【新卒採用×プロセス改善】何をすれば学生の“感情”を動かせるのか?|アローリンク蘓 |HR NOTE

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【新卒採用×プロセス改善】何をすれば学生の“感情”を動かせるのか?|アローリンク蘓

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※本記事は、インタビューを実施したうえで記事化しております。

新卒採用の早期化が年々進む中、インターンシップや早期選考での母集団形成は非常に難しい時代が訪れています。

多くの企業が従来までの「総エントリー数を増やすこと(母集団拡大)」を行っても効果が出にくい状況のため、「集まった学生をフォローすること(歩留り改善)」に注力する必要が出てきています。

この時に「学生の感情を真に理解し採用活動をすることが重要だ」と語るのが、株式会社アローリンクでHRi事業本部の部長として企業の採用支援に携わる蘓 伸太郎(いける しんたろう)氏です。

今回は、優秀な学生の採用に悩む新卒採用担当者が注力すべき「学生フォロー」の具体施策とポイントについて伺いました。新卒採用におけるプロセスを見直している企業様は、ぜひご覧ください。

蘓 伸太郎(いける しんたろう)|株式会社アローリンク HRi事業本部 部長

2016年に携帯販売代理店テレックス関西に入社後、新卒採用を担当し内定辞退率を40%から7%に改善。グループ会社であるアローリンクで事業部を立ち上げ、”感情リクルーティング”や”採用マーケティング”を駆使して新卒採用戦略から担当者育成まで実施。不人気業界や中小企業の採用支援に強みを持ち、現在はSNSマーケティングを中心に事業支援展開しデジタルマーケティング戦略の立案や実行支援も手がける。

PRSaimane(サイマネ)|歩留まり改善で採用担当者の工数削減と成果最大化を実現する採用マネジメントサービス

「一次選考を通過したが、次の選考に来てもらえない…」
「内定を出したが承諾してもらえない…」

採用母集団は形成できているのに、なかなか次のステップに進んでもらえない「歩留まりの悪さ」に課題感を感じている採用担当者様は多いのではないでしょうか?

Saimane(サイマネ)では、従来の「母集団形成型の採用手法」ではなく、学生個人とのつながりに注力し選考参加を促進する「歩留まり改善型の採用手法」を支援しています。

学生の参加意欲を高める採用ノウハウに加え、採用戦略設計からブランディングツールの制作まで幅広いソリューションを用意。新卒採用のプロセス改善に悩む企業様を包括的にサポートします。

1. 内定承諾「貰える会社」「貰えない会社」へ2極化が進行

ー本日はよろしくお願いします。まず、蘓さんのこれまでの経歴や現在の担当領域について伺ってもよろしいでしょうか。

蘓さん:アローリンクの蘓です。私は2016年に新卒入社したのち、3年ほど採用担当として現場での採用業務に従事していました。

また、採用業務を続ける中で、同時並行で新しく事業部の立ち上げを経験させていただき、現在はその立ち上げた事業本部に席を置いています。

 

ーありがとうございます。蘓さんが採用担当だった時と比較して、最近の新卒採用(26卒採用)に関するトレンドや学生さんの就職活動についての動向に変化はありますか?

蘓さん:いわゆる「早期化」は、どんどん進んでいる傾向にあると思います。25卒採用に関するデータを見ると、約40%程度の学生が2024年3月末までに内定を持っている状態で、26卒採用に関してもこのトレンドは同様に続くと思います。

この背景には、大企業、特にBtoCサービスを持っている企業が中心となり、大学1〜2年生向けの採用活動を行うケースが増えていることが挙げられます。

これらの企業は自社の商品やサービスの認知活動の一環として採用活動を行っている部分もあり、予算を投下しやすいのだと思います。

また、これらの影響で大学1~2年生の段階で学生と接点を持つ企業が増加し、学生も「早くから就活を始めた方がいい」と考えるようになったことから、就活の開始時期はどんどん前倒しになっています。

また、早期化に伴い学生の就職活動が長期化も進んでいるため、ここ最近は学生に内定承諾を貰える会社と貰えない会社の差がはっきり広がってきた印象もありますね。

不人気業界や中小企業といった知名度が低く検索されにくい企業では、特に採用に苦労されるケースが多く、その苦労はここ1~2年でさらに加速しています。

 

ーそうですよね。今、企業の採用担当者の方々が最も課題を感じている部分はどこになるでしょうか?

