2020年 最も人気のeラーニング講座とは?国内・海外比較、最新動向など|リンクトイン日本代表 村上 臣 |HR NOTE

2020年 最も人気のeラーニング講座とは?国内・海外比較、最新動向など|リンクトイン日本代表 村上 臣 |HR NOTE

2020年 最も人気のeラーニング講座とは?国内・海外比較、最新動向など|リンクトイン日本代表 村上 臣

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  • 人材育成・研修

※本記事は、リンクトインの村上臣さんより寄稿いただいた記事を掲載しております。

みなさんこんにちは。リンクトイン日本代表の村上です。

【筆者紹介】村上臣 | リンクトイン 日本代表

大学在学中にITベンチャー有限会社電脳隊を設立。電脳隊がその後統合された株式会社ピー・アイ・エムとヤフー株式会社の合併に伴い、2000年8月にヤフーに入社。エンジニアとして「Yahoo!モバイル」「Yahoo!ケータイ」などの開発を担当し、同社のスマホシフトに大きく貢献。2012年より4月より執行役員兼CMO(チーフ・モバイル・オフィサー)としてヤフーのモバイル事業の企画戦略を担当し、「爆速経営」にも寄与。2017年11月にリンクトインの日本代表に就任。

コロナ禍の中、場所や時間を問わずに、自律的に学習を進められるeラーニングの重要性はますます高まっています。

テストの結果や進捗状況を自分で視覚的に確認しながら進められる点は、通学にとまどう人もいる中で、よい選択肢になると思います。

実は、eラーニングは、受講者だけでなく、受けさせる側や先生の側としてもメリットがあります。高額な会場レンタルや講師招聘費用などが安価に済むほか、資料を印刷する費用などもかかりません。

ビジネス特化型SNSであるリンクトインですが、eラーニングのプラットフォームである「LinkedInラーニング」を個人・法人の両方に提供しています。

ビジネス、テクノロジー、クリエイティブなどのカテゴリーで各種学習コースを7か国語で計16,000コース以上(日本語は800コース超)提供しています。

これらコースの視聴時間に基づき、これまで定期的にeラーニング関連の調査をおこなっており、「最も人気だったコース」の調査については、仕事に必要になるであろうeラーニングを調査する際のガイドとしても活用できます。

この記事では、この調査の結果について説明しつつ、eラーニングの利点について考察します。

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この1年間のeラーニング視聴時間の変化

新型コロナウイルス拡大防止策の一環の中、多くの企業でテレワークが導入され、業務の多くがテクノロジーと深く結びついています。

今年初頭以降、われわれは職場以外で生産性を高める方法や仕事と生活のバランスをとる方法、さまざまな場所にいる職場のメンバーとコミュニケーションをとる方法などを学び続けており、この状況は、現在進行形で続いています。

日本に限らず、今回のパンデミックは、私たちの働き方、暮らし方、および社会活動の方法をすべて変えました。

リンクトインが、日本を含む世界のユーザーの傾向を視聴時間から分析したところ、LinkedInラーニングで学習に費やされている時間は、この1年で世界的に3倍になったことがわかりました。

日本における2020 年1 月~5 月のLinkedInラーニングの視聴時間の増加

 

同じような傾向は日本以外の国でも確認されています。

世界レベルで、2019年7月と今年の7月を単月比較すると、視聴時間は232%増加(約3倍強)しています。

特にシンガポール、インド、ブラジルでは、かなり大きな伸びがみられており、伸び率300%(4倍以上)となっています。

もしかすると、これらは新型コロナウイルス拡大以外の問題が影響している部分もあるかもしれません。

ただ、現在「新たな日常」が必要となっている中で、われわれはグローバルコミュニティの一員として、私たちは、どのように交流し、行動を起こすべきなのか考えなければなりません。

LinkedInラーニングを視聴している皆様は、特に現状に危機感を覚えているのではないかと考えられます。

このような状況だからこそ、われわれは学びについて真剣に考えなければなりません。

日本と世界の人気コースTOP5の比較

日本と世界の人気コースTOP5の比較は、下記の通りです。

日本では、クリティカルシンキングをはじめとして、マネジメントに関するコースが多く視聴されています。

海外でも、もちろんマネジメント関連のコースはよく見られているのですが、注目したいのは4位の「Python 入門」です。

このようなデジタルスキルに関する関心は、日本以外の国では特に顕著です。

例えばインドでは、この「Python 入門」のコースが最も視聴されたコースとなっています。オーストラリアでは、トップ3とトップ4がExcel関連のコースとなっています。

イギリスのトップ5のコースを見ると、「Python 入門」が2位、Excel関連のコースが4位と5位、3つがデジタルスキル関連です。

英語圏だけが・・・というわけでもありません。スペインでは、スペイン語化されたコースを提供していますが、1位は「Excel:Crear un dashboard intuitivo e impactante desde cero(Excel:直観的なダッシュボードをゼロから作る)」。

3位が「Excel:Fórmulas y funciones avanzadas(Excel 上級講座:数式と関数)」です。

各国の人気コース一覧(TOP5)

