近年、採用手法として定着化してきたダイレクトリクルーティング。しかし、年々その難易度はあがってきており、狙った効果を出せずに苦戦する企業様が増えている現状があるようです。
そこでは今回は、「ダイレクトリクルーティング成功のポイント」をテーマに、『ダイレクトリクルーティングの教科書』を出版された、株式会社VOLLECTの代表取締役である中島氏を取材。同社は、スカウト代行サービス『PRO SCOUT』を運営しており、これまでに500社を超えるダイレクトリクルーティングに特化した採用支援をしてきています。
本記事では、ダイレクトリクルーティングを成功に向けて、媒体選定、データベース活用、スカウト文面の運用、面談設計といった部分を中心にお話を伺いまとめました。ぜひご一読いただけますと幸いです。
【人物紹介】中島 大志 | 株式会社VOLLECT(ヴォレクト) 代表取締役
株式会社VOLLECT 代表取締役。新卒でパーソルキャリア株式会社にて法人向けに採用コンサルティングや新規事業開発に従事。その後、外資系コンサルティングファームのリクルーターを経験する中で、ダイレクトリクルーティングの可能性を感じ株式会社VOLLECT を創業。
書籍紹介
■ダイレクトリクルーティングの教科書~この1冊でスカウト採用の全てがわかる!~
スカウト採用の「絶対法則」をプロが伝授!実際にダイレクトリクルーティングをはじめて、効果を早い段階から実感できる企業はごくわずか。本書では、成果を出すためのテクニックやノウハウを、長年携わってきたプロの視点から読者に伝授。エンジニアを採用するためのスカウトノウハウも、詳細に収録。「新たな時代のリクルーティングの教科書」の登場です。
目次
【豪華ゲスト多数登壇!】変化に負けない「強い組織」を育むためにHRが果たすべき役割を考える大型カンファレンス『HR NOTE CONFERENCE 2024』
「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、「うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・」といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。
本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。
手法が一般化して、難易度が上がったダイレクトリクルーティング市場
ー本日はダイレクトリクルーティングの活用・実践について掘り下げていければと思いますが、ここ数年で手法としてはある程度、定着化してきましたね。
中島さん:そうですね。多くの企業様で取り組まれていて、目新しさはまったくなくなりましたよね。
ただ、それゆえに、ダイレクトリクルーティングで効果を出せない企業様が増えていると感じています。
私が前職で外資のコンサル会社で採用担当をしていたときは、スカウトメールの返信率が20%以上で、良い時にはそこから毎月9名くらい採用決定できていました。
当時は、「ダイレクトリクルーティングすごく効果あるな」と思っていたのですが、今ではそこまでの効果を出すのは相当難しいと思います。
ーたしかに、今はあらゆる企業からスカウトメールがくるようになっています。ダイレクトリクルーティングで効果をあげるためのポイントはどの辺りになるのでしょうか?
中島さん:まず、ダイレクトリクルーティングの最初のポイントでいうと、よく釣りの話に例えられるのですが「どの池に魚を釣りに行くのか」です。
それこそ、ビズリーチ、リクルートダイレクトスカウト、Wantedly…多くの媒体があるわけです。どの媒体で実施するのか、企業様が最初に迷うポイントでもあります。
次に、媒体の活用です。しっかりと媒体特性を理解した上で使いこなさないと効果は出せません。しかし、この活用方法も媒体によって異なってきます。そのため、把握するだけでも多大な時間と労力がかかります。
そして、候補者が受け取るスカウトメールの運用があります。今では求職者が受け取るスカウトメールの数は膨大になっています。その中でどうやって自社のスカウトメールを見てもらうのかが重要です。
「このポジションの求人だったら、この媒体で、こう活用・運用して、この文面で送ろう」といったPDCAを回していくことで、ようやく求めている効果に結びついてきます。
ポジション×媒体選定×媒体運用×スカウトメール運用、母集団形成においてはこの掛け算で考えていくことが大切です。
ー媒体によって求人データベースの構造や登録者も違っていますし、たしかに変数が多いですね。
中島さん:その変数をベストな状態に近づけていく、言い換えると勝ちパターンをどう発掘していくのか、これは本当に難しいです。
はじめて取り組むのであれば、まずは何か当たりをつけてから仮説検証に入るのが効率的だと思います。
最初から当たりを付けずに「とりあえず全部やってみよう」なると、莫大な予算や時間がかかってしまいます。当たりをつけた中でどこがベストなのかを検証していく。
ダイレクトリクルーティングの良さは、検証しながらすぐにPDCAをまわせる部分です。一方で、採用担当者がこれをやりきるのは、他の業務もある中で相当難しいことだと感じています。
そもそもダイレクトリクルーティング媒体の活用ノウハウが足りない、知識があってもやり切れる時間と労力がない。そんな現状があるのも理解しています。
だからこそ、我々の『PRO SCOUT』のようなスカウト業務代行サービスを頼っていただく声が増えているのだと感じています。
ーありがとうございます。ではここからは、媒体の選定・運用、スカウトメール運用など、それぞれ詳しくお伺いしていければと思います。
媒体のデータベース構造をとことん把握せよ
ーまずは、媒体選定に関して、どのようなプロセスで選定していけば良いのでしょうか?
