打刻ツールとは、始業・終業時刻の打刻を効率化するためのツールです。打刻ツールといっても、Web打刻、モバイル打刻、ICカード打刻、GPS打刻、チャット打刻、PCログオン打刻など、多彩な打刻方法があります。
本記事では、打刻ツールの主な機能や、紙のタイムカードから打刻ツールへ移行するメリット、打刻ツールの選び方、導入の流れをわかりやすく解説します。
タイムカードや出勤簿などで勤怠管理をしている場合、以下のような課題はないでしょうか。
・タイムカードの収集や打刻漏れ、ミスの確認に時間がかかる
・労働時間の集計に時間がかかる/ミスが発生しやすい
・労働時間をリアルタイムで把握できず、月末に集計するまで残業時間がわからない/気づいたら上限を超過していた
そのようなお悩みをお持ちの方におすすめなのが、勤怠管理システムです。システムであれば工数・ミスを削減して労働時間の集計ができるほか、リアルタイムで労働時間が把握できるため、残業の上限規制など法律に則った管理を実現できます。
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1. 一般的な打刻ツールの機能
打刻ツールは、出退勤時の打刻を効率化し、従業員や管理職、人事担当者の負担を軽減するツールです。一般的な打刻ツールには、以下のような機能が搭載されています。
- Web打刻機能
- モバイル打刻機能
- ICカード打刻機能
- GPS打刻機能
- チャット打刻機能
- PCログオン打刻機能
ブラウザ上で打刻する「Web打刻」や、スマートフォンなどのモバイル端末で打刻する「モバイル打刻」など、多彩な打刻方法から選ぶことが可能です。それぞれの機能について簡単に確認しておきましょう。
1-1. Web打刻機能
Web打刻とは、パソコンなどの端末のブラウザ上で打刻する機能です。たとえば、ブラウザの「出社」「退社」「休憩(開始)」「休憩(終了)」ボタンをクリックすることで打刻が完了します。事前にユーザーアカウントを作成することで、打刻データと従業員の情報を紐づけ、誰がいつ打刻したのかがわかる仕組みになっています。
1-2. モバイル打刻機能
モバイル打刻とは、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末で打刻する仕組みを指します。モバイル打刻には、スマートフォンの画面から直接打刻するものと、スマートフォンをICカードリーダーなどにかざして打刻するものの2種類があります。モバイル端末で手軽に打刻できるため、外回りや直行直帰が多い業種に適した打刻方法です。
1-3. ICカード打刻機能
ICカード打刻とは、市販のICカードとICカードリーダーを使用し、ピピッとタッチして打刻する方法です。打刻ツールの場合、ソニー社のFeliCaに対応したICカードがよく使われています。
また、既存の社員証を利用したり、SuicaやICOCAなどの定期券を利用したりできるツールもあります。打刻の手間がかからないため、従業員数が多い企業や、事業所の人の出入りが多い企業におすすめです。
1-4. GPS打刻機能
GPS打刻とは、スマートフォンなどに搭載されたGPS(衛星測位システム)を利用した打刻方法です。始業・終業時刻を打刻する際に位置情報が送信されるため、「誰が」「いつ」「どこで」打刻したのかがわかります。
たとえば、現場で仕事をしているはずの従業員が家でこっそり打刻した場合、GPSの位置情報があれば不正を見抜くことが可能です。このようにGPS打刻には、不正な打刻や別人による代理打刻を未然に防ぐ効果が期待できます。
1-5. チャット打刻機能
チャット打刻とは、ビジネスチャットツールと打刻ツールを連携させ、チャット内で手軽に打刻できる機能です。たとえば、チャット内で「出勤」とメッセージを打つと、自動で始業時刻の打刻が完了します。ビジネスチャットツールを端末にインストールしておけば、いつでもどこでも打刻できるため、在宅勤務で働く人にも適した打刻ツールです。
1-6. PCログオン打刻機能
PCログオン打刻とは、PCに記録されるログを利用した打刻方法です。PCにログオン(アカウントにサインイン)した場合は自動的に「出勤」と打刻され、ログオフ(アカウントからサインアウト)した場合は「退勤」と打刻されます。従業員による改ざんが難しいことから、不正打刻の防止が期待できる打刻方法です。
関連記事:打刻とは?意味や打刻忘れが起きたときの対応について徹底解説
2. 打刻ツールのメリット
打刻ツールを導入するメリットは3つあります。
- 不正な打刻を防止できる
- 打刻データを集計できる
- 始業前の時間を有効活用できる
各メリットの詳細は以下の通りです。
2-1. 不正な打刻を防止できる
打刻ツールを導入すれば、代理打刻やなりすまし、出退勤時刻の改ざんなど、不正な打刻を防止できます。たとえば、GPS打刻を例に挙げると、打刻データと一緒に従業員の位置情報が管理者に送信されるため、「実際には出勤していないのにもかかわらず、出勤していたかのように打刻した」といった偽装ができません。
2-2. 打刻データを自動で集計できる
打刻ツールに送信された打刻データは自動で集計されます。紙のタイムカードと違って、打刻ツールの場合、始業・終業時刻を1つずつ転記したり、手動で従業員一人ひとりの労働時間を計算したりする必要がありません。
そのため、人事部門の業務効率化の手段として、打刻ツールは注目を集めています。とくに従業員数が多い企業や、複数拠点を展開する企業ほど、業務効率化の効果が大きくなります。
2-3. 始業前の時間を有効活用できる
打刻ツールは人事担当者にとってだけでなく、従業員にとってもメリットがあるツールです。打刻ツールによって毎朝の打刻が手軽になるため、始業前の時間を有効活用できます。打刻ツールを導入する前よりも、ゆったりと時間をかけて始業前の準備をすることが可能です。
