先日、株式会社プレシャスパートナーズがコロナ禍の就職活動を経験した21卒の学生と共に、22卒の就職活動生に向けのウェビナーを開催。
テーマは「教えて21卒!コロナ就活の勝ち抜き方」。今回は、その様子をレポートとしてご紹介します。
コロナ禍で就職活動を経験した21卒の学生の中から、大手・中小・ベンチャーに内定承諾をして就活を終えた21卒生の本音を聞きました。
【モデレーター紹介】矢野 雅|株式会社プレシャスパートナーズ 取締役 兼 CSO
就活は何から始めた?3年の秋にやっていたことを聞く
本日はよろしくお願いします。皆さんはいつから就活を始めましたか?
佐藤さん:就活の準備として自己分析とかを始めたのが3年生春になります。大学のキャリアセンターで自己分析から始めました。そして3年生夏になり初めてインターンに参加しました。
田中さん:私は6月のサマーインターンのエントリーが最初ですね。
ただそのあとにエントリーをした企業は全部落ちてしまったので、夏休みは意気消沈してしまい…。もう一度やり始めたのは9月くらいなので、9月スタートという感じですね。
石原さん:私も6月くらいから合説にとりあえず行きはじめ、その時期から就活について考え始めました。
ただ大手の短期インターンに多く行っていて、ちょっと違うなって思い…少し休んで9月からちゃんと始めました。
有村さん:私は、ブライダル系の長期インターンを3年の春からおこなっていました。ただ、本格的に自己分析を始めたのは、皆さんより遅い2月になります。就活の解禁ギリギリでしたね。
なるほど。活動時期は皆さんバラバラですが、総じて3年生の段階で何かしら始めていたっていう感じですね。ちなみに3年の秋頃は何をやっていましたか?
有村さん:私は、先ほど申し上げた、長期インターンのブライダルで働いていました。
本採用の就活情報が解禁前だったので、ブライダルのお仕事を常にずっと頑張っているっていう状態で、「自分の内定に繋がる就活」は特に何もしていなかったです。
田中さん:この時期はとにかく自己分析をしていましたね。
当時知り合った人材系の方がとてもいい人で、その人と一緒に働きたいなと思ってインターンに申し込みました。その人からノウハウを聞き出してずっと自己分析を続けていた感じです。
石原さん:私は12月くらいから結構面接を受けていたので、この時期は説明会に行くのとオープンESを書くために自己分析の2本柱でやっていました。
佐藤さん:自己分析をやりつつ、夏から秋にかけて人材業界ベンチャー2社のインターンに行っていました。
ただ、その2社の最初のインターンはあまり印象がよくなくて…。「インターンってこんな感じなのか」っていう気持ちが刷り込まれてしまって、2社で止まってしまったっていうのが当時の現状でした。
みなさんは長期インターンシップをどのくらいの期間していましたか?また、3年生の秋冬の時期からの参加では遅いものでしょうか?
有村さん:私は、3年の春の4月から1年間です。ただ、3年生の後半からでも全然遅くないと思います。
業界を学ぶのはもちろんですが、私の場合インターンシップをガクチカに使いました。今から始めても十分、自己PRやガクチカで使えると思います。
田中さん:私は合計3社くらい長期インターンに行っていましたが、3年の9月から始めたインターンもあったので、いつから始めてもいいかなという風に思います。
何を学びたいか、どういうスキルを身につけたいかをあらかじめ絞り、そのためにこのインターンやるというモチベーションで行った方が、短い時間でも実りのある時間になるのではないかなと思います。
何社受けて何社内定につながったのか?
では次の質問です。何社受けて何社内定をもらいましたか。合わせていつ内定が出て承諾したのかも教えてください。
有村さん:全部で57社くらいは受け、内定出たのは3社です。最初の内定が出たのは5月の半ばだったと思います。内定承諾をしたのは、6月2日です。
田中さん:正直な話、きちんと数えてはないのですが…記憶だと30社~40社くらいだと思います。内定を貰ったのは4社で、1番最初に出たのは5月末、承諾は6月半ばです。
石原さん:私も数えるのを途中でやめたのですが、10社前後ですね。内定貰ったのは5月半ばに1社。そこを6月初めに承諾しました。
佐藤さん:僕は13社で、その中で3社内定をいただきました。1番最初に出たのが5月16日で、6月初めに承諾しました。
ありがとうございます。やはり3月から始めて4月に終わるほどの簡単なものではないと頭に入れてもらった方が良いですね。
就活で落ち込んだときのモチベーションの保ち方はどうしていた?
