雇用保険被保険者資格取得届は従業員を雇用する際に提出が求められる書類です。
従業員を雇用した月の翌月10日までにハローワークに提出しなければなりません。
ですが、ギリギリになって窓口に行く時間がない、書類作成の手間を省きたい場合もあります。
雇用保険被保険者資格取得届は電子申告も可能で、担当者が忙しい場合にはおすすめの方法です。
電子申告のメリットや実際の申告方法を解説するのでぜひ参考にしてください。
目次
社会保険料の支払いは従業員の給与から控除するため、従業員が入退社した際の社会保険の手続きはミスなく対応しなければなりませんが、対象者や申請期限、必要書類など大変複雑で漏れやミスが発生しやすい業務です。
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1. 雇用保険被保険者資格取得届を提出するなら電子申請がおすすめな理由
雇用保険被保険者資格取得届は窓口や郵送でも提出できますが、近年は電子申請もできるようになりました。
電子申請ならではのメリットを4つ紹介します。
いつでもどこからでも申請できる、セキュリティ面が安心、すぐに料金を支払えるといったメリットを確認してください。
1-1. 会社から申請できる
電子申請では会社ですぐに手続きができます。
ハローワークの窓口での申請のためには従業員の資料などを持参しなければならず、不備があると再度すべてを揃えて出向かなければなりません。
移動にも時間がかかるだけでなく、混雑している場合は待ち時間も発生します。
他の業務もこなさなければならない中、ハローワークでの手続きは手間も時間もかかってしまいます。
郵送を選択したとしても不備があると再度訂正しなければならず、窓口で手続きをするより時間がかかります。
電子申請ならハローワークに行く時間や待つ時間を短縮でき、業務の効率化が可能です。
1-2. 時間に関係なく申請できる
雇用保険被保険者資格取得届は従業員を雇用した月の翌月10日までに提出が義務付けられています。
他の業務に追われて雇用保険被保険者資格取得届を作成する時間がなかった場合、無理に時間を作ってハローワークに出向く必要があります。
ですが電子申請なら24時間いつでも申請が可能なので、ハローワークの営業時間に合わせて予定をリスケしなくてもよくなります。
期限がギリギリになってしまって窓口に行く時間もない場合にとくにおすすめです。
1-3. 情報漏洩しにくい
雇用保険被保険者資格取得届には従業員の個人情報を多く記入しなければなりません。
中にはマイナンバーなど、慎重に取り扱うべき個人情報も多く含まれています。
窓口まで個人情報が記載された書類を持ち運ぶのは危険ですし、郵送の場合も特定記録、簡易書留など高い送料がかかる方法を選択する必要があります。
電子申請の場合はパソコンからそのまま情報を送信できるので、情報漏洩のリスクを下げられます。
簡易書留などで余計なコストを支払う必要もなく、経費削減にも役立ちます。
1-4. ネットバンキングで支払える
雇用保険被保険者資格取得届の申請には手数料が必要なケースもあります。
電子申請を選択するとそのままネットバンキングなどでの支払いが可能です。
書類を提出したのに入金を忘れていた、というトラブルも避けられます。
2. 雇用保険被保険者資格取得届の電子申請方法
雇用保険被保険者資格取得届の電子申告方法には、直接入力するタイプと連記式/CSVファイル添付の方法とAPIを利用する方法があります。
それぞれの申請方法を確認しましょう。
関連記事:雇用保険被保険者資格取得届の郵送方法や注意点を解説
2-1. 直接入力方式
e-Govの雇用保険被保険者資格取得届の内容にそって直接入力していく方法です。
もっとも簡単で、紙の書類と記入方法もほとんど変わりません。
電子申請に抵抗がある方、初めて利用する方でも簡単に申請が完了します。
2-2. 連記式/CSVファイル添付方式
電子申請用のCSVファイルを作成して添付する方法です。
CSVファイルを作成する知識が必要ですが、ファイルがあればそれをe-Govに添付するだけなので簡単です。
CSVファイル作成に対応しているソフト、プログラムを導入しているのであればこの方法もおすすめです。
2-3. API利用方式
e-Govに対応している外部のAPIを利用して申請データを作成する方法です。
雇用保険被保険者資格取得届の電子申請のために新しくAPIを導入する必要はありませんが、普段からe-Gov対応のAPIを利用しているのであれば申請データの作成、公文書の取得などのすべての作業をソフト内で完結できます。
3. 雇用保険被保険者資格取得届の電子申請の流れ
実際に雇用保険被保険者資格取得届の電子申請が完了するまでの流れを解説します。
3-1. 必要書類を用意する
電子申請を始める前にまずは必要書類を用意しなければならないこともあります。
電子申請では各必要書類を添付して送信する必要があるため、必要に応じてPDFファイルなどに取り込みましょう。
ファイルの拡張子は「.jpeg」または「.pdf」と指定されています。
PDFファイルであってもe-Govが対応していない文字が入っていると正しく確認してもらえません。
雇用保険被保険者資格取得届は基本的に書類の添付は不要ですが、下記の場合は賃金台帳や雇用契約書などの提出が義務づけられています。
- 事業者が初めて雇用保険被保険者資格取得届の申請を行う場合
- 雇用保険被保険者資格取の提出期限を過ぎての提出の場合
- 3年間に不正受給が発覚した場合
このように、雇用保険を含む社会保険手続きには届出書類が必要となりますが、社会保険のうち、どの手続きになんの書類が必要なのかわからないという担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
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3-2. アプリをダウンロードする
パソコンにe-Govのアプリをダウンロードします。
ソフトのダウンロードの段階で操作の案内をしてくれるため、初心者でも簡単にダウンロードが完了します。
雇用保険被保険者資格取得届の電子申請に必要な書類はこのアプリから取得することができます。
3-3. アカウントを取得する
e-Govのアカウントを取得しなければ電子申告はできません。
アカウント取得の案内にそって適切な情報を入力してください。
3-4. 雇用保険被保険者資格取得届を作成する
アカウントを作成するとマイページにログインできます。
マイページからは雇用保険被保険者資格取得届以外にもさまざまな書類の電子申請手続きができます。
ログイン情報などを忘れないようにしておきましょう。
雇用保険被保険者資格取得届の項目を開き、各項目に必要事項を入力していきます。
添付書類が必要な場合もありますので、適切な書類を添付して送信しましょう。
電子申請には電子署名が必要な場合もあります。
事前に電子証明書を発行してもらう必要があるので忘れないよう早めに発行の手続きをおこないましょう。
送信後はマイページで現在の処理状況を確認してください。
3-5. 必要な手数料を電子納付する
手数料が発生する場合はそのまま電子納付が可能です。
ネットバンキング、ATMなどで速やかに支払いを済ませましょう。
3-6. 公文書をダウンロードする
問題なく雇用保険被保険者資格取得届の電子申請が完了したら公文書を取得しなければなりません。
マイページの処理状況を確認し、受理されていれば同じくマイページから公文書のダウンロードを選びましょう。
申請内容によっては公文書が発行されないこともあるため、事前に公文書のダウンロードが可能か、発行されるのかを確認しておいてください。
4. 雇用保険被保険者資格取得届は電子申告が簡単でおすすめ
雇用保険被保険者資格取得届の電子申告の方法を解説しました。
時間や場所を気にせず、セキュリティ面も安心なのが電子申告です。
現在は大企業を中心に電子申告が義務化されていますが、いずれ中小企業にも電子申告が義務化される可能性はあります。
早めに電子申告に慣れておくためにも、雇用保険被保険者資格取得届の電子申告にチャレンジしてみましょう。