3. 打刻ツールの選び方
打刻ツールを導入するときは、以下のようなポイントに注目しましょう。
3-1. 給与計算ソフトと連携できるものを選ぶ
打刻ツールが集計した打刻データは、CSVファイルなどの形式で出力し、他のシステムで利用することが可能です。しかし、この方法の場合、「CSVファイルの出力」「他のシステムに合わせてCSVファイルを加工」「他のシステムにCSVファイルをインポート」といった手間がかかります。
打刻ツールによっては、API連携とよばれる仕組みを使って、給与計算ソフトと直接連携可能な製品もあります。打刻ツールと給与計算ソフトをシームレスに連携し、より人事労務管理を効率化することが可能です。
3-2. 使い勝手のよいツールを選ぶ
打刻ツールを導入するときは、使い勝手のよいものを選びましょう。多くの機能が搭載されていても、複雑すぎて使いこなせなければ意味がありません。
打刻しやすいか、労働時間をチェックしやすいかなど、従業員や管理者の視点でチェックしてから導入することが重要です。
3-3. 登録できるユーザー数をチェックする
登録できるユーザー数についてもチェックしておかなければなりません。とくに無料の打刻ツールの場合、作成できるアカウント数に制限が付いているケースもあります。
自社の従業員数を確認したうえで、全員が利用できるような打刻ツールを選びましょう。
3-4. データの保存期間を確認する
打刻データは、労働基準法に従って一定期間、保存しなければなりません。打刻データの保存期間は5年間(当面の間は経過措置により3年間)です。無料の打刻ツールでは、5年間のデータ保存ができないケースもあるため、導入前に確認しましょう。
5年間のデータ保存ができない場合、定期的にデータを出力して別のファイルに保存するなど、余計な手間が発生してしまいます。
3-5. サポート体制が充実しているか確認する
サポート体制についてもチェックしておきましょう。とくに打刻ツールを初めて導入する場合は、使い方や設定方法で悩むケースもあります。困ったときに電話やチャットでサポートしてくれるツールであれば、安心して利用できるでしょう。
4. 打刻ツールの導入手順
打刻ツールを導入するときの手順は以下の通りです。
- 無料トライアルで製品を試してみる
- 打刻ツールを導入する端末の台数を数える
- 打刻ツールを利用するユーザー数を数える
- 打刻ツールを導入する
それぞれのポイントについて簡単にチェックしておきましょう。
4-1. 無料トライアルで製品を試してみる
打刻ツールによっては、14日間や30日間の無料トライアルを用意しています。ICカード打刻のように、周辺機器(ICカードリーダーなど)が必要な打刻ツールの場合、周辺機器の無料レンタルをおこなっているケースもあります。まずは無料トライアルを利用し、人事担当者で製品の使用感を確認しましょう。
4-2. 打刻ツールを導入する端末の台数を数える
打刻ツールの選定が終わったら、導入予定の端末の台数を数えます。打刻ツールの利用料金は、パソコンやスマートフォンなど、導入する端末の台数によって変わることもあるため、正確に費用を見積ることが大切です。ICカードリーダーなどを導入する場合は、従業員数に合わせて必要な台数を検討しなければなりません。
また、台数だけでなく端末の種類によっても金額が異なるため、自社の予算に合った端末を選ぶことが重要です。見積結果が予算内に収まった場合は、打刻ツールの導入を進めましょう。
4-3. 打刻ツールを利用するユーザー数を数える
前述の通り、打刻ツールを導入する前に自社のユーザー数を把握しておくことが重要です。また、現状の従業員数だけではなく、今後の増減についてもある程度把握しておく必要があります。将来的に大幅な人員増を予定している場合は、それを見込んでツールを選定しましょう。
4-4. 打刻ツールを導入する
打刻ツールを導入して、運用をスタートしましょう。打刻ツールの使い方や打刻ルールについて、従業員へ周知しておくことも重要です。また、運用してみて問題がある場合は、その都度、ルールを改善していきましょう。
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5. 打刻ツールの選び方やメリットを知り、自社に合ったツールを導入しよう
今回は、一般的な打刻ツールに搭載された機能や、導入するメリットなどを紹介しました。
打刻ツールには、Web打刻、モバイル打刻、ICカード打刻、GPS打刻、チャット打刻、PCログオン打刻など、さまざまな打刻方法が用意されています。自社の勤怠管理の課題から逆算して打刻ツールを選びましょう。
たとえば、テレワークやリモートワークで働く社員の労働時間が把握できない場合は、位置情報がわかるGPS打刻や、チャットツールで手軽に打刻可能なチャット打刻の機能を持った打刻ツールがおすすめです。打刻ツールの選び方や紙のタイムカードにはないメリットを知り、自社に合ったツールを導入しましょう。
タイムカードや出勤簿などで勤怠管理をしている場合、以下のような課題はないでしょうか。
・タイムカードの収集や打刻漏れ、ミスの確認に時間がかかる
・労働時間の集計に時間がかかる/ミスが発生しやすい
・労働時間をリアルタイムで把握できず、月末に集計するまで残業時間がわからない/気づいたら上限を超過していた
そのようなお悩みをお持ちの方におすすめなのが、勤怠管理システムです。システムであれば工数・ミスを削減して労働時間の集計ができるほか、リアルタイムで労働時間が把握できるため、残業の上限規制など法律に則った管理を実現できます。
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