自律型人材とは?特徴や育成のメリット・デメリットを解説 |HR NOTE

自律型人材とは?特徴や育成のメリット・デメリットを解説 |HR NOTE

自律型人材とは?特徴や育成のメリット・デメリットを解説

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「自律型人材とは?」

「自律型人材の特徴は?」

上記の疑問をお持ちではありませんか。自律型人材とは指示を待たずに、自ら考え行動できる人材です。

本記事では、自律型人材の特徴や、企業にとってのメリット・デメリットについて詳しく解説します。社員の成長と企業の発展に役立つヒントを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

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「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。

本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。

1. 自律型人材とは

自律型人材とは、上司や周囲の指示を待たずに自分で考え、能動的に動ける人材を指します。自分の意志で業務を進め、目標達成のために自らを管理する力を持っている人材です。

ただし、企業によって求められる具体的なスキルや姿勢は異なります。また、「自立」とは異なり、「自律」は自己コントロールを伴う点が特徴です。単に一人で仕事をこなすだけでなく、目的に基づいて適切に行動する能力を指します。

2. 自律型人材が求められる背景

自律型人材が求められる背景は、主に以下の2つです。

  1. 激しい市場変化
  2. 雇用の変化

それぞれ詳しくみていきましょう。

2-1. 激しい市場変化

自律型人材が求められる背景には、激しい市場変化があります。テクノロジーの進展やグローバル競争の激化により、従来の手法や過去の経験が通用しにくくなってきました。

加えて、業務のスピードが加速する中で、上司にすべての判断を仰ぐ余裕がなくなっています。そのため、各社員が自ら市場の動向を読み取り、迅速に対応できる行動力が企業の生存に不可欠です。

2-2. 雇用の変化

自律型人材が求められる背景には、雇用の変化が影響しています。従来の雇用形態では、幅広いスキルを持つことが重視されていました。しかし、現在は専門的なスキルや知識に焦点を当てた雇用が増えています。

そのため、社員自身が学び続け、自ら成長することが大切です。さらに、得たスキルを現場で発揮し、管理者の指示を待たずに問題を解決できる能力が重要視されています。

3. 自律型人材の特徴

自律型人材には、以下の2つの特徴があります。

  1. 自分で行動できる
  2. 責任感がある

それぞれ詳しく解説します。

3-1. 自分で行動できる

自律型人材の特徴として、自分で行動できる点が挙げられます。自律型人材は指示を待たずに、自ら考え、会社やチームのために何をすべきかを判断して行動可能です。

企業理念や戦略を理解した上で、自分に課せられた役割を果たすだけでなく、さらに高い目標に向けて積極的に行動します。迅速な意思決定や、常に先を見た行動ができる点で、上司の指示を待つ人材とは異なるでしょう。

3-2. 責任感がある

自律型人材のもう一つの特徴は、強い責任感があることです。自律型人材は自分で考え、判断して行動するため、その結果に対して責任を負う意識が高い傾向があります。

たとえミスが起きたとしても、その状況を受け止め、解決策を考える力を持っているでしょう。自分自身の行動に対する責任感から、常に改善を意識し、成長を続ける点が自律型人材の大きな特徴です。

4. 自律型人材が活躍する企業の特徴

自律型人材が活躍する企業の特徴は主に以下の2つです。

  1. ホラクラシー組織
  2. ティール組織

それぞれチェックしていきましょう。

4-1. ホラクラシー組織

ホラクラシー組織とは、役職や階層を排除し、個々の役割に基づいて運営される非階層型の組織です。意思決定権が分散され、各メンバーが自分の役割に応じて主体的に行動することが求められます。

全員が対等な立場で責任を持って業務に取り組む環境が整い、自律型人材が最大限に活躍できる仕組みといえるでしょう。

4-2. ティール組織

ティール組織とは、全メンバーが自律的に意思決定をおこない、組織の目標達成に向けて協力する新しい形の組織モデルです。この組織には固定的な階層や指示系統がありません。

各メンバーが状況に応じて役割を果たし、柔軟にルールやチームを形成することで、自主性と創造性が重視されるのが特徴です。これにより、自律型人材が最大限に能力を発揮できる環境が整います。

ホラクラシー組織は、明確に定められたルールや役割に基づき意思決定をするのに対し、ティール組織は固定されたルールがなく、状況に応じて柔軟に対応できる点が大きな特徴です。このため、ティール組織はより自由度の高いアプローチを採用しています。

5. 自律型人材を育成する3つのメリット

自律型人材を育成するメリットは以下のとおりです。

  1. 管理職の負担が軽減される
  2. 効率化によって生産性が高まる
  3. 新しいアイデアが生まれやすい

それぞれ詳しくみていきましょう。

5-1. 管理職の負担が軽減される

自律型人材を育成することで、管理職の負担が大幅に軽減されます。自律型人材は自ら判断し行動できるため、管理職が細かな指示を出す必要がありません。

特にテレワーク環境では、直接的な管理が難しいため、自律的に働ける人材が増えることでマネジメントの手間も削減可能です。管理職はより戦略的なサポートやチーム全体の成長に集中できるようになります。

