昇格とは、職能資格制度が導入されている企業において等級が上がることです。昇格の基準は企業によりさまざまで、制度の運用方法も幅広くあります。
そのため「昇格させるべき人材の基準がわからない」、「昇格を導入する場合の注意点は?」と悩む方も多いでしょう。
本記事では、昇格と昇進の違いや昇格の基準、昇格を導入する際の注意点を解説します。最後まで読むと、昇格の基準に設定すると良い項目や導入の注意点を把握できるでしょう。
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
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「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、「うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・」といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。
本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。
1. 昇格とは
昇格は、従業員を評価し等級を定める制度である職能資格制度が導入されている企業で、等級が上がる意味を持っています。
昇格制度は会社からの評価が目に見えてわかるため、社員のモチベーションを引き出すために導入している会社が多いです。
また、業務上の責任範囲の変化や昇給がともなう場合もあるため、昇格と同時に人事異動がおこなわれることもあります。
昇格は公平に従業員を評価でき、優秀な人材を逃すことなく活躍の場を設けられる意味でも重要です。
2. 昇格と昇進の違い
昇格と似ている意味を持つ言葉に「昇進」がありますが、2つの言葉には以下の違いがあります。
昇格 |
役割や能力などのレベルである等級が上がること |
昇進 |
係長から課長など社内での職位が上がること |
昇進は、社内で空いたポジションに肩書きに適した人材が選ばれ、役職が上がることです。例えば「係長から課長」、「課長から部長」のようにポジションが変わることを指します。
ポジションには限りがあるため、昇格とは異なり上の役職の人物が退職や異動をしなければ昇進は難しいです。
また、昇格と昇進は異なり昇格すると必ず役職が上がるわけではなく、なかには昇格のみ上がる場合もあります。
3. 昇格の基準
昇格の基準は大きく分けると以下の2つがあります。
卒業方式 |
試験などで現在の等級に求められる能力を満たした場合に、上位の等級に昇格 |
入学方式 |
上位の等級に求められる能力を満たした場合に、現在の等級から昇格 |
また、勤続年数や仕事の成果などを評価項目として設定するケースも多く、本人の希望も加味しながら昇格が決まります。
具体的には企業によって異なりますが、以下のように昇格の基準となるポイントを設定することが多いです。
- 継続的に成果を出している
- 目標の達成度が高い
- リーダーシップを持っている
- 資格を保有している
- マネジメント力がある
3-1. 継続的に成果を出している
昇格させる人材が、1度だけではなく、継続して成果を出しているか否かが、基準になるポイントです。成果が1度だけだったり限定的だったりすると、昇格してから安定した成果を出すことが難しい可能性も出てくるでしょう。
例えば現在にいたるまでどのような成果を出してきたか、繰り返し成果を出せているかを見ます。
継続して成果を出せている人は、昇格しても変わらず結果を期待できるため、継続して成果を出せているかどうかに注目が必要です。
3-2. 目標の達成度が高い
昇格させる人材が目標を達成できているか否かが、基準になるポイントです。目標の達成度が低ければ、昇格後も目標に届かずチームに悪影響を及ぼすことも考えられます。
できれば目標を達成するまでの過程や達成できなかったときの対応も見ておくと、昇格後の従業員のイメージが湧きやすいです。
優秀な人材がチームでも良い働きを持つように、これまで目標を達成できていたかチェックすると良いでしょう。
3-3. リーダーシップを持っている
昇格させる人材が、リーダーシップを持っているか否かが基準になるポイントです。リーダーシップがない場合は昇格後にチームをまとめられず、組織全体の活性化も期待できません。
そのためほかの従業員のやる気を引き出せるような人材か、周囲から信頼を得ているかなども注目すると良いでしょう。
リーダーが中心になってチームを導くことにより大きな成果につながるため、リーダーシップは必須の能力となります。
3-4. 資格を保有している
企業によって異なりますが、昇格の条件に資格の保有を設定するケースがあります。資格を保有しているか否かを昇格の基準に設定することで、分野の知識の有無がわかるメリットもあるでしょう。
あらかじめ昇格にはどのような資格を保有している必要があるか検討し、忘れず基準に含めなければいけません。
3-5. マネジメント力がある
昇格させる人材にマネジメント力があるか否かが、基準になるポイントです。
