パフォーマンスマネジメントは、上司との対話を通して部下が目標を定め、自主的に行動できるように促すマネジメント手法です。
導入により、社員のエンゲージメントや自主性を向上させ、ひいては会社の業績アップへとつなげられます。しかし「パフォーマンスマネジメントについてもっとよく知り、納得してから導入したい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、パフォーマンスマネジメントの概要や導入時のメリット、実施の流れなどについて解説します。記事を読むことでパフォーマンスマネジメントへの理解を深め、導入をより具体的に検討できますので、ぜひ参考にしてください。
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。
目次
【豪華ゲスト多数登壇!】変化に負けない「強い組織」を育むためにHRが果たすべき役割を考える大型カンファレンス『HR NOTE CONFERENCE 2024』
「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、「うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・」といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。
本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。
1. パフォーマンスマネジメントとは
パフォーマンスマネジメントは、社員が目標達成へ向けて主体的に行動できるようにするマネジメント手法です。
パフォーマンスマネジメントの実施により、社員のエンゲージメントや自主性の向上などの効果が得られ、会社の業績アップにもつながります。
パフォーマンスマネジメントにおいて重要な点は、指導者をはじめ会社全体が部下を指導するのではなくサポートに徹する意識を持つことです。
そのため、パフォーマンスマネジメントを成功させるためには、会社全体で社員をサポートする意識を持ち、取り組む必要があります。
2. パフォーマンスマネジメントの5つの特徴
パフォーマンスマネジメントの特徴は次の5つです。
- 上司と部下の対話を重視する
- 短いスパンでフィードバックをおこなう
- 過去ではなく未来に向けた話し合いをおこなう
- 部下へ気づきをあたえるようコーチングをおこなう
- 部下個人の強みを重視する
上記の内容は、パフォーマンスマネジメントを実施するうえで柱となる内容なので、ぜひ参考にしてください。
2-1.上司と部下の対話を重視する
1つ目の特徴は、上司と部下の対話を重視する点です。
パフォーマンスマネジメントにおいては、高い頻度で上司と部下が面談をおこないますが、面談時に上司からの一方的な指導はしません。
上司は部下と相互コミュニケーションを取り、部下の自主性を尊重したうえで目標やアクションプランを定めます。
2-2.短いスパンでフィードバックをおこなう
2つ目の特徴は、短いスパンでフィードバックをおこなう点です。
従来、上司からのフィードバックは数ヵ月~1年に1回ほどですが、パフォーマンスマネジメントでは1週間~数ヵ月のスパンで繰り返します。
短いスパンでのフィードバックにより、柔軟かつ迅速な軌道修正が可能です。そのため部下は萎縮することなく自主的に業務へ取り組めるでしょう。
2-3.過去ではなく未来に向けた話し合いをおこなう
3つ目の特徴は、過去ではなく未来に向けた話し合いをおこなう点です。
パフォーマンスマネジメントでは、単に過去の失敗を責めるような話はしません。過去の失敗について話す場合でも「どのように改善して次に活かすか」のように未来に向けた話をおこないます。
目標達成へどのように行動を改善するかを話し合うことで、部下の業務に対する前向きな姿勢の育成が可能です。
2-4.部下へ気づきをあたえるようコーチングをおこなう
4つ目の特徴は部下へ直接的な指導ではなく、部下自身で答えを出せるようコーチングをおこなう点です。
パフォーマンスマネジメントでは、直接的な指導はしません。「課題は何なのか」「課題にどう取り組むのか」などの問いかけを中心に、部下が自分で答えをだせるよう進めていきます。
自身で行動を定めさせることで、部下に自主性だけでなく行動に対する責任感も身に付けさせられるでしょう。
2-5.部下個人の強みを重視する
5つ目の特徴は部下個人の強みを重視する点です。
周囲からは強みに感じられる点であっても、本人は普段からおこなっている行動だけに強みと気づいていないことも少なくありません。
パフォーマンスマネジメントでは、自分の強みに気づいていない、もしくは強みがないと感じている部下に強みを把握できるよう促します。
部下が自身の強みを把握し業務に活かせるようになれば、本人のモチベーション向上はもちろん、会社の業績アップにもつながるでしょう。
3. パフォーマンスマネジメントとMBO(目標管理制度)の違い
数あるマネジメント手法のなかには、パフォーマンスマネジメントと似ているMBO(目標管理制度)があります。
MBOとは、組織が定めた最終目標の達成に向け、社員が自身で目標を定め、その達成度で評価を受けるマネジメント手法です。
実際に2つの手法は「自身で目標設定」「実施後にフィードバックを受ける」の2点においては同じといえるでしょう。しかし、パフォーマンスマネジメントとMBOでは重視するポイントとフィードバック頻度に明確な違いがあります。
MBOはこれまでの実績、つまり「過去」を重視して評価する手法です。一方で、パフォーマンスマネジメントは今後どのように業務に取り組むのか、つまり「未来」を重視してフィードバックをおこないます。
また、MBOはフィードバックの頻度は半年~1年に1回実施するのが一般的です。しかしパフォーマンスマネジメントにおいては1週間~数ヵ月の短いスパンでフィードバックを実施します。