次の質問はすごく抽象的なのですが、就職活動は心が折れる瞬間ってたくさんあると思います。それはどういうときで、どうやってモチベーション保ちましたか?
佐藤さん:自分では完璧な準備をしていたと思っていたのに不採用だったときですね。結構落ち込みました。
ただ、自分の強みを絶対忘れず、ここだけは絶対に負けないっていうことを言い聞かせて自分のモチベーションを保っていました。
田中さん:私はなかなか内定が出ないときにやはり焦りました。モチベーションは、私は主に2点意識していました。
1点目は、内定数とか内定時期の早さではなく、納得できるまでやろうと思うこと。2点目は、自分1人で抱え込まないということですね。
友達やすでに就活を終えている先輩に相談をしていました。面接でどこが悪かったのかを知りたかったので直接面接官の人にメールもしたこともあります。
そういったことで次に進むための何かの行動を起こすようにして、自分の中では抱え込まないようにしていたかなと思います。
石原さん:私は、集中的に面接受けて全部落ちて、痛いところ突かれたときが辛かったです。その際は、色々な人と話してため込まないようにしていました。
例えば、セミナーとか就活イベントに時間があれば参加をして就活生と交流したり、就活が終わった学生さんのセミナーに参加して話を聞いたり。あとは面談で、人事の方と話したりしました。
有村さん:私は、友人が次々と内定をもらっていくなか私だけ内定がもらえていないときが一番キツイと思いました。
その際は、過去の自分の頑張りを振り返るっていうのを大事にしていました。
今まで頑張った大学受験、留学、インターンなど、今までやってきたことが諦めたら無駄になってしまうと自分を奮い立たせて頑張っていましたね。
4人とも自己分析ができているせいか、自分がどういう風に鬱憤晴らせるかっていうのが明確だったと思います。人と話すとか、自分で鼓舞した方が頑張れるとか…。
そういうところも自己分析からヒントが出てくるものですよね。
自己分析との向き合い方
話しの続きで、自己分析の深堀はどのようなことをどのくらいやっていましたか?
石原さん:私はそれに答えはないと思いますが、辞めないことが大切だと思います。就活が終わるまでひたすらやり続けることだと思います。
有村さん:私は時間がなく、効率重視だったのでオススメの2つの方法を紹介したいと思います。
1つ目は自分のモチベーショングラフを書くことです。自分史を完成させなくてもある程度のことは分かります。
2つ目に自分が思う長所と短所と、自分の周りの人が思う長所と短所を書き出してみることです。これはモチベーショングラフの裏付けになり面接でよく聞かれるので、直結して面接の答えになります。
ありがとうございます。その自己分析を進めていく上で、自信がなくなってしまうこともあると思いますが、そういうときはどうしていましたか?
石原さん:私も自信がなくて、その自信のなさが面接に出てしまうタイプなのですけど、自分が大切にしている軸や意識していることがあると思うので、そういう部分を自分のプラスにしていました。
自分1人で考えるとマイナスな方向に向かってしまうので、人に話し、違う角度からの視点を貰っていました。
気分が落ちているときって、どんなことでも褒めてもらえたり、認められたりしたら嬉しいので。そういうのを糧にしていました。
コロナで企業選びの軸って変わった?企業の選び方は?
21卒生は新型コロナウイルスの影響で非常に大変な就活だったと思いますが、コロナの影響で軸や企業選びなど、変わったことはありましたか?
有村さん:私はもともと化粧品メーカーを第一志望に挙げていたのですが、コロナの影響でインバウンドの急激な減少、マスクをすることによって国内でも化粧品の需要が減り急速に売上が落ちているニュースを見て、絶対に需要が減らない食品に完全に移行しました。
あと、1番好きなものよりも2番目に好きなものを仕事にした方が趣味を嫌いになることはない、とコロナで価値観が変わりました。
石原さん:私はコロナの影響では一切ないですが、強いて言えば、対面で面接していたのがオンラインになったことくらいでしたね。
田中さん:私も企業選びの軸などに変化はなかったですね。もともと医療業界を志望していたので、コロナの影響でむしろこれはもうやるしかないなって思いました。
佐藤さん:僕はもともとペット業界を志望していたのですが、ペット業界の企業は選考などオンラインに全く切り替えられなくて…。
逆に人材業界はすぐにオンラインに切り替えることができている企業が多く、そこの対応力の差を感じ、コロナ禍の対応力が志望業界を変えるきっかけになりました。
ちなみに、ホワイト企業かブラック企業か、みたいな見分け方はありますか?
