非接触、非対面の生活様式が浸透するなか、採用活動の現場ではインターネットを活用したWeb面接の導入が進んでいます。とはいえ、対面とWebでは、面接のために事前に準備するものも大きく異なります。
本記事では、採用担当者がWeb面接で事前に準備しておきたい6つのアイテムと、服装の注意点、Web面接をおこなううえで必要な環境条件について解説します。
目次
Web面接で事前に準備すべき6つのアイテムを解説
Web面接では対面面接とは準備するものが大きく異なります。したがって、以下6つのアイテムを揃えておけば、比較的スムーズに面接がおこなえるでしょう。
- PC
- Web面接用ツール
- 面接者の情報
- Webカメラ
- イヤホンマイク
- リングライト
当日までに必ず必要となるPCやWeb面接用ツールのほかに、動作環境を確認し、必要に応じてWebカメラ、イヤホンマイク、リングライトも準備しておきましょう。それぞれのアイテムの必要性や選び方について、詳しく解説します。
1. PC
Web面接はスマートフォンやタブレット端末でもおこなえますが、面接官はPCを用意するようにしましょう。PCは画面も大きく、応募者の表情まで確認できるほか、処理能力が高いため、当日もトラブルが起こりにくいです。
ノート型、デスクトップ型どちらでも問題ありません。移動が多いのであれば、ノートPCが便利です。当日、周囲の雑音が気になったときなども、すぐに場所を移動できます。
2. Web面接用ツール
Web面接に必要なツールを事前に準備しておきましょう。初めてWeb面接を導入する場合は、事前登録やアカウントの準備も必要です。Web面接ツールは料金設定、機能の充実度などがそれぞれ大きく異なります。ツール選びに迷った場合は、無料トライアルなどを利用したうえで検討するとよいでしょう。
3. 面接者の情報
エントリーシートや履歴書、職務経歴書など、応募者の情報がわかる資料も事前に準備しておきましょう。Webで提出された資料も、念のため印刷したものを用意することをおすすめします。万が一、面接当日ファイルが開けないなどのトラブルに見舞われても、対処しやすくなるでしょう。
なお、Web面接では応募者の表情や雰囲気が対面面接よりも伝わりづらいです。事前に履歴書の内容をしっかり把握しておきましょう。
4. Webカメラ
ノートPC内蔵のカメラは位置が高く、目線が下に落ちるため、応募者に威圧感を与える恐れがあります。可能であれば、角度を自由に変えられる、外付けタイプのWebカメラを使用するとよいでしょう。
カメラを選ぶ際は、画素数が200万画素程度、多方向に角度調整ができる有線タイプのものがおすすめです。また、セットアップの必要がないものなら、購入後すぐにカメラを使えます。
5. イヤホンマイク
Web面接ツールの動作環境を確認し、相手の声が聞き取りづらかったり、相手から声が届きづらいと指摘されたりしたら、イヤホンマイクを準備しましょう。なお、イヤホンマイクはノイズキャンセリング付きのものがおすすめです。周りの騒音を消すノイズキャンセリング機能によって、面接官の声が相手に届きやすくなります。
また、Bluetooth接続が必要な無線型より、直接PCにつなぐ有線型のほうが通信は安定しており、音声トラブルが起こりにくいです。Web面接でのイヤホンの選び方について、こちらの記事でも詳しく解説をしています。
6. リングライト
Web画面に映ると実際よりも顔色が暗く見えてしまいます。面接官の印象は企業の印象も左右するため、事前にリングライトも用意しておくとよいでしょう。PCの側にリングライトを置くことで、血色良く、健康な肌色に見せることができます。
また、リングライトは光の色あいによって、主に下記の3種類に分かれます。Web面接の照明では、自然な色合いの昼白色か、電球色のリングライトを選ぶとよいでしょう。
色合い | 説明 |
昼光色 | 3種類のなかで最も明るく青白い光 |
昼白色 | 太陽光に最も近く、自然な色合いの光 |
電球色 | 明度は低いが、オレンジ色で温かい色合いの光 |
Web面接の服装選び3つの重要ルール
面接官はスーツやビジネスカジュアルなど、勤務中と同じ服装で基本は問題ありません。ただし、下記のような柄や色は、画面越しでは映像が乱れる原因となる可能性があります。
- ボーダーの服
