自己顕示欲とは?承認欲求との違いや強い人の特徴・接し方を解説 |HR NOTE

自己顕示欲とは?承認欲求との違いや強い人の特徴・接し方を解説 |HR NOTE

自己顕示欲とは?承認欲求との違いや強い人の特徴・接し方を解説

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「自己顕示欲とは?」

「自己顕示欲の強い従業員とどう接したらいい?」

上記の疑問をお持ちではありませんか。

自己顕示欲は、「自分をよく見せたい」「他人に褒められたい」と思う欲求のことで、大小は違えどだれもが持っているものです。

しかし、自己顕示欲が強すぎる従業員がいると、周囲の人間が困惑し、人間関係に亀裂が入ることも珍しくありません。自己顕示欲が強い従業員との接し方に悩んでいる方も、多くいるでしょう。

本記事では、自己顕示欲と承認欲求の違いや、自己顕示欲が強い従業員の特徴・原因・接し方について解説します。自己顕示欲への理解を深め、従業員の能力をうまく活かしましょう。

1. 自己顕示欲とは

自己顕示欲とは、自分をより良く見せて、他人からの高評価を維持することを目的とした一つの欲求です。自分を過剰にアピールして、他者に褒められることを求めています。

大小の差はありますが、自己顕示欲はだれでも持っているものです。そのため、自己顕示欲があることは悪いことではありません。

自分の能力や成果をアピールすることは、自己成長やキャリアアップにつながる重要な要素といえるでしょう。ただし、自己顕示欲が強すぎると他人に不快な思いをさせたり、評価を下げたりする結果になる場合があります。

2. 自己顕示欲と承認欲求の違い

承認欲求は、自己顕示欲と似ていますが同義ではありません。自己顕示欲は、承認欲求に内包される一部の欲求であり、両者には以下のような違いがあります。

自己顕示欲

承認欲求

自己中心的・能動的

他者中心的・受動的

・他人に自分の価値や能力をアピールしたい

・自分の評価を高めたい

・他人に自分の価値や能力を認めてほしい

・他人から悪く思われたくない

承認欲求は、アメリカの心理学者アブラハム・マズローが提唱した「欲求段階説」に含まれています。マズローの欲求段階説は、現代の経営学やマーケティングに幅広く活用されています。

参考:マズローの欲求段階説|一般社団法人日本経営心理士協会

3. 自己顕示欲が強い従業員の特徴

自己顕示欲が強い従業員には、以下のような特徴があります。

  • 競争意識が強い
  • 自慢話が多い
  • 自分をよく見せるために嘘をつく
  • 他人の評価に縛られやすい
  • 承認欲求が強い

3-1. 競争意識が強い

自己顕示欲が強い従業員は、競争意識も強い傾向にあります。「他人よりも優秀でありたい」と強く思っているため、自分が優れている人間であることを周りの人間に見せつけようとするのです。

例えば、仕事の成功談や、プライベートで友人が多いことを自慢するなどが挙げられます。

また、負けず嫌いなことが多く、他人を肯定しない傾向があります。場合によっては、手段を選ばず、自分が一番になろうとするでしょう。

自己顕示欲が強い従業員は、自己主張が激しいため、同僚に距離を取られる可能性があります。

3-2. 自慢話が多い

自己顕示欲が強い従業員は、自慢話を積極的にする傾向にあります。自分のことを知ってもらいたい気持ちが強いため、自分の話が多くなるのです。

他人の話を自分の話にすり替えたり、「話題の中心に常に自分がいたい」と考えたりします。さらに、自分の考えが正しいと思っていることが多いため、他人の発言に対して否定的になることが多いのも特徴です。

3-3. 自分をよく見せるために嘘をつく

自己肯定感の強い従業員は理想が高く、嘘をついてまで自分をよく見せようとします。「本来の自分の姿では評価されない」「他人よりも目立ちたい」と考え、自身を誇張するのです。

嘘の裏側には、「自信のなさ」が潜んでいます。周りに嘘が多いことが見抜かれると、不信感を抱かれ、敬遠されることもあるでしょう。

3-4. 他人の評価に縛られやすい

他人の評価に縛られやすいことも、自己顕示欲が強い従業員の特徴の一つです。自己顕示欲が強いと、他人の評価が気になり、客観的に自分軸で評価ができなくなります

そのため、仕事の目的を見失ったり、努力する意味がわからなくなったりして、塞ぎこむ可能性があります。他人に認められないことで怒りを抱きやすくなったり、激しく落ち込んだりしやすいことも特徴です。

3-5. 承認欲求が強い

承認欲求が強いのも、自己顕示欲が強い従業員の特徴です。自分が認められたい気持ちが強いため、協調性がなく、個人プレーに走りがちになります。

また、自分の評価につながらない業務に対しては極端に消極的で、まったく興味を示さない場合もあるでしょう。さらに、他人が評価されることを快く思わないため、他人の功績を褒めたり認めたりしないことも特徴です。

4. 自己顕示欲が強くなる原因

自己顕示欲が強くなる主な原因は、以下のとおりです。

  • 自信が無く自己肯定感が低い
  • 幼少期に愛情不足だった
  • 仕事やプライベートで問題を抱えている

4-1. 自信が無く自己肯定感が低い

自信が無く、自己肯定感が低いことで、自己顕示欲が強くなります。自分自身を認められないため、他己評価に重きを置き、他人からの評価でしか自分の欲求を満たせなくなるのです。