田中さん:面接官の方やメールの対応が親切かどうかを見ていました。
今は、就職活動のレビューが色々なサイトに出るじゃないですか。圧迫面接・対応が悪い等、書かれてしまったらそれだけで企業の評判が落ちるかもしれないのにも関わらず、それでも続けている企業は結構やばいと思っていて。
学生を大切にしていないということは、これから社員になる学生を大切にしていない、お客さんになるかもしれない人を大切にしていないってことにもなると思うので…。
オンライン面接で工夫したことはなにか?
オンライン面接で工夫をしていた人はいますか?
有村さん:Wi-Fi環境・機材を整えました。
面接ってただでさえすごく緊張するので、機材やWi-Fiをきちんと準備しておかないと新たな不安が生まれてきてしまうので…。そういったところはきちんとした方がいいかなと思います。
田中さん:オンラインでは、画面内をとにかくきれいに整えることを意識していました。
そのために模様替えもし、部屋を掃除していたり、部屋が暗いと印象が悪くなるので照明をつけたり。
顔の表情とかが伝わらないのは本当にもったいないと思い、どれがベストなのかを色々研究して挑んでいました。
石原さん:私もライトとパソコンの高さを意識しました。高さは、ノートパソコンの下に4・5冊雑誌を置いて目線の高さが合うようにしていましたね。
就活でやってよかったこと、やっておいた方がよかったこと
やっておいて良かったなとか、これやっておいた方がいいよっていうことを教えてください。自分なりのコツ、自分が得た就活テクニックなど、後輩にぜひ授けたいっていうことを1つずつお願いします。
佐藤さん:“なぜ”の追及です。例えば、僕の場合は野球をずっとやっていて、野球の辛かったことや嬉しかったことを追求し続けて、なぜ野球始めたのだろうっていうところまで追求することができました。
その際に新しい心情が見えたりします。
石原さん:私は2冊のノートを作りました。企業用ノートと自己分析ノートです。企業用ノートには、説明会の予習をしていました。
予習をしておくと説明会の時に社員の方が話している言葉を書けるので、新しいことにフォーカスして深い企業理解ができます。
説明会が終わったあとに振り返りをし、また面接を受ける前に内容を思い出すことができるので、すごくおすすめです。
有村さん:私はまず、早めに就活に取り組むべきだったと思います。何も分からないまま3月の解禁になってしまったので…。
就活のコツとしては、面接の際に“自分にあだ名をつけてもらえるように”というのを心がけていました。
例えば私の場合、他己分析で発見した長所が「明るさ」や「元気さ」だったので、面接の時は必ず、面接官が画面に移った瞬間に「おはようございます!」と誰よりも大きい声であいさつをしました。面接中も常に笑顔でいました。
そうすることで、何社かの企業の面接官の方に、この前明るかった子だよね、元気だった子だよねっていう風に覚えてもらうことができました。
印象強く残すためにも、何か自分の強みになることを前面に押し出すといいと思います。
田中さん:私は、自己分析とESを他人に見せるということですね。ESって他人に伝わらないと意味がない。
自分ひとりだけでやっていると絶対伝わりにくい部分は出てきてしまうので、特に社会人の方に見てもらっていました。
そこで色々アドバイスをもらってブラッシュアップをしていましたね。
皆さんは、就活に仲間って必要だと思いますか??
田中さん:私は就活中にできた仲間はいないです。それよりも社会人に会って話聞く方がためになるなと思っていたので、いわゆる就活仲間みたいなのは作ってなかったですね。
有村さん:私は、本当に仲の良い親友とずっと一緒にやっていたのですけど、相手が決まっても心から祝福できる人と一緒にやった方が良いと思います。
余裕がないときだと、変に敵意を持ってしまうこともあると思うので…。本当に仲が良くて、本当に心から尊敬や信頼できる人と一緒にやることはすごくおすすめです。
「採用手法」も大事だが、「採用理由」を見つめ直す機会に
2008年のリーマンショック以来、採用市場は右肩上がりで有効求人倍率が推移しておりましたが、今回のコロナをきっかけに水準が下回り、若干ですが買い手市場に移行する傾向が出ております。
その中でも優秀な学生ほど、自分の将来へのキャリアビジョンを明白にして早期活動を開始しています。
優秀な学生はもちろん、自社に合った人財の採用のためにも、採用計画を後ろ倒しにせず例年同様に前倒しで進めていく必要があるのではないでしょうか。
市場は企業にとって質を高めるチャンスになってきています。
様々な採用手法やチャネルも年々増えてきていますが、これらの手段よりも本来の採用「理由」を見直し、自社に合った人財の採用に活かして頂ければと思います。