人事評価シートとは?作成する目的や書き方を徹底解説 |HR NOTE

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人事評価シートとは?作成する目的や書き方を徹底解説

悩む女性

人事評価の時期になると、人事評価シートの書き方がわからなかったり正しくかけているか不安になったりといった悩みを抱える人が多くいます。
本記事では、評価シートの目的や正しく書くために必要な5つのポイントを、トラブル事例などと合わせながら解説します。

1. 人事評価シートとは正しく評価するためのツール

評価ボタン

従業員を公平に評価するには、人事評価シートが必要不可欠といえます。人事評価シートがあれば、スキルや課題などの評価する項目や目標などを明確に示すことができるからです。

2. 人事評価シートを作成する4つの目的

4つのチェックボックス

人事評価シートを作成する目的は、主に以下の4つです。

  1. 従業員の成長
  2. 評価の公平性
  3. 人事評価の納得性
  4. ビジョンの理解

次項から具体的に説明していきます。

2-1. 従業員の成長

人事評価シートは従業員の成長を後押しすることができます。なぜなら、評価項目を通して自分がどれだけ達成したのか、問題点や改善点なども「見える化」できるからです。

大きな成果をあげた従業員を適正に評価をすれば「やる気」があがり、結果として「組織の一員」としての帰属意識を生むことができます。

反対にトラブルが多い従業員には改善へ向けた話し合いが可能になります。評価シートは、従業員の成長を後押しする一助になるといえるでしょう。

2-2. 評価の公平性

評価者の気分や感情で評価をすれば、従業員との間にくい違いが生まれます。そうならないために、公平性のある人事評価シートが存在します。

「あの部下とは話が合わないから評価を下げてやろう」といった評価エラーは、評価項目や基準が明確であれば起きません。そして評価に透明性があれば従業員も受け止めやすいでしょう。

2-3. 人事評価の納得性

人事評価シートがあれば評価結果に納得性を持たせることができます。理由としては、評価シートによって目標達成度や貢献度などが明確になるからです。

たとえば、昇進や昇給の場面では評価シートにそって「理由」を説明したり、逆にできなかった場合にもをきちんと説明したりすれば、従業員も納得しやすくなります。

2-4. 組織ビジョンへの理解

人事評価シートは組織のビジョンを理解してもらうために必要なツールといえます。ビジョンが理解できれば、従業員は組織が何に期待しているかがわかるからです。

技術職なら仕事の専門性、営業職であれば接遇スキルなどが挙げられます。このように職種によっても組織が求めるものが違ってくるので、人事評価シートは従業員1人1人に「目指すべき姿」を理解してもらうのに役立っています。

3. 人事評価で理解するべき3つの評価軸

はてなのブロックが3つ

人事評価は基本的に3つの評価軸から成り立っています。それぞれの評価軸を順番に説明していきます。

3-1. 業績評価

業績評価は、目標に対してどのくらい達成できたのかが評価基準となります。業績評価のメリットは数字で評価できるのでお互いに納得度が高い点です。

業績評価の目標設定から評価面談までの流れは以下のとおりです。

  • はじめに評価者と従業員で目標設定を行う
  • 評価期間終了後、従業員の業績結果を集計
  • 目標数字と業績結果を比較し、評価基準にそって評価をつける
  • 評価面談を通して業績評価の結果を伝える

【業績評価の具体例】

上期評価(4~9月)の業績目標 ⇒ 営業所利益103%達成(昨年対比)
新規獲得件数〇〇件など

3-2. 能力評価

従業員が保有している能力に対する評価を指します。難易度の高い国家資格や特別な免許を取得した場合、組織が能力評価を与えるケースが多くあります。

なお、資格取得費用は組織で負担するところもあれば実費負担の場合もあります。

能力評価は組織が指示した対象者に限定される場合もあります。資格を取得しても評価対象外ということもあるので、必ず上司に確認しましょう。

3-3. 行動評価

行動評価は業績評価や能力評価と違い、数字で表せない評価です。行動評価でよくある評価内容は以下のとおりです。

  • 勤務態度(遅刻や欠勤など)
  • 職場での仲間との関わり方(協調性があるか)
  • 仕事に取り組む姿勢
  • 顧客への対応

行動評価については評価者だけではわからない部分もあります。顧客や周りの従業員に日頃の仕事ぶりを確認すると、評価の精度が高まるでしょう。

4. 人事評価シートを正しく書く5つのポイント

ポイント

ここでは人事評価シートを正しく書くためのポイントを5つに分けて説明していきます。どのポイントも評価をするうえで大切な内容です。

4-1. 相手にわかりやすく簡潔に

評価シートを書くときは、相手にわかりやすく簡潔に書きましょう。難しい言葉や長文では、相手に伝わりにくいからです。

具体的なアドバイスとしては「箇条書き」がおすすめです。伝えたい内容がわかりやすくなり、納得度も上がります。

4-2. 客観的な視点で

評価は自分だけではなく、客観的な視点で書きましょう。自分だけの基準で評価をつけると、相手との間に温度差が生じる可能性があるからです。

この問題を解決するためにも、周りの従業員や取引先などに仕事ぶりを聞き取りしてみましょう。第三者の意見を合わせた客観的な視点で評価を書くことで相手も理解しやすくなります。

