4大転職メディア編集長たちに聞く「イマの時代の採用戦略」と「これからの求人広告」#HR NOTE CONFERENCE2022 |HR NOTE

4大転職メディア編集長たちに聞く「イマの時代の採用戦略」と「これからの求人広告」#HR NOTE CONFERENCE2022 |HR NOTE

4大転職メディア編集長たちに聞く「イマの時代の採用戦略」と「これからの求人広告」#HR NOTE CONFERENCE2022

  • 採用
  • 中途採用手法

※本記事は、主催企業や登壇者/登壇企業に内容を確認のうえ、掲載しております。

人手不足が続き、採用手法が多様化する中でも、まだまだ王道の採用手法として欠かせない「求人広告」。採用トレンドが変化する過程で、求人広告の存在意義や活用方法も変化を続けています。

本記事では、2022年8月23日・24日に開催したHR NOTE CONFERENCE2022より、エン・ジャパン株式会社の齋藤氏、パーソルキャリア株式会社の大浦氏、株式会社マイナビの永井氏、株式会社リクルートの藤井氏、モデレーターとして株式会社フロッグの菊池氏が登壇したSession2-Cの内容をご紹介いたします。

大手求人広告の編集長が一同に集結し、イマの転職マーケットの状況、これからの人事に求められる採用スタンスや、求人広告を活用する際のポイントなどをディスカッションしました。

時代とともに変わる求人広告のあり方や付き合い方について掘り下げた内容をご紹介します。

齋藤 桂介|エン・ジャパン株式会社 『エン転職』編集長

デジタルプロダクト開発本部マネージャー。2012年エン・ジャパンに新卒で入社。デジタルプロダクト開発本部にて、求人情報サイト『エン転職』をはじめ、『engage』や会社口コミプラットフォーム『ライトハウス』など複数サービスのプロダクトマネジメントに従事。2020年に『エン転職』編集長に就任。現在はHRの知見を活かし、プロダクトマネージャーの育成や組織開発、組織マネジメントもおこなう。

大浦 征也|パーソルキャリア株式会社 執行役員/『doda』編集長

2002年、株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア)に入社。一貫して人材紹介事業に従事し、法人営業として企業の採用支援、人事コンサルティングなどを経験した後、キャリアアドバイザーに。担当領域は、メーカーやIT、メディカルやサービス業等多岐にわたり、これまでにキャリアカウンセリングや面接対策をおこなった転職希望者は10,000人を超える。その後、複数事業の営業本部長、マーケティング領域の総責任者、事業部長などを歴任。2017年より約3年間、doda編集長を務め、2019年10月には執行役員に。2022年7月、doda編集長に再就任。転職市場における、個人と企業の最新動向に精通しており、アスリートのセカンドキャリアの構築にも自ら携わる。社外では、公益財団法人スポーツヒューマンキャピタル(SHC)理事、一般社団法人日本人材紹介事業協会 理事にも名を連ねる。

永井 俊晃|株式会社マイナビ 『マイナビ転職』サイト運営部門 統括部長

2011年より、マイナビ転職のプロダクト開発に従事。キャリアを考える若手のためのコミュニティサービス「キャリQ」の運営など、転職活動前段階のユーザーに向けたサービス開発にも取り組む。

藤井 薫|株式会社リクルート HR統括編集長/『リクナビNEXT』編集長

1988年リクルート入社以来、人材事業のメディアプロデュースに従事。TECH B-ing編集長、Tech総研編集長、アントレ編集長、リクルートワークス研究所Works編集部、リクルート経営コンピタンス研究所を歴任。デジタルハリウッド大学客員教授、情報経営イノベーション専門職大学客員教授、千葉大学客員教員。厚生労働省・採用関連調査研究会の委員歴任。著書に『働く喜び 未来のかたち』(言視舎)。 日本の未来を“良い未来につなげる兆し”を発信中。

【モデレーター】菊池 健生|株式会社フロッグ 代表取締役/HRog編集長

2009年大阪府立大学工学部卒業、株式会社キャリアデザインセンターへ入社。転職メディア事業にて法人営業、営業企画、プロダクトマネジャー、編集長を経験し、新卒メディア事業のマーケティングを経て、退職。2017年、ゴーリストへジョイン。2019年取締役就任。人材業界の一歩先を照らすメディア「HRog」の編集長を務める。2021年より株式会社フロッグ代表取締役に就任。

