職務とは?類語との違いや具体例をわかりやすく解説 |HR NOTE

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職務とは?類語との違いや具体例をわかりやすく解説

  • 組織
  • 人事評価

医師に相談する女性

職務とは、何らかの組織においてひとりの個人が担当する務めを表す言葉です。具体的には管理職・事務職・技術職などがあります。

業務や任務、職責など、職務にはいくつかの類語があり、違いを意識することは少ないかもしれません。しかし人事や労務の担当者は「職務がどういう意味なのか」と気になることもあるでしょう。職務への理解を深めることは、従業員の仕事内容を正しく把握するために重要です。

この記事では、職務の定義や類語との使い分け、代表的な職種における職務を紹介します。また、職務を意識することのメリットも解説するので参考にしてください。

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1. 職務とは「担当する任務や役目」

笑顔の男性

職務とは、企業や団体に所属する社員や従業員が取り組む役目を指す言葉です。具体的におこなっている仕事の内容とは少し離れた概念的なものになります。

たとえば管理職ならば、組織をマネジメントすることが仕事内容です。一方で職務は部下の能力を伸ばし、会社の売上に貢献することになります。

また、技術職であれば、新しいシステムや商品を開発したり、メンテナンスをおこなったりすることが仕事内容です。一方で職務は、部署内のメンバーと協力しながら、技術開発を通して会社に貢献することといえるでしょう。

職務は業種や職種によってさまざまな名称のものが存在するため、非常に多岐に渡ることが特徴です。

2. 職務の類語8つとその違い

ビックリマークと男性

よく使われる職務の類語は次の8つです。

  1. 業務
  2. 任務
  3. 職責
  4. 職能
  5. 事業
  6. 職位
  7. 役職
  8. 職掌

用語の違いを正しく理解しておかないと、認識の行き違いを生む原因になります。以下においてそれぞれの違いを解説するので、職務と区別して使用しましょう。

2-1. 業務

業務は、組織において取り組むべき仕事内容を具体的に示す言葉です。人事ならば新卒採用、営業ならば個人営業、法人営業などが業務にあたります。

職務と業務はよく同じ意味で使われますが、業務のなかで一人ひとりが受け持っている仕事や役割が職務です。会社のために自分が果たしている務めだと考えると、わかりやすいでしょう。

2-2. 任務

任務は、企業におけるポジションにあまり関係なく、命令されておこなう業務を指す言葉です。おもに上司や立場が上の人から、任命された場合や命令された際に使われます。

任務と職務も区別がつきにくいですが、任務は役割に関わらず必要性に応じてアサインされるものです。対して職務は、所属している部署やポジションによってある程度固定化されていることが違いになります。

2-3. 職責

職責は、与えられた立場や、引き受けた業務に伴う責任です。仕事の内容や立場を表すものではありません。

職責は、すべての業務・職務に対して発生するものです。しかし使われる場面は限られており、とくに社長や取締役などの責任が重い立場の人が使います。

2-4. 職能

職能とは「職務遂行能力」を短縮したもので、仕事をやり遂げるために必要な能力のことです。基本的なビジネスマナーやコミュニケーション力から、専門的なスキルまで含まれます。

職能と職務は、まったく違った意味ではあるものの、非常に関連性の強い言葉です。職務を意識する際には、それに紐づく能力も意識しましょう。

2-5. 事業

事業は、会社や組織などがおこなう仕事を指す言葉です。会社がどのような使命を掲げ、社会にどのような役割を果たすのかを表します。

一方で職務は、個人一人ひとりがおこなう仕事に対して使われる言葉です。基本的には、職務内容は企業の事業内容に影響を受けます。

2-6. 職位

職位とは、会社や組織における立場や肩書きを表します。たとえば、社長や取締役、部長や係長などは職位です。

職位は職務と違い、その立場における業務内容や果たすべき役割を決めているわけではありません。このため同じ職位に就いていても企業によって業務が違うこともあるので、注意が必要です。

2-7. 役職

役職は、職位と似ており、会社におけるポジションを表します。社長・部長・係長など、職位と同じような名称になっていることも多いでしょう。

役職は、ある程度上のポジションに対して使われるという特徴があります。

2-8. 職掌

職掌とは、職務や仕事内容をグループ分けしたものです。たとえば、開発やメンテナンスに関わる仕事は「技術職掌」、採用や人事に関わる仕事は「管理職掌」など、同じような仕事を1つの職掌としてグループ分けします。