4. パフォーマンスマネジメントを導入する3つのメリット
パフォーマンスマネジメントの導入によるメリットは次の3つです。
- 社員のエンゲージメントが向上する
- 社員の自主性を育てられる
- 社員の強みや思いをより深く把握できる
現在の社内環境で、上記のような課題を抱えている場合は、パフォーマンスマネジメントの導入を検討してみてください。
4-1.社員のエンゲージメントが向上する
パフォーマンスマネジメントの導入により、社員エンゲージメントの向上が可能です。
パフォーマンスマネジメントの導入を社員目線でみると、自主性を尊重してくれるだけでなく、自身の行動をサポートしてくれる環境です。
くわえて、上司が前向きなコミュニケーションを頻繁に取ってくれるうえ、自身をある程度深く理解してくれる職場にもなりえます。
上記のような職場は、やる気のある社員にとって非常にやりがいのある職場と感じられることでしょう。結果、社員エンゲージメントの向上につながります。
4-2.社員の自主性を育てられる
社員の自主性を育てられる点もメリットの1つです。
パフォーマンスマネジメントでは、上司からの一方的な指示・指導はありません。上司と部下、双方の前向きなコミュニケーションのなかで目標や行動を定めていきます。
そのため、当初は消極的な部下であっても次第に思考が前向きになり、業務に対し責任感や当事者意識を持って取り組めるようになるでしょう。
4-3.社員の強みや思いをより深く把握できる
社員の強みや思いをより深く把握できる点もメリットです。
パフォーマンスマネジメントを実施する過程で、上司と部下は多くのコミュニケーションを取ります。会話のなかで、部下の強みや弱み、思いなどの特性を上司はより深く知ることになるでしょう。
結果、部下が持つ特性に適した業務や役割への割り振りが可能です。
5. パフォーマンスマネジメント実施の流れ
パフォーマンスマネジメントを実施する流れを次のステップで解説します。
- 対話による目標設定
- コーチングの実施
- 次回に向けたフィードバックの実施
5-1. 【ステップ1】対話による目標設定
会社が定めた方針をもとに、個人が達成すべき目標を設定します。
設定をする際は上司から一方的に決めるのではなく、上司が対話を通して導き、部下自身が目標を決められるように進めましょう。
また、部下が話しやすいように「1対1でおこなう」「周囲にほかの社員がいない場所でおこなう」など周辺環境への配慮も重要です。
5-2. 【ステップ2】コーチングの実施
目標に対して、部下がどのような行動をしているのか、こまめなコミュニケーションを通して確認し、必要に応じてコーチングをします。
コーチングをおこなう際は、直接的な指示や指導にならないよう注意が必要です。伝えたいことがあってもヒントをだす程度におさえ、部下が自身で軌道修正するようにしましょう。
5-3. 【ステップ3】次回に向けたフィードバックの実施
最後は、部下の行動に対するフィードバックです。
フィードバックをする際は、主観ではなくデータや数値など客観的な情報を用いると効果的な評価ができます。
また、評価だけで終わってはいけません。必ず今後に向けてのコミュニケーションをおこない、部下が今回の結果を次に活かせるようにサポートしましょう。
フィードバック内容を意識して日頃から行動できているかを気にかけ、声かけや日報へのコメントをすると効果的です。
しかし、そもそも現状、体系だった人事評価制度がなく導入を検討されている方もいらっしゃるかもしれません。
人事評価制度を作ると言っても何から手をつければ良いか分からずお困りの方へ向けて、本サイトでは「人事評価の手引き」を無料で配布しています。自社にとって適切な人事評価制度を検討するために、まずは人事評価制度について網羅的に理解したいという方は、こちらから資料をダウンロードしてご活用ください。
6. パフォーマンスマネジメント導入時の注意点
パフォーマンスマネジメントを導入する際は次の2点に注意する必要があります。
- 組織が一丸となって取り組む
- 管理者のコーチングスキルが重要
注意点を考慮せずにパフォーマンスマネジメントを進めると、本来の効果が得られなくなる可能性が高くなるので注意が必要です。
6-1.組織が一丸となって取り組む
パフォーマンスマネジメントは、ただ形だけで取り組んでも意味がありません。
そのため、導入する前に実施する目的を理解してもらい、組織が一丸となって取り組める体制を整える必要があります。
また、目的を周知する際は、上司をはじめとした指導者のみならず、従業員全員に説明し理解を得られればよりスムーズに導入できるでしょう。
6-2.管理者のコーチングスキルが重要
パフォーマンスマネジメントは、上司が部下とただ対話するだけでは成立しません。上司が適切に部下の気づきを促し、主体性を育てていくには、コーチングのスキルが必要になります。
そのため、パフォーマンスマネジメントを導入する際は、事前に上司に対しコーチングに関する研修をおこなうようにしましょう。
社内で、研修ができる人材がいない場合は外部から講師を招き、研修を実施することも有効です。
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。
【豪華ゲスト多数登壇!】変化に負けない「強い組織」を育むためにHRが果たすべき役割を考える大型カンファレンス『HR NOTE CONFERENCE 2024』
「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、「うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・」といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。
本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。