蘓さん:やはり一番は、承諾をもらえるかどうか、つまり「承諾率」の部分です。広く言えば「歩留まり」の観点が非常に大きく、「次の選考に進んでもらえない」「内定を承諾してもらえない」という課題を聞くことが増えています。

現在は、たとえ一定数の候補者を集めることができたとしても、その後のステップになかなか進んでいかない状況ですので、集める段階でも苦労している企業は、なおのこと承諾率を上げるための施策を考える必要があります。

また、現在は母集団形成の施策として、さまざまなサービスが増え、良い意味でも悪い意味でも分散が進んでいます。

そもそも予算や圧倒的なリソースを投入しないと母集団を集めきれないため、長い目で見たときには、いかに「こぼれ」を少なくしていくことができるかに投資することが有効だと思います。

2. 「承諾率」を上げるためにすべきこと

ーありがとうございます。それでは、「承諾率」を上げるためには、具体的にどのような方法で学生をフォローしていくのが良いでしょうか?

蘓さん:そうですね。本来は、学生をフォローしなくても入社の意思決定をしてもらえる状態が理想です。

なので、そもそも学生をフォローしなくても問題ないような選考フローや関係構築、コミュニケーション設計をおこなう必要があります。

「学生をフォローしなければならない」という考えを持つことは、やめるべきだと感じますね(笑)。

 

蘓さん:ただ、売り手市場と言われる中において、まずは内定承諾後の「内定者期間における学生フォロー」について考える必要があります。

大切なポイントは大きく分けて3つです。

内定者期間における「学生フォロー」で意識したいポイント
  1. 縦横の繋がり:同期同士の横の繋がり、そして会社との縦の繋がりを作ること
  2. 不安払拭:適切なタイミングで必要な情報やコンテンツを提供し、学生の不安を解消できる距離感で接すること
  3. 戦力化:学生を育て、教育し、成長体験を提供すること

そして、内定を出す前については、次のように学生が会社を知るところから承諾に至るまでのプロセスをしっかり切り分けて考え、ステップを踏んでいくことが非常に大事だと考えています。

【「採用マーケティング」5つのフェーズ】
フェーズ フェーズ詳細
①認知(存在を知ってもらう)
  • SNSや採用サイト、合同説明会などで名前を見てもらうことが大切
  • 「面白そう」「気になる」と思わせる内容を発信
  • 社員の日常やオフィスの様子をSNSでシェアすると効果的
②興味・関心(興味を引く)
  • 学生が「もっと知りたい!」と思うような情報提供
  • 社員のインタビュー動画や企業の文化を垣間見れる短編映像のSNS掲載、「社員と一日過ごす」イベントやオンラインQ&Aセッションを開催
  • 学生が企業についての理解を深められる機会を提供
③理解(深い情報提供)
  • 具体的なキャリアパスや実際の業務内容、働き方に関する情報を提供
  • オープンカンパニーやインターンシップ、さらに企業の価値観や将来のビジョンを共有するワークショップなどが有効
  • 社員がどのようなキャリアを築いてきたのか、実際の事例を通じて示すなど、学生が自分の将来像をより明確に描くための「透明性」が鍵
  • 入社後の成長支援プログラム(メンター制度やトレーニングなど)についても具体的に説明し、学生に安心感を与えることが重要
④共感・ファン化(感情的なつながりを築く)
  • 学生が企業のビジョンや価値観に共感できるよう、細やかなメッセージ対応を心がける
  • インターンシップや面談の場での深い対話、特に面談では自社への動機付けだけでなく、学生自身に関心をもち就活全般のアドバイスをする立場をとる
  • 学生が自分を「企業の一員」と感じられるような体験は、企業への愛着が生まれるので効果的
    (例:インターンシップ中に重要な役割を任せ、チームの中で自分の成果が反映されるプロジェクトに取り組ませる、など)
➄訴求(最終的な決断を促す)
  • 学生に「ここで自分の未来を築きたい」と思わせるために、内定直前や内定直後にキャリアデザインや、具体的な成長プランを描かせる面談を実施し、学生が自分の将来の姿を明確にイメージできるようにする
  • 最終選考時に「3年後の自分」をテーマに具体的なキャリアプランを描いてもらい、人事担当者や部署の上司に発表する場を設けることで、学生は自分のビジョンと会社のビジョンをより具体的に共有
  • 最終面接では、本人の価値観に寄り添ったキャリアイメージの提供や、入社後の成長イメージを持たせることで、学生にとっての「入社後の道筋」を明確に