3. 職務の具体例8選

遠くを見つめながら物事を考えている人

具体例として紹介するのは、次の8つの職種です。

  1. 管理職
  2. 事務職
  3. 販売職
  4. サービス職
  5. 専門・技術職
  6. 生産・労務作業職
  7. 運輸・通信従事者
  8. 農林漁業作業者

これ以外の職務も多数存在しているため、個別にチェックする必要があります。また、同じ職務でも業務内容は違うこともあるため注意しましょう。

3-1. 管理職

管理職はマネージャーとも呼ばれ、社内の部門の管理を担当する職種になります。一般的な職務は以下の通りです。

  • 人材の育成
  • 半期・四半期ごとの業務目標の設定
  • 部下の業務管理
  • スケジュール管理
  • 実務の統括
  • 組織の活性化・コミュニケーション円滑化

ほかにも企業・部署によってさまざまな職務がありますが、人材の魅力を最大限引き出し、生産的な組織にすることが役割です。

3-2. 事務職

事務職は、部門の実務において発生する事務作業全般を担当する職種になります。一般的に挙げられるのは以下のような職務です。

  • 書類作成・ファイリング・管理
  • 購入物の伝票作成
  • 業務データの入力
  • 電話・メール対応
  • 来客対応

また、事務職のなかには「営業事務」「経理事務」「医療事務」などの名称のものもあります。通常の事務業務に加え、専門的な業務も職務の一部になることが特徴です。

3-3. 販売職

販売職は主に店頭に立ち、お客様に物品を販売する職種です。小売店や飲食店など、さまざまな業種に存在しています。一般的な職務は次の通りです。

  • 物品の販売
  • 接客
  • 商品の品出し
  • 在庫管理
  • 店舗のレイアウト設計
  • 清掃
  • 売上管理
  • 本部への報告

また、販売職は企業の組織上、キャリアアップすると複数の店舗を管理するエリアマネージャーになることがあります。接客や販売以外の業務を担当することも特徴です。

3-4. サービス職

サービス職は、お客様に無形のサービスを提供する職種です。販売職と近い部分はありますが、物品を販売するわけではないのが違いになります。職務の一例は以下の通りです。

  • 接客・飲食物の提供
  • 学習やスポーツの指導
  • 利用者の看護や介護
  • 貨物の運輸
  • 美容サービスの提供

以上のほかにも、提供するサービスによって職務は多岐に渡ります。特定の職種を把握したい場合には個別に調べましょう。

3-5. 専門・技術職

専門・技術職は、ある特定の分野におけるスペシャリストを指します。一般的に専門・技術職とされているのは次のような職業です。

  • 医師・看護師
  • 弁護士
  • 記者
  • 芸術家
  • 音楽家
  • 写真家
  • 製造技術者

以上の職種における職務は細分化されているため個別にチェックする必要があります。

たとえば、医師の場合は専門の診療科、弁護士の場合は得意とする分野など、同じ職種でも職務が細かく分かれるでしょう。

また接客や販売をおこなうこともあるので、決して専門のスキルだけでは完結しないことに注意しましょう。

3-6. 生産・労務作業職

工場や建設現場などの生産現場で働く職種です。代表的な職務は次のようなものがあります。

  • 生産設備の制御
  • 現場監督・監視
  • 原材料の加工
  • 製品の組み立て・修理
  • 完成品の検品作業

このように、基本的には、材料から製品や機械として出荷されるところまで、すべてに関わってくるのが特徴です。

3-7. 運輸・通信従事者

運輸・通信事業者は、以下のような乗り物の運転事業者や関連作業に従事する人を指します。

  • 鉄道
  • バス
  • 航空機
  • 船舶

一般的な職務は以下の通りです。

  • 運転
  • 建設機械の操作
  • 駅や空港での案内
  • 航空管制

以上のように、どのような輸送方法かによって職務の内容が大きく変わってきます。

3-8. 農林漁業作業者

農林水産業において、動植物を採取したり、水産物を養殖したりする職種です。職務としては次のようなものがあります。

  • 農産物の栽培・収穫
  • 家畜・家禽の飼育
  • 水産動植物の採取・養殖
  • 樹木の伐採・搬出

以上は職務の一部にすぎないため、必要に応じて従事する職種を調べるようにしましょう。

4. 職務を意識する4つのメリット

電球のイラスト

職務を意識するメリットは、次の4つです。

  1. 取り組むべき仕事内容が明確になる
  2. 従業員が活躍しやすくなる
