

自然の多い環境、ちょうどいい田舎に住みたかったので、フルリモート勤務をきっかけに千葉から静岡に移住をし、現在は3人の子育てをしながらのんびり過ごしています。

フルリモートの良いところはライフステージに合わせて住む場所を選べるところですね。

あとは出勤時間が5秒(以前は日本一の混雑率を誇る満員の地下鉄で疲弊していました笑)、小学校と保育園に通う子ども達に「いってらっしゃい」と「おかえり」が言える、朝食も夕食もお風呂も同じ時間に過ごせる、週末は自然の中で遊べる、といったところが最高です。来年は夏休みに合わせて沖縄でのワーケーションを計画しています。

テクロでは自分より若い世代の人と働けて(新しく柔軟な考え方をリスペクト!)、程よい距離感がとても心地よく(それぞれが役割を全うして、必要な時には力を合わせる!)、ストレスなく勤務できています。

家族で過ごす時間が劇的に増えて、兼業で野球に携わる仕事ができるようになったのも、この働き方に出会えたからこそだと思います。

マーケティング・PM / 女性

これまでパティシエや飲食業、事務など様々な業界で仕事をしてきましたが、すべて出社での仕事でした。そんな中、テクロでは業務委託でお仕事をいただいた当初からフルリモートでした。

テクロで仕事をしていく中で海外移住や結婚などライフチェンジも多かったですが、それでも退職することなく4年ほど続けられています。ここまで続けられたのは、理解のある社員の方や働きやすい環境のおかげだと実感しています。

また、テクロではメンバー個々の意見を尊重し、挑戦したいことに賛同・協力してくれる方々がいます。

そのおかげで元々はライターとしてお仕事をいただいていましたが、今ではPMやWebデザインを担当させていただき、成長できる機会もいただきました。

会社の成長だけではなく、一緒に働くメンバーを成長させてくれる社風がテクロの好きなところです。

経営企画 / 女性

前職はセブ島で管理部全般(経理・人事・総務)の仕事をしており、コロナをきっかけに日本に帰国しました。

前職でもフレックス・リモートワークを経験させていただき、勤務場所を選ばずに働けるという事の大切さを感じていました。

ワークライフバランスという言葉がありますが、例えば「遠くの国に行きたい」「介護や育児の為に家にいる時間を増やしたい」など、それぞれのニーズに合わせた働きかたが実現でき、フルリモートで働くことを前提に会社が成り立っているテクロに興味を持ちました。

また、フルリモート前提ですので環境構築の仕方がとても効率的で斬新です。管理部としてこの環境構築に携わることは自分自身にとってもとても大きな経験になると考え、テクロに入社しようと決めました。

入社してみて驚いたことは、とてもスピード感がある所です。フルリモートと聞くと、どうしても一つ一つの意思決定がもたつく感じがしますが、そんなことはなく、むしろすごいスピードで意思決定がおこなわれていることに驚きました。

今後も会社、社員にとってお互いにいい環境を目指し、体制を整えていくことが私の目標です。

3-2 今後の展望

最近、「リモートワークが広まった現代では、会社への帰属意識が薄れている」という意見を耳にします。

私もこの意見は正しいと思っていますし、その要因はコミュニケーション不足ではなく、共通文化が失われていっていることかもしれない、と考えています。

ここでいう共通文化とは、同じ環境に身を置いて経験の共有をすることで生まれる、主語がなくても指示が伝わったり、全てを話さなくてもなんとなく話が通じたりすることです。

これは日本人特有の文化でもあり、「日本のテレパシーマネジメント[3]」とも言われたりします。

共通文化があることで、人は帰属意識を持ち、会社に長く居ようとしてくれるのかもしれません。そのため、今後テクロでもオンラインオフィスの導入や、任意でのサテライトオフィス出社日の導入を検討しています。

業務委託人材を受け入れるにあたっては、規定の改定や稟議を通して予算を取る必要があり、正社員を採用するよりもハードルが高いと感じる会社さんも少なくないのではと思います。

実際、大きな会社であれば既存の正社員だけで必要な人材が揃っている、というケースもあると思いますので、決して無理して業務委託やリモート制度を取り入れる必要はありません。

一方で、私自身も福岡に住んでいるからこそ感じるところではあるのですが、中小企業や地方の会社ほど、正社員で採用すると高単価になってしまう人材を、フレキシブルに動ける業務委託という形で適材適所に配置してプロジェクトを回していくことが必要だと考えています。

これから働き方改革やDXで世の中が更に変化していくこともあり、業務委託人材やリモートワークの活用というのをぜひ考えてみてはいかがでしょうか。

テクロ株式会社では、ご自身のスキルを活かしたいライター・エディター・マーケターの方を絶賛採用中です。各種採用媒体からのご応募、お待ちしております。

[1] 帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2023年7月)」より

[2] Hajimali「業務委託の活用に関する実態調査」より

[3] https://president.jp/articles/-/36027

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