ウェルビーイング(well-being)〜これからの世の中で生きていく人材を育成するには〜|WE戸田 |HR NOTE

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ウェルビーイング(well-being)〜これからの世の中で生きていく人材を育成するには〜|WE戸田

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※本記事は、株式会社WEの戸田裕昭さんより寄稿いただいた記事を掲載しております。

皆様ご無沙汰しております。株式会社WEの戸田です。

今回は、近年注目されている「ウェルビーイング(well-being)」について書かせていただきます。

執筆者戸田 裕昭株式会社WE 代表取締役 / 上智大学非常勤講師 / 総務省地域力創造アドバイザー

大学卒業後、オフィス家具メーカーにて新規事業創出・地域活性化に携わる。総務省地域力創造アドバイザーや国土交通省スマートアイランド推進実証事業コーディネーターなどを担い、全国各地の地域における事業振興のアドバイスを行なっている。 また、個々人のやりたいことが起点となる事業創出を目的とした伴走型教育プログラムを開発・構築。小学校から大学までの教育機関や自治体、民間企業と連携し、人材育成を軸とした「組織変革」「事業創造」「地方創生」を行う。 

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1. ウェルビーイング(well-being)とは

ウェルビーイング(well-being)とは、健康・幸福・福祉のような言葉で表される言葉です。

Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.
健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。

世界保健機関憲章 前文」より引用

こちらの「世界保健機関憲章」の記載の中で使用されており、日本のHR領域の流行り言葉となりました。

しかし、私が最近感じることは「ウェルビーイング(well-being)が大切だ!」と叫ぶだけでは手に入らないということです。

これまでもウェルビーイング(well-being)という言葉で表現されていなかっただけで、誰もが肉体的にも精神的にも社会的にも満たされた状態は目指して生きてきたと思います。

恐らく、ウェルビーイング(well-being)は、近年の社会情勢による格差の拡大や「パワハラ」や「ブラック企業」などのネガティブワードが知られるようになった反動で生まれてきた言葉なのではないかと感じます。

決して否定しているわけではありません。誰もがそのような状態を目指して生きているのであり、”ウェルビーイング(well-being)”という言葉があるから考え始めるという順番はおかしいと思うのです。

2. ウェルビーイング(well-being)を構成する三つの要素

では、ウェルビーイング(well-being)についてどのように考えるか、また、組織としてどのように対応していけば良いか、記載していきます。

2-1. 肉体的に満たされた状態

肉体的に満たされているとはどんな状態でしょうか?

・睡眠不足ではない

・怪我をしていない

・二日酔いではない(これは私だけでしょう)

など、様々あるでしょう(※病気に関しては除いています)。

肉体は、人生において活力がある生活ができることに繋がります。何をするにしても行動は肉体あってのことなので、その肉体が満たされていることが必要だと思います。

それでは活力がある生活ができるようになるとどうなるのか?それは、仕事において考えると「ハイパフォーマンスである」ということです。

このように「肉体的に満たされた先に何があるのか?」について考えることで理解した方が良いと思います。

2-2. 精神的に満たされた状態

次に、精神的に満たされるとはどんな状態でしょうか?

・やりがいを感じている

・必要とされていると感じる

・落ち着いている

などなど、こちらに関することは書いたらキリがないくらい出てくるでしょう。

では、精神的に満たされることで人生においてどうなるか、を考えてみると、こちらもハイパフォーマンスに繋がるのではないかと思います。

精神が安定していれば不安を感じることがなく、やるべきことに集中できる。そうなると、自然とハイパフォーマンスになると思います。

こちらも「精神的に満たされた先に何があるのか?」について考える必要があるでしょう。

2-3. 社会的に満たされる状態

最後に、社会的に満たされるとはどんな状態でしょうか?

