オフィスへの出社、対面のコミュニケーション、大人数での会議やイベント・交流が当たり前だった日常。
そんな日々が、コロナ禍をきっかけに、大きく変化しています。
多くの企業でテレワークや時差勤務、オフィスの縮小など、働き方を急速に変化させることが求められました。
しかし、その状況下でピンチをチャンスに変えて、新しい働き方を実践・成功した企業もあります。
今回は、コロナ禍をきっかけに見えてきた今までの働き方の問題と新しい働き方に挑戦した企業について、at will work主催の「Work Story Award」で取り上げた事例と一緒にご紹介します。
目次
1. コロナ禍で変わる働き方
コロナ禍によって対面でのコミュニケーションから、非接触でのオンラインコミュニケーションになるなど、対面が制限された生活が続いています。
それにより、企業はコミュニケーション、働く場所、雇用形態、価値観など様々な変化を求められることとなりました。
新型コロナウイルス流行により起こった変化、そしてその変化に対応し取り組んだ企業の事例をご紹介します。
1-1. 対面からオンラインへコミュニケーションの変化|株式会社楓工務店
今まで当たり前だった「対面のコミュニケーション」が、コロナ禍で一転。感染拡大防止のために、「非接触・オンラインのコミュニケーション」へと変化しました。
その中で、ZoomやMicrosoft Teamsなどのオンライン会議システムを利用した会議や商談、研修などが主流となりました。
しかし、リアルのコミュニケーションと異なり、うまくコミュニケーションが取れないという課題も出てきました。
中でも、コロナ感染拡大中に入社した2020年卒の新入社員は、一度も出社することなく社会人生活をスタートし、同期や先輩との社内コミュニケーションも思うように取れずに困った企業も多くあったと思います。
社内コミュニケーションを斬新なアイディアで活性化させた事例を以下のURLにてご紹介します。
- 企業名:株式会社楓工務店
- 紹介事例:『オンラインコミュニケーションの限界を感じたところから思いついた、オンラインだからできるコミュニケーション「ゆこさこラジオ」』
1-2. テレワーク・在宅勤務の加速による働く場所の変化|シックスアパート株式会社
オフィスに出社することが当たり前でしたが、コロナ禍によってテレワーク・在宅勤務が急速に拡大しました。
オフィスでしていた仕事を、PCを持ち帰って自宅で仕事をすればいいと思われる方も多いかもしれません。
しかし、それを実践するためには、企業は様々な準備が必要です。テレワーク導入のための就業規則の見直し、セキュリティチェック、リモートでのコミュニケーション・マネジメントの方法、通信トラブル対策など多岐にわたります。
また、自宅で仕事をするための環境を自身で整えたり、場合によってはコワーキングスペースなどへ移動して仕事に取り組む方も増え、インターネットカフェやカラオケ、貸し会議室などもテレワークで利用できるように変化しています。
テレワーク移行時の課題やお悩みを解決するための情報を発信することで、日本社会に貢献している事例をご紹介します。
- 企業名:シックスアパート株式会社
- 紹介事例:『コロナ禍以前から実施していた「全社員テレワーク」のノウハウを発信。テレワークでも成果を上げ続けるための工夫』
1-3. 人事制度改定・新しい雇用形態への変化|アソビュー株式会社
新型コロナウィルスが与える経済損失は世界中の誰もが予想していなかったと思います。
日本国内では、度重なる緊急事態宣言とまん延防止等重点措置の発令により、経営悪化、売上減、雇用解雇、ビジネスモデルの転換、資金ショートなど厳しい状況に置かれた企業も数多くあります。
未だに、経済活動の回復の兆しが見えない中、売上を上げることが難しい場合、企業を存続させるためには固定費削減が求められます。いろいろな施策をとっても改善できない場合は、人件費の削減という経営の意思決定をしなければいけない場合もあります。
そのように厳しい状況のなか、新しいカタチを取り入れることで、雇用を維持しながら人件費の削減に成功した事例をご紹介します。
- 企業名:アソビュー株式会社
- 紹介事例:『人材を一時的に出向させることで、人件費の削減と従業員の雇用維持を実現できる制度「在籍出向」の作成』
1-4. 会社で働く対価・価値観の変化|株式会社ギャプライズ
緊急事態宣言によるステイホームや、テレワークの加速により、人々の価値観や消費行動に大きな変化が生まれました。
企業が終身雇用を維持するのが難しくなって副業を推奨したり、安定していると言われる企業が業績悪化したり、働く環境も大きく変わる中で、「自分は何がやりたいのか」「どんなキャリアを選ぶのか」ということを考え、会社で働く対価・価値観も変化しています。
