「若くても責任の重さは変わらない」ユニコーン企業の新米人事チームが挑戦する人事戦略【新米人事#3】

HR NOTEで企画した「新米人事」インタビュー記事をご紹介。

企業の成長を左右する採用や、変化が激しい中での組織づくり、複雑な勤怠・労務・人事管理など、組織に大きな影響を与える人事業務。

本企画は、高い責任感が求められる人事担当者の中でも、経験が比較的浅い方にフォーカスしました。

第3弾として取材したのは、2019年11月、日本経済新聞NEXTユニコーン調査で、企業価値1218億円と発表され、国内のユニコーン企業として注目を集め、今後の成長が期待されている株式会社TBMのPeople Communicationチーム。

全社の採用・組織に携わっているこのチームは3人で構成されていますが、なんと全員が24歳とのこと。

ユニコーン企業のHRを支える新米人事の3人は、どのような人事戦略を実践しているのでしょうか。

全員が24歳。TBMのPeople Communicationチームとは?

増田 稜 | 株式会社TBM コーポレート・コミュニケーション本部 HRデザイナー

大学3年次にサイバーエージェントにて長期インターンでHR向け新規事業の企画責任者を担当した後、2017年10月にTBMへ入社。全社の採用活動を一手に担い、累計約100名の採用に携わる。採用を主軸に採用コミュニケーションや組織開発も担当、2019年7月にPeople Communicationチームを立ち上げる。

村上 悠紀子 | 株式会社TBM コーポレート・コミュニケーション本部 ファンクリエイター

2019年4月、TBMのインターンを経て唯一の19卒として正式ジョイン。社内外にTBMのファンをつくることを使命とし、中途採用、組織を軸とする広報PR活動を担当。採用・社内広報、従業員エンゲージメントの向上に加え、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)のプロジェクトメンバーとして組織づくりに携わっている。

島津 凱 | 株式会社TBM コーポレート・コミュニケーション本部 カルチャー・アーキテクト

2019年7月にTBMに入社。TBMのカルチャーアーキテクトとして、100年後も続く企業文化づくりに奮闘中。現在の主な業務は、採用と組織開発。採用では中途採用、新卒採用、工場採用を担う。組織開発では、主に社内イベントの実施や企業理念浸透を目的としたBridge Meetingの事務局を担当。

-まず始めに、TBMの事業内容や現在の組織についてお伺いしてもよろしいでしょうか?

TBMは石灰石を主原料とし、紙やプラスチックの代替となる新素材LIMEX(ライメックス)の開発、製造、販売をおこなうものづくりベンチャーです。

現在、日本国内で、5,000社以上の企業様にお買い物袋、メニュー表、名刺などのプロダクトを導入いただいています。また、世界中で高まる環境問題への意識や、加速するプラスチック規制の動きを背景に、LIMEXのグローバル展開を進めています。

TBMは現在144名(2020年2月現在)が所属しており、6つの部署に分かれています。

TBMの組織図

その中で私たちが所属するコーポレート・コミュニケーション本部には3つのチームが存在します。

広報やPRが主となるコミュニケーションチーム、企業の中長期戦略を描くサステナビリティチーム、労務を除く人事領域を幅広く担当するPeople Communicationチーム(以下P.C)です。我々P.Cは3名とも24歳という非常に若いチームです。

コーポレート・コミュニケーション本部の組織図

世の中から大きな期待を寄せていただいているユニコーン企業として事業拡大と同時に、組織も拡大する必要があります。

採用においては、正規、非正規あわせると2019年には約80名を採用しています。そして、2020年には宮城県多賀城市に第2プラントが完成を予定しており、本社・工場にて年間で約120名を採用する人員計画を立てています。

TBMは事業の根幹にサステナビリティを据えています。

具体的には、国連が制定している持続可能な開発目標(SDGs)やプラスチック問題の課題解決に向け、『サステナビリティ革命』の実現を目指しています。

また、社員エンゲージメントの向上やダイバーシティ推進を通じた、組織のサステナビリティ推進にも積極的に取り組んでいます。

 

-ITやAIベンチャーが多い昨今、「ものづくりベンチャー」という稀有な存在のTBMに、みなさんはどういった経緯で入社されたのですか?

私は元々、IT領域に関心があり、大学を休学してITメガベンチャーで長期インターンとしてHR向け事業に携わっていました。その後、2017年10月に大学生兼正社員としてTBMに入社しました。

入社理由の1つ目は、ITメガベンチャーで働く中で「IT業界で地球規模の大きな挑戦ができるのか」という問いに対して答えが見出せませんでした。
その時にTBMの話を聞いて、「日本発のベンチャーで世界に挑戦できる数少ない会社だ」と直感的に思いました。

2つ目は、今のタイミングのTBMでの経験は、かつてのトヨタやソニーといったグローバルカンパニーの創成期に創り手として携わることと同義だと期待を寄せたことです。

そして3つ目が、上司の人柄です。初めて面談した現執行役員 CMOはよく「右脳イン・左脳アウト」(=まずは感性を元にインプットして、相手に伝わるようロジカルにアウトプットする)という言葉を使っています。

