人事評価における5段階評価の割合の決め方をわかりやすく解説 |HR NOTE

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人事評価における5段階評価の割合の決め方をわかりやすく解説

評価の階段を上る男性

人事評価の5段階評価の割合や決め方を理解することは、客観性の高い人事評価制度を運用するうえで大切です。ですが、人事評価に関する5段階評価の情報はあまり多くないため、人事担当者として困ってしまうかもしれません。

本記事では、人事評価の5段階評価の割合や決め方はもちろん、絶対評価と相対評価の違いやそれぞれのメリットやデメリットを伝えたうえで、社員に納得してもらうための運用のポイントを解説します。

1. 人事評価における絶対評価と相対評価の違い

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人事評価の絶対評価と相対評価の違いについて、具体例を用いて説明します。

1-1. 絶対評価の内容

絶対評価とは、周囲と比べずに個人を評価する方法です。たとえば、社員の売上目標達成率に対して絶対評価を用いるとします。評価方法は、以下のような内容です。

評価5:110%以上
評価4:100%~109%
評価3:90%~99%
評価2:80%~89%
評価1:80%未満

上記の評価基準に照らし合わせると、売上目標達成率が100%だった場合は4となります。また、20人の社員のうち110%以上達成した人が10人いた場合は、10人に5がつきます。

このように、ほかの社員の成果に関わらず、個人の実績や能力を評価するのが絶対評価です。

1-2. 相対評価の内容

相対評価とは、周囲と比べて個人を評価する方法です。たとえば、20人の社員の売上目標達成率に対して相対評価を用いるとします。評価方法は、以下のような内容です。

評価5:達成率1位~3位(3名)
評価4:達成率4位~7位(4名)
評価3:達成率8位~13位(6名)
評価2:達成率14位~17位(4名)
評価1:達成率18位~20位(3名)

仮に、Aさんの達成率が100%だったとします。Aさんよりも達成率が高い社員が2人だった場合、Aさんは3位のため評価は5です。一方、Aさんよりも達成率が高い社員が10人いた場合、Aさんは11位のため評価は3となります。

このように、ほかの社員の成果に影響を受けるのが相対評価の特徴です。

2. 人事評価における絶対評価のメリット・デメリット

メリットデメリット 青空

人事評価の絶対評価のメリットとデメリットを、順番に説明していきます。

2-1. 絶対評価のメリット

絶対評価のメリットは、個人の頑張りが反映されやすいことです。

たとえば、会社から与えられた売上目標が100万円で、Bさんの先月の売上が80万円だったものの、今月は努力を重ねて100万円を達成したとします。この場合、Bさんはほかの社員の成果に関わらず、達成率100%に沿った評価をしてもらえます。

その結果、Bさんはモチベーションを保ちながら仕事に取り組めるでしょう。

2-2. 絶対評価のデメリット

絶対評価のデメリットは、評価者の主観が入りやすいことです。社員の積極性や協調性など、数値で評価しづらい項目は主観による評価をしてしまいがちです。

たとえば、ほかの社員には見えないところで積極的に仕事に取り組んでいるCさんという社員がいたとします。もし、Cさんの頑張りを評価者である上司が把握していない場合「Cさんは積極性が見られないから低評価をつけよう」という状況にならざるを得ません。

また、評価項目が明確に定まっていない場合、評価者の好き嫌いで判断してしまうこともデメリットの1つです。

3. 人事評価における相対評価のメリット・デメリット

悩む男性

この章では、相対評価のメリットとデメリットを解説します。

3-1. 相対評価のメリット

相対評価のメリットは、どの社員が会社に貢献しているかがわかりやすい点です。以下の2つを比べてください。

  • 売上目標達成率110%以上の社員には全員に最高評価の5をつける(絶対評価)
  • 売上目標達成率が高い社員から順番に、1位から最下位までを決める(相対評価)