中島さん:目的は、自分たちの採用したいポジションと媒体とのフィット感の確認です。そのために、まずはデータベースを見に行きます。デモ画面を触らせてもらえるのであれば、積極的に活用したほうが良いです。
その中で、アクティビティの高い候補者がどのぐらいいるのかを見てください。これが、スカウトメールの送信対象に関わってくる部分になります。
最低限見るべきなのは直近の媒体ログイン履歴です。最終ログイン1週間とかで条件を絞っても対象者が全然いないデータベースだったらやる意味がありません。
最近媒体に新規登録した候補者なのか、最近プロフィールを更新した候補者なのか、この辺りの候補者が多い媒体はとても良い媒体だと思われます。
一方で候補者の最終ログイン日も分からない媒体の優先順位は下げた方が良いかもしれません。実際に運用する際にも、アクティビティの高い候補者にフォーカスしてスカウトすることで高い返信率が期待できると思います。
ーアクティブな候補者がいるかどうかは重要なポイントですね。
中島さん:次に検索の方法です。媒体ごとに登録している候補者の入力項目は異なります。
ある媒体では、「経験職種が必須項目でどの候補者も登録しているが、他の媒体では任意となっている」こともあります。企業側のページでその経験職種を検索したところ、「経験職種の項目には入力していないが、自由記述の項目に対象の経験内容が記載されている」ことも珍しくありません。
つまり、媒体上には対象者がいるのに、媒体ごとに検索条件の仕組みを把握していないと見つけられない候補者も生まれてしまうのです。
「対象が全くいない」と思っていても、検索方法をチューニングするだけで一気に増えることはあります。媒体側としては、登録者数を増やすことがとても大切であるので、むやみやたらに入力項目を増やすことは避けたいはずです。
媒体側として、初期登録の離脱を防ぐためにできるだけ簡単に登録できるようにする流れは変わらないと思うので、利用する企業側もその観点を認識した上で使う必要があります。
私たちも媒体のカスタマーサクセスの方とやり取りすることがありますが、「PRO SCOUTさん、そこまで細かくやってるんですか」と言われたりするので、そのぐらい奥が深い領域だと思っています。
スカウトメールで着目すべきは「開封率」
ー次にスカウトメールの作成について、ポイントをお伺いできればと思います。
中島さん:ダイレクトリクルーティング=スカウト文面みたいな雰囲気があって、「返信率」が注目されがちですが、まず目を向けるのは「開封率」だと考えています。
よくスカウトはラブレターだと言われていて、たしかに想いの込もった文面は人の心を動かし、返信率も高まると思います。
ただ、現在のダイレクトリクルーティングの状況で言うと、1人当たり100通とか200通のメールがくるわけじゃないですか。ですので、スカウト文面を頑張ってカスタマイズしても、おそらくほとんどは見てもらえていないのが現状ではないでしょうか。開封すらされないと、せっかくの渾身の文章も力を発揮できません。
ですので、まずは開封率をどう高めるかが重要だと考えています。最初はスカウト文面ではなく、件名にフォーカスしてPDCAを回していくイメージです
これはあくまで一例ですが、「⚫⚫様の大手顧客向けの法人営業としてのご経験に興味あります」「現在の年収は保証します」「期間限定の求人です」みたいに、開封率を上げるために、まずは他社とは被らないような件名で興味をどうもってもらうかを考えていくのは重要です。
件名に限った話ではないですが、正解は存在し得ません。正解があるのであれば、どこの会社もその件名を使うはずで、ただ他社と被ってしまえばその件名は陳腐化して「不正解」になります。
中島さん:また、スカウト文面や求人票も見てもらえたとしてもまだ不十分で、「インターネット上の会社情報や採用情報」も整えにいく必要があります。
開封してもらって、返信するかしないかは、結果的にスカウト文面や求人票の内容だけでなくて、インターネット上にある情報を見に行きますよね。
会社のホームページ、口コミサイト、SNS。ネット上にはさまざまな情報があって、それを判断した上で最終的に返信していきます。
ですので、せっかく開封して興味を持ってもらえても、自社のホームページが情報不十分でイケていないと応募につながりません。
そのためにも、まずはとにかく一歩目としては開封されているかに着目することです。それを見て、スカウト本文をカスタマイズするかしないかを判断した方が良いと思います。
ーちなみに、一度スカウトを送っても開封しない方々が結構いらっしゃると思うのですが、再度送付したりするのでしょうか?それとも一度きりで追いかけはしないのでしょうか?
