職位とは?職責・職階との違いや代表的な職位を紹介 |HR NOTE

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職位とは?職責・職階との違いや代表的な職位を紹介

  • 組織
  • 人事評価

職位の順に並ぶ人

職位とは、会社での地位、仕事をするうえでの立場を表す言葉です。社長や常務、部長などが職位に該当します。

日本では、職位・職責・職階などの言葉が区別されずに使われることもあり、意識することは少ないかもしれません。しかし、人事や労務の担当者は、用語の違いを認識して使い分ける機会も出てくるでしょう。

本記事では、職位の代わりによく使われる類義語との違い、企業で設定されることの多い職位をピックアップして解説します。

職位を設定する際の注意点も解説するので、「職位への理解を深めて社内に導入したい」と考える場合はぜひ参考にしてください。

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1. 職位とは「仕事上の地位」

職位とは、職場における仕事上の地位を表す言葉です。英語では「position」「rank」で表されます。

一般企業において使われる代表的な例は、以下の通りです。

  • 社長
  • 専務
  • 部長
  • 課長
  • 次長
  • 監査役

職位を設定するメリットは、組織統制がしやすくなる、業務の割り振りが明確になることなどです。

しかし、職位はいくつかある類義語と区別されずに使われたり、会社によって違った意味で使われたりします。設定される職位も会社によりさまざまです。

このため、自社においてはどのような意味で用いるか、言葉の定義を明確にしておくことが重要になります。

2. 職位の類義語7つとその違い

評価を入力する男性

職位の類義語としてよく用いられる用語は、以下の7つです。

  1. 職責
  2. 職階
  3. 職務
  4. 役職
  5. 肩書き
  6. 等級
  7. 階級

言葉の使われ方は会社によって異なるので、お互いが違った意味で同じ言葉を使っていると、認識の齟齬につながります。

以下に紹介する類義語の違いを理解し、社内で円滑にコミュニケーションを取りましょう。

2-1. 職責

職責は、会社における立場によって生じる責任のことを指します。このため職位のように、立場や業務内容を直接指すわけではありません。

主に社長や取締役など、何かが起きたときに責任を追うことになる立場の人によく使われます。

2-2. 職階

職階は組織内における階級を表し、制度として定めるときに使うものです。業務内容に応じて仕事の立場を表す意味では、職位と変わりません。

しかし職階は「職階制」や「職階給」のように制度を表すのに使われ、職位のように自己紹介には使わないことが大きな違いです。

職階制

職務の種類・難易度・責任の大きさなどに応じて職種または職郡に分類し、1級・2級・3級などの等級づけをする職務分類制度のこと

職階給

職階制の等級に賃金を結びつけたもの

2-3. 職務

職務は、組織内で個人が担う業務内容を指す言葉です。仕事の名称ではなく、何をしているのかを表します。

このため職位と比べれば概念的な言葉で、業種によってさまざまな職務が存在することが特徴です。

2-4. 役職

役職は、会社内でもある程度上にある立場の名称を指します。社長・部長・課長など、職位と同じ名称で設定されることもあるものの、役職は組織内における統括する立場であることが違いです。

職位は仕事内容と立場が関連づいているのに対し、役職はあくまでも会社内で与えられる立場の名称となります。

2-5. 肩書き

肩書きも役職と同様にポジションを指しますが、名称を自由に設定できることが特徴です。

このため、次長や課長などの一般的な役職以外に、自分の能力やスキルをアピールできる肩書きも設定できます。たとえば「〇〇コンサルタント」や「〇〇アドバイザー」などです。

2-6. 等級

等級は、能力やスキル、役割で区分けや序列を作り、業務の権限や責任の根拠となる言葉です。職位のように、会社内での上下関係を表すわけではありません。

同じ職位でも等級が違うと給与や待遇が変わることがあり、役職や職位よりも社員を細分化して評価できます。

2-7. 階級

階級とは、上下関係を明確にするために使われる言葉です。主に警察や自衛隊などで用いられており、指揮系統を明確にするために役立っています。

使われる場面が異なるだけで、職位と階級はほぼ同じ意味合いといえるでしょう。

3. 代表的な職位一覧

PCで人材管理をしている担当者

職位として代表的なものは、次の通りです。

  1. 会長
  2. 社長
  3. 専務取締役
  4. 常務
  5. 監査役
  6. 本部長
  7. 事業部長
  8. 部長
  9. 次長
  10. 課長
  11. 係長
  12. 主任
  13. メンター
  14. 平社員