昇格後はチームの中心人物になり部下の指導をすることもあり得ます。マネジメント力がなければチームの成長が期待できません。
具体的には部下に的確な指示を出せるか、感情の起伏が激しくなく常に冷静な判断ができるかなどに注目しましょう。
部下を育成し、マネジメントしていく能力があるかチェックすると良いです。
このように昇格の基準は様々ありますが、どの観点を重視して昇格の評価を行うか、年何回評価を行うのか、昇格の判断に向けていつ誰が評価を行うかなども決めなければなりません。
当サイトでは、人事評価制度を構築する際に決めなければならない観点を導入の流れに沿って説明した「人事評価の手引き」を無料で配布しています。ぜひこちらからダウンロードいただき、従業員の納得を得られる評価制度の構築にお役立てください。
4. 昇格する従業員を選ぶ手順
昇格する従業員を選ぶ手順は、以下のとおりです。
- 昇格の対象になる従業員の選定
- 小論文や適性検査、面接などの試験の実施
- 昇格者の決定
4-1. 昇格の対象になる従業員の選定
まず昇格の対象になる従業員を選定します。
上司から推薦されていたり、ある程度勤続年数があったりする人を中心に選ぶ企業が多いです。
4-2. 小論文や適性検査、面接などの試験の実施
従業員に対して小論文や適性検査、面接などの試験を実施します。試験を通して思考力や問題解決能力、リーダーシップ力などをチェックし、適性のある人材を絞ることが重要です。
試験を通して昇格の基準をクリアしているか、細かくチェックすると良いでしょう。
4-3. 昇格者の決定
試験の結果などを総合的に判断し、昇格者を決定します。
辞令を交付する場合は前もって準備しておきましょう。
5. 従業員を昇格させるメリット
従業員を昇格させることで、以下のメリットが得られます。
- モチベーションの向上につながる
- 従業員の達成感が大きくなる
- 会社組織の発展に役立つ
5-1. モチベーションの向上につながる
能力が認められることで、従業員のモチベーションアップが期待できます。成果を出していても能力が認められなければ、努力しようとする意欲が低下しやすいです。
昇格させることにより待遇面の不満や仕事上のもの足りなさが払拭され、モチベーションが上がり意欲も出ます。
モチベーションが向上するとパフォーマンス力の向上も期待できるため、さらに成果を出せるでしょう。
5-2. 従業員の達成感が大きくなる
昇格させることで責任のある重要な仕事を任せられるようになり、従業員の達成感も大きくなります。
達成感があると仕事のやりがいを感じられるため、意欲のあるポジティブな状態で仕事ができるでしょう。
また、昇進すれば業務上の決定権や人事権が認められ、これまでできなかった仕事を任せられます。そのため従業員の充実感にもつながりやすいです。
5-3. 会社組織の発展に役立つ
昇格により会社組織の発展も期待できます。
昇格させると裁量が大きくなるため、優秀な人材が活躍しやすいです。適性のない人物にチームをまとめる役割を持たせると、悪く作用する可能性も高まります。
優秀な人材がマネジメントすることで、ほかの従業員も働きやすい環境を作れるでしょう。
その結果、社内の士気の向上など周囲にも良い影響を与え、環境を整えることにもつながり、会社全体の生産性向上が期待できます。
優秀な人材を昇格させると、ほかの人材や組織全体にポジティブな効果をもたらし、組織が活性化するでしょう。
6. 昇格を導入する注意点
昇格を導入する際の注意点は以下のとおりです。
- 昇格の基準を明確にしておく
- 昇格とともに賃金を上げる場合は、あらかじめ明確に定めておく
1つめは、「昇格の基準を明確にしておく」です。昇格の基準を明確に設定していなければ、曖昧な評価になりかねません。
昇格試験では小論文や面接などを実施することが多いですが、試験ごとに昇格の基準を決めておく必要があります。
昇格を導入する際には、どのような能力を持つ人材を昇格させるか事前に話し合い、明確にしておきましょう。
2つめは、「昇格とともに賃金を上げる場合は、あらかじめ明確に定めておく」です。昇格の際には昇給がともなうケースもあります。
どのくらい昇給するのか事前に定めておかなければ、慌てて対応することになりかねません。そのため昇格とともに昇給させる場合は、あらかじめ金額を明確に定めておいてください。
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。
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「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、「うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・」といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。
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