中島さん:再送というのは一つの方法だとは思います。ただ、再送スカウトの返信率はそこまで高くならないと思います。
また、スカウトメールの通数もお金がかかるものなので、どうしても会いたい方にだけ絞り、再送スカウトする度に訴求内容を変えたり、カスタマイズ内容を変えておこなうのが良いと思います。
「どうしても採用したいポジションだけど、ニッチなポジションで、リファラルでも限界だし人材紹介も推薦がこない、でもたまたまダイレクトの媒体にはいた」みたいな。
そうなったら、その人に振り向いてもらうために、あらゆる手を尽くしていくわけです。
とある上場した誰もが知るメガベンチャーのCTOの方は、7通目のスカウトメールでようやく返信があって、そこから入社につながっています。
逆にスカウト通数にお金がかかるのに効果が薄い施策だからこそ、他社もそこまで真似しないと思うので、それゆえに効果がでることもあると思います。採用も、ハイリスクハイリターンだなと思います。
ーすごい、そういう事例もあるのですね。たしかに何通もメールがくると本気度が伝わってきますね。
中島さん:これはレアケースだと思いますが、こういう事例もあるので、やはり何が勝ちパターンになるか把握するうえで、効果検証をまわしていくことが重要だと思っています。もはやマーケティング活動ですよね。
ーマーケティングの観点でいくと、スカウト文面のA/Bテストなどもされるのでしょうか?
中島さん:スカウト文面のABテストに関しては最終手段だと考えています。
最終手段といっているのは、文面よりも先に、対象のペルソナや件名のABテストを実施すべきだと思うからです。
実際、スカウト文面だけ変化させてABテストを実施してますが、大きな反応率の変化がないことが多いのです。
また、ABテストをするかどうかは打てるスカウト通数にもよります。年間通して採用し続けるポジションであれば、がんがんテストしてまわしていきます。それこそ、アプローチする候補者の年齢でわけてみたり、勤務地で分けて、件名を複数パターン準備してスカウトを打つケースはありますね。
たとえば福岡在住の求職者に対して、全国一律の求人を送っても「東京配属の可能性もあるよな」とか思われたりするので、その人たちには件名に「福岡勤務です」といった感じで、タイトルに勤務地を入れて分けていくやり方が効果あるのではと検証したこともあります。これは、結果的にかなり大きな効果が出た事例ですね。
一方で、1ポジション1名採用のようになってくると、1ポジションに送れるスカウト通数も限られるのでそこまで多くの検証できないので再現性のある結果を得るのは難しいですね。
ーそういうときは、どのようなアプローチになるのでしょうか。
中島さん:シンプルに、人材紹介、求人広告でうまくいった事例を先にヒアリングさせていただいて、その情報をもとにターゲットの要件定義をおこなったり、スカウト文面の打ち出し方を考えたり、そうやって当たりをつけて正解を導いていく感じですね。
ーなるほど。お話していただいたことを実施すれば返信率も高くなりそうですね。
中島さん:「はい!」と言いたいところですが、実際それは企業の知名度や採用ポジションの求人倍率や提示できる年収等、企業側がコントロール出来ない要素によって返信率は影響されてしまう部分も大きいと思っています。
「じゃあ今までの説明は何だったの?」という反応になってしまうかもしれませんが、返信率はコントロールすることがとても難しいものです。
極論かもしれませんが、競合企業がスカウト採用を積極化したことで返信率が下がってしまうことはよくありますが、だとしてもその競合企業に「スカウト採用を辞めてください」とは言えません。