「もっと評価してほしい」「もっと注目してほしい」などの思いが、自己顕示欲として現れます。コンプレックスが強い従業員に多く見られる傾向です。

4-2. 幼少期に愛情不足だった

幼少期に十分な愛情を受けなかったことが原因で、自己顕示欲が高くなる従業員もいます。親から十分に愛情をもらえていない子どもが、学校で問題行動を起こすのは珍しいことではありません。

子どもが問題を起こすのは「だれかに構ってもらいたい」「相手にしてもらいたい」など、愛情不足の裏返しの行動です。愛情不足の子どもは、周りから反感を買うことで注目を集めようとするのです。

幼少期の生活環境は、大人になってからも強く影響します。自己顕示欲の強い従業員本人にとっては当たり前の行動でも、コミュニケーション方法に難があるため、周りの人間は振り回されやすいのです。

4-3. 仕事やプライベートで問題を抱えている

仕事やプライベートで問題を抱えていることが原因で、自己顕示欲が高くなる場合があります。仕事内容や職場の人間関係、家族や友人との関係がうまくいっていないなどの理由でストレスを抱えていると、「だれかに認められたい」と思うようになります。

自己肯定感の低さと共通する部分がありますが、少しでも自分を満たすための手段として、「他人からの評価」を気にするようになるのです。自分の気持ちに余裕がなくなるため、成功している人を妬んだり問題行動を起こしたりする可能性もあります。

5. 自己顕示欲が強いことのメリット

自己顕示欲が強いことのメリットは、以下のとおりです。

メリット

詳細

自己成長のモチベーションが高い

負けず嫌いで高い向上心を持っているため、目標達成まで努力することを惜しまない

自己表現力が高い

自分の考えや感情を他人に伝える能力に長けているため、プレゼンテーションスキルが高いこともある

チャンスを引き寄せやすい

自己アピールがうまく作用すれば、他人に注目されやすくなり成功や成長のチャンスにつながる

リーダーシップを発揮しやすい

他人を引っ張る能力に長けていることがあるため、周囲からの信頼を得られれば能力が発揮されやすい

上記のように、自己顕示欲が高いことは決して悪いことばかりではありません。自己顕示欲の高い従業員の長所をうまく伸ばしていけば、企業の成長に大きく貢献してくれるでしょう。

6. 自己顕示欲が強い従業員との接し方

自己顕示欲が強い従業員とは、以下のような接し方を心がけましょう。

  • 適切な距離感を保つ
  • 業務での成果は具体的に褒める
  • 率直なフィードバックをおこなう

6-1. 適切な距離感を保つ

自己顕示欲が高い従業員とは、適切な距離感を保つことが重要です。自己顕示欲の強い従業員は、積極的に自分の話をしたがる傾向があります。

否定や批判をせずに、聞き役に回ることで従業員の欲求を満たしてあげましょう。ときには聞き流し、適度な相槌を打って真剣に相手をしないようにすることも大切です。

話を常に真剣に聞くと、聞いている側が精神的に参り、ストレスがたまる可能性があるためです。ただし、極端に冷たい態度を取ると、逆恨みなどのトラブルに発展するリスクもあるため、適度な距離感を保つことを意識しましょう。

6-2. 業務での成果は具体的に褒める

業務に関する成果や成功は積極的に褒めて、頼りにしていることを伝えることも大切です。自己顕示欲の強い従業員は、褒められたい欲求が強いのと同時に、自信がないことも特徴です。

積極的に褒めることで自信がつき、従業員自身の心に余裕が生まれます。結果として、自己顕示欲が落ち着き、自己肯定感を高めさせられるでしょう。

また、褒めることで従業員のモチベーションが向上し、業務に積極的に取り組むようになる可能性があります。従業員自身のスキルアップにもつながり、企業で活躍できる人材となります。

出世につながるチャンスも広がるため、従業員本人にとっても大きなプラスとなるでしょう。

6-3. 率直なフィードバックをおこなう

自己顕示欲が強い従業員は、自分を客観視する能力に欠けている場合があるため、率直なフィードバックをおこなうことも重要です。とくに、嘘や偽りがある場合は業務に悪影響を及ぼす可能性があるため、しっかりと訂正しなければなりません。

ただし、言い方には十分気をつける必要があります。あくまで「嘘」の部分だけを訂正し、従業員自身を否定しないようにしましょう。

フィードバックをおこなう際は、個人的な感情や価値観を押し付けないよう注意が必要です。事実やデータにもとづいてフィードバックをおこない、状況に応じて従業員の言動が他人に不信感や不快感を与えていることを伝えましょう。

7. 自己顕示欲をうまく活用して能力発揮を促そう

自己顕示欲は、他人に自分の価値や能力をアピールして、自分の評価を高めたいと思う欲求のことです。自己顕示欲が強い従業員とは程よい距離感を保ち、ときには率直なフィードバックをおこなうことが重要です。

しかし、自己顕示欲が強いことは、決して悪いことばかりではありません。長所を伸ばしていくことで、企業の成長に大きく貢献してくれる可能性を秘めています。

自己顕示欲をうまく活用して、従業員の能力発揮を促しましょう。

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