  3. 人事評価しやすくなる
  4. 職務に最適な人材を採用しやすくなる

以下において、それぞれのメリットについて解説していきます。

4-1. 取り組むべき仕事内容が明確になる

従業員にそれぞれの職務を意識させることで、自分が取り組むべき仕事内容が明確になります。職務が曖昧な場合、どのような作業をおこなえばよいのか、どの作業を優先すべきか、といったポイントを把握しにくく、業務がうまく進まないケースもあるでしょう。

それぞれの職務を明確にしておけば、業務を効率的に進められるのはもちろん、組織体制を強化することにもつながります。

4-2. 従業員が活躍しやすくなる

職務を意識するメリットとしては、従業員が活躍しやすくなることも挙げられます。務めを果たすために必要なスキルや能力がわかりやすくなるためです。

職務を意識することで、それを遂行するための能力である職能が明らかになります。それに応じて足りないスキルを補うための研修が設定可能です。また従業員からしても責任範囲が明確なため、自分の業務に専念できます。

4-3. 人事評価しやすくなる

人事評価がしやすくなることも、職務を意識するメリットのひとつです。職務を意識することで、その人材に求める成果が明確になるためです。

組織上の役割が明確でないとどうしても評価者の主観が入り、公平な評価にならない可能性があります。

そこで職務を意識し、「人材が企業に貢献できているのか」の視点を持つことで、明確で透明性の高い評価が可能です。

しかし、職務ごとに適切な人事評価をおこなうためには、職務に応じた人事評価制度を用意しなければなりません。

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4-4. 職務に最適な人材を採用しやすくなる

職務を意識することで、最適な人材を採用しやすくなることもメリットといえるでしょう。具体的な職務を提示することで採用基準が明確になり、候補者を絞り込めるためです。

採用活動にはどうしても担当者の主観が入り込んでしまいますが、職務を意識すると感情をできるだけ排した判断ができます。また求職者からしても応募段階で仕事内容がイメージしやすく、企業とのマッチ度を上げることにつながるでしょう。

業務や任務などと混同して使われやすい職務ですが、意識すると個人の仕事を明確にでき、働きやすい職場につながります。

5. 従業員が職務を理解していないことによる問題

従業員が職務を理解していないと、以下のような問題が発生します。

  • モチベーションが上がらない
  • 生産性が低下する
  • ビジネスチャンスが広がらない

問題の原因をしっかりと確認しておきましょう。

5-1. モチベーションが上がらない

従業員が自分の職務を理解していないと、モチベーションが低下してしまう可能性があります。何をすべきかがわからなくなり目標を見失ったり、仕事の成果が出にくくなったりして、熱意を失ってしまうケースもあるでしょう。

部署全体や組織全体のモチベーション低下につながる可能性もあるため、注意しなければなりません。

5-2. 生産性が低下する

モチベーションの低下により、生産性が下がってしまうこともあります。やる気がなくなり、ダラダラと作業をすることで、時間ばかりがかかってしまうケースもあるでしょう。

また、職務が不明確な場合、やるべきことや役割分担がわかりにくく、作業が効率よく進みません。非効率な作業が増え、無駄な残業が発生してしまうこともあります。

5-3. ビジネスチャンスが広がらない

ビジネスチャンスが広がらないことも大きな問題です。従業員が職務をしっかりと理解していないと、多くの無駄が発生し、残業代や人件費ばかりが高くなってしまいます。

せっかく売上を上げても支出が多くなり、利益が出にくくなるケースもあるでしょう。その結果、新しい事業を展開しにくくなることも考えられます。

6. 従業員の職務を明確にして事業を展開しよう!

今回は、職務の意味や、従業員に職務を理解させるメリットなどを紹介しました。従業員に職務を理解させれば、自分の役割が明確になるため、モチベーションの向上や生産性アップを期待できます。逆に従業員が職務を理解していないと、無駄な作業ばかりが発生し、ビジネスチャンスが広がりにくくなってしまいます。

職務を明確にすることは、企業が継続的に発展していくためにとても重要です。職務は企業によって異なるため、自社の目標や事業内容を再確認したうえで、従業員に対して具体的に伝えるようにしましょう。

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