そこで私は、コントロールしやすい「配信数」にも眼を向けるのも一つの手だと考えています。企業が求める面接母集団は、「配信数」×「返信率」で成り立っています。返信率が上がらないと認識しているのであれば、配信数を増やせば採用につながります。
「ダイレクトリクルーティング=返信率」に目が向きがちですが、「配信数」も意識し、採用決定を出すことがゴールであることは忘れてはいけません。
正式応募につなげるために、カジュアル面談で意識すべきこと
中島さん:あと採用って、スカウトを送って返信がきて終わりではなく、ここから面接をおこなって入社まで結びつけることが重要じゃないですか。
当たり前ですが、返信があって満足してはだめです。その後の選考フロー設計も重要な部分なので、お話できればと思います。
まず、ダイレクトリクルーティングの返信からの歩留まりですが、「4返信1決定」くらいを目指すのが良いと思います。
たとえば、あるSaaS企業様の事例を出すと、まさに4返信1決定のペースで大量にエンジニアを採用できています。
ーそこまで効率的に採用決定に結びつけることができるのですね。
中島さん:「ダイレクトリクルーティングは採用決定が生まれにくい手法」だと、結構勘違いされるんですよね。
ちなみに、人材紹介とダイレクトリクルーティングで、1名の採用決定の結びつけるために、どちらが多くの母集団形成を要すると思いますか。
ーダイレクトリクルーティングのほうが、母集団形成を多くしないと決まりにくい印象があります。
中島さん:これ、実は逆なんです。というか、むしろダイレクトリクルーティングは少ない母集団から決めきるという意思が重要だと考えています。
例えば人材紹介で20名の推薦がきて、書類選考して、そこからさらに絞って面接に入っていくと思うのですが、人材紹介で必要な母集団をダイレクトリクルーティングでも同様に必要な母集団を形成しようとすると、スカウト通数が多くなるし、そもそもそこまで返信がこない場合も多いです。
ですので、人材紹介と同様に捉えてはいけなくて、特に「候補者を比較したい」という気持ちを持ってはいけません。これは人材要件が明確になっていない企業様にありがちなことです。
自分たちで選んでスカウトを送っている人材のはずなのに、「比較したい」という邪念が邪魔して、母集団を集めるのに時間や工数がかかって結局決まらないというケースの企業様が多くいらっしゃいます。
そのため、ダイレクトリクルーティングの歩留まりは、3.4返信から1名決めるという流れにしたほうが良いと思います。
中島さん:あとは、カジュアル面談から正式応募につながらないケースも多いですね。
ーそれはどの辺に要因があるのでしょうか。
中島さん:まず論外なのは「志望動機ありますか」と聞いちゃう場合です。「いや、あなたがメール送って、会いたいっていったんでしょ?」みたいな。最近は、そういったケースは相当減ってきているとは思いますが…。
よくあるケースでいくと、会社の説明から入ってポジションの説明をして終了という、求人票を読み上げるだけのカジュアル面談です。
基本的に、「候補者に対して意向醸成して正式応募をもらうことが重要だ」という認識はしていて、志望動機は聞いてないけど、意向の上げ方が全くわかってないケース。これはすごく多いです。
まずは、候補者の求めているものを把握することが大切です。「何で今回のスカウトメールに興味を持ってくれたのか」「今の職場で何か課題に感じていることはあるか」と、最初にヒアリングをして、その上で「うちであれば、こういうことができます」と提案につなげていくイメージです。
また、実務的なところでいうと、面談した担当者は、その場で応募意思と面接日程を調整してしまうことが大事なポイントです。
ーその場で次回の面接をアテンドしちゃうということですか?