5-2. 効率化によって生産性が高まる

自律型人材が増えることで、業務の効率化が進み、生産性が向上します。上司の指示を待たずに自ら考えて行動するため、スムーズな業務進行が可能です。

さらに、周囲の社員が自律型人材の働き方を取り入れると、チーム全体の業務スピードが加速します。自律的に行動することで、個々のモチベーションも向上し、組織全体の生産性を高める効果が期待できるでしょう。

5-3. 新しいアイデアが生まれやすい

自律型人材が多い組織は、新しいアイデアが出やすくなります。自律的に行動する人材は、独創的な提案が出やすいでしょう。

指示待ちではなく、自ら考えて行動する姿勢が、既存の枠にとらわれないアイデアや発想を生むきっかけとなります。また、チーム内での意見交換も活発になるため、組織の成長や革新に貢献するでしょう。

6. 自律型人材を育成する2つのデメリット

自律型人材を育成するデメリットは、下記の2つです。

  1. 育成に時間がかかる
  2. チームの運営に支障が出る

それぞれ詳しく解説していきます。

6-1. 育成に時間がかかる

自律型人材の育成には時間がかかるデメリットがあります。自律的に考え行動できる人材に育てるには、短期間での育成は困難です。

また、効果的な育成には体系的な研修プログラムが必要ですが、多くの労力やコストがかかります。さらに、実際の業務を通じた経験も重要であり、時間をかけて成長を見守る必要があるでしょう。

6-2. チームの運営に支障が出る

自律型人材が多い組織では、チーム運営に支障をきたす可能性があります。自律型人材は独自の判断で行動するため、チーム内での情報共有やコミュニケーションが疎かになる可能性があるでしょう。

そのため、育成過程でチームワークの重要性を強調し、共同作業を円滑に進めるための意識を育てることが重要です。

7. 自律型人材の育成方法

自律型人材は、下記のステップで育成しましょう。

  1. 自律型人材の目標を設定する
  2. 実践する
  3. 定期的なフィードバックと見直しをする

それぞれ詳しくみていきましょう。

7-1. 自律型人材の目標を設定する

自律型人材を育成するには、まず自社の企業理念や戦略に基づいた目標設定が重要です。自社が求める具体的な人材像を明確にし、それに基づいて目標を設定します。

すでに自律型人材として成功している社員の行動やスキルを分析し、模範となる基準を設けるのも良いでしょう。社員が何を達成すべきかを明確にし、具体的かつ実行可能なものにすることで、育成の効果を高められます。

7-2. 実践する

自律型人材の育成には、目標設定に基づいた実践が重要です。研修やセミナーで基礎的な知識を学び、実際の業務に活かせるよう環境を整えましょう。

具体的な目標や行動指針をもとに、業務を通じて自律的な行動を実践させます。ただ放任するのではなく、適度なサポートやフィードバックをし、実践の内容を深めていきましょう。

7-3. 定期的なフィードバックと目標の見直しをする

自律型人材を育成するには、定期的な目標の見直しとフィードバックが欠かせません。結果だけではなく、達成過程にも注目し、目標未達成の理由を分析することで、改善策を導き出しましょう。

上司は定期的にフィードバックをおこない、自律型人材の成長をサポートします。また、フィードバックの際には、改善点だけでなく努力や成果も評価し、社員のモチベーションを高めることが重要です。

8. 自律型人材育成を導入している企業事例

自律型人材育成を導入している企業事例として以下の2つを解説します。

・A社|公募型選抜研修を導入

・B社|「自発的な成長」を基本方針とした施策実施

8-1. A|社内公募型選抜研修を導入

A社では、社内公募型選抜研修を導入しています。論理思考や経営知識の学習に加え、自社課題の提言から実行までを含む実践的な内容です。

研修終了後、受講者のアウトプットの質が顕著に向上するなど、確かな成果がみられました。優秀な若手社員が自らの成長に積極的に取り組む機会を提供し、経営陣の本気度が高いモチベーションを引き出しています。

8-2. B社|「自発的な成長」を基本方針とした施策実施

B社は、社員が自発的に学び成長できる環境を整え、「自律的な成長」を基本方針とした施策を実施しています。具体的には、学びのポータルサイトの開設、社員の成果を称える各種AWARDを実施しました。

上記は、社員の自己啓発を促進し、複雑な課題に対処できる人材を育てるための重要な取り組みです。自律型人材の育成において実践的かつ効果的なモデルといえるでしょう。

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「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。

本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。

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