[セッション内容をまとめたスケッチノート]

1. 登壇者自己紹介

本日モデレーターを務めさせていただく、株式会社フロッグの菊池と申します。

今回は、転職市場を牽引する4大転職メディアの編集長にお集まりいただき、「イマの時代の採用戦略」と「これからの求人広告」というテーマでディスカッションをおこないます。

始めに、皆さんから自己紹介をお願いできますでしょうか。

エン・ジャパン株式会社の齊藤です。私は、エン転職のプロダクトマネージャーとしてプロダクトの企画開発や、サイトのグロースを担当しています。

この10年間の転職市場でどのような変化が起きてきたのか、求職者視点でお話できればと思います。

パーソルキャリア株式会社にて、doda編集長を務める大浦と申します。転職メディア編集長のあるある話になりますが、私は約20年もdodaの転職事業に関わってきましたが、実は今まで一度も転職をしていません。

現在はdoda編集長の肩書きを持ちながら、エージェント事業を兼務し、個人ではスポーツ選手のキャリア支援にも携わっています。本日はよろしくお願いします。

株式会社マイナビの永井です。普段はマイナビ転職のプロダクト開発に加え、若手キャリアのコミュニティサービス「キャリQ」を運営しています。

今日は、求職者が転職する前にどんな考えを持ち、動きをとっているかなどお伝えできればと思います。

株式会社リクルートでリクナビNEXTの編集長を務める藤井です。大浦さんと同じく、私も新卒から一度も転職せずに転職事業に携わってきました。

近年、社員領域の転職や派遣、アルバイトなど幅広い領域において「はたらく」が変化していると実感しています。今日はこの変化について、皆さんにお伝えできたらと思います。

2. 3~5年前と比較して昨今の採用環境は変化しているか?

では、一つ目のテーマを進めていきたいと思います。

「昨今の採用環境は変化しているか」という問いに対して、各社何かしらの変化を感じていると思います。採用市況が具体的に何がどう変化しているのか、それぞれ感じていることをお話いただけますか?

「新しい働き方」に対応しなければ採用できない

私は、ユーザーの「求める働き方」が特に変わってきたと感じています。やはり、リモートワーク・在宅勤務の広がりが顕著であり、この新しい働き方に対応できるか否かで、採用力の差が生まれています。

弊社サイトの検索キーワードの推移を見ると、2019年ごろから「リモート」「在宅」の検索数が増加し、直近2022年には「フルリモート」「完全在宅」のキーワード検索数が増えました。

つまり、ユーザーから見ると「リモートで働けることは既に当たり前」で、次のフェーズとして「1日も出社せずフルリモート」「完全在宅で働ける」といった環境が求められるようになってきています。

他にも、在宅手当の支給などの踏み込んだ支援をおこなっていることも、求人応募の後押しになっているようです。

ユーザーのニーズ変化により、企業が提供すべき働く環境、各企業がおこなう採用ブランディングへの取り組み方も変化していると思います。

ここ数年で一番変わったのは、採用の「定義」だと思います。

齋藤さんがおっしゃったように、リモートワークの推奨により働き方が変化しました。オフィス出社が不要となり、満員電車に揺られて会社に通う行為そのものや、名刺交換といった動作が不要となりました。

出社をせず、物理的に名刺交換もしない生活になる中で、「そもそも会社に所属して働くとはどういう意味があるのか」と考える人も増えたはずです。つまり、人々のなかで「働く定義」が変化していると感じます。

また、働くことの定義について考え直す人が増えた結果、転職や副業が身近なものになってきたと思います。例年、新卒が入社する4月に転職サイトへの登録者数も著しく伸びる傾向にあり、転職は極めて日常的なものになったのです。