前者の場合は、達成率が150%の社員も110%の社員も同じ評価です。一方、後者の場合は、達成率が150%の社員と110%の社員との間に差がつきます。

その結果、売上に大きく貢献している社員が誰なのかが明確になります。

3-2. 相対評価のデメリット

相対評価のデメリットは「頑張りが報われない」と感じる社員が増える可能性があることです。

相対評価で判断すると、いくら売上目標達成率100%を記録し続けたとしても、毎月のようにそれ以上の実績を出している社員が多い場合、高い評価を受けられません。それどころか、ずっと低評価をつけられ続けます。

その結果「毎月頑張って売上目標を達成しているのに、会社は自分を評価してくれない」と感じる社員が出てくる可能性があるのです。

4. 人事評価の5段階評価における割合の決め方

向かい合って話す二人

5段階評価における割合の決め方は、主に2つです。

4-1. 5段階を均等に配分する方法

5段階を均等に分ける方法は、以下のとおりです。

  • 評価5:20%
  • 評価4:20%
  • 評価3:20%
  • 評価2:20%
  • 評価1:20%

上記の方法であれば、最高評価の社員と最低評価の社員の割合が合わせて40%です。その結果、最高評価の価値は少し薄まるとはいえ、最低評価の社員が強い劣等感を抱かずに済みます。

4-2. 平均が多くなる正規分布の方法

もう1つの平均が多くなる正規分布の方法は、以下のとおりです。

  • 評価5:10%
  • 評価4:20%
  • 評価3:40%
  • 評価2:20%
  • 評価1:10%

上記の方法であれば、社員が5の評価をもらうためには上位10%に入る必要があります。そのため、均等に分ける方法と比べて最高評価の価値が社内で高くなります。

最高評価の社員は周囲から尊敬の対象として見られるかもしれません。逆に、最低評価の社員数も少なくなるため、その社員たちは社内での評価だけでなく、自己肯定感も下がる恐れがあります。

5. 人事評価の5段階評価を運用ポイントや注意点

人事評価の5段階評価の運用ポイントや注意点は、主に2つです。1つずつ順番に解説していきます。

5-1. 社員の意見を取り入れて5段階評価の方法を決定する

前述したとおり、5段階評価の方法には均等に配分する方法と平均が多くなる方法の2とおりがあり、それぞれにメリットとデメリットがあります。

もちろん、最終的に代表者や人事担当者が決定するのは問題ありません。しかし、社員の感じ方は、社員に聞いてみなければわかりません。

社員としても、自身の意見が通るか通らないかは別として、意見を聞いてもらえれば「人事の人は社員の意見を取り入れようとしている」と感じます。

また、意見を聞くことで社員が評価制度に不満を抱く可能性が低くなります。そのためにも、社長の判断を仰ぐ前に社員の考えを把握することをおすすめします。

5-2. 評価が低い社員のフォローを忘れない

5段階評価を導入する場合は、どうしても評価が高い社員と低い社員の二分化が起こります。この点は、どれほど評価の仕組みを整えても避けられないことです。

けれど、評価が低い社員に何もフォローをしなければ、不満を抱いて離職につながりかねません。たとえば本人の頑張った部分を認めたり、否定したりせずにモチベーションが上がるような言葉をかけましょう。

現在の能力や実績はどうであれ、1人1人の社員がスキルを高めて会社の売上や利益を伸ばしていく存在になってもらえれば、評価の運用は適切にできているといえます。

6. 会社に最適な5段階評価を見つけよう

ポイントを指さす男性

人事評価の5段階評価の情報が少ないため、運用する段階では「本当にこの内容でよいのだろうか」と不安に思うかもしれません。しかし、運用を続けることで現状の評価方法の課題点や、より適切な5段階評価の設定方法を理解できます。

さまざまな取り組みを行いながら、社員の意見も取り入れつつ、あなたの会社に合った5段階評価の仕組みを模索してみてください。

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