初対面で「感性と論理のバランスが優れていて、人間性に深みがあるかっこいい人だな」と感じ、この人の下で働きたいと思いました。

大学を卒業する2019年3月までの約1年半は、学生と社会人を両立しながら、TBMの採用戦略、採用広報、人材開発、組織開発まで幅広く人事領域の仕事をおこなってきました。

私は2018年4月に人材系の企業に新卒として入社し、営業職を経験した後、2019年7月にTBMにジョインしました。担当業務としては、採用活動と組織開発を同時並行でおこなっています。

採用活動に関しては、中途採用、新卒採用、工場採用といった採用業務全般に携わっており、今は2020年の新工場の稼働開始に向けた採用リーダーを任せていただいております。

入社の決め手は大きく3点あります。

1点目はTBMの事業への共感です。今世界では、気候変動や資源枯渇といった様々な問題が起きています。

TBMは、事業を通じて今世界で起きているさまざまな環境問題を解決しようと本気で取り組んでおり、自分自身もこの地球規模の挑戦に貢献したいと強く思うことができました。

2点目は組織への共感です。TBMは企業理念や感謝、謙虚、挑戦、責任感、自分ゴト化といった価値観を組織として非常に大事にしている会社です。

実際、山﨑が自ら価値観の大切さをさまざまな場面で発信してくれるため、メンバー全員が共通認識を持てていると感じます。この組織であれば人としても大きく成長できると思いました。

3点目は成長できる環境があると確信したからです。組織の中でも極めて重要な“ヒト”の部分を私達のような若いメンバーで担うこのチャレンジングな環境は、成長したい自分にとってまたとないチャンスであると確信しました。

私は、2018年の夏からTBMのインターンとしてジョインし、2019年に新卒として正式に入社しました。

「入社したい」と感じたタイミングが2つあり、それが「インターン面接時」と「実際にインターンとして働き始めた後」でした。

まず、インターン面接の際に、上長である執行役員CMOとチームメイトの増田に担当してもらい、その1時間でTBMの「人」に惹かれました。役員、若手という役職関係なく濃密な時間を乗り越えてきたからこそのお互いへの信頼感を感じ取り、こんなチームの一員になりたいと強く思ったことを覚えています。

インターンとして入社し、フラットな組織風土はもちろん、若手や中堅関係なく手を挙げた人にはチャンスを与え、人として成長することを会社としての財産として捉えている点に魅力を感じ、正社員としての入社を決めました。

TBMが見据えている未来のスケールは壮大です。だからこそ、TBMが取り組んでいる挑戦はこの先数年で完結するようなものではありません。

人類が持続可能に地球で生活するためのインフラをつくるという大きな目標に対して、TBMメンバー全員が片道切符の船に乗り込んでいるという自覚を持ちながら旅を進めています。

現在は採用広報の業務に加えて、中途採用、組織開発も担当しています。組織開発では、従業員エンゲージメントの戦略立案からパルスサーベイによるデータ分析、施策立案を行い、各部門の責任者に提案しています。

採用=経営活動そのものであるという全社採用文化の形成に向けて

-みなさん若手ながら採用・組織開発の戦略づくり、実行までおこなわれているのですね。そのように若手に採用を任せていく文化はどのように生まれたのでしょうか。

大前提として、代表取締役 CEOである山﨑の考え方が大きいと思います。責任を背負える人には躊躇なく仕事を任せてくれます。

成長企業の共通項の1つは「採用が強い」ということです。

採用が強い会社になる為には、Googleの様な圧倒的なブランド力がない限りは、全社として採用活動の優先順位を高め、携わるメンバーの量を増やし、採用における提供体験の質を向上させる必要があります。

この全社採用における文化形成は、組織規模の拡大に比例して難易度が高まります。今、僕たちP.Cが如何に全社を巻き込んだ採用文化を形成できるかは、長期的なTBMの成長にも影響するので、大きな責任を感じています。経験が浅い、若いということは言い訳にはなりません。

全社採用の体制を構築するポイントは複数ありますが、P.CのレポートラインがCMOであることは非常に有難い点です。社長と近いCMOが採用及び組織開発の管掌である体制は、全社採用を促進させる上で重要だと感じています。

 

「採用は全社で取り組む重要なミッション」という意識が徐々に浸透してきています。

結果的に、リファラル採用も増加しています。2019年度入社経路の約3割強はリファラルで、前年と比較して3倍以上に増えています。具体的な手法として、「メモリーパレス」という転職潜在層に該当するメンバーの友人・知人を想起しリストアップする施策もおこないました。

その際に、メンバーが積極的に協力してくれていますし、逆に「この人是非会ってみてほしい」「ここのポジション募集していない?」といった、メンバーからの自主的な提案も多くなってきています。

