リファラル採用で「継続的に社員からの紹介を生み出すための3つのポイント」 |HR NOTE

リファラル採用で「継続的に社員からの紹介を生み出すための3つのポイント」 |HR NOTE

リファラル採用で「継続的に社員からの紹介を生み出すための3つのポイント」

  • 採用
  • 採用戦略・要員計画

※本記事は、株式会社ベーシックの今村龍平さんより寄稿いただいた記事を掲載しております。

こんにちは。株式会社ベーシック人事部の今村龍平と申します。

ベーシックは、BtoBのWebマーケティングツール「ferret One」、フォーム作成管理ツール「formrun」の2つのSaaS事業と、Webマーケティングメディア「ferret」をはじめとする5つのメディア事業を展開している企業です。

私は現在ベーシックで人事として、新卒採用、中途採用、リファラル採用チーム統括、制度設計・運用、PL管理などの労務以外の領域全般を担当しています。

昨今、採用のミスマッチの防止、採用コストの削減を主な目的として、リファラル採用に取り組まれている企業も増えているかと思います。

そしてこのたびのコロナショックを受けて、その必要性がより増してきているのではないかと考えています。

ベーシックでは、2019年4月より本格的にリファラル採用に取り組んだ結果、

  • 1年間で社員からの紹介数62名
  • 採用数10名(全体の採用数のうちの約4割)
  • 内定承諾率100%

という結果を収めることができました。

これまで、2回に渡って以下をお伝えしてきました。

第3回となる今回は、「継続編」と題し、リファラル採用で継続的に社員からの紹介を生むためのポイントについてご紹介したいと思います。

なお、この回をもって当連載は最後となりますので、リファラル採用全体における総括についても最後にお伝えできたらと思っています。

ポイント1:紹介したいときにすぐに紹介できるように情報を明確にする

大前提の話になりますが、社員が友人・知人を紹介しようと思った時に、どうやって紹介したらいいかが社内で明確になっていることは必須です。

ここが明確になっていないと、せっかくこれまで紹介してきたポイントで醸成してきた社員のリファラル採用に対するモチベーションを、下手すると損ないかねないからです。

特に以下の3点は明確にした上で社員に協力を仰ぎましょう。

  • 募集ポジション
  • 求める人物像
  • 紹介方法

具体的にベーシックでは、下記のようなことをおこないました。

募集ポジションについて

とてもシンプルですが、画像のように募集職種一覧で伝え、必要に応じてWebサイトに記載の求人情報を渡しました。

求める人物像について

カルチャーフィットする人材の7ヶ条」というものを作成し、「カルチャー」という感覚的に捉えがちな部分を明文化しました。

また上記「カルチャー」に関するものに加え、以下のように、募集ポジションごとに求める「経験やスキル」も明確にした上で社員に共有していました。

紹介方法について

自社が提供するフォーム作成ツールである「formrun」を使ってフォームを作成し、そちらに回答してもらう形式でおこないました。

これにより、スプレッドシートに書いてもらったり、紹介者の情報登録のための専用アプリをダウンロードしてもらったりする必要もなく、協力者が最小限の工数(2分程度)で完了できるフローにしました。

ポイント2:定期的な発信で忘れさせない

リファラル採用に限らずどのようなプロジェクトでも言えることですが、いくら熱心に導入したとしても、その後フォローを何もしなければ、時間が経つうちに往往にして忘れられてしまうものです。

このため少ししつこいくらい発信することが大切です。

その上で、「何かリファラル採用が盛り上がっているな」という状態をできるだけ作っていきましょう。

具体的にベーシックでは下記のようなことをおこないました。

  • 社員の目につく場所にイベント告知ポスターを設置
  • 毎月の全社朝礼における、前月のリファラル採用チームの活動報告と当月以降のリファラル採用イベントの案内
  • コミュニケーションツールSlackにおけるイベントの内容の周知と集客の結果報告(隔週くらいの頻度)
  • 選考状況、採用結果の随時共有(ここが一番盛り上がります)

ポイント3:協力者には心からの称賛と感謝を伝える

当然のことながら、社員の協力なくしてリファラル採用の成功はあり得ません。協力してくれた社員(以下、協力者)には、最大限の称賛と感謝を伝える場を作りましょう。

ベーシックでは四半期ごとに、全社会議におけるMVP表彰の場で協力者の表彰をおこなっています。

表彰をすることにより協力者に誇らしい気持ちを持ってもらえるだけでなく、他の社員へのリファラル採用に対する意識づけの効果も期待できます。

実際に、上記の取り組みの結果、ベーシックでは表彰の回を重ねるごとに紹介数が増えていきました。

なお、リファラル採用においては、協力者に謝礼金のようなインセンティブを渡す方式が一般的ではありますが、ベーシックでは、協力者と紹介者、そして社内のメンバーの親睦を深めるための会食に対しての補助費を支給しています。

ただ単純に協力者へ金銭で感謝の気持ちを示すだけでなく、その会食を通じて、紹介者がより早く会社に馴染めるような仕組みにしたいと考えているためです。

明瞭に・簡単に、発信し続け、盛大に称える

リファラル採用はまさに社員全員による「総力戦」であり、成果が出るまでは一定時間がかかる「長期戦」でもあります。

そのため、継続的に紹介を生み続けるためには、今回ご紹介したように、

  • 採用するポジションの明確さと紹介する方法の容易さ
  • 発信し続け、盛り上げ続ける
  • 協力者は盛大に称える

の3つがとても重要になるのです。

リファラル採用成功のポイント7つを振り返る

これまで3回に渡ってリファラル採用成功におけるポイントをご紹介してきました。最後に改めて、これまでご紹介してきたすべてのポイントを振り返ってみましょう。

✔︎ 全社に一気に展開せず、まずは小さく始める

✔︎ リファラル採用メンバーには3つの要素を持っているメンバーを巻き込む

✔︎ 意向度の向上を最優先にする

✔︎ リファラル採用の特性を活かして多面的な魅力付けをする

✔︎ 紹介したいときにすぐに紹介できるように情報を明確にする

✔︎ 定期的な発信で忘れさせない

✔︎ 協力者には称賛と感謝を伝える

これからリファラル採用に取り組まれる人事の方、既に取り組まれている方におかれましても、ベーシックで行なってきた取り組みがご参考になれば幸いです。

よりリファラル採用が加速していくことで、採用におけるミスマッチが減ることを願っています。

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