雇用保険被保険者資格取得届は企業が従業員を雇用する際にハローワークに提出する書類です。
従業員を雇用する段階で提出しなければならない書類や行うべき手続きはたくさんあります。
その中でも雇用保険被保険者資格取得届は機械が読み取る書類であり、書き間違いはエラーの原因につながります。
万が一雇用保険被保険者資格取得届を書き間違えてしまった場合、またはあとから書き間違いに気付いた場合、どのように対処すればいいのかを解説します。
訂正する際の注意点も合わせて確認してください。
関連記事:雇用保険被保険者資格取得届とは?作成方法をわかりやすく紹介
目次
社会保険料の支払いは従業員の給与から控除するため、従業員が入退社した際の社会保険の手続きはミスなく対応しなければなりませんが、対象者や申請期限、必要書類など大変複雑で漏れやミスが発生しやすい業務です。
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1. 雇用保険被保険者資格取得届を書き間違えるとどうなる?
雇用保険被保険者資格取得届は従業員を雇用する際に従業員の情報や雇用方法、賃金態様などを詳しく記入し、ハローワークに提出する書類です。
さまざまな情報を記入しなければならないため、書き間違えてしまう可能性もゼロではありません。
また、一度提出したもののあとから書き間違いに気付くケースもあります。
雇用保険被保険者資格取得届の書き間違いはそのまま放置すると後々該当する従業員にさまざまな被害が及ぶ可能性があります。
企業の問題として指摘される可能性もあるので、書き間違いが発覚した時点ですぐに訂正しましょう。
1-1. 機械が正しく読み取れない
雇用保険被保険者資格取得届はOCRという機械で読み取って処理を行います。
そのため、記入した内容が間違っていたり、読みとれない文字だった場合は正しい処理ができなくなってしまいます。
提出した先のハローワークで正しく処理できないため、その後の所定の手続きにも支障が出る可能性があります。
最終的にはボールペンで記入する必要がありますが、書き間違いに備えて鉛筆で記入してから清書する方法もおすすめです。
1-2. 失業保険などを受け取れない
氏名や入社日などの内容に間違いがあると、該当する従業員が失業保険などを受け取れなくなる可能性もあります。
他にも、病院で治療を受ける際に保険がきかない、年金を受け取れないなどの可能性も出てきます。
いずれにしても雇用している従業員に大きな迷惑をかける可能性が高いので、間違いに気付いたら早急に訂正の処理をする必要があります。
1-3. 年金事務所調査で指摘される
雇用保険被保険者資格取得届には月額の賃金なども記載します。
この賃金をもとに年金や保険料が計算されます。
賃金の金額が実際に支払う金額と大きくズレている場合、支払うべき年金、保険料にも差が出てしまいます。
その場合は年金事務所調査などで指摘される可能性があります。
悪質だと判断されるとさらに大きな問題に発展するかもしれないので、間違いに気付いたがすぐ対応する姿勢が大切です。
このように、雇用保険の手続きはミスをすると従業員のみならず、会社にも影響する大切な手続きです。
一方で、手続き方法が複雑に感じられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
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2. 雇用保険被保険者資格取得届を書き間違えたときの処理方法
雇用保険被保険者資格取得届は書き間違えた箇所によって訂正方法や添付する資料が違います。
正しく訂正できるように確認しておきましょう。
2-1. 雇用保険被保険者資格取得(喪失)等届 訂正(取消)願を提出する
雇用保険被保険者資格取得(喪失)等届 訂正(取消)願はハローワークで入手できます。
この書類には書き間違えた内容と正しい内容を記入しなければなりません。
さらに、正しい内容を証明するための資料も添付する必要があります。