蘓さん:

重要なのは、接点を持ったタイミングで何をするかです。

「認知」フェーズに位置する会社説明会という接点のすぐ後で、最終的な決断を促す「訴求」フェーズの面接をおこなう。これでは、その間のフェーズに関する観点が抜け落ち、学生に任せきりの採用になってしまいます。

1回の選考の中でどういったコンテンツを活用するのか、出し方をどのように工夫するか、そして、どう引き込んでいくかを仕掛けることが大事です。この仕掛けがあって初めて、学生に会えていない期間にアプローチをすることが効果的になります。

会えていない期間にただ連絡を送るのは、学生にとってうざいだけ。まだ好きにもなっていない人から、いきなり「次いつ会う?」というメールが来たら嫌になるのと同じです。

学生に会った時にしっかり満足してもらい、充実した時間を提供し、気づきを与えられているかが非常に大事になります。

 

ー本当に大事だと思います。学生に満足してもらうためには、具体的にどのような仕掛けをすれば良いでしょうか?

蘓さん:まずは、会社紹介動画や社員インタビュー動画の活用について考えることから始めると良いと思います。多くの企業がこのような動画を作成はしていると思いますが、使い方は非常に雑になりがちです。

たとえば、YouTubeに載せるだけ、ホームページにリンクを貼るだけ、採用サイトに載せるだけ、SNSにURLを貼るだけ、で終わってしまっている。こうした使い方では、学生に動画を見てもらえません。

もちろん、有名な方が登場する動画は興味を引くかもしれません。しかし、知らない人が話している動画を誰が見たいと思うでしょうか?

それよりも選考で使うコンテンツとして用意し、「選考の中でどう動画を見せるか」や「動画視聴後に、学生に何をアウトプットしてもらうか」について設計することが重要だと考えています。

実際に動画を効果的に活用し「承諾率」が大幅に改善した事例も!

【事例①】
名古屋のガソリンスタンド運営企業では、承諾率44%の課題を解消するため、インターン内容を刷新し、本選考で動画を活用しました。さらに、最終選考前に2日間のワークを導入し、応募者が自身の未来と会社の成長を考える機会を提供。工数は増えましたが、内定選考期間を延ばした結果、承諾率は62.8%に向上しました。この取り組みにより、効率的かつ効果的な内定獲得が実現しました。

【事例②】
とあるパチンコホール運営企業では、学生が業界に興味を持たない課題に対し、ブランディング施策やコミュニケーション手法を動画中心にアップデート。その結果、本選考中の歩留まり率が50%未満から平均85%に改善。学生は同社がパチンコホールを運営している点や業務内容を理解した上で応募し、認識の一致が図られた状態で採用できている点が大きな成果となりました。

 

また、採用に弱い自覚のある企業の採用担当者は、「興味ないだろうけど」といった枕詞を前提に会社のことを説明しがちです。こういった枕詞は、学生さんが気づいていなかったこと、知らなかったことを暗に刷り込んでしまう可能性があります。

学生さんが「この会社って何をしている会社なんだろう?」「どんな価値観を大切にしている会社なんだろう?」と興味を持ってもらうように仕掛けることが重要ですので、採用担当者が投げかける1つ1つの言葉から設計するようにした方が良いと思います。

 

ー学生さんの興味を引くためには、どのようなことをすれば良いのでしょうか?

