産休中の年末調整はどうする?還付金や受けられる控除、扶養控除の書き方を解説! |HR NOTE

産休中の年末調整はどうする?還付金や受けられる控除、扶養控除の書き方を解説! |HR NOTE

産休中の年末調整はどうする?還付金や受けられる控除、扶養控除の書き方を解説!

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年末調整は、雇用主の義務であり、基本的に一人ひとりの従業員に対して実施する必要があります。しかし、産休中の従業員の年末調整の手続き方法は、一般的な従業員と異なることもあります。当記事では、産休中の従業員の年末調整の必要性や手続き方法などについてわかりやすく解説します。産休中の年末調整の扱い方について知りたい方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

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1. 産休中・育休中も年末調整は必要?

産休中および育休中の従業員であっても年末調整は、原則として必要です。1年を通じて勤務している人は年末調整の対象になるため、会社は産休中の従業員に対しても年末調整をおこなう義務があります。年末調整を受けるには、「扶養控除等(異動)申告書」などの書類が必要になるため、産休中の従業員から期限に間に合うように提出してもらいましょう。

ただし、下記のような場合には、年末調整の対象外となるため、年末調整をおこなう必要はありません。

  • 年収が2000万円を超える人
  • 2カ所以上から給与の支払いを受けていて主たる勤務先で年末調整をする人
  • 災害減免法の規定により、その年の給与に対する源泉徴収の猶予や還付を受けた人
  • 非居住者

ただし、上記のような場合には、そもそも年末調整の対象外となるため、年末調整をおこなう必要はありません。

2. 産休・育休中には年末調整で還付金がもらえる場合ともらえない場合がある

年末調整では、その年の1月1日から12月31日までの納めるべき所得税(復興特別所得税を含む)の総額を計算し、それまでに源泉徴収をおこなっていた税額の合計と比べて、過不足金額がある場合には精算をおこないます。

たとえば、その年の途中に従業員が産休や育休に入り、前年よりも収入が減少した場合には、源泉徴収により税金が多く徴収されているという可能性があります。そこで年末調整をおこなうことにより、実際に納めるべき税額と既に支払った税額との差額が還付されるのです。

また、年末調整では、扶養控除や配偶者控除など、さまざまな控除を受けられます。

このように、産休・育休中の従業員であっても、年末調整をおこなうべきといえるでしょう。

3. 産休中や育休中に年末調整で受けられる控除

ここでは、産休中や育休中に年末調整で受けられる主な控除について詳しく紹介します。

3-1. 配偶者控除・配偶者特別控除

配偶者控除や配偶者特別控除は、所得税法上の控除対象配偶者がいる場合に、年末調整で一定金額の所得控除を受けられます。

ただし、控除を受ける従業員の合計所得金額が1,000万円以下である必要があります。また、配偶者は控除を受ける従業員と生計を一つにしていることが条件です。

また、配偶者控除を受ける場合は、合計所得金額が48万円以下の場合に受け取ることができます。配偶者特別控除は合計所得金額が48万円を超え、133万円以下の場合が対象です。加えて、配偶者は、青色事業専従者としてその年に給与の支払いを受けていないことや、白色申告者の事業専従者ではないことも条件になります。

3-2. 住宅ローン控除(初回)

住宅ローン控除を初めて受ける場合には、年末調整では対応できないため、自分で確定申告をおこなう必要があります。なお、2回目以降は、年末調整で控除を受けられます。

住宅ローン控除を受けるには、所得が2,000万円以下であることや、返済期間が10年以上など、さまざまな要件があるため、注意が必要です。

3-3. 住宅ローン控除(2回目以降)

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、マイホームの取得や増改築等住宅の購入などをおこなう際に、ローンを組み、返済をおこなっている場合に、一定の要件を満たすことで受けられる控除です。なお、住宅ローン控除では、2年目以降は年末調整で対応できます。

産休中でも、住宅ローン控除の対象者であれば、場合によっては控除を受けて、節税をおこなうことが可能です。

3-4. 保険料控除

保険料控除は、生命保険や地震保険などに加入している場合に、支払った保険料に応じて一定額まで受けられる控除です。

なお、生命保険料控除では、平成23年12月31日以前に契約した場合(旧契約)と、それより後に契約した場合(新契約)で控除額は変わるため、注意する必要があります。

4. 産休・育休中の手当ては年末調整の対象になる?