ただ、全社採用を進める中でコミュニケーションの取り方には特に気を遣っています。

部門責任者やマネジャーの方々には、普段の業務がある中で面接の時間を割いていただくことになるので、依頼メールの文章ひとつをとっても、慎重に作成しています。

もちろん直接会話する際も、報告・連絡・相談の内容はなるべく端的に、わかりやすい表現を使い、相手に何を判断して欲しいのかが伝わるよう意識しています。

TBMの採用ブランドを確立したい」People Communicationチームが考える未来構想

-社員への採用に関する意識づけやリファラル採用に関して、順調に見えますが、今後より注力したい点を教えてください。

『労働市場におけるTBMのブランド形成』は、今年における私達の重点目標の一つです。「サステナビリティ×グローバル×メガベンチャー」のポジションを獲得していきたいと考えています。

自分たちが採用ターゲットとする人材にTBMを想起してもらえる状況をいかにつくることが出来るかが重要です。昨年末に、TBMの採用ブランドを策定しました。我々のチームは、特に労働市場に対して一貫性を持って、積極的にコミュニケーションを図りたいと思います。

先述の通り、今年は宮城の第2プラント完成に伴い工場だけで新規約60名の採用、そして2021年、2022年卒の新卒採用に向けて採用戦略を立案する必要があります。

これらの採用活動を成功させるためにも採用ブランドの構築は重要だと考えています。

 

TBMの事業の成長を更に加速させる為に、工場採用の成功は必要不可欠です。

宮城県で正社員として私たちと一緒に地球規模の挑戦をしてくれる仲間を探す必要があるので、応援してくださるパートナーの方々を巻き込みながら、オンライン・オフラインで認知の機会をつくり、求職者から選ばれる職場づくりを目指したいですね。

「製造業ならどこでも良い」ではなく「TBMの工場で働きたい」と言っていただけるようになれたら理想ですよね。

また、TBMは2021年卒から新卒採用を本格的に行っていきます。100年後も続くTBMの未来を一緒に創ってくれる仲間探しに向けて、今年度は積極的に動いていきます!

事業とリンクさせた採用広報で効果を最大化させる

-全社採用、採用ブランドを形成する上で、広報やコミュニケーション活動も重要になってくるかと思いますが、いかがでしょうか。

TBMは資金調達や新製品ローンチなどニュース・リリースが多いため、コーポレート側のメディア露出のタイミングに合わせた採用広報の戦略立てが必要です。

会社の中でどんなプロジェクトが進んでいるのか把握し、その中でTBMのターゲットとなる人材にアプローチできる機会を見つけ、最も効果的な方法で発信しています。

 

-なるほど、具体的にはどのように進めているのでしょうか。

 

ベンチャーではよくあることだとは思いますが、大きな案件や発表は突然決まることが多く、イレギュラーな対応が生まれます。

その際に、いかにこれをチャンスと思い、採用に繋げるかが重要です。営業や広報、エンジニア、デザイナーなど、採用以外のメンバーを巻き込み、密に連携しながらプロジェクトを進めることが結果的に最も効率的かつ高い効果を得ることにつながると考えています。

「TBM、企業価値1,218億、ユニコーン企業へ」というニュースが日本経済新聞から出るタイミングに合わせたキャンペーン実施の際も、約3週間という短い準備期間でコンテンツ作成やHPリニューアル、媒体への露出をおこないましたが、その月の応募数・リクルートサイトのPV数共にTBM史上最高の数値を記録することができました。

今後は、キャンペーンを上手く駆使し、母集団を形成するとともに、TBMの採用ブランドを適切に伝え、応募前のセルフスクリーニング効果を高められるようにしていきたいと考えています。

 

―1年目ということで、わからないことや経験したことがないことも多く出てきそうですが、どうされていますか。

おっしゃる通り、日々わからないことだらけです。

わからないことにぶつかった際は、とにかく聞きまくりますね(笑)

たしかに、わからないことばかりの中で走っています。でも、黙っていても誰も教えてくれません

だから、割り切って積極的に周りのメンバーに聞いています。幸いなことに、TBMには知識も経験も豊富な先輩方が多くいらっしゃいます。日頃から支えてくださる周りの方々がいるからこそ、走れている状況です。

掲げるのは「All for Team」責任ある役割だからこそぶつかることを恐れない

―全員24歳のチームだからこそ働く上で難しい部分もあるかと思います。一体感を高め、切磋琢磨するために取り組んでいることはありますか?

採用チームを立ち上げる時に3人で話し合って決めたチームのミッション、ビジョン、バリューがあります。この判断基準を大切にしていることが大きいかもしれません。

特に意識しているのは私たちのチームバリューの一つである、「All for Team」です。

チームとはいえ、楽しい時や成功ばかりではなく、時にはメンバーに対して厳しい指摘をしなければいけないシーンもあります。

ただそれは、その人が嫌いだからという理由ではなく、チームのため、TBMの成長につなげるためです。

この価値観・判断軸を大切に、日々のコミュニケーションをおこなうようにしています。

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