- 無地で白色の服
そのため、画面を通したときに、応募者にどのように見えるかを考慮したうえで、安心感や誠実さを与える服装を選ぶとよいでしょう。
ボーダー柄の服は画面が乱れる
ボーダーの服は画面を通して見ると、モアレ(干渉縞)という現象がおき、目がチカチカします。幅10cm以上など、幅広のボーダーシャツなら問題ありませんが、細い縦縞のワイシャツなどは、モアレが起きやすいです。面接当日は細いボーダー柄のシャツを選ばないように注意しましょう。
白色の服は画面との同化に注意
さわやかな印象からビジネスシーンで活躍する白色の服も、背景との同化に注意が必要です。服も背景も白色の場合、服との境界線がぼやけるハレーションという現象が起きることがあります。そのため、白のワイシャツなどを選ぶ際は、背景色を変える、ジャケットを羽織るなどの対策を施しましょう。
落ち着いた雰囲気の服装を選ぶ
面接官の服装は、派手すぎず、カジュアル過ぎない、落ち着いた雰囲気のものがおすすめです。スーツ、ビジネスカジュアル、落ち着いた色合いのポロシャツなど、無難なものを選ぶとよいでしょう。派手で奇抜な服装では応募者に威圧感を与えます。また、スウェットなどカジュアル過ぎる服装は不信感につながる恐れがあるため、避けるべきです。
Web面接に必要な4つの環境条件
Web面接は、ネット環境さえ整っていればどこでも実施できます。面接官も応募者も落ち着いて面接を進めるためには、下記のような環境が揃っている場所がおすすめです。
- インターネット回線が安定していること
- 周囲の雑音が入らないこと
- 余計なものが映らないこと
- 逆光にならないこと
応募者の立場に立って、適切な環境に整えましょう。
1. インターネット回線が安定していること
Web面接中、音声や映像が途切れないよう、インターネット回線が安定している環境を選びましょう。回線の安定性は、無線LANよりも有線LANのほうが高くなります。したがって、可能であれば有線接続ができる環境がおすすめです。
無線LANしか無い場合は、接続台数が多かったり、動画など大容量データのやりとりをしたりすると、通信速度が低下してしまいます。Web面接の際は、Web会議などと時間が重ならないように調整しましょう。
2. 周囲の雑音が入らないこと
Web面接では、社員同士の話し声や電話の音など、周囲の音がマイクに入る環境も避けましょう。面接官にとっては通常の仕事音でも、応募者にとっては、面接に集中できない原因となってしまいます。
3. 余計なものが映らないこと
社内情報や顧客の個人情報など、機密情報は絶対に映らないように注意しましょう。万が一、Web面接が原因で情報漏洩に発展すれば、企業の信頼失墜にもつながります。
また、人通りが多い場所や、ほかの社員のPC画面が映るような場所も、応募者が面接に集中できないため、好ましくありません。可能であれば面接官以外が映らない、面接用の個室を確保しましょう。
4. 逆光にならないこと
時間帯によっては、逆光に注意しましょう。窓際などで、背後から強い光が入ると、逆光で画面が見づらくなってしまいます。日中、窓際でWeb面接をする際はブラインドやカーテンを閉めておこないましょう。
また、照明が不十分であれば、リングライトをPCの側に置くことで、面接官の表情もしっかりと応募者に伝えることができます。
条件が満たせない場合はレンタルオフィスも検討しよう
Web面接をおこなう場合、会議室などを利用するのが理想的です。フロア内の一角をパーティションで区切るという方法もありますが、その場合、騒音には十分注意しましょう。
社内に適切な場所がないなら、レンタルオフィスなどを利用してもよいでしょう。ただし、社内以外の場所を使う際は事前の予約が必要なほか、動作確認テストを入念におこないましょう。
Web面接を順調に進めるには事前の準備が大切
Web面接では、通信や機材の問題など、対面面接では想像ができなかったトラブルも多く発生します。そのため、Web面接を順調に進めるためには、入念な事前準備が必要不可欠です。事前に必要となる道具の確認だけでなく、画面映りの良い服装や、Web面接に適した環境も当日に向けて準備しておきましょう。
採用活動は企業の将来を支える人材を確保する、大変重要な仕事です。事前準備を万全にし、満足のいくWeb面接にしましょう。