蘓さん:キーワードとして挙げたいのは「共感」です。

「共感」を生み出す魅力的な発信には、「私たちはこんなことやっている」といった事実ベースの情報だけでなく、「なぜこんなことをしているのか?」という想いや背景が入っています。

「何を」「なぜ」「どうして」といったストーリーで伝えることによって、最終的に学生が「自分はこんな環境で働いてみたい」と思うことができるようになります。

3. 学生の意思決定に寄り添う「感情リクルーティング」

ー学生さんに共感してもらえるような発信をするためには、学生さんのフェーズをしっかり理解する必要がありますね。

蘓さん:はい、学生がどんな感情でその会社を選ぶのか、どんな気持ちや覚悟を持って決断を下すのか理解することが非常に重要です。

私たちはこういった学生(求職者)の心情を深く理解しておこなう採用手法を「感情リクルーティング」という言葉で定義・提唱しています。

感情リクルーティングとは
感情リクルーティングとは、学生の感情に訴えかける採用戦略です。
単なる報酬や福利厚生といった物質的な条件を提示するだけでなく、求職者の心情に深く理解し、企業と個人の価値観を共有することで、より強固な関係を築くことを目指した弊社が提唱する新しい採用手法のひとつです。
*感情リクルーティングは(株)アローリンクが商標登録しています。

学生の感情を無視した採用活動は、入社後ギャップや離職を招く原因ともなります。学生が入社することに覚悟を持ってもらうためにも、自社の価値観を入社前にしっかりと伝え、その価値観に共感してもらうことが非常に大切です。

また、学生は「自分がどんな価値観を大切にしたいのか」に気づいていないケースも多いです。学生と信頼関係を築き、自身が持つ価値観への理解を深めてもらうサポートをおこなうことも大切だと思います。

このようにして、学生と良好な関係を築きながらおこなうことが感情リクルーティングの基本となります。学生の感情を加味したアプローチができているかどうか、その戦略が逆算して設計されているかが、非常に重要な要素となります。

ー感情リクルーティングおこなう際のポイントについて教えてください。

蘓さん:ポイントは、企業側のエゴが入ってしまわないようにすることです。「これを伝えたい」「これを知ってもらいたい」「こうした方が良さが伝わるだろう」といった思惑が強く出てしまわないようにすることが重要だと思います。

学生とどのように接点を持ち、どのような感情を抱かせ、何を理解してもらい、どのような行動を促すかまで設計すること。どのタイミングで何を伝えるか事前に決めておく必要があります。

 

ー感情リクルーティングのステップについて教えてください。

蘓さん:まずはインターンシップや説明会に来てもらわなければなりません。

そのために、「なぜ今このタイミングで説明会やインターンシップに参加する必要があるのか」という必要性をしっかり伝えることが必要だと思います。

次に、インターンシップや説明会に来てくれた学生には、世の中の変化やこれから必要とされる力について、また、この会社に入社することで育める力について説明します。

今の時代、学生はインターネットで会社の情報を調べることができます。だからこそ、このタイミングでしか伝えられない「なぜ私たちがこの事業をやっているのか」について理路整然と説明しなければなりません。

社会的な変化や未来に向けて会社がどう進んでいるのか、どんな挑戦をしているのかを理解してもらうことが重要です。

また、説明会では、会社の全貌や具体的な部分がクリアにならないのは、むしろ良いことだと私は思っています。まだ知らないことがあるからこそ、「もっと知りたい」という気持ちが生まれます。

学生さんが次第に興味を持って前のめりになっていくように設計することが大切になります。

そして、次の面談等のタイミングでは、入社後1~3年目の社員がどういう感情で仕事をしているのか、そしてどんなチャレンジを経験し、それをどう乗り越えているのかを伝えてあげることが必要になります。これにより、学生さんはより具体的にイメージし、共感を深めることができます。

そして、その後の選考では、面接官が学生の「やりたいこと」を引き出していく。理想としては、面接の前に動画選考を取り入れ、社員のリアルな部分を深く理解できるようにすると効果的だと思います。

 

ー学生さんが社員のリアルを理解するための動画選考とは、どういうものになるのでしょうか?

蘓さん:学生に動画を見てもらい、その動画を元に問いを立て、その問いに対するアウトプットを聞き、その後フィードバックを与える、という流れになります。

動画に対して学生さんが自分の考えを表現し、それに対して適切なフィードバックをすることで、彼らの成長を促すことができるだけでなく、会社と学生の相互理解も深まります。

私たちの場合は、社員インタビューの内容を元に1本の小説を作り、その小説を基に動画を作成しています。それを学生に見てもらった上で、「あなたならこの時どう思いますか?」という問いを投げかけて、学生の反応を見ます。

