「ガラスの天井」とは?働く女性の活躍を妨げる障壁を無くすためにできること

「ガラスの天井」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか?

2016年にアメリカ大統領選挙でヒラリー・クリントン氏が敗退した際に日本でよく耳にした言葉で、近年、働き方改革や女性が働きやすい環境作りを前向きにおこなう企業が多くなる中で、改めて注目が集まっているようです。

本記事では、「ガラスの天井」の意味について、および「ガラスの天井」に関連した女性の雇用に関する日本の現状や、女性にとって働きやすい環境についてなど、詳しくご紹介いたします。

1. 女性活躍を阻む「ガラスの天井」とは

まず初めに、冒頭でも触れた「ガラスの天井」とは何かについて紹介します。

「ガラスの天井」とは、英語の「グラスシーリング」(glass ceiling)の訳で、組織内で昇進に値する人材が、性別や人種などを理由に直面する障壁(バリア)を意味する比喩的表現です。

「天井」とは、女性が組織のはしごを上っていくと立ちはだかる上限を意味し、「ガラス」は透明でその先が見えているにも関わらず、あることに気が付かない巧妙な障壁を意味しています。

女性の能力開発を妨げ、企業における上級管理職への昇進や意思決定の場への登用を阻害する要因として用いられることが多く、ガラスの天井の解消を図ることが、職場における男女平等参画を実現する上で重要な課題となっています。

「ガラスの天井」は「性差別」はどう違う?
女性活躍を阻む「ガラスの天井」ですが、単純な「性差別」とは、以下の4点の違いがあります。

①仕事に関連する雇用者の特徴によって説明されるような性差ではないこと
②組織の下位ではなく、より上位において大きな影響力がある性差であること
③キャリアアップのチャンスに関連した男女不平等であり、高い地位における単なる男女分布を反映したものではないこと
④出世するにつれて増えていく男女不平等のこと
【参考】https://joc-women-leader.jp/words/81d29c2e-b184-43f0-9f0b-16ba648fc2b4

たとえ「性差別」はおこなっていない企業であっても、この基準を通して自社の状況を振り返ると、「ガラスの天井」と呼ばれる状況は実際に生まれてしまっているケースもあるのではないでしょうか。

以降の章では、この「ガラスの天井」を無くすために企業として取り組むべきポイントについてご紹介していきます。

2. 「ガラスの天井」に関する日本の現状について

意識していなくても、実際に今でも確実に存在しているのが「ガラスの天井」です。

それでは、日本における現状はどうなっているのでしょうか。

2-1 日本のジェンダー・ギャップ指数はG7で最下位

日本においても、近年は女性が結婚や出産の後に働き続けることが当たり前となりつつはあります。「女性活躍」というフレーズも近頃はよく耳にするようになりました。

しかし、2021年3月31日に発表されたジェンダー・ギャップ指数2021では、日本は153カ国中120位、G7の中では最下位という結果となっています。

「政治」や「経済」の分野における女性比率が極端に低いことが原因として大きく、そのことが日本のジェンダーギャップ指数の結果を大きく押し下げているため、まだまだ日本は政府主導で男女格差の解消のために動くことができていない状況にあることがうかがえます。

また、順位が上がれば、動きもそこで止まってしまい、PDCAが回り切らないという現状もあるかもしれません。

しかし、#MeToo運動に始まり、選択的夫婦別姓についての議論や、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の会長による女性蔑視発言などがメディアで大きく報道されるなど、女性の権利を重視する時代が日本にも訪れていることは確実でしょう。

2-2 女性も活躍できる社会環境を日本が作るためには

上でも記載したように、男女間の不平等を無くし、女性も活躍できる社会に日本を変えていくためには、政治や経済の世界で活躍する女性を増やしていくことが重要です。

「ガラスの天井」が生まれてしまっている状況は悪いものだと明確にしたうえで、そうした格差をどのように無くしていくべきか少しずつ働きかけていかなければなりません。

また、男性に「女性活躍はプラスになる」「実利がある」ことを伝えることも同じように大事でしょう。

近年、女性活躍や人種など、多様な人が活躍している企業の方が、企業の利益が高いというデータも出ています。

女性の活躍によって、企業が利益を上げられるというデータを示し、女性活躍が実利につながることが伝われば、これまで人権問題と言われても動かなかった人から関心を得られる可能性があります。