転職市場が活性化すれば、企業も採用の定義を考え直し、変えていかなくてはならないでしょう。

採用活動自体も「オンライン化」が急速に進行

皆さんがおっしゃる通り、働き方がオンライン化したという見方もありますが、転職活動(採用活動)自体がオンライン化したのも大きな変化だと思います。

選考がオンライン化すれば、転職活動の負担を軽減できるため求職者にメリットがあります。

企業が採用活動のオンライン化に対応できるかどうかは、採用ブランディングにまで影響していると感じています。

「求職者の求めるものの変化にあわせて、企業も変わる必要がある」ということですね。つまり、今変わることのできない企業は取り残されてしまうと。

企業から求職者へ「主権の移動」が起こっている

コロナ以前から少しずつ、企業が人を採用するのではなく、働く個人が企業を選ぶ時代に変化しています。働く個人が自分自身で、「働き方、働く場所、生き方そのもの」を考え、選ぶようになりました。

週5日、フルタイム出社というルールは、そもそも企業が主導権を持ち決めていたことです。しかしフルリモートで働ける今の時代、人々は「ずっと東京で働くべきなのか」「週5日働くべきか」と、根本的な部分含めて考え直すようになったのです。

リクナビNEXTに掲載いただいた、とある中堅企業にてフルリモート勤務を取り入れたところ、1,000名以上の応募を集めた事例があります。今まで母集団形成に苦しんでいた中堅・地方企業でも、求職者が求める新しい働き方を提示できれば、この事例のように求心力を持つことができます。

つまり、これからは求職者が求める要素を見極め、採用戦略を練らなくてはなりません。

採用の字が表すように「採って用いる」という、企業が主権を握るような採用スタンスは今後通用しないと思います。採用という言葉の定義も問い直されているのではないでしょうか。

3. 今の時代の採用担当者に求められる要素とは?

続いて、2つ目のテーマ『イマの時代の採用担当者に求められる要素』について伺っていきましょう。

企業として「人材の見極めスキル」を標準化する必要ががある

採用担当者に求められる要素はたくさんあると思いますが、私は「人材の見極め力」を挙げたいと思います。

売り手市場が続き、集客やオンボーディングに苦戦している企業は多いですが、特にオンライン選考では人材の見極めに苦戦している企業が多いと聞いています。

弊社が実施した企業調査においても、「オンライン面接では人物像の把握が難しい」という声が多く聞かれました。

これに関しては、採用担当者が属人的に見極めスキルを高めていく必要があるというよりは、会社としてどのようにオンライン選考を仕組み化し、見極めスキルを標準化していくことができるかが重要だと考えています。

オンライン面接は、メリットも多くあります。

オフィスへの移動がなく、求職者の負担が減る点はもちろんですが、録画など面接シーンのデータ化により、今までブラックボックス化していた選考活動の改善が期待できます。

ツールや技術の進化はこれからですが、面接をデータ化して分析・改善が進めば、企業の選考力の標準化も進んでいくと思います。

採用データを用いる「マーケティングスキル」が重要

私は、「マーケティング」を挙げさせていただきます。今回、ご紹介するマーケティングには、次の3つの意味を込めています。

採用担当者に求められる3つのマーケティングスキル
  • 「わかる・知る」
  • 「考察する」
  • 「知って、考察したことを基にアクションに起こす」

1つ目は、「わかる・知る」ことです。自社のことを徹底的によく知ること、そして転職マーケットを深く知っていることが求められます。

2つ目は、知ったことを「考察する」こと。つまり、データ分析のスキルが必要です。

最近では、求職者の歩留まりやコンバージョン、面接官との相性など、さまざまなデータが取得できます。採用担当者には、自社に関する情報や転職マーケットを理解した上で、そのデータを自分なりに考察する力が求められます。

そして3つ目は「アクションを起こす」ことです。世の中と自社を深く知り、分析すれば、何かしらやるべきことが見えてくるはずです。

たとえば、面接官の面接スキルを高める必要があったり、時には採用活動を中断して事業変革に取り組まなくてはならなかったりするかもしれません。

自社やマーケットの状況、各種データから見えた課題に対して、何かしら行動に起こしていく力が求められていると思います。

採用はビジョン実現や経営戦略における一つの手段ですから、これからの採用担当者は、経営のど真ん中で考え、行動していく力が必須だと思います。

企業のリアルな姿を伝える「情報発信力」

これからの採用活動では、良い面も悪い面も含めて、飾らないありのままの自社の姿を発信する必要もあると思います。情報を発信する際は、採用ブログやSNSだけでなく、選考途中における現場社員との面談なども含めて取り組むと良いでしょう。