ここでは、産休・育休中の手当ては、年末調整の対象になるのかどうかについて詳しく紹介します。

4-1. 育児休業給付金

育児休業給付金には、所得税がかからないため、年末調整の対象にはなりません。

育児休業給付金は、雇用保険の被保険者であり、1歳(一定の要件を満たす場合には1歳2カ月、1歳6カ月、もしくは2歳)に満たない子どもを養育するために育児休業を取得し、給与の低下など、一定の要件を満たすことで受け取れます。

なお、育児休業給付金を受け取るには、育児休業を開始する前の2年間に、就業日(賃金支払基礎日数)が11日以上ある月が12カ月以上あることも条件の一つです。

4-2. 出産手当金

出産手当金には、所得税がかからないため、年末調整の対象にはなりません。

出産手当金は、健康保険の被保険者であり、出産のために会社を休み、その期間に給与の支払いがなかった場合に、出産日以前の42日間(多胎妊娠の場合には98日間)から出産の翌日以後の56日間までの範囲で支給されます。

なお、実際の出産が予定日より後の場合には、出産予定日を基準とします。また、出産予定日より遅れた場合には、その遅れた期間についても、出産手当金が支給されます。

4-3. 出産育児一時金

出産育児一時金には、所得税がかからないため、年末調整の対象にはなりません。

出産育児一時金は、健康保険の被保険者もしくは、その被扶養者が出産したときに、出産にかかる費用に充てるために、1児につき42万円が支給されます。ただし、産科医療補償制度に加入していない医療機関などで出産する場合、支給額は40.8万円です。

5. 年末調整ではなく確定申告が必要となる控除

ここでは、確定申告をおこなければ適用できない控除について詳しく紹介します。

5-1. 医療費控除

医療費控除を受けたい場合には、年末調整では対応できないため、自分で確定申告をおこなう必要があります。

医療費控除は、その年の1月1日から12月31日までに、自己または自己と生計を一にする配偶者やその他親族のために医療費を支払った場合、医療費が10万円(または年間所得の5%より少ない方)を超えるとき、上限200万円までが課税所得額から控除されます。なお、医療費控除を受ける代わりに、セルフメディケーション税制を受けることも可能です。

5-2. ふるさと納税などの寄付金控除

寄付金控除を受けたい場合には、年末調整では対応できないため、自分で確定申告をおこなう必要があります。ただし、ふるさと納税をおこなう場合、ワンストップ特例制度を利用すれば、確定申告をしなくても、ふるさと納税の控除を受けられます。

寄付金控除は、国や地方公共団体、特定公益増進法人などに、寄附をおこなった場合に受けられます。

6. 産休・育休中の年末調整の手続き方法

産休や育休を取得中の従業員は、基本的にほかの一般従業員と同様の方法や期間で、年末調整をおこないます。

ここでは、産休・育休中の従業員の年末調整において必要な手続きについて詳しく紹介します。

6-1. 配偶者の扶養に入る場合の対応

配偶者の扶養に入ったときでも、企業に在籍している場合、産休中でも年末調整をおこなったほうがよいケースがあります。たとえば、産休や育休によりその年の収入が減少した場合には、配偶者の扶養に入ることで、配偶者(特別)控除を受けられるかもしれません。

この場合、配偶者(特別)控除は、扶養者である配偶者の年末調整で申告できます。一方、被扶養者である産休中の従業員の年末調整では申告できないことになります。

6-2. 子どもが生まれた場合の対応

子どもが生まれたとしても、その年の年末調整の扶養控除を受けられません。控除対象扶養親族は、扶養親族のうち、その年の12月31日時点の年齢が16歳以上の人です。

生まれたばかりの子どもは16未満であり、控除対象扶養親族に該当しないため、扶養控除を適用できません。ただし、扶養控除は受けられないとしても、「扶養控除等(異動)申告書」の「16歳未満の扶養親族」の欄への記載は忘れないようにしましょう。