会社によっては名前が変わったり、ほかの職位が設定されていたりすることもあります。以下、それぞれの職位について紹介するので、ぜひ職位を考えるときの参考にしてください。

3-1. 会長

会長は社長よりも立場が上のポジションであり、その会社を代表する人に設定される職位です。

多くの場合、会社の創業者や社長を退いた人が名誉職として就きますが、企業の実務の権限は社長が握っています。

3-2. 社長

会社の経営・財務・人事など、会社にまつわるすべての活動を統括する立場にある人物です。企業における最終決定権を持っており、最高責任者となっています。

代表取締役(CEO)は扱いとして別の職位です。日本の場合、社長が兼務する会社が多くなっています。

3-3. 専務取締役

専務取締役は、社長に近いポジションにある役員を指します。主な仕事は社長や代表取締役の業務サポートです。専務、執行役員、専務執行役など、企業によって呼称が違っていることもあります。

会社の管理監督業務に携わったり、取締役会に参加して企業の意思決定に関わったりすることも特徴です。

3-4. 常務

常務は、取締役会に参加するなかでも下に位置づけられる職位です。常務取締役ともよばれることもありますが、基本的には会社の日常業務を担当しています。

このため取締役のなかでは従業員に近く、現場をよく知る人物であることが特徴です。

3-5. 監査役

監査役は、取締役の職務を監査し、企業経営を健全なものにする役割を担っています。3人以上の監査役が存在していれば、監査役会を設置することが可能です。

3-6. 本部長

本部長は、部長を代表する立場にある人物です。企業に部長が複数いる場合、そのなかの代表として各部の部長を取りまとめる立場に位置づけられます。

事業部長と同じように部内会議における最終決定権を持っていることも多く、実務上で重要なポストです。

3-7. 事業部長

本部長と同様に、複数の部長を取り仕切る立場にある職位です。企業に複数の事業がある場合には、そのひとつの事業の最高責任者を指すこともあります。

事業部長は、取締役を兼務している人に与えられる立場であることが本部長との違いです。

3-8. 部長

部長は、企業のなかにある事業部を代表する職位です。企業によってはフェローと呼ばれたり、GM(ゼネラルマネージャー)と呼ばれたりもします。

管理職として、事業部の方針を決定し、次長や課長、一般社員などをまとめる立場です。

3-9. 次長

次長はシニアマネージャークラスや部長代理ともよばれ、部長のひとつ下に位置づけられた職位です。

主に事務系の業務を管理したり課長をまとめたりと、現場の従業員と距離の近い業務を担当します。このため従業員と管理職の橋渡し役となることが特徴です。

3-10. 課長

課長はマネージャークラスとも呼ばれ、係長よりは上で次長よりも下に位置するポジションです。課員である係長や一般社員のマネジメント、育成を担当します。

現場の実務の一部も担っており、外部の協力会社とのやり取りなども課長の担当業務です。

3-11. 係長

係長は、業務を実施するうえでもっとも小規模なグループである係のリーダーを担当する立場です。マネジメントをしつつ、実務も担当しており、係に所属する主任や社員をまとめて業務の進捗を管理します。

3-12. 主任

係長以下の職位で、グループやチームのリーダーに与えられる職位です。そのほかの社員との間に強い上下関係はなく、新たなプロジェクトを立ち上げる場合などに設定されます。

主任は3~5年目など、現場で経験を積んだ若手社員が最初に抜擢されることもあるポジションです。

3-13. メンター

メンターは、新入社員やインターン生などを指導する立場の先輩社員です。もともとは仕事や人生における指導者や恩師を表す言葉であり、多くの場合特定の役職ではありません。

3-14. 平社員

平社員とは、ここまで紹介したような職位に就いていない従業員のことです。一般社員ともよばれます。新入社員は基本的に平社員からスタートし、スキルを習得したり経験を積んだりすることで上の職位へと上がっていきます。