若い世代の方は、採用広報の情報を全て信じるとは限りません。クチコミ、SNSなどネット検索をして、複数の情報の中から自分に合うかどうか見極めるのが一般的です。

そのため、採用担当者には、面接を重ねるたびに自社を好きになってもらえるような情報を発信する力が必要です。求人広告を出して応募を待つだけではなく、さまざまなツールを使いこなして情報発信力を高めていく、情報をコーディネートしていくスキルが重要だと思います。

求職者に対して、企業の悪い面を発信することに抵抗を感じる方も多いのではないでしょうか?

たしかに、悪い情報を発信することをネガティブに捉える企業もいます。しかし、求職者は「どの企業にもネガティブな要素があるものだ」と分かっているはずです。

悪い面を隠して人を集めるよりは、ありのままの姿をオープンにした状態で応募を募った方がミスマッチも防ぎやすいです。求職者も、大変なことを分かったうえで、その企業が自分に合っているかどうか判断しています。

入社後に悪い面がバレて早期離職につながるよりは、先に情報開示をおこなう方が良いのですね。

「タテ(経営⇔現場)」と「ヨコ(仕事⇔暮らし)」を結びつける力が求められている

採用担当者の皆さんから、「経営者が採用に協力してくれない」という苦言を聞くことがよくあります。また、せっかく採用しても、入社後に現場がオンボーディングに協力してくれず温度差を感じるという悩みも多いです。

なので、採用担当者には、まず「経営」と「現場」というタテのラインを結びつける力が必要です。人的資本経営では「経営戦略」と「人事戦略」をつなぐことが求められますが、加えて、採用した人材が入社後に力を発揮するまで支援することも採用担当者に求められています。

採用担当の「担当」という字にある通り、経営陣や現場を一緒に採用現場に「担ぎ出す」意識が重要なのです。

また、働き手の生き方の伴走者として、人々の暮らしと仕事を「ヨコ」に結ぶ力も必要です。

人々は自分が働いている平日5日間、朝9時~夜5時までの時間だけを人生だと思っていません。仕事以外の時間で、家族とどう過ごすのか、プライベートの学びの時間をどのように充実させるかなど、それぞれが暮らしと仕事をどう結びつけるかに悩んでいます。

暮らしと仕事をうまく結び付けたいにも関わらず、企業主体で転勤や異動を命じてしまうと、各自が描いていた暮らしやキャリアプランが壊れてしまうことになります。

採用担当者は、働き手の描く暮らしと仕事の結びつきを理解し、支援していく必要があるのです。この「タテ」と「ヨコ」を意識して、採用の仕事に取り組むべきだと考えています。

4. これからの求人広告を活用する際に重要なポイントとは

ここまで採用マーケットや求職者の動きなどを整理してきました。次の質問では「これからの求人広告」の未来について、ディスカッションを進めたいと思います。

求職者に「正直詳細な情報」を届ける必要がある

私は、これからはより「正直詳細な情報開示」が大事になると考えています。

直近10年の変化を見ると、今のユーザーは求人広告だけでなく、SNSやYouTube、クチコミサイトを見て情報収集をしていることがわかります。情報収集に慣れているデジタルネイティブのユーザーからすると、「この求人は何かを隠しているな」と見透かされてしまうものです。

また、今の若者は情報の真偽を見極める力が高いので、スカウト内容がテンプレであればすぐ気付きます。また、企業の魅力ばかり押し出した求人を見れば懐疑的になるでしょう。

企業として抱えている課題を発信しなければならない場面でも、課題解決のために取り組んでいることとセットであれば、ポジティブに受け取ってもらえる傾向にあります。ネガティブな情報も含めて、正直に詳細な情報開示をおこないながら、求人広告を活用していただきたいです。