女性の管理職・役員を増やす取り組みを進める企業も増えてきた中で、日本全体が女性活躍推進に舵きりしていく動きを強めることが影響として大きくなっていくでしょう。

政府の男女共同参画局の今後の目標、おもな政策については下記を参考にしてください。

参考:https://www.gender.go.jp/about_danjo/seika_shihyo/index.html

3. 女性が働きやすい職場環境とはどのようなものか

それでは、女性はどのような職場環境であれば働きやすいのでしょうか。「ガラスの天井」をが無い組織を作るために、企業としてどのようなことに取り組むべきなのでしょうか。

ここでは、女性が働きやすいと思える会社の特徴をご紹介します。

①社内に育児をしている「ロールモデル人材」が在籍している

社内で育児をしながら働いている社員がいる職場は、女性にとって非常に働きやすい会社であることでしょう。

そういった社員が働き続けていることで、家事などにとらわれることなく働きやすい職場環境であるというイメージに直結してきます。

また、「既に育児中の女性と働いたことがある」という周囲の理解が進んでいることも、働きやすい環境となりうる1つのポイントです。

特に、子供が小さい時であれば、仕事をしているときに子供の発熱で早退したり、保育園の行事で休暇を取得したりなど、周囲の理解があってこそ成り立つシーンがたくさんあります。

このようなことのロールモデルが実際にいることで、いざ自分の番になったときも理解がされやすく、協力を得ながらパフォーマンスを発揮することができます。

②取締役や管理職に女性がいる

経営幹部(取締役や管理職層)に女性がいることで、女性にとって働きやすい職場づくりが進むケースは多くあります。

上位レイヤーにいる女性が育児経験のある方などであれば、自分の体験もベースにしながら、現場メンバーをうまく巻き込み制度設計をおこなっていくことができるでしょう。

このような経営判断に必要な情報について、男性だとなかなか気づけない部分も、女性ならではの視点から収集することが可能です。

③産休や育休の制度がしっかり利用されている

産休・育休に関する制度や時短勤務の制度などを設けている企業は、数多くあることでしょう。

しかし、その一方で、そうした制度が実際には機能していなかったり、育休からの復帰率が100%であっても、その後すぐ退職しているケースなどもあるかもしれません。

人事担当者や経営者は制度をは作って終わりにするのでなく、社内に制度をしっかり利用している方がいるのか、その利用している方は活躍しているか、もし活躍していないのであれば制度の欠陥がないか、といったことを注意深く見る必要があります。

④働く時間や場所の融通が効く(リモートワークやフレックスタイムへの対応)

子育てを始めると、保育園の送り迎えによってj勤務時間が制限されて、時短勤務となってしまう方も多いです。

しかし、勤務時間が短くなることで働き方が大きく変わり、結果的に業務成果に支障をきたしたり、やりがいを感じにくくなるケースがあると思います。

リモートワークやフレックスタイムの導入によって、より柔軟に働く環境を選べることで働きやすさは増し、女性の定着率は向上すると考えられます。

「女性が働きやすい会社」として有名な企業はどこ?

2021年3月29日、「ウーマンズバリューアワード」にて女性活躍を促進している企業が公開されました。

ウーマンズバリューアワードとは、今後の社会において女性が活躍していくためにどうすべきかについて、「女性×キャリア」の観点から各企業の取組事例やロールモデルとなる女性を紹介・共有しているアワードで、受賞した企業は以下の通りとなっています。

【受賞企業一覧】

4. まとめ

現代社会には、確かに「ガラスの天井」はまだまだ存在している状況があります。しかし、女性の人生に天井はありません。 

女性が働きやすい環境を作ることは、企業の発展につながるケースや優秀な人材の確保につながるケースも多くあります。そのため、企業側として、改めて今後の女性の働く職場環境を大切にしていく必要があります。

この記事がきっかけに、より良い職場環境を作るきっかけになれば幸いです。

\メールマガジン登録無料/
人事/HR業界の最新情報を毎週チェック!

HR NOTEメールマガジンでは、人事/HRに関する事例やサービスリリース情報など、最新Newsから今すぐ使える他社実践ノウハウまでが簡単にわかるインタビュー記事やセミナー情報をコンテンツとして配信しています。

「他社が実施している施策を自社でも活かしたい」「人事/HR業界の最新動向やトレンドを知りたい」とお考えの方は、ぜひHRNOTEメールマガジンをご活用ください。

公式アカウントをフォローして毎日記事をチェック!