情意評価は、意欲・行動といった社員の内面を評価する手法です。個人の業績に左右されることなく、数値化できない側面にアプローチできることから、社員のエンゲージメント向上が期待できるとして昨今注目を集めるようになりました。
本記事では、情意評価のメリット・デメリットについて紹介しながら、導入の流れや注意点も含めて解説します。
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。
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「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、「うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・」といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。
本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。
1. 情意評価とは?
情意評価とは人事考課の手法のひとつで、社員の仕事に対する意欲や取り組む姿勢、勤務態度など内面的な部分を評価する手法のことを指します。主に規律性・協調性・積極性・責任感といった4つの基準で評価を行い、数値化して表せないのが大きな特徴です。
業務評価などと組み合わせて取り入れることで、人事考課の偏りを失くし、延いては社員のモチベーションアップも期待することができます。最近では情意評価を人事考課に採用する企業も増えています。
2. 情意評価のメリット
ここでは、情報評価を導入した際に期待できる3つのメリットについてご紹介します。
2-1. 人事評価の偏りを無くせる
情意評価を取り入れることで、社員の能力を多面的に評価することが可能となります。
業績評価は会社の売り上げに対する社員の貢献度を数値化して評価することができますが、一方で社員の仕事に対する意欲など内面的な部分までは正しく評価することができません。
また経理や総務など会社の売り上げに直結しない部門においては、業績だけで評価してしまうと給与や昇給など待遇面において公平性が損なわれる恐れがあります。
情意評価はこのような社員間の不公平感を減らし、モチベーションを維持するためにも有用な手法だと言えるでしょう。
2-2. 自社が求める人材の育成につながる
人材育成のうえでも、情意評価を活用することができます。
会社が求める人物像を社員に理解させたいと考えていても、経営理念や方針に盛り込んだだけでは社員になかなか伝わりづらいものです。
しかし、情意評価の項目に具体化して盛り込むことで、社員は目指すべき人物像を理解し行動に移せるようになります。
上司と部下との面談においても情意評価を繰り返し活用すれば、求める人物像に近づくための意識付けにもなります。
2-3. 組織の連帯感を強化できる
情意評価の評価項目の中に協調性や規律性があり、いずれも組織の一体感を高めるために必要な要素です。
協調性の高い人材は周囲と良好な関係を築くことができ、なおかつ建設的な意見を出し合える傾向にあります。
このような人材を正しく評価することで組織の連携を強化し、さらにはコミュニケーションの活性化に繋げることができるでしょう。
3. 情意評価のデメリット
情報評価にはデメリットも少なからずあります。メリットと合わせて押さえておきましょう。
3-1. 評価者の主観に左右されやすい
情意評価は数値化して評価できないことから、評価者の主観に傾きやすい点もデメリットとして挙げられるでしょう。
とくに被評価者との関係性に影響を受けやすく、実態とは異なる評価をしてしまう恐れがあります。
場合によっては、被評価者から不信感をもたれることも起こりえるため、事前に対策を講じておくことが必要です。
3-2. 目標設定が難しい
業務評価であれば予算など数値化できる目標を設定することができます。
しかし、情意評価は仕事への意欲や姿勢といった定性的なものであるため、目標設定しづらいことが欠点です。
目標が明確に定まっていなければ、社員が行動を起こせないばかりか、評価者側からしても正しい評価ができないといった問題が生じます。
このようなトラブルを避けるためにも、評価者と社員との間で事前に目標の擦り合わせをしておくことが重要です。
4. 情意評価の導入手順
情意評価を自社に合わせて運用するためには、ポイントを押さえて導入することが大切です。次に情意評価の導入の流れについてご紹介します。
4-1. 目的設定をする
情意評価を導入することで何を目指すのか、まずは自社の導入目的を明確にしておきます。現状抱えている自社の課題や問題を洗い出したうえで、目的設定していくことが望ましいでしょう。
目的設定が曖昧になってしまうと期待通りの成果が得られない恐れがあるため、まずは自社に適した目的をはっきりさせておくことが大切です。
4-2. 評価項目の検討・作成
次に評価項目を設定します。項目を検討するにあたっては、役職や部署、職務ごとに内容を変えることがポイントです。
こうすることで評価項目の公正性が保たれ、社員間同士の不平を減らすことができます。また情意評価は先にも述べたとおり、評価者の主観に左右されやすいため、公平を期すためにも評価者以外の人間の評価を加味するなども検討しておくと良いでしょう。
4-3. 評価方法の決定
評価項目を作成したら、評価方法についても事前に決めておきます。
1~5段階評価が一般的ですが、評価者によっては無難に中央値「3」で評価してしまうケースもあるため、最近では1~4段階評価で実施する企業も増えています。
給与や賞与、昇給といった待遇面とも連動させながら慎重に検討を進めましょう。
4-4. 社員への周知・運用開始
決定した評価項目と評価方法を社内規定として整備します。
規定を作成しただけでは、社員から一方的な押し付けと捉えられ不信感を招く恐れもあるため、必ず社員への周知も行います。
この際に情意評価を導入する目的も交えて説明を行うと、社員からの理解も得られやすくなるでしょう。
5. 情意評価を導入するときの注意点
情意評価を導入する際は、事前に注意しておきたい点がいくつかあります。導入前に注意点についてもしっかりと押さえておきましょう。
5-1. 評価エラーに留意する
先にも述べたとおり情意評価は数値化して目標設定できないことから、次に挙げる3つの評価エラーが起こる可能性があります。
中心化傾向:無難な評価に逃れ標準値に評価が偏ってしまうこと
ハロー効果:際立った特徴に引きずられて他の評価まで影響を受けてしまうこと
寛大化傾向:被評価者への配慮から甘い評価をしてしまうこと
上記はいずれも評価の基準が明確になっていないことが原因で発生するエラーです。評価エラーを避けるためには、導入時に明確な基準を設けることが重要です。
5-2. 社員の不信感に繋がらないよう評価を行う
情意評価は社員の内面的な部分を評価するものであるため、評価内容によっては社員が納得できずに不満を覚えることも十分起こりえるでしょう。
業務評価の場合は数値といった評価の明確な根拠を示すことができますが、情意評価では不透明になりがちです。
まずは情意評価を導入する際に評価プロセスの透明性を図ることが大切です。場合によっては面談を行い評価者側から評価の根拠を明確にフィードバックすることも必要となるでしょう。
このように、何を主軸として評価をおこなうか取り入れる人事評価制度次第で、準備しなければならないことが異なってきます。
しかし、人事評価制度を整えると言っても何から手をつければ良いか分からずお困りのもいらっしゃるかと思います。そのような方へ向けて、本サイトでは「人事評価の手引き」を無料で配布しています。自社にとって適切な人事評価制度を検討するためにまずは人事評価制度について網羅的に理解したいという方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。
6. 情意評価を上手く活用して社員のエンゲージメントを高めよう
情意評価は仕事への意欲など社員の内面的な部分を評価する手法です。
定性的な面を評価できるため、業務評価など定量的な評価と組み合わせることで人事考課の公正性を保つのに活用できます。
このほか、人材育成やチームワークの面から見てもメリットの多い手法です。
ただし、評価者の主観に偏る恐れがあるなどデメリットも少なからずありますので、導入の際はデメリットも踏まえたうえで人事考課の制度に取り込んでいくことが大切です。
情意評価を上手く取り入れて、社員のモチベーションアップを目指しましょう。
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
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