「LOVE度」と「ちょっとしたお化粧」がポイント

「企業の良いところばかり書いてはいけない」という意見もありますが、求人広告においては、私は少しくらいのお化粧をして発信するのは良いと考えています。

化粧とは、企業が嘘をつくことではなく、企業の「想い」を乗せて発信するという意味です。求職者に魅力的に伝わるように、想いを乗せて発信することは、求人広告メディアの一つの活用法だと思います。

また、求人広告では「LOVE度」を掘り下げて発信することも大切です。私は求人作成で企業に取材する際に、必ず「この会社の何が好きですか」と徹底的にLOVE度を聞き出すようにしています。

求人広告の中で企業の全てを伝えるのは難しいため、企業の愛をしっかり乗せて、情報発信するスタンスが重要ではないでしょうか。

もちろん、今の求職者は情報感度が高く、どんなにお化粧をして求人広告に載せても、見透かされてしまうかもしれません。

それでも、広告は「人の心を動かす」ことが役割の一つです。多少大げさでも、求職者の共感を呼ぶほうが大事だと思っています。

「クチコミには●●と書かれていたけど、求人広告を見て企業のビジョンに共感できたし、一緒に働いてみたいな」と思ってもらえるかどうかが肝心です。

人々の心を動かすために、自社の好きなところをしっかり引き出して書いてあげること、その意味でお化粧をして素敵に伝えることがポイントだと思います。

求人広告会社の持つ「採用ノウハウ」を効果的に活用すべき

私は、求人広告会社の持っている採用データや採用ノウハウを積極的に活用して欲しいと考えています。

自社の魅力に、自分たちは案外気付くことができないものです。大浦さんがおっしゃったように、取材現場で自社の好きなところを掘り下げる中で、魅力を見つけてもらうことも大事だと思います。

もちろん、求人広告自体にも多様なプランがありますし、求人広告以外の様々な採用ツールも存在します。ぜひ各社が提供する採用ノウハウを活用し、頼っていただきたいですね。

求人広告以外の採用ポイントについてもアドバイスいただけるのは心強いですね。

弊社では、企業の採用担当者向けにウェビナーを実施していますが、ウェビナーに参加いただいた採用担当者同士でコミュニケーションを取られているケースもあります。

弊社をハブにしていただき、社外とのつながりを増やし、採用ノウハウを蓄積するのも一つの手法だと思います。

求人広告は「結んで開いて物語る」

まずは、「結ぶ」ということ。採用担当者が一人で求人広告の活用に取り組むのではなく、経営者の言葉を借りながら企業が目指す方向を社員に示すことが大切です。また、現場の社員がどんな思いで働いているかも、求人広告のなかで結んでいかねばなりません。

そして、もう一つ、「開く」ということ。自社が目指していることだけでなく、課題に感じている点も含めて広く情報開示していくことが大切です。

弊社で運営している『サンカク』が運営している「ふるさと副業」という副業支援サービスにて、伝統のある老舗企業が情報発信をおこない、V字回復したエピソードがあります。

その老舗企業はコロナ禍で売上が下がり非常に悩んでいましたが、歴史ある事業を次世代に紡いでいくために、自社の課題を発信し、新規事業であるECサイト運営に携わる副業人材を募った結果、全国から優秀な人材を集めることができました。

この事例のように、自社が困っていることを素直に打ち明け、開いていく力がとても大事になります。

私は、「求人広告は人生広告だ」と教えられ、約30年間この業界で働いてきました。「なぜ私たちがここにいるのか」「なぜ僕らは今この事業を続けていきたいか」など、その想いを開いて発信していけば、求人広告の持つ力が最大限に発揮されると思います。

    5. 視聴者からの質問

    Q1. 採用手法の多様化や労働人口減少により「求人広告だけでは母集団形成ができない」と考える経営者も多いです。今後、求人広告はどのような存在意義を持つようになるでしょうか?