対価では、給与や安定した雇用ではなく、「自分が活躍できるのか?」という働きがいを求めるケースが増加しています。
価値観では、会社の利益を求めるための仕事ではなく、「自分が幸せか?」「過剰なストレスを感じずに働けるか?」ということが求められるようになってきました。
コロナ禍によって変化した価値観。コロナ感染拡大の中、時間や場所の制約をなくすことで、最大限に成果を発揮するためのワークスタイルの改革を行った事例を紹介します。
- 企業名:株式会社ギャプライズ
- 紹介事例:『「自己決定」をキーワードに、自分で働き方をデザインできる環境と制度設計で従業員一人ひとりの満足度や幸福感を高めるワークスタイル改革』
2.コロナ禍でテレワークにできない業種と意外な落とし穴
上記のように、コロナ禍で働き方を変える企業がある一方で、テレワークに移行できない業種もあります。また、テレワークへの移行が意外にも進んでいない職種についても解説します。
2-1. テレワークできない業種
現段階では、テレワークが難しいと言われている業種があります。医療・介護業界、接客業界、生産・製造業界などです。
医療・介護業界
患者、入居者に対して仕事を行う必要があり、医療器具は病院にしかないためテレワークにすることが難しいのが現状です。今後は電子カルテの普及やテレビ電話を活用した診察が発達すれば、テレワークの導入の可能性が高まります。
接客業界
宿泊施設や飲食業は人間の力でお客様の接客・対応を行うので、テレワークの移行は難しいです。
一部のホテルではロボットを配置することで、チェックインなどの業務の一部をロボットに担当してもらっている宿泊施設もありますが、サービスを求めて来店・来客されるため、完全にテレワークへの移行は厳しいと言われています。
生産・製造業
社外に製品を持ち出したり工場の設備がなければ組み立てられないものも多く、製品の持ち出しに成功したとしても、競合他社に情報が流れるリスクもあります。
また、1つの製品を完成させるのに、多くの方が関わり、作業する製造業は最もテレワークがむずかしいでしょう。
2-2. テレワークの落とし穴|株式会社ROBOT PAYMENT
テレワークがしやすいと思われたバックオフィス業務(経理・人事・総務・営業事務など)は、100%テレワークに切り替えることができないケースも見られました。
稟議書や請求書など紙の書類を多く扱う場合は、印鑑の捺印や書類管理が必要なため、出社する必要がありテレワークを妨げる課題となりました。
しかし、社内での優先順位は低く後回しにされてしまいます。そんな中、完全出社を余儀なくされている存在の声なき声を集め発信したプロジェクトも生まれました。
- 企業名:株式会社ROBOT PAYMENT
- 紹介事例:『「テレワークができない経理」の声なき声を届ける、経理の働き方改革を“他人ごとから、世の中ごと”へ。「日本の経理をもっと自由に」プロジェクト』
2-3. テレワーク化がすべてではない
コロナ感染拡大よりテレワーク化が進んでいますが、“テレワークへの移行=正しい”という考え方はが全てではありません。
テレワークが難しい業種でもお伝えしたように、接客業界は、お客様が「サービスを求めて」お店に訪れます。お客様は対面で提供されるサービスに魅力を感じているからこそ来店に繋がります。
また、テレワーク化により社内のコミュニケーション不足によるチームワークの悪化や生産性の低下などの課題も見えてきました。今後はそのような課題を解決する取り組みもより一層求められるでしょう。
3.まとめ
いかがでしたか?
今回はコロナ禍をきっかけに変わる働き方をテーマに、会社や社員を取り巻く変化と変化に応じた取り組みの事例を紹介をしました。
これを機に、働き方の見直しや、社員が働きがいを感じる組織づくりに取り組んでみてはいかがでしょうか?
現在、一般社団法人at Will Workでは、”人”と”企業”と”働き方”の今と未来を考える機会として、”働くストーリー”を集めるアワードプログラム 『Work Story Award』を開催しています。本アワードは今年が最後の開催です。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を受け、昨年から「コロナ禍をきっかけに変わる働き方」も応募テーマとして開設しています。ぜひあなたの会社の働き方の取り組みを教えてください。沢山のご応募お待ちしております。
【応募期間】2021年7月1日(木)~2021年9月3日(金)23:59まで
【Work Story Award 詳細はこちら】https://award.atwill.work/