クラッシャー上司への対策とは?対策が必要な理由や事例を解説 |HR NOTE

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クラッシャー上司への対策とは?対策が必要な理由や事例を解説

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「企業としてクラッシャー上司対策が必要な理由を知りたい」

「クラッシャー上司への企業側の対策について知りたい」

 

上記のようにお悩みの方も多いでしょう。

 

クラッシャー上司とは、仕事上の厳しい指導・要求・命令などから、部下をメンタル不調による休職や離職に追い込む上司のことです。しかしながら、仕事ができ組織内での立ち回りも上手なため、昇進し続ける傾向があります。

 

クラッシャー上司の有能さを生かしつつ、周囲への悪影響を防ぐためには、適切な対策が必要です。

 

本記事では、企業としてクラッシャー上司対策が必要な理由やクラッシャー上司への企業側の対策について解説しています。

 

そのほかに、社内調査によりクラッシャー上司と判断された各従業員への対策例についても解説しているため、ぜひ参考にしてください。

1. クラッシャー上司対策が必要な理由

会議

クラッシャー上司対策が必要な理由は、以下の5つです。

 

  1. 生産性の低下
  2. 離職率の上昇
  3. 優秀人材の流出
  4. 企業イメージの低下
  5. 連鎖退職による職場崩壊

 

各対策の詳細を見ていきましょう。

1-1. 生産性の低下

クラッシャー上司対策が必要な理由の一つは、生産性の低下です。クラッシャー上司の言動によりチーム全体の雰囲気が悪化し、部下のモチベーションや労働意欲が下がることで生産性が低下します。

 

自分のやり方や見解が最も正しいと考えるクラッシャー上司は、部下の意見に耳を傾けません。常に高圧的な態度で部下と接し、自身と同等レベルの結果を求めます。

 

部下のミスや異なる意見に対して無責任な叱責を重ねるため、部下は常に上司の顔色をうかがいながら業務遂行しなければなりません。

1-2. 離職率の上昇

クラッシャー上司対策が必要な理由には、離職率の上昇もあります。次のような特徴をもつクラッシャー上司の在籍部署では、公平な評価や成長を望む気持ち、心身疲労を理由にして多くの部下が退職していくでしょう。

 

  • 自分本位
  • 高圧的
  • 無責任
  • 承認欲求が強い

 

クラッシャー上司は部下へ厳しい指導や要求をするうえに、部下のミスや乏しい成果などに対しては執拗に叱責します。過大なストレスにさらされ続けたことでメンタルヘルス不調に陥り、休職したり退職したりする部下も少なくありません。

 

クラッシャー上司の異動後に、異動前の部署の退職者が減ったり休職からの復職者が活躍したりするケースは多いです。ただし、異動先の部署では休職者や退職者が増加するため、クラッシャー上司を原因とする離職率の上昇は続くでしょう。

1-3. 優秀人材の流出

優秀人材の流出も、クラッシャー上司対策が必要な理由です。優秀な部下であっても、利己的なクラッシャー上司のもとでは成長や公平な評価を望めません。

 

クラッシャー上司は部下の成果を自分の評価につなげる一方で、自分のミスは部下の責任にします。部下を褒めることもほとんどありません。

 

優秀人材は、自身が評価されない環境に見切りをつけて外部へ流出します。

1-4. 企業イメージの低下

クラッシャー上司対策が必要な理由として、企業イメージの低下も挙げられます。SNSや退職者などから、クラッシャー上司が会社に在籍していることを外部に知られる可能性は否めません。

 

企業イメージが低下した場合、応募者の減少につながるため人材採用にも悪影響を与えるでしょう。また、社会的信用が低下したり業績が悪化したりする可能性もあります。

1-5. 連鎖退職による職場崩壊

連鎖退職による職場崩壊も、クラッシャー上司対策が必要な理由です。

 

クラッシャー上司が原因の連鎖退職がおこると、一人の退職をきっかけに退職者が続出します。最悪の場合、人材不足により正常な業務遂行が難しくなる職場崩壊が発生するでしょう。

 

連鎖退職が始まる理由の一つは、優秀人材の退職による周囲の従業員の不安です。また、退職者が出ることでほかの従業員の不満が露出するケースもあります。

2. クラッシャー上司への企業側の対策

会議

クラッシャー上司への企業側の対策は、以下の3つです。

 

  1. 組織風土の改革
  2. コンプライアンス・ハラスメント防止研修の実施
  3. 相談窓口の設置

 

各対策を見ていきましょう。

2-1. 組織風土の改革

クラッシャー上司に対する企業側の対策の一つは、組織風土の改革です。組織内でクラッシャー上司の存在が知れ渡っている場合、クラッシャー上司の部下への対応を当然とする価値観や考え方を変える必要があります。