上記の緑色がデジタルスキル関連の講座です。

また、青色については、デジタルスキルとは少し異なりますが、リモートワークに関連したコースとなっています。

こちらもテレワーク関連ということで、世相を反映したものとなっています。今後、もっと伸びていくのではないでしょうか。

今後リモートワークの中、日本でもデジタルスキルの必要性と注目度はさらに上がるのではないかと考えています。

2020年6月30日に、米マイクロソフトは、新型コロナウイルス感染拡大に伴う世界的な危機に対応するため、世界中の2,500万人を対象に、デジタルスキル関連の講座を実施する構想を発表しています。

これに伴いリンクトインでは、日本独自の取り組みとして、日本国内で最も必要とされるスキルや職種を以下のように特定し、そのための講座を実施しています。

リンクトインが必要だと特定した、スキル・職種に役立つeラーニング講座

1 効果的なコラボレーションツール活用スキル

関連講座オンラインで効率よく共同作業をおこなうには

  • Zoomなどのビデオ会議ツールの使い方を学ぶ。
  • チーム内のコミュニケーションをより効率よくおこなうためにMicrosoft Teamsの使い方を学ぶ。
  • オンラインで共同作業をおこなうためにGoogleが提供する各種ネットサービスの使い方を学ぶ。

2 ビジネス分野における職種

関連講座ソーシャルメディア マーケターになる

  • ソーシャルメディアマーケティングの基礎を学ぶ。
  • ソーシャルメディアを運営するための各種ツールをマスターする。
  • ソーシャルメディアで広告を出してその効果分析をおこなう。

3 クリエイティブにおける職種

関連講座グラフィックデザイナーになる

  • グラフィックデザインに必要な色彩やデザイン理論、タイポグラフィーなどの基礎知識を習得する。
  • グラフィックデザインにおいて重要なツールであるPhotoshop・Illustrator・InDesignの基本的な使い方を学ぶ。
  • ロゴデザインやポスターデザインなどを実際に制作して実務に生かす。

4 テクノロジーにおける3職種

関連講座ソフトウェア開発者になる

  • ソフトウェア開発のためのプログラミングの基礎を学ぶ。
  • Python、JavaScript、Javaなどのコア言語を身につける。
  • Webアプリ制作に必須なHTMLやCSS、JavaScriptなどの言語を習得する。

 

関連講座Web開発者になる

  • Webプログラミングの基礎であるHTMLやCSS、JavaScriptなどをいちから学ぶ。
  • AngularやReact.js、Vue.jsなど国内で広く用いられている開発言語を基礎から学ぶ。
  • プロジェクト開発ツールの定番であるGitHubの使い方を覚える。

 

関連講座Microsoft 365 Enterpriseの管理者になる

  • Office 365やWindows 10のインストールや展開、更新やバックアップ手順について学ぶ。
  • Enterprise Mobility + Security (EMS)を使ったクラウドサービスの各種セキュリティ対策やAzure Active Directoryを用いた認証機能の管理手順について学ぶ。
  • Microsoft IntuneでWindows PCやスマートフォン・タブレットなどのデバイス管理の方法を学ぶ。

 

これらの動画コースのパッケージングは2021年3月まで無償で公開されていますので、よろしければ皆様もぜひこの機会にご覧ください。

来年はこれらのコースが上位に入るかもしれませんね!

これからは「修了証」もSNSで完結!?

さて、コースを視聴したら終わり・・・ではないですよね。

eラーニングコースが今よりも一般的になる前から、これまでも何らかのコースを終えると、紙やPDFで「修了証」が授与されることが多かったのではないでしょうか。

または、仕事でそれを活かすため、名刺に入れるという人もいたかもしれません。

これまでに、各種研修や検定・認証などを得た際によくあることとしては、

  • いつ認定を取得したか忘れる
  • 研修の正式名称が思い出せない
  • 仕事にどう生かせるのかわからない
  • 周りの人に取得したことが伝わらない

などがあったかと思います。

eラーニング、および各種検定がデジタル化してよくなったこととしては、メールなどを検索すれば、少なくとも紙などよりは早く、いつどのようなことをおこなったかということがトラックできるという点です。

それでも時間がかかる点などはありますが・・・。

これからはもう一歩進んで、自分で取得した認定などを、SNSのプロフィールに記載し、自分のキャリアの一つとして記録していくことがトレンドになっていくのではないかと思います。

実は主要なSNSには、だいたいの場合そのように何かを達成した際には、記録することができるようになっています。

以下リンクトインを例に説明しますと、各種資格やLinkedInラーニングのコースを完了した際には、「資格」の欄から追加することができます。

LinkedInラーニングのコースについては、コースが完了するとワンクリックで自分のプロフィールに追加できます(リンクトインのアカウントを持っていることが前提)。

これからは、一人一人が自分のスキルを開拓し、自分自身のSEOをおこなうことが重要になると考えています。

そうした一環で、このようにeラーニングを活用し、自分がどのようなスキルを持っているかということを記録していくこと、名刺に印刷するのと同様に残していくことは、オンラインでの「お付き合い」が増えていく中でとても大切になっていくことでしょう。

これまでも、名刺にSNSのプロフィールなどをQRコードで印刷したりする人はいましたが、今後はすべてがオンラインになり、自分のプロフィールを名刺代わりに使うという人も出てくるかと思います。

家にいる時間が多くなるから「ニューノーマル」だからこそ、学習の機会を広げ、自らの可能性も広げていきましょう!

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今こそ知っておきたい「人事データ活用」の具体的なノウハウをご紹介!

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