6-3. 年末調整に間に合わなかった場合の対処法

所得税を精算するための手続きには、年末調整だけではなく確定申告もあります。会社員のような給与所得者の場合は会社の年末調整を受けることで所得税の納付が完了しますが、自営業者は年末調整がないため、確定申告をおこなうことで所得税の納付をおこないます。

しかし、確定申告は自営業者のためだけではなく、給与所得者も住宅ローン控除を受ける場合や医療費控除を受ける場合になどにもおこなわれます。

そして、育休中に何らかの理由で会社の年末調整に間に合わなかった場合も、翌年の2月15日から3月14日(期間が延長される場合もあり)の間に確定申告をすれば、還付を受けたり追徴をおこなうことができます。

なお、すでに育休や産休が終わっている人でも所得税の還付金は5年前までさかのぼって受けることが可能です。

7. 産休中・育休中の年末調整に関するよくある質問

産休や育休は人生のうちに1回あるいは数回ほどしか経験しないことであるため、不明点が多く不安になる方も少なくありません。ここからは、産休中・育休中の年末調整に関するよくある質問について回答します。

7-1. 産休中に収入がなくても年末調整はできる?

産休中に収入がなくても、「扶養控除等(異動)申告書」などの必要書類を勤務先に提出すれば、年末調整をおこなうことができます。

産休中でその年に収入がない場合には、給与所得や源泉所得税額といった欄には0(ゼロ)が記載されて、源泉徴収票が作成・交付されます。

また、その年に収入がない場合には、所得税の精算は不要です。しかし、「扶養控除等(異動)申告書」を勤務先へ提出すれば、翌年の源泉徴収がおこなわれるときに、扶養控除の内容が反映されます。

7-2. 配偶者控除を受ける場合社会保険はどうなる?

自分の勤め先で社会保険に加入している場合、配偶者控除を受けるために配偶者側に社会保険を変更する必要があるのかという質問です。

結論から言うと、変更する必要はありません。それは、税金と社会保険の扶養とは別のものであるためです。育休取得者は、自分の勤務先の健康保険と厚生年金に継続して加入しておいて問題ありません。

7-3. 夫は妻が控除できなかった住宅ローン控除ができる?

住宅ローンを夫婦連帯債務で借りている場合によくある質問ですが、妻の分の控除は妻の側でしかおこなうことはできません。

そのため、夫婦で住宅ローンを借りる際は、住宅ローンの負担をどちらがどれだけ負担するかをよく検討しておくことをおすすめします。住宅ローンを借りてすぐに産休や育休になる場合、その間は住宅ローン控除はできなくなってしまうため、より多く控除を受けたいと考えるのであれば住宅ローンを借りるタイミングについてもよく考える必要があるでしょう。

7-4. 出産や育児のために退職をした場合どうなる?

産休や育休を取得するつもりで仕事を続けていた人が、妊娠中や出産後に仕事への考え方が変わったり、何らかの理由で退職をするケースもあります。

このような場合、年末調整の対象となるのは、「1年を通して勤務している人」や「1年の途中で入社して12月末まで勤務している人」です。つまり、産休や育休を取得している間であっても、その年の12月末の時点で退職しているのであれば、年末調整の対象外となります。

12月末の時点で退職をしている人は、翌年の、翌年の2月15日から3月14日(期間が延長される場合もあり)の間に確定申告をし、自分で還付を受けたり追徴をおこないましょう。

8. 産休中の年末調整を理解して手続きを正しくおこなおう!

産休中の従業員の年末調整は、対象外になる場合を除いて必要です。産休中に年末調整をおこなうことで、場合によっては、各種控除や納め過ぎた所得税の還付を受けることができます。

なお、産休中には、育児休業給付金や出産手当金、出産育児一時金といった手当てが支給されることがありますが、いずれも所得税がかからないため、年末調整での申告は不要です。

産休中の従業員は、ほかの一般的な従業員と年末調整の手続きはほとんど変わりません。ただし、配偶者の扶養に入る場合や、子どもが生まれた場合には、手続き方法において注意点があるため、正しい知識を身に付けることが大切です。

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