企業を成長させるリーダー図鑑 vol.2「周りに任せることができない」|チームボックス小暮 |HR NOTE

企業を成長させるリーダー図鑑 vol.2「周りに任せることができない」|チームボックス小暮 |HR NOTE

企業を成長させるリーダー図鑑 vol.2「周りに任せることができない」|チームボックス小暮

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  • 人材育成・研修

※本記事は、株式会社チームボックスの小暮裕美子さんより寄稿いただいた記事を掲載しております。

株式会社チームボックスの小暮 裕美子です。チームボックスが提供するリーダー育成プログラム「Teambox LEAGUE」では、グローストレーナーとしてリーダーの伴走をしています。

先日、弊社の山本から「リーダーに必要な5つの姿勢」をご紹介させていただきました。

「リーダーに必要な5つの姿勢

①さらけ出しているか?

②アンラーンしているか?

③自責しているか?

④人の成長を信じているか?

⑤習慣化しているか?

※山本さんの記事は、こちらよりご確認ください。

「大事なのは、ブレない自分らしい軸を持つ事」企業を成長に導くリーダーに必要な5つの姿勢|チームボックス山本

どんなリーダーにも悩みはつきものです。「Teambox LEAGUE」では、参加者一人ひとりに、専属のグローストレーナー(リーダーの成長に伴走する専門家)がつき、それぞれの課題に合わせて1on1を行います。

今回は、1on1のなかで自身がこれまで囚われていた固定観念に気づき、ある合言葉で行動の変容を習慣化させ、自身だけでなく周りの変化も生むことができたリーダーの事例を紹介します。

<本日のリーダーの特徴>

業種:食品製造

職種:海外事業部

役職:工場マネジメント

年齢:50代

悩み:「自分が正しい」と考え、周りに任せられない。現場スタッフの受け身な姿勢を変えたい。

フォーカスした姿勢:習慣化しているか?

【執筆者】小暮 裕美子|NPO法人MAMA-PLUG理事

1966年東京都生まれ。ユニ・チャーム株式会社に一般職として入社。営業事務、物流事務を担当し、最年少でジュニアボードメンバーとして活動。その後総合職となり、経営企画部で新CI浸透、役員秘書の経験から「社員一人ひとりが輝く組織を作りたい」と人財開発部に異動を志願し、人事企画や各プロジェクトのリーダーを歴任。AI事業部契約社員の採用から評価、制度、育成まで人事業務全般を責任者として従事。 2005年独立。「経営者が変われば組織が変わる」をモットーに中小企業の経営者を中心にコーチングや研修など人財育成に関わる業務を支援。2016年よりNPO法人MAMA-PLUGで理事としても活動中。2018年Teambox LEAGUEトレーニングに強く共感し、2019年よりグローストレーナーとしてリーダーの伴走を担当。

1. 自分達で考え、行動できる組織にするために

Aさんはマレーシアに赴任して8年目。現地の工場で現地スタッフのマネジメントを任される立場です。彼らとコミュニケーションを取るため、英語より先にマレーシア語を勉強したというAさんは、現地スタッフから「ボス」と呼ばれ、慕われる一方で、大きな課題も感じていました。

自分には長年の経験があるから、周りのスタッフは自分の指示通りに動けばうまくいく。マレーシア人はどうしてものんびりしているお国柄なので、彼らに任せるよりも自分でやった方が早い。でも本当は、現地スタッフが主体的に動いて工場を運営し、自分は監督役で見守ることができるのが理想の組織だと思う。どうしたらもっと現場に任せられるようになるのだろうか?

今はAさんの指揮の下でうまく回っていても、ゆくゆくは日本人がいなくなっても自分達で工場を回せるようにしなければならない。

現地スタッフにもっと任せたいと考える一方で、せっかちな性格もあり彼らの仕事を待つことができない。そこにAさんのジレンマがありました。

2. 自分のやり方が正しいという固定観念からの脱却

「Teambox LEAGUE」の集合トレーニングに参加してまずAさんが気づいたのは、自分がこれまで大きな固定観念にとらわれていたということ。自分の成功体験を強く信じるがあまり、自分のやり方や価値観を現地スタッフにも押し付けていたのです。

マレーシアという異国の地では、日本とは文化や慣習が異なることが数多くあります。そんな時、Aさんは「俺ならこうする」と言うのが常でした。相手の価値観を受け入れられず、自分のやり方を相手に求めていたのです。

Aさんは部下への指示においても細かなところまで指導。彼らの動きを見ながら、少しでもやり方が違ったり、動きが遅いと、すぐに口を出してしまっていました。

集合トレーニングを通してAさんが学んだのは、もっと相手側のことも理解しないといけないということ。そしてマレーシア人のペースに合わせて仕事を進めさせてあげるということです。

Aさんはそこから、「焦るな、待ってやれ」という合言葉を胸に、変革の道を歩み始めます。

3. 合言葉を胸に、自己変容を習慣化

自分を変えようと思っても、長年のやり方からはなかなか抜け出せません。託そうと思っても、つい口を出してしまいたくなってしまいます。

そんな時、Aさんは「焦るな、待ってやれ」と何度も自分に言い聞かせ続けました。自分が正しいと思うやり方を横に置いて相手に任せるのは、Aさんにとって大きなストレス。ついには原因不明の蕁麻疹が身体に出るほどに。

行動の変容は容易ではなく、何度も我慢できずに口を出してしまい、見守りに失敗します。しかしAさんはそんな自分に気づくとすぐに反省し、見守り、また失敗し……と繰り返します。

「焦るな、待ってやれ」を胸に、変容を徐々に習慣化させていきました。すると、現地スタッフにも変化が見られるようになりました。

これまで何かにつけて指示を出していたAさんがじっと見守るようになると、現地スタッフも徐々に自主的に動くようになりました。

あるスタッフは、今まで一人で抱え込むことが多かったのですが、Aさんに相談をしてくれるようになりました。別のスタッフはリーダーとして工場のスタッフに差し入れをしたりと、信頼感やチーム意識が増していくのを感じられるように。

Aさん一人の変化で、スタッフの姿勢や現場の雰囲気が大きく変わっていったのです。

4. 固定観念を打ち砕く「当たり前」の深掘り

誰しも、経験に基づく思い込みはあります。部下やチームを抱えるような役職についているリーダークラスであればなおのこと、気付かぬうちに多くの当たり前や、自分にとっての「正解」を抱えてしまっているもの。

今回、Aさんの固定観念を解きほぐすため、グローストレーナーが投げた問いは「当たり前の深掘り」です。

あなたにとっての当たり前は何か?それはなぜ当たり前なのか?それは本当に当たり前なのだろうか?

普段、何気なく通り過ぎてしまう「当たり前」に対して、今一度立ち止まり、客観的に掘り下げてみることによって、思い込みや固定観念を打ち破ることができます。

Aさんは自分のやり方という正解を手放し、マレーシア人のやり方を受け入れるようになりました。当たり前に気づき、さらに手放すことができると、他者の意見が尊重できるようになります。また、今まで見えなかったものが見えたり、新しい発見が生まれ、仕事の幅が大きく広がります。

コーチングの基本的な考え方に、「過去と自分は変えられない、変えられるのは自分と未来だけ」というものがあります。Aさんの例ではまさに、Aさんが変化したことで周りも変化しました。リーダーが変わることで、組織は変わるのです。

この連載では、これからも姿勢や行動を変えたリーダーの事例をご紹介していきますので、ぜひみなさんも参考にしていただき、組織に変化をもたらすことができると嬉しいです。

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