    求人広告は、外部に向けた情報発信だけでなく、企業のインナーコミュニケーションを活性化する役割もあります。求人広告を制作する際に、自分たちは何者なのか、自社の強みや人材観などを言語化して、自分たちを見つめ直すきっかけにしていただきたいです。

    経営が忙しいと、立ち止まって自分たちのことを言語化する機会はなかなか作りにくいものです。自分たちの本当の強みは何なのか、どういう人が自分たちにとって本当に大事な仲間なのかをクリアにして、社内向けに発信していけばインナーブランディングを強化できるでしょう。

    求人広告を通して、社員が自社について同じ目線、言葉で語れるようになると、「この会社はどの社員から話を聞いても、同じ言葉で自社の強みや人材観を語っている」と見てもらえるようになります。

    Q2. 建設業などのように、そもそもリモートワークが選択肢にない業界の企業も多いと思います。そのような企業はどのように戦えば良いでしょうか?

    本日は「リモートワークが求められている」といった話を多くお伝えしましたが、もちろん必ずしも全員がリモートワークを希望しているわけではありません。対面でお客様と向き合って仕事したい方もいますし、ご質問にあった建築業では、当然リモートワークは難しいわけです。

    大切なことは、自社がターゲティングすべき相手をきちんと見極めることだと思います。自社では、どのような働き方を通して、どういった価値を発揮できるかを考え、求人広告の打ち出し方を練っていくことが重要です。

    自分たちが狙ったセグメントの人材に対して、適切なバリューを提示することができれば、集客は可能だと思います。

    全く同じ意見です。

    建築業は、未経験の人材を呼び込むよりも、スキルや経験のある限られた母集団から集めていく力が必要になると思います。

    リモートワークを導入するよりも、自社のターゲットから魅力を感じてもらえるように、待遇や条件面を見直していくことが重要だと思います。

    6. 視聴者へのメッセージ

    最後に、皆さんから一言ずついただいて、締めに入りたいと思います。

    現在、採用手法は多様化しており、採用そのものの捉え方も変化しています。単に人を採ることだけが採用ではなく、入社後フォローや人事評価なども含めて、採用活動であると考えています。

    今日、ご視聴いただいた採用担当者の皆さんは、日々やるべき業務が多く、悩むことも多いと思います。自社で悩みを抱え込まず、私たち求人メディアや人材業界に携わる人たちを、ぜひ頼っていただきたいと思います。

    「今後、求人メディアは必要か?」という鋭い意見もいただきましたが、時代がこれだけ変わっても、やはり求人広告は必要だと思っています。

    個人的な意見ではありますが、今後は各求人メディアをより特徴的なサービス色に変えていくのも良いかもしれません。

    「●●のテーマにあった人材募集なら○○」というように特徴付けることで、求人広告の必要性を、より感じていただけるのではないかと考えています。

    あるいは、採用や転職が日常生活へ溶け込む流れになってきたので、求人広告をオウンドメディアのように利用してもらうケースも良いかもしれません。時代の変化に合わせて、我々の商品の在り方やサービスそのものをブラッシュアップしていきたいと思っています。

    皆さんとディスカッションしたことで、各求人メディアがどのように色を出していくべきか、考え直すきっかけになり、大変勉強になりました。

    企業と求職者のマッチング精度を高めるためには、「自分は何をしたいのか、何が大事か」と、求職者が自分自身を見極めていく際の支援も必要だと思います。そういった支援を続けながら、より良い求人市場を作っていきたいです。

    今回、ご視聴いただいている採用担当者の皆さんは日々苦労されていると思いますが、もっと良い働く世界をこれからも一緒に作っていきたいです。

    日本の働く個人は世界各国に比べると、「毎日仕事がつまらない」「没頭できていない」「自分の才能が活かされていない」と感じているというデータがあります。転職をきっかけに、人と企業がより良い結びつきを持っていけるような支援をしていきたいです。

    また、「結ぶ」という漢字以外にも「生すぶ(むすぶ)」という表記方法があります。この「生すぶ」にあるように、転職・採用をして企業と求職者が結ばれた先に、新しいものが「生まれる」ことを、私たちは期待しています。

    採用を通して新しい企業が生まれ、求職者は新しい企業で新しい人生へと生まれ変わります。求人メディアは単なるマッチングサービスではなく、マッチングした後に何を生みだせるのかが問われているでしょう。

    「結ぶ」から「生すぶ」に向けて、挑んでいきたいと思います。

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