中島さん:はい。これは、求職者の方がその場では意向が上がったとしても、現職で忙しかったりすると時間が経つにつれて気持ちが冷めてしまって、自らアクションするのが億劫になって、正式応募に至らないケースが結構あるんです。
ですので、双方にとって温度感が高ければ、その場で日程調整して次につなげる仕組みを設けると良いと思います。
ここが徹底できているかどうかで、カジュアル面談からの応募率は変わります。
ちなみに、ちょっと強引かもしれませんが、カジュアル面談にでるメンバーには「正式応募を取る」ことをミッションにしたほうが良いです。
それをやると、「どのメンバーが求職者を口説ける面接官なのか」が見えてくるんです。
よくあるのが、面接官が「いやこの求職者は、ここがマッチしない感じがしたから特にプッシュしなかった」と発言をして逃げ道をつくるケースです。
そもそも、「候補者を口説く」という行為は難易度が高く、スカウトにおいては口説くことが重要なのにも関わらず、「あえて口説かなかった」という言い訳を絶対につくらしてはいけないと思っています。
ある企業様だと、面接官ごとに「カジュアル面談からの正式応募率ランキング」をウォッチして、順位を可視化していたりします。
次のアポが取れるかどうか。この辺りはもう営業と一緒ですよね(笑)。
ーダイレクトリクルーティングが過熱化する中で、御社のようなスカウト代行会社は増えてきそうですね。
中島さん:現時点でもかなり増えていると思います。
弊社が創業した時点ではダイレクトリクルーティングだけではなく採用全般支援するようなRPO(Recruitment Process Outsourcing)が多かったのですが、徐々にダイレクトリクルーティング特化型のRPOが増えている印象です。結果的に、企業側からするとどこにお願いするべきか迷ってしまう形になっていると思います。
弊社では、「採用決定数」をコンサルタントの重要KPIとして置いています。どれだけ返信が来ても、採用決定が生まれなければ本質的な価値を感じていただけないと思っています。
返信率が上がらないのであれば配信数にフォーカスをして支援する。面接通過率が上がらないのであれば、現場面接官に対してダイレクトリクルーティングにおける面接レクチャーをおこないます。
返信率を上げられるかどうかは運によるものが多いですが、ダイレクトリクルーティングのプロとして、媒体選定から採用決定までのプロセス全体を俯瞰して支援しています。
ダイレクトリクルーティングを通して「自分らしく働く」を広げたい
ーありがとうございます。最後に、人事の方に向けてメッセージをいただけますでしょうか。
中島さん:ここまで色々お話させていただきましたが、ダイレクトリクルーティング、リファラル採用、最近だとアルムナイ採用など、今は数多くの手法がある中で、何から始めたらいいのか、その優先順位に迷っている企業様も非常に多いのではないかと思っています。
優先順位をつけるためにもまず、自社がどのくらい採用力があるのか、健康診断が必要となります。そして採用の健康診断をするために、ダイレクトリクルーティングは向いていると思います。
ダイレクトリクルーティングは自分たちが欲しい人材からダイレクトにフィードバックがくるじゃないですか。反応がなかったのか、反応をもらえたのか、それはどんな反応だったのか。それで自分たちの立ち位置がわかってきます。
また、先程の「口説く」という話にもつながりますが、ダイレクトリクルーティングをやることで「口説く力」は磨かれると思います。
転職潜在層の方々を口説いて動かしていく必要があるので、そのオペレーションを設計して仕組み化して、転職意欲が低い求職者も口説けるようになっていく。
そうすると、人材紹介、求人広告など、他の採用チャネルでも口説く力のオペレーションが強化されていき、全社の採用力が向上していきます。
ですので、そういったトレーニングという意味でもすごく価値があるのがダイレクトリクルーティングかなと思っています。
中島さん:当社のミッションに『働く中に、自分らしさを』というものがあるのですが、私の中で「自分らしく働いてほしい」という想いが強くあります。
人生は仕事に使う時間が多くて、自分らしく働けるかどうかで人生が変わってくる。自分らしく働けるために何が必要かといえば、個人が自分の可能性を感じることがすごく大事な要素だと考えています。
スカウトメールの良いところって、そういう転職潜在層の方々にも、企業側から「どうですか?」と声をかけて、こちらからきっかけをつくれることだと思っています。
何かしらのもやもやを抱えている方の背中を押してあげるきっかけをつくれるし、あとはスカウト媒体に登録したときに自分がどのぐらいの市場価値なのか、ある程度可視化されたりするじゃないですか。「今の自分ってこんな市場価値なんだ」なみたいな。
たとえば、自分が大企業で縦割りの組織にずっといたりすると、自分の能力って活かせているのかな、成長しているかなって思うこともあるかもしれません。
それに対して、スカウトメールがくることによって、「自分の可能性はもっとあるのかもしれない」と、選択肢を広げることつながるかもしれません。
無駄に我慢し続けて自分を殺すのではなく、自分らしく個々が活き活きと働ける。そんな社会をつくっていきたいですね。
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