・所属している組織において存在価値を感じることができる

・望んでいる地位を手に入れることができている

・世の中から感謝されている

などなど、こちらも色々あるでしょう。

しかし、前述の肉体的に満たされること、精神的に満たされることとは少し異なり、社会的に満たされるということは自分一人ではどうにもできないことのような気がします。ですから、これを叶えるのが一番難しいと思います。

しかし、これは肉体的に満たされて、精神的にも満たされて、ハイパフォーマンスを発揮し続ければ自然と手に入るのではないでしょうか?自分が望んで手に入る状態ではなく、頑張った結果として手に入れることができる状態なのではないでしょうか?

3. どうしたらウェルビーイング(well-being)でいられるか?

冒頭で述べたように、ウェルビーイング(well-being)という言葉がなくても、誰もが肉体的にも精神的にも社会的にも満たされた状態でいたいはずです。しかし、それぞれが満たされている状態は、個人個人によって違うのではないでしょうか?

過去の記事でも指摘させていただいたように、「みんな幸せになりたい!しかし、幸せは人それぞれ違う。」ということと同じです。

ですから、組織においては、「従業員の皆さん個々人がどのような状態を肉体的にも精神的にも社会的にも満たされているとするのか」を真剣に考える必要があると思います。

3-1. 私にとってのウェルビーイング(well-being)

ここまで、一般的な見方について意見を書かせていただきましたが、ここで私自身のウェルビーイング(well-being)についてもお伝えさせてください。

ウェルビーイング(well-being)は誰もが望むことだと思います。当然、私も皆さんと同じ人間なので、肉体的にも精神的にも社会的にも満たされた状態でありたいです!

私は、よく「いつも元気で楽しそうで、社会的に責任がある仕事ができていていいですね!」と言われます。見えている状態であれば、ウェルビーイング(well-being)が満たされている状態なのかもしれません。

しかし、私自身はウェルビーイング(well-being)であるとは感じていません。なぜなら、まだまだできていないことばかりなので、何も満足できていないからです。

しかし、最近になってウェルビーイング(well-being)を感じることができるようになってきました。それは、私を精神的に支えてくれる方ができたり、楽しそうに仕事をしてくれる仲間ができたりして、私自身の望む状態にやっと近づいてきたと感じているからです。

私自身の経験からすると、望む状態に辿り着けるのはラッキーなことなのかもしれないと思います。しかし、そのような状態を実感することができるかどうかは、本人次第だと思います。

そして、この状態がいつまでも続くとは思っていないので、この状態が続くように努力しなくてはいけないと思っています。

3-2. 組織においてのウェルビーイング

ウェルビーイング(well-being)という言葉が出てきたことで、これから多くの従業員の皆さんがウェルビーイング(well-being)を満たすための権利を主張し始めるでしょう。主張することは正しいことなので、主張した方がいいと思います。

ただ、組織がそのような状態となることをサポートするためにあるわけでは必ずしもありません。そのため、ウェルビーイング(well-being)の権利を主張するのであれば、自分自身でそのような状態になる行動や結果を出すことが重要です。

単にウェルビーイング(well-being)でありたいだけであれば、個人で行動することもできるはずです。社会的に満たされることも、住んでいる地域や家族など色々な場所で満たすことはできます。

そのため、人事の皆さんには、従業員一人一人に目を向けて話をしていく中で、その従業員一人一人が組織においてどんな価値を発揮できるのかを一緒に考えてあげていただきたい、と思います。 

時には厳しいことを言うことも必要だと思います。なぜなら、組織は従業員を幸せにするための存在ではなく、その組織が掲げた世界を実現させるために存在しているからです。

4. 最後に

これまでの記事でも書かせていただきましたが、これからの世の中は、今までと同じやり方では生きていけなくなっています。

働くこと自体もテクノロジーがどんどん効率化していく。そうなると、人間が行う仕事が減っていく。そうなると従業員の仕事がなくなる。そうなると失業者が増える。

世の中が大きく変化していく社会では、今までと同じことをしていては生きていけません。

そうした社会におけるウェルビーイングとは一体どのようなものなのか?それを一人一人が真剣に考える必要があると思います。

誰かがなんとかしてくれるのではありません。あなた自身が対応しないといけないのです。共に頑張りましょう。

今回も読んでいただきありがとうございました!次回も楽しみにしていてください!!

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