新日本プロレス代表 大張さんが語る「ストロングスタイル経営論」#グローバル人事塾 イベントレポート |HR NOTE

新日本プロレス代表 大張さんが語る「ストロングスタイル経営論」#グローバル人事塾 イベントレポート |HR NOTE

新日本プロレス代表 大張さんが語る「ストロングスタイル経営論」#グローバル人事塾 イベントレポート

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※本記事は、主催企業や登壇者/登壇企業に内容を確認のうえ、掲載しております。

6月21日開催のグルーバル人事塾。日本プロレス界の最大手団体・新日本プロレスリング(以下、新日本プロレス)を率いる大張高己社長が初登壇。

大張社長の組織マネジメントや人材戦略・グローバル戦略を、人事塾だけの1夜限りのオリジナル講義として、語っていただきました。

会場にはプロレスファンはもちろん、プロレスはほとんど見たことがないけれど組織論を学びに来た人事や経営者の方も多くおり、たくさんの質問も飛び交う非常に熱気のある場となりました。

本記事では、その内容の一部をイベントレポートとしてご紹介します。

【講師】大張 高己|新日本プロレスリング株式会社 代表取締役社長、New Japan Pro-wrestling of America, Inc. CEO、株式会社ブシロード 執行役員スポーツ&ヘルスケア本部長

1997年NTT入社。SEとして勤務しながらV1リーグ(当時)バレーボール選手としても活動。同社在籍中にカリフォルニア大学にてMBAを取得。M&Aや新ビジネス開発に従事したのち、法人営業部長、営業支店長等を歴任。2018年12月執行役員としてブシロード入社。翌年1月新日本プロレス経営企画部長。同年11月米国法人を設立しCEO就任。2020年10月より新日本プロレスリング代表取締役社長(第10代)。今年50周年を迎えた新日本プロレスにおいて、自身のバックグラウンドとコロナ禍の環境変化を捉えデジタルとグローバルに重点を置いた経営をおこなっている。

【ファシリテーター】阿部 淳一郎|株式会社ラーニングエンタテイメント 代表取締役

若手の採用・育成、定着領域に強い人材開発コンサルタント。早稲田大学教育学部卒。筑波大学大学院修了。保健学(ストレスマネジメント領域)修士。大手社会人教育企業等を経て 2004 年に起業。「 若手人材の能力を潰さず、引き出し、活躍してもらう」をコンセプトに人材 開発・採用支援領域で事業を展開。講演・研修登壇実績約 2000 本。大企業からベンチャー企業まで人事コンサルティング実績 30 社。大学講師歴も長く学生の就職活動にも精通。2014年からサンフランシスコへも事業展開。2021年には一般社団法人日本ハラスメントリスク管理協会の立ち上げに参画し、現在、参事。企業のパワハラ予防支援にも力を入れている。
著書『ロジカルティーチング ガツガツしていない若手社員を伸ばす技術』『奇跡の就活術』など合計5冊。

大張流、キャリア論

創業者のアントニオ猪木さんから始まり2022年で創業50年の歴史を持つ新日本プロレス。強さを追求する「ストロングスタイル」を掲げ、国内外で多くの大会を開催しています。

大張社長からは、自身のキャリアや、キャリア論、グローバル事業について、プロスポーツの未来図、生涯をかけてやりたい事など、縦横無尽に語っていただきました。

ここでは、大張社長のキャリアにおける考えを中心にご紹介します。

大橋さんの現在は「Will-Can-Must+覚悟」

大張社長は、キャリア形成のフレームワーク「Will-Can-Must」の3つが伴っている人は幸せだと言っており、大張社長自身はこの3つが重なっているとのこと。

さらに大事なものに「賭ける覚悟」があり、レスラーは命がけで戦っていて、選手たちは「家族や大事な人ともう会えなくなるかもしれない」と覚悟を決めて家を出ている。その想いに寄り添って選手のサポートをしていく覚悟が必要であるとのことことでした。

キャリアで大事だと考える信条や考え方

また、大張社長がキャリアを築いていく上での信条や大事だと考えていることについて、以下のようにお話されていました。

  • 「努力は『将来の自分』を助ける作業である」
  • 「ピンチは環境変化。環境変化はチャンスも必ず連れてくる」
  • 「生まれ変わるなら生きてるうちに(by 長渕剛さん)」
  • 「賭ける覚悟~1度きりの人生なので、本当に自分がやりたいことに正直に私利私欲を捨てて、全力で打ち込みたい」
  • 「学ぶことをやめない」
  • 「全ての原動力=『エンジン』は止めない」
  • 「考え抜いていれば「偶然」は結構味方する」

コロナ禍という特にイベントやスポーツ産業が大きな打撃を受けた中で、ECサービス、配信サービス、映像販売、グローバル展開など、新しい戦略を実施したことで収益が回復。

その背景には、大張社長の上記のような価値観が大きく反映されているのだと感じました。

大張流、組織マネジメント

ここからは、大張社長がお話された組織マネジメントに関する内容の一部をご紹介していきます。

その根底には、「社員のモチベーションの源泉を大切にする姿勢」が垣間見えました。

個々のモチベーションの源泉に注目し、共鳴するポイントを探す

大張社長は、社員と面談をおこなう際に必ずする質問があり、それは「なぜこの会社に入ったのか?」ということでした。

これは、単純に社員が頑張れる理由や互いの価値感が共鳴できるポイントが知りたいという背景があるようです。働く理由に正解はなく、個々が持っている想いに寄り添ってマネジメントをしていきたいという考えからきています。

大張社長は、社員1人ひとりの入社理由を把握しているとのこと。社長がそこまで把握できているのは、なかなかないかもしれません。

コロナ禍での経営理念の策定・浸透

大張社長は、コロナのタイミングで経営理念をブラッシュアップ。新たに掲げた新日本プロレスの経営理念が以下になります。

『プロレスは、人々が立ち上がるための心の支えである。我々「新日本プロレス」は、コロナ禍でこそ、その真価の発揮時であり、世界中のファンを元気づけなければならない』

コロナの影響で、大会の開催もできず、収益も減り、社内のモチベーションが下がってしまう懸念があった中、「逆境のときだからこそ、人々を元気づけよう」と、このタイミングでメッセージを刷新しています。

この経営理念を掲げて浸透させ、個々のモチベーションの源泉を大切にしながら仕事を任せることで、社内にはいろいろな良い変化があったとのことでした。

さいごに

今回は、大張社長のキャリア形成論やマネジメント論の一部をご紹介しました。

新日本プロレスは、日本最大の団体&世界でも第2位の団体として、多くの熱狂的なファンがいます。

その背景には選手の魅力だけでなく、大張社長の価値観に紐付いた組織戦略があるのではないでしょうか。

今後の新日本プロレスの動向に要注目です!

 

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現在は30名の理事会・運営メンバーでボランティアのみで構成。【過去参加数:9,000名以上 会員企業:約200社】

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ゼスト株式会社代表取締役、一般社団法人グローバル人事塾代表理事、一般社団法人デジタル・イノベーション理事、IU情報経営イノベーション専門職大学客員教授、人事の未来共同代表、東京都人材戦略事業ディレクター(https://www.facebook.com/ZEST.SK

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