4. 職位を設定する目的

1点に集中する

職位を設定する主な目的は以下の通りです。

  • ヒエラルキーを明確にするため
  • 責任や役割を意識させるため
  • モチベーションを向上させるため

それぞれの目的について簡単に確認しておきましょう。

4-1. ヒエラルキーを明確にするため

ヒエラルキーを明確にすることは、職位を設定する大きな目的です。適切な職位を設定しておけば、従業員の立場や上下関係がわかりやすくなり、社内統制を図りやすくなるでしょう。社内の秩序を維持することにもつながります。

会社の規模が大きくなり従業員の人数が増えると、組織体制が乱れたり指揮系統が混乱したりしがちです。職位を取り入れることで、わかりやすい組織を構築するとよいでしょう。

4-2. 責任や役割を意識させるため

従業員に責任や役割を意識させることも、職位を設定する目的のひとつです。従業員に職位を与えることで、自分のやるべき仕事や負うべき責任が明らかになります。

誰に相談すべきか、誰に連絡すべきかも明確になるため、仕事がスムーズに進むようになるでしょう。

4-3. モチベーションを向上させるため

従業員のスキルや経験に合った職位を与えることは、モチベーションの向上につながります。より大きな仕事を担当できる立場になれば、やりがいや熱意をもって働いてくれるでしょう。

また、自分も上の職位を目指したいと考える従業員が増え、組織全体のモチベーションが向上することも期待できます。

5. 職位を設定する際の注意点4つ

注意点の説明

企業で職位を設定する際の注意点は次の4つです。

  1. 人事評価制度と関連しているか
  2. 業務の割り振りは明確か
  3. 統制しやすい組織構成になっているか
  4. キャリアの指標とモチベーション管理につながるか

新しく職位を設定するときや、職位を見直す際には気をつけましょう。以下においてそれぞれの注意点を解説します。

5-1. 人事評価制度と関連しているか

職位を設定する際には、人事評価制度と関連しているかに注意しましょう。評価する際のポジションと組織内での職位が違うと、システム的に混乱を招くためです。

その人の働きが正当に評価されることで企業への愛着も湧き、人材の定着にもつながります。

そもそも現在、体系だった人事評価制度がなくて導入を検討されている方へ向けて、本サイトでは「人事評価の手引き」を無料で配布しています。自社にとって適切な人事評価制度を検討するために、まずは人事評価制度について網羅的に理解したいという方は、こちらから資料をダウンロードしてご活用ください。

5-2. 業務の割り振りは明確か

業務の割り振りが明確になっているかについても、職位を設定する際には注意しなくてはいけません。役割分担ができることで社内コミュニケーションが取りやすくなり、業務効率が上がるためです。

たとえば名前だけの職位や、働きが違うのに職位が同じにならないよう、業務に応じて役割・職位を設定しましょう。

5-3. 統制しやすい組織構成になっているか

職位を設定する際には、統制しやすい組織構成になっているかもポイントになります。そもそも職位は、ピラミッド型組織を設計するためのものであるためです。

近年では上下関係をなくし、個性を活かすフラット型組織も注目されています。しかし管理・統制を取りやすくするためには、職位を設定してピラミッド型組織を目指しましょう。

5-4. キャリアの指標とモチベーション管理につながるか

キャリアの指標やモチベーション管理につながるかどうかも、職位を設定する際には注意しましょう。会社のなかに将来目指すポジションがあれば、そこを目指してキャリアを形成できるためです。

その職位になるために必要な資格や指標を設定すれば、モチベーションの維持にもつながるでしょう。

職位は社内の地位や立場を表し、いくつかの類義語が存在します。職位の種類も会社によって呼び名や役割はさまざまです。

企業の規模や組織構成に応じて、業務割り振りや人事評価がしやすくなるように適切な職位を設定しましょう。

6. 自社に合った職位を設定して人材を管理しよう!

今回は、職位の意味や似た言葉との違い、職位を設定するときの注意点を紹介しました。代表的な職位としては、社長・部長・課長・係長などが挙げられます。職位の設定方法について絶対的なルールはないため、企業の状況や組織体制に合わせて最適なものを導入しましょう。

ただし、職位を設定するときは、人事評価と関連しているか、統制しやすい構成になっているかを確認することが重要です。せっかく職位を設定したのに、現場が混乱しては意味がありません。自社に合った職位を設定し、人材を管理していきましょう。

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