従業員に用意してもらわなければならない書類もあるので早めに声をかけ、書類を用意しましょう。
2-2. 氏名を書き間違えた場合
従業員の氏名を書き間違えた場合はフリガナと漢字、それぞれて訂正方法が違います。
フリガナを間違えた際は正しいフリガナがわかる資料として保険証や年金手帳を添付してください。
漢字を間違えた場合、雇用保険被保険者資格取得届の申請中であり、フリガナが正しいのであれば訂正しなくても良いです。
結婚、離婚などで氏名に変更があった場合は書類の訂正は必要なく、雇用保険被保険者資格喪失届や転勤届、個人番号登録変更届などを添付すれば手続きを行ってくれます。
2-3. 生年月日を間違えた場合
従業員の生年月日が間違っていた場合は保険証、運転免許証、年金手帳などの、正しい生年月日がわかる書類を添付して訂正してもらいます。
2-4. 資格取得日を書き間違えた場合
保険加入の資格取得日を書き間違えた場合、在籍している日がわかる資料を添付しなければなりません。
出勤簿、労働者名簿、賃金台帳などを用意して添付しましょう。
2-5. 雇用保険被保険者証を取得した場合
雇用保険加入の条件を満たしていないにも関わらず雇用保険被保険者資格取得届の書類を提出してしまったといったケースもあります。
この場合は書類の申請自体を取り消さなければなりません。
雇用保険被保険者資格取得(喪失)等届 訂正(取消)願を提出すれば、申請の取り消しが可能です。
2-6. スムーズな手続きのための準備をしておく
訂正内容によって用意すべき書類は違いますが、ハローワークによっては上記以外の別の書類の提出を求められることもあります。
複数以上の確認書類が必要なハローワークもあり、ルールがそれぞれに違っています。
訂正したい内容がある場合は事前に書類を提出したハローワークに確認し、必要書類を不備なく揃えられるようにしてください。
3. 雇用保険被保険者資格取得届を訂正するときの注意点
雇用保険被保険者資格取得届の書き間違いを訂正するときの注意点を解説します。
雇用保険被保険者資格取得届の提出は電子申請ができますが、訂正の場合は電子申請はできません。
また、郵送は時間がかかるので場合によっては提出期限に間に合わなくなる可能性があります。
訂正は基本的に期限はありませんが、後々従業員に迷惑がかかる可能性が高いので早めに訂正しましょう。
3-1. 訂正は電子申請ではできない
雇用保険被保険者資格取得届は電子申告ができます。
時間や手間をかけずに簡単に送信できるので便利なシステムですが、訂正する場合は電子申告ができません。
郵送、または窓口で直接訂正を申し込む必要があります。
ハローワークが開いている時間に直接出向かなければならないので、早めに時間を作るようにしてください。
3-2. 郵送は時間がかかるので注意
ハローワークに直接出向く時間がない場合は郵送でも訂正の申告が可能です。
ですが書類の内容に不備があったり、添付する資料が不足していたりするとやり直しのために時間がかかります。
事前にハローワークに連絡して必要書類を確認しましょう。
関連記事:雇用保険被保険者資格取得届の郵送方法や注意点を解説
3-3. 訂正に期限はない
雇用保険被保険者資格取得届の訂正に期限はありません。
書き間違いに気付いた時点で訂正の申し込みが可能です。
書き間違えた内容によっては該当する従業員が適切な保険を受けられなかったり、企業が問題を指摘される可能性もあります。
余計な手間や時間がかかってしまうため、書き間違いに気付いた段階ですぐに行動することをおすすめします。
関連記事:雇用保険被保険者資格取得届の遅延理由書が必要なケースや書き方
4. 雇用保険被保険者資格取得届の訂正は早めに!
雇用保険被保険者資格取得届を書き間違えた際の訂正方法を解説しました。
書き間違えたまま提出すると、後々さまざまな問題が起こるかもしれません。
従業員のためにも、企業のためにも、書き間違いに気付いたらすぐに訂正しましょう。
訂正は電子申告ではできません。
時間の余裕がある際に、必要書類を持参して窓口で相談しましょう。
郵送の場合は書類に不備がないようきちんと確認して提出してください。