4-3. 具体的な数字を入れる

相手に評価を伝えるときは、具体的な数字を入れましょう。数字を入れることで「信ぴょう性」を持たせることができます。

たとえば感謝を述べるとき、「営業に貢献してくれてありがとう」と「100万円の売り上げで営業に貢献してくれてありがとう」では、後者の「100万円」と数字を入れたほうが伝わりやすいのがわかります。よって、相手に伝えるときは具体的な数字を入れて伝えることを意識しましょう。

4-4. 改善点はポジティブに伝える

評価をする際、改善点があればダメだしではなくポジティブな言葉で伝えましょう。ポジティブな言葉を使うことで相手も「次は頑張ろう」と仕事への意欲がわいてきます。

4-5. 評価を伝えたあとは前向きな状態で

相手に評価を伝えた後は、前向きな状態で面談を終わらせましょう。落ち込んだり、不満を持ったままだったりすると、その後の仕事にも影響します。前向きな状態で終われるように背中を押してあげましょう。

5. 人事評価で起きやすい4つの評価エラー

エラーの積み木

ここでは人事評価で起きやすい評価エラーを4つ紹介していきます。

5-1. ハロー効果

ハロー効果は相手のわかりやすい特徴に影響され、ほかの評価項目も同様の評価にしてしまうことです。

【具体例】

  • 〇〇さんは一流大学を出ているから、仕事の進め方は最高評価にしよう
  • 〇〇さんは、転職を3回もしているから「継続力」は減点にしよう

5-2. 期末誤差 

期末誤差は評価期間の終わりに起きたできごとに影響されて、評価全体を決めることです。期末誤差で評価をつけると、期初の仕事を正しく評価していないと従業員から不満が出てしまいます。

5-3. 中心化傾向

中心化傾向とは評価する相手の結果などに関わらず、無難な評価をつけることです。評価期間がギリギリで時間がないときや、従業員から不満が出るのが面倒なときに発生しやすい評価エラーといえます。

5-4. 寛大化傾向

従業員を成長させたかったり、不満を減らしたりしたいときに起きやすい評価エラーが寛大化傾向です。寛大化傾向とは評価結果が実際より甘くなることをいいます。

結果にもとづいて正しく評価をつけることを心がけましょう。

6. 2020年以降人事評価で発生しているトラブル

年末調整業務に悩んでいる

2020年以降、日本ではマスクをつける生活が当たり前になりました。そして組織の「働き方」も劇的に変化しています。

具体的には在宅ワークが増え、オンラインが主流になりつつあります。ここでは働き方が変化することで発生している人事評価のトラブルを紹介します。

6-1. オンラインでの面談が増加し、伝えたいことが伝わらない

仕事の打ち合わせはオンラインでも対応できますが、人事評価は本来対面でしっかり相手に伝えたいところです。しかし、オンラインでは相手に伝えたいことがうまく伝わりにくいといえます。

結果として人事評価をしたけれど消化不良になることもあります。お互いに伝えたいことが伝わったか確認し、納得した形で終えるようにしましょう。

6-2. 在宅ワークが増えたことで行動評価がつけにくい

在宅ワークが増えることで行動評価がつけにくい状況になりました。なぜなら、協調性や積極性など行動に紐づく項目が在宅ワークにより評価できないからです。

このような状況が続くと「正しく評価されない」と従業員から不満が出てしまうでしょう。そうならないための改善策として以下の2点が効果的です。

  • オンライン上での情報共有
  • 仕事の進捗が把握できる日報の提出

行動評価は業績評価と違って数字では表しづらい項目になります。よって従業員が納得できるよう、評価設定するときに細かく内容を決めておきましょう。

7. 目的や書き方を理解して正しい人事評価シートを作成しよう

階段と電球

今回は人事評価シートを作成する目的や正しい書き方について説明してきました。従業員の成長のほかに昇進や給与などの待遇にも影響が出るため、責任を持って評価をつける必要があります。

本記事で紹介した内容をもとに、お互いに納得性のある人事評価を目指しましょう。

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