【小説を基にした動画のイメージ】

※実際の動画をご覧になりたい方は、下記URLよりお気軽にお問い合わせください。
URL:https://www.arrowlink.co.jp/saimane/

ーとても没入感があって、学生に強い印象を与えることができますね。

蘓さん:はい、ただテキストを読むのではなく、動画であることでより鮮明にイメージを掴んでもらうことができます。

動画には、必ずネガティブな要素も取り入れます。社員が業務上で実際に陥った体験やそのときの心情を具体的に表現し、その感情を学生に伝えます。

たとえばお客様からクレームを受けたときに、

  • 自分がどのように対応したか
  • そして先輩の指導を受けて何を学んだか
  • 次に同じような案件が発生したときにどう対応するか

という流れで見せてあげることで、「こういう対応をすればいいんだ」と気づくことができ、リアルな経験として学ぶことができます。

 

ーなるほど。ここで、この企業で働いた際のリアルな情報を学生に伝えられるということなんですね。

蘓さん:その通りですね。こういった仕掛けがない場合、学生に会社のリアルな情報が伝わっていると思っていても、実際には伝わっていなかったという場合が非常に多いと思います。

また、最近では、職種を変えるなどで複数パターンの動画を用意し、それらを全て見てもらった後で、「これまで見た動画に共通していることは何だと思いますか?」といった問いを投げかけることをやっています。

この問いに対して学生が出した答えは、その学生が企業に共感しているポイントであり、志望動機につながる内容になります。つまり、この答えをもとに、その学生が企業に対してどう感じているかを知ることができるのです。

こうしたプロセスを通じて、学生の志望動機が自然に形成されると、面接の質は格段に向上します。面接を通じて相互理解が深まり、最終的には「共感」に繋がる流れが出来上がります。

4. 落とし穴は「学生と会えていない期間」にもあり

ー学生さんと接するときに行うべき内容を事前に設計しておく重要性を改めて感じました。他にも学生さんと接する上で気を付けるべきポイントがあれば教えていただきたいです。

蘓さん:そうですね。学生さんと会えている時はうまくいっているが、会えていない期間が空白になりがちな企業も非常に多いですね。

会えている期間にしっかりとした関係を築けている。だからこそ、会えない期間にもアプローチを続けておかないと、学生さんに忘れられてしまう可能性があります。

これに関しては、シンプルに「接触回数」が重要です。

学生さんとのやり取りをきちんと行う。しかし、この「きちんとやる」をできていない企業が非常に多いと感じます。

たとえば、

  • 学生さんが訪問してくれた翌日、もしくはその日の夕方には「今日は来てくれてありがとう」というお礼の連絡をする。
  • 次の予定が決まっていなければ、その予定をどうするか後追いの連絡を入れる。決まっている場合は「この日で席を確保しているよ」といった連絡をしっかり伝える。
  • 次回の訪問日までの間にはリマインドの連絡を入れる。

こうした一連の対応が大事なことはわかっているけれども、実際にやりきれていない企業がとても多いです。

また、就活サイトなどの、わざわざログインしなければ見られない場所に情報を発信していたり、メールボックスを切り替えないと確認できない状態になっていたりすると、関係構築はうまくいきません。

選考プロセスの途中で接触回数が減ってしまうケースは特に注意すべきで、採用活動が一見順調に進んでいるように見えても、実際に蓋を開けてみたら全然進んでいない、という事態が起きないようにしなければなりません。

 

ーありがとうございます。会えている時も会えていない時も、学生さんとの関係構築を最優先に考えなければなりませんね。

蘓さん:最終的には、入社した学生が入社後に活躍し続ける状態が理想です。ただ、それを実現するためには、学生本人が覚悟を持って入社するサポートをおこなうことが非常に重要だと思います。

アローリンクでは、「4月が待ち遠しいと思える未来を創る」というvisionを掲げています。「4月」は新社会人としてのスタートを迎える月で、学生さんたちには「4月が楽しみだ」「社会人になるのが待ち遠しい」と感じてもらえるような気持ちを育んでほしいと思っています。

一方で、企業側にも「この学生さんたちが入社してくれる4月が楽しみだ」と思ってもらいたい。たとえば「この子たちが加われば会社がもっと成長する」「新しい風を吹き込んでくれる」という期待感を生み出したいと考えています。

学生と企業の両方が4月を心待ちにする関係性を築き、新しい一歩を共に踏み出せるような未来を実現することを目標に、これからも企業様の採用支援をしていきたいと思います。

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