人事評価とは、従業員の業績や能力、意欲や態度などを総合的に評価する制度のことです。人事評価を効率的に実施するためには、業種ごとに適した項目を定めることが重要です。
本記事では人事評価制度を導入する際に設けたい項目について解説します。人事評価項目のサンプルも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1. 人事評価における一般的な項目
人事評価では、成果評価と能力評価、情意評価という3種類に分けて項目を作成していくのが一般的です。それぞれの項目に、目標の達成度や責任感、協調性、スケジュール管理力などの細かい項目を設けていきましょう。これらの項目に均等に点数を割り振るような形でテンプレートを仕上げていきます。
例えばそれぞれの項目を5段階評価にするのであれば、20の項目に分けて評価するのが適切です。すべての項目が5なら100点満点になるため、加点方式で正確性の高い評価を行えます。
評価項目には企業の理念や方針を適切に反映させましょう。具体的な評価項目を定めて従業員に周知することで、従業員は目的意識や積極性を高めながら働くことができます。
人事評価に設定すべき項目は業種や部署によっても変わってきます。部署ごとに重視するポイントを考え、適切な評価項目を定めたいものです。
2. 営業職における人事評価項目のサンプル
営業職で人事評価を行うときには、数値目標達成を重視した項目を盛り込むのが効果的です。成果評価と能力評価、情意評価それぞれに適した項目についてみていきましょう。
2-1. 営業職の成果評価に盛り込むべき項目
営業職の成果評価に盛り込む項目には以下のようなものがあります。
- 業務目標達成度
- 課題目標達成度
- 販売実績
- 契約件数
業務目標達成度では、あらかじめ設定した目標を達成できたかを判定します。また、課題目標達成度の項目では、業務目標のために定めた各種課題を達成できたかを評価していきます。販売実績や契約件数、売上目標達成度などの項目を設けるのもよいでしょう。
営業職の場合、いずれの項目も数値で明確に判断することが可能です。
2-2. 営業職の能力評価に盛り込むべき項目
営業職に求められる能力は幅広いため、以下のように数多くの項目を設定して評価しましょう。
- 企画力
- 実行力
- 改善力
- 正確性
- 交渉力
- コミュニケーション力
- スケジュール管理
- 安全管理
- クレーム対応力
なかでも重要なのは、営業や商談取引に必須となる交渉力や企画力です。人事評価の際には、主体的な交渉や提案を行えているのかを確認しましょう。
ほかに、納期の管理に欠かせないスケジュール管理能力や、ミスなく業務を遂行する正確性も重要な項目です。
2-3. 営業職の情意評価に盛り込むべき項目
営業職の情意評価には以下のような項目を盛り込みましょう。
- 積極性
- 協調性
- 責任性
- 勤務態度
- マナー
- 意欲
営業職の情意評価で重視したいのはやはり積極性です。多くの商談や取引を成立させるためには、積極的な態度が欠かせません。また、顧客に対する礼節やマナーも重要な評価項目です。周囲に良い印象を与えられるようなふるまいができているかを客観的に評価しましょう。
3. 事務職における人事評価項目のサンプル
事務職はルーティンワークになりがちですが、専門知識を求められる場面も多いものです。ここからは一般事務や総務、経理などの事務職で活用できる人事評価項目のサンプルを紹介します。
3-1. 事務職の成果評価に盛り込むべき項目
事務職の業績評価には以下のような項目を盛り込むのが一般的です。
- 業務目標達成度
- 課題目標達成度
事務職においても、業務目標を設定することは大切なポイントです。あらかじめ定めた目標をどの程度達成できているかを人事評価でチェックしましょう。
3-2. 事務職の能力評価に盛り込むべき項目
事務職に求められる能力には以下のようなものがあります。
- 正確性
- 実行力
- 提案力
- 改善力
- スケジュール管理
- PC操作能力
- クレーム対応力
なかでも最も重視したいのは正確性です。事務職には、ミスなく正確に業務を遂行する高い能力が求められます。ミスが頻発すると組織全体の生産性が下がることもあるため、正確性が低い従業員に対しては的確なフィードバックを行いましょう。
ほかに、主体的に業務を遂行する時刻力や提案力、予定通りに業務を進めるスケジュール管理なども重要な要素です。対外的な業務を行う部署ではクレーム対応力についてもチェックしておきましょう。
3-3. 事務職の情意評価に盛り込むべき項目
事務職の情意評価でチェックしたい項目は以下のとおりです。
- 協調性
- コミュニケーション力
- 積極性
- 責任性
- 勤務態度
- マナー
- 意欲
事務職は部署内だけでなく他部署と連携しながら仕事をすることもあります。組織内でコミュニケーションを取りながら業務を行う協調性や、周囲に対して印象良くふるまうマナーの項目などを重視しましょう。
また、責任を持って職務を遂行しているか、新たなスキルを得るなどの意欲があるかなども評価のポイントとなります。
4. 技術職における人事評価項目のサンプル
技術職の業務内容は企業によって異なるため、柔軟に評価項目を設定する必要があります。ここからは、技術職の人事評価項目を成果評価と能力評価、情意評価に分けてみていきます。
4-1. 技術職の成果評価に盛り込むべき項目
技術職の成果評価には以下のような項目を設けましょう。
- 業務目標達成度
- 課題目標達成度
技術職の業績評価でも、目標達成度を数値化して評価するのが一般的です。業務目標達成度では目標達成の度合いを、課題目標達成度では課題をどれだけ達成できているかの度合いをチェックします。
5-1. 技術職の能力評価に盛り込むべき項目
技術職の能力評価に盛り込みたい項目には以下のようなものがあります。
- 正確性
- 技術力
- 安全管理
- 企画力
- 実行力
- 問題解決力
- スケジュール管理
技術職の現場では、ミスなく正確に作業を行うことが重要です。技術職の成果評価では正確性を必ず評価しましょう。また、事故につながるような出来事がなかったかを安全管理の項目でチェックします。
ほかに、納期を守っているか、主体的に業務を実行しているか、問題が起きたときに適切に処理できているかについても評価していきましょう。
5-2. 技術職の情意評価に盛り込むべき項目
技術職の情意評価に必要な項目は以下のとおりです。
- 責任性
- 協調性
- 積極性
- 勤務態度
- マナー
- 意欲
技術職は個々で業務を行うケースも多いものですが、組織に所属する以上協調性は必須となります。また、業務に対する責任感や積極性も評価しておきたいポイントです。
6. 事前に人事評価項目をテンプレート化し、スマートな評価を実施しよう
人事評価制度を運用するときには、評価に使うテンプレートを用意しておきましょう。あらかじめ評価シートを用意しておけば人事評価がしやすくなり、公平性や納得感も高まりやすくなります。サンプルを参考にしながら、自社の方針や理念に合う人事評価項目を作成しましょう。また、専用のシステムを活用して人事評価を行うのもおすすめの方法です。
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