 

組織風土を改革するためには、クラッシャー上司が組織に与える悪影響について役員たちが理解しなければなりません。

 

組織風土の改革は、現存するクラッシャー上司の改善のみならず、将来的なクラッシャー上司の発生予防にもつながります。

2-2. コンプライアンス・ハラスメント防止研修の実施

コンプライアンス・ハラスメント防止研修の実施も、クラッシャー上司に対する企業側の対策の一つです。研修でコンプライアンスやハラスメントへの理解を深めることで、クラッシャー上司の自主的な行動変容を促せます。

 

それぞれの研修の概要は、以下のとおりです。

 

名称

概要

コンプライアンス研修

従業員が従って行動すべき法律や組織規則、さらに行動の模範とする一般常識や倫理について正しく理解し、コンプライアンスの重要性や違反のリスクについて学ぶ

ハラスメント防止研修

相手に不快感を与える言動・行為がハラスメントにあたることを従業員が理解し、職場でのハラスメント予防に向けた具体的な方法を学ぶ

 

上記の研修はどちらも階層別の開催が多く、全従業員が対象です。研修後に変化を期待するクラッシャー上司だけでなく、相談窓口の利用の可能性があるクラッシャー上司の部下にも役立つ研修でしょう。

2-3. 相談窓口の設置

クラッシャー上司に対する企業側の対策には、相談窓口の設置もあります。相談窓口で部下が被害を訴えることで、表面化しにくいクラッシャー上司の存在が明らかになるでしょう。

 

発見後に企業として対策を講じることで、部下のメンタルヘルス不調や休職、退職を予防できます。

 

組織内の相談窓口の設置に関しては、相談後のクラッシャー上司から部下へのハラスメント増加のリスクに対する検討も必要です。相談しやすく相談後のリスクも少ない、第三者機関による相談窓口も検討しましょう。

3. クラッシャー上司と判断された従業員への対策例

男性と女性

クラッシャー上司と判断された従業員への対策例は、以下の3つです。

 

  1. 再教育
  2. 面談
  3. 配置異動・懲戒処分

 

各対策例を詳しく見ていきましょう。

3-1. 再教育

調査でクラッシャー上司と判断された従業員への対策例の一つは、再教育です。自身の考え方や行動を見直す機会となるため、パワーハラスメント行為者を対象とする行動変容プログラムにクラッシャー上司を参加させます。

 

プログラムを通じて、クラッシャー上司は部下に対する自身の言動について以下のような事柄を自覚するでしょう。

 

  • ハラスメントやコンプライアンス違反にあたること
  • 改善が必要なこと

 

プログラムのなかで本人が考案した改善策を職場で実行することにより、再発防止や職場環境の改善が図れます。

3-2. 面談

クラッシャー上司と判断された従業員との個別面談も、対策例の一つです。再教育後も改善が見られない場合は、個別面接にて、部下の指導・管理に対する考え方や方法について聞き取りしましょう。

 

クラッシャー上司の多くは自分の指導方法が正しいと考えているため、十分なヒアリング後に適切な助言を与えます。問題となる言動や改善点を詳しく伝えることが大事です。

 

今後も改善が見られない場合について、配置異動や懲戒処分の可能性も伝えます。

 

上司との対話の機会を与えないまま何らかの処分を課した場合、自己中心的な考えから部下への対応がより悪質化するおそれがあるため注意しましょう。

3-3. 配置異動・懲戒処分

クラッシャー上司と判断された従業員への対策例として、配置異動・懲戒処分も挙げられます。再教育や面談を経ても改善が見られない場合は、組織規則に則った配置異動や懲戒処分を課し、改善されるか都度観察しましょう。

 

上記の対応をする場合は、事前に被害にあった部下からの十分な聞き取りが必要です。また、どちらの場合もクラッシャー上司とのトラブルを避けるため、事前の専門家への相談が望ましいでしょう。

4. クラッシャー上司を放置せず企業として対策を講じよう

笑顔の女性

クラッシャー上司の放置により、優秀な人材が流出したり生産性が下がったりなど、企業にとってさまざまな悪影響が生じます。最悪の場合、職場崩壊や業績悪化、企業イメージの低下を招く可能性も否めません。

 

上記のような悪影響を避けるためにも、組織風土の見直しや各種研修の実施、相談窓口の設置など、企業としてクラッシャー上司の対策を講じましょう。同時にクラッシャー上司個人に対しても再教育や面談などの機会を与え、本人の気づきによる改善の機会を与えます。

 

クラッシャー上司の改善や撲滅を目指し、ぜひ企業としてクラッシャー上司対策に取り組んでください。

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