従業員の能力や成果を査定する人事考課は、人事担当者にとって負担が大きい業務のひとつです。従業員一人ひとりの成績を評価し、集計し、昇給・賞与・昇格と紐づけるだけでも、非常に多くの工数がかかります。人事考課の効率化なら、「人事考課システム(人事評価システム)」を導入しましょう。
本記事では、人事考課システムの主な機能や、ツール選びのポイントをわかりやすく解説します。
目次
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
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1. 人事考課システムとは?人事考課を効率化するツールのこと
人事考課システムは、人事考課に必要なさまざまな機能が揃ったツールです。人事考課システムがあれば、手間のかかる業務をシステム上で(クラウドサービスの場合はWebベースで)行うことができます。
人事考課では、人事担当者、考課者(評価者)、考課対象者(従業員)など、さまざまな人々が関わります。評価シートを紙やエクセルで作成すると、従業員一人ひとりに配布したり、担当者が回収したりする手間がかかります。人事考課システムを導入すれば、評価シートの作成や入力、集計がシステム上で完結するため、人事考課を効率化することが可能です。
2. 人事考課システムに搭載された機能
人事考課システムの機能は、大きく分けて7つあります。
- 従業員情報の一元管理
- 評価項目の設定
- PCやスマートフォンからの評価入力
- 目標の進捗管理
- 評価結果の分析
- ワークフローの設定
- ほかのシステムとの連携
人事考課システムの主な機能を知り、自社の業務に有効活用しましょう。
2-1. 従業員情報の一元管理
人事考課システムには、従業員の経歴や取得資格、研修の参加記録、過去の考課結果など、さまざまな情報を入力できます。入力した情報はデータベース化されるため、従業員情報を好きなときに閲覧し、人事考課に役立てることが可能です。従業員データベースの情報は、ほかのシステムと連携して利用することもできます。
2-2. 評価項目の設定
人事考課システムでは、任意の評価項目を設定し、評価シートを作成できます。評価項目ごとにウェイト(重み)を設定し、考課結果を数値化することも可能です。
また、人事考課システムによっては、考課者が自由にコメントを入力する機能もあります。人事考課の根拠や着眼点がわかるため、従業員により納得してもらうことが可能です。作成した評価シートは、システム上で配布したり、結果を集計したりできるため、人事担当者の負担を軽減できます。
2-3. PCやスマートフォンからの評価入力
紙やエクセルで評価シートを作成する場合、考課者一人ひとりに評価シートを送付し、記入してもらう手間がかかります。人事考課システムを導入すれば、PCのWebブラウザやスマートフォンのアプリから評価を入力できるため、スムーズに人事考課を終えることが可能です。評価シートの配布や印刷といった事務作業を減らし、よりコアな業務にリソースを集中できます。また、評価シートのペーパーレス化により、インク代やコピー用紙代などのコスト削減にもつながります。
2-4. 目標の進捗管理
MBOやOKRなど、人事考課に目標管理を取り入れる企業が増えています。人事考課システムなら、従業員一人ひとりの目標や達成度をリアルタイムに管理することが可能です。従業員の進捗が遅れている場合は、システム画面を通じて上司が指示を出し、すばやく軌道修正を図ることもできます。また、過去の目標設定や達成状況をまとめて確認し、従業員がどれだけ成長したか確認できます。
2-5. 評価結果の分析
人事考課システムには、「ダッシュボード」と呼ばれる機能が搭載されています。ダッシュボードとは、人事考課の結果などを自動で集計し、図やグラフで表す機能です。従業員一人ひとりの状況を視覚的に把握できるため、人事考課に基づく昇給・賞与・昇格の判断をすばやく下すことができます。
2-6. ワークフローの設定
人事考課は、公平性を保つために2人の考課者を設け、以下のような流れで行う企業が一般的です。
- 人事担当者が評価シートを作成する
- 評価シートを従業員に配布し、自己評価をさせる
- 評価シートを回収し、1次考課者(直属の上司)に配布する
- 評価シートを回収し、2次考課者(上司の上司)に配布する
- 評価シートを回収し、最終評価を実施する
人事考課では、人事担当者以外にも多くの人が関わるため、ワークフローを整備し、誰がいつどのような作業をするのかを明確化する必要があります。人事考課システムがあれば、ワークフローに沿って1次考課者や2次考課者を指定し、スムーズな流れで評価を行うことが可能です。
2-7. ほかのシステムとの連携
人事考課システムは、人事管理システムや給与計算システムなどのシステムと連携できます。人事管理システムと連携すれば、昇格や昇進などの考課結果を人事データに反映させることが可能です。同様に、人事考課システムと給与計算システムの連携により、考課結果を従業員の給与や賞与に自動で反映させ、手間を省くことができます。
3. 人事考課システムを選ぶときのポイント
人事考課システムを選ぶときのポイントは3つあります。
- 評価シートが見やすく、操作しやすいか
- ほかのシステムとの連携に手間がかからないか
- さまざまな評価制度に対応しているか
3-1. 評価シートが見やすく、操作しやすいか
人事考課システムの主な用途は、評価シートの作成と入力です。評価シートには、業種ごとにさまざまな評価項目が記載されています。評価シートが見づらかったり、入力しづらかったりする場合、人事考課システムを導入しても作業が捗りません。無料トライアルなどを利用し、操作性や視認性が高い人事考課システムを探すことが大切です。
3-2. ほかのシステムとの連携に手間がかからないか
人事考課システムは、人事管理システムや給与計算システムと連携することで本領を発揮します。人事考課システムを導入するときは、ほかのシステムとの連携に手間がかからない製品を選びましょう。システム連携の方法は、人事データをCSVファイルなどの形式で出力する方法と、API(Application Programming Interface)の仕組みを利用して、システム同士を直接連携させる方法の2種類に分けられます。API連携が可能な人事考課システムなら、システム連携の際にCSVファイルを出力したり、ほかのシステムに取り込んだりする手間がかかりません。
3-3. さまざまな評価制度に対応しているか
人事考課システムによっては、特定の評価制度にしか対応していない場合があります。目標管理制度(MBO)、コンピテンシー評価、360度評価、バリュー評価など、さまざまな評価制度に対応した人事考課システムを選びましょう。将来的に人事考課制度を見直しても、システムの評価項目を変更すれば、そのまま使い続けることができます。
人事考課制度は種類によって組織や従業員へもたらす影響が異なってきます。例えば能力主義に主軸をおけば即戦力が評価される環境になりますが、応じられない従業員が離職を考えるリスクをはらみます。現状の自社には何が不足しておりどの点を伸ばすべきかといった点から導入する人事考課制度を選択する、といった考え方もできるのです。
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4. 人事考課システムの主な機能を知り、自社に合ったツールを選ぼう
人事考課システムには、従業員情報の一元管理、評価項目の設定、PCやスマートフォンからの評価入力、目標の進捗管理、評価結果の分析など、さまざまな便利機能が搭載されています。人事考課のワークフローを設定し、人事担当者や考課者の役割を明確化することも可能です。人事考課システムを導入するときは、評価シートが見やすく使いやすいものを選びましょう。また、ほかのシステムとシームレスに連携できる製品や、さまざまな評価制度に対応した製品を選